時空門の創造ってチートですよね?
「朝だ!!朝だ!!朝だ〜!!」
太陽は自室のベッドから跳ね起きる。
生憎、両親は早朝から仕事に出ており太陽を咎めるものは誰1人としていない。
太陽は壁にハンガーでかけられている雄英高校の制服を手に取り袖を通す。
「よしっ!!今日も元気に行ってみよ〜!!」
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今日こそ早く起きることができた太陽は《門の創造》を使うことなく登校していた。
まぁ、地面を歩くことはせずにシャンタク鳥に跨って空を飛んでいるのだが。
「さぁ、いいところまで運んでね!!鶏肉!!」
普通ペットにつけるようなものではない名前で呼ばれたシャンタク鳥は嬉しそうに鳴く。
その鳴き声は近くを飛んでいた鳥の精神を狂わせてどんどん地に落としていく。
その鳴き声を1番近くで聞いている太陽は何食わぬ顔で前を見ている。
シャンタク鳥はグングンと速度を上げて進む。
「おっと、ここまででいいよ。それじゃあ《退散》」
太陽はある地点につくといきなりシャンタク鳥の背中から飛び降りる*1。
それと同時に紡がれた《退散》の呪文によってシャンタク鳥は消え去る。
上空1000mを飛んでいた太陽は重力によって地面へと自由落下を始める。
一方そのその頃地上では………
「あの、オールマイトの授業はどんな感じですか?」
「〝平和の象徴〟が教壇に立っていると言うことで様子はどんな感じ?」
「教師オールマイトについてどう思う?」
登校をする生徒に群がるようにマスコミが挙ってインタビューをしていた。
我先にとインタビューする姿はとても醜い。
雄英生は真面目にインタビューに答える者とはぐらかしたり面倒くさそうに素通りする者などに分かれている。
マスコミはやってくる情報源に夢中になりながらインタビューをしまくる。
軽くあしらわれることもあるが根気強くやる。
「おっはよう〜ございま〜す!!」
そんな中、マスコミの頭上から声が聞こえる。
咄嗟に上を向くと何かが落ちてくる。
それはマスコミの間を縫って地面に落ちる。
「ふぅ〜。ギリセーフ?」
落ちてきた人はマスコミがインタビューしていた人と同じ雄英の制服を着ている。
そこまでは普通だ。しかし、その人物が立っているところが異様。
地面50cm空中に立っている。個性なのだろう。それで地面にぶつかる衝撃を相殺しているのだろう。
1人のマスコミがインタビューを試みる。
「あ、あの〜。インタビュー宜しいですか?」
「ん?いいよ!」
「それでは……オールマイトが教師になったということですが、授業はどうですか?」
その人物は考え込む様子を見せるとポケットからマリトッツォを取り出す。
「このマリトッツォみたいなものです!!……そもそも、マリトッツォというものは全ての根幹をなすものです。こんな言葉があります。マリトッツォとは『一にして全、全にして一』と。その言葉の通りこの世界のものは全てマリトッツォでできているのです。このコンクリートも家も人間すらも!!さぁ、あなたも叫びましょう!!マリトッツォ最高!!と、マリトッツォ様こそ全ての根源である!!と」
一呼吸で言い切る。
突如語られた意味のわからない思想。
インタビューした人もそれを聞いていた人も頭のハテナを浮かべる。
「夢見。お前、時間ギリギリだからな」
「うおっ!?相澤先生じゃあないですか!?…やめて?!襟を引っ張らないで!!伸びる伸びる」
「黙れ。さっさといくぞ」
無精髭の生えた汚い大人が太陽を引っ張って雄英に入っていく。
その間もマスコミはマリトッツォに思考のほぼ全てを奪われていた。
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HRが始まると相澤先生が教卓に立って話し出す。
「今日はクラス委員長を決める」
「「学校っぽいの来たーー!!」」
「おらぁ!!ロイヤルストレートフラッシュじゃあ!!」
1人だけ全く違うことを叫ぶ。
クラスメイトが其方を向くと1人でトランプを机の上に置いてインディアンポーカーをしている太陽の姿がある。
掛け金はマリトッツォらしくマリトッツォが縦に積み重なっている。そんなふうになっているにも関わらずマリトッツォは全部その形を保っている。
「なんだお前ら?あげないぞ!?」
「いやいやいやいや!!なんだよ!?そのマリトッツォ!!なんでその形で積み上がるんだ!?」
「それよりもそのマリトッツォ!!なんて綺麗な黄金比なんだ!?いつもお菓子を作っている俺だからわかる。どれだけの職人が作ったんだ!?」
「「そこじゃないだろ!!」」
コントのように盛り上がる教室。
「それよりも早く委員長決めた方がいいんじゃないのか?俺はやらないが」
「お前がいうか?それ。いやでも、その通りなんだよなぁ」
「早く決めいないと俺が適当に決めるからな〜。あと、夢見。それひとつよこせ」
「イエッサー」
太陽から貰ったマリトッツォを頬張りながら相澤先生が話す。
マリトッツォを手渡したまま太陽が教卓に立つ。
「さて、一切委員長をやる気がない俺が取り仕切ってやろう。それじゃあ、委員長をしたい奴は?手を上げな」
「「はいっ!!」」
全員の手が上がる。
特に飯田の手は綺麗にピンッと立っている。芸術的だ。
太陽はその様子を見てため息をつく。
「はぁ、めんどくさ。それじゃあ、適当に話し合って決めて」
「「???」」
この時クラスの想いは一つになった。
((お前は何をしに来た!?))
と。
その後、話し合って投票で決めることになった。
1人一票、自投票ありというルールのもと全員に紙が手渡される。
ちゃんと太陽にも渡る。
「では、書いた人からこの箱に入れていってください」
投票用紙を作り出した八百万が最後に箱を作ってそういう。
全員無言になって誰に投票するか悩む。
コロコロコロと何かが転がる音が響く。
誰もが不思議に思って振り向くといつの間にかマリトッツォとトランプをしまった太陽がサイコロ*2を転がしている。
サイコロのでた目を見て太陽は投票用紙に誰かの名前を書いて箱に入れた。
((こいつ、サイコロで決めた!?))
一世一代の委員長決めを太陽はランダムで決めたのだ。
投票も終わった太陽はおどろおどろしい本を出して読んでいる。
結果、緑谷が3票で1番多く委員長になった。
次点で八百万が2票だったため副委員長に決まった。
誰よりも委員長になりたかったであろう飯田は膝から崩れ落ちている。
「くっ……やはり自分ではなく人に投票したのがいけなかったのか」
「いやいや、飯田もいい委員長になれると思ったんだけどな。元気出せよ。マリトッツォ食うか?」
「励ましてくれてありがとう。夢見くん。マリトッツォは遠慮しておくよ」
ポケットからマリトッツォを取り出して落ち込んでいる飯田を励ます太陽。
もう誰もポケットからマリトッツォを取り出していることを指摘しない。慣れとは恐ろしいものだ。
ふと疑問に思った飯田は太陽に質問をする。
「そういえば夢見くん。君は誰に入れたのかい?」
「え。そんなの飯田くん!!君だよ?!」
「本当かい!?唯一の1票が君だなんて。感極まるよ!!」
誰もそれをサイコロで決めたなんて無粋なことは指摘しない。
飯田が喜んでいるならそれでいいのだろう。
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午前中の授業が終わり昼食の時間になった。
太陽は昨日と同じく水筒*3を持って食堂へ来ていた。
あいも変わらず繁盛している食堂で目を凝らして誰かを探す。
「あ!!心操くん!!みっけ!!」
食券の販売機の最後尾に並んでいる心操を発見する。
太陽は周りの邪魔にならないような速度で心操に忍び寄る。
「ヤッホー!!心操く〜ん!!」
「んな!?」
背後から抱きつく。
体幹がしっかりしており太陽の体重程度ではびくともしない。
いきなり抱きつかれて驚いた心操は振り向く。
「お前か!?何しやがんだ!?」
「え、心操くんの背中が抱きついて欲しそうだったから!てへっ」
「男がやっても可愛くねぇんだよ」
「いやいや、心操くん顔赤いじゃん」
「イラついてんだよ!!」
「えぇ、大丈夫?煮干し食べる?」
「誰のせいだよ!誰の!」
太陽が煽り心操が言い返す。言い争いをしていると突如、警報が鳴り響く。
「なんだ?」
「心操くん、何か知らない?」
「知るわけねぇだろ」
『セキュリティーⅢが突破されました。繰り返します。セキュリティーⅢが突破されました』
唐突に起きた警報。食堂にいた生徒はパニックになり我先にと出口に走り出す。
その際に転ぶ人や圧迫される人が現れ出す。
「ヤベェな」
「心操くん。どうにかして。俺は原因を見てくる」
「はぁ!?」
「心操くんのことを信じてるから!!……《門の創造》」
太陽はそういうと地面に吸い込まれるように消える。
心操はため息を一つつくと目を見開く。
「はぁ、ヒーロー科に言われちゃあ。やるしかないな………おい!無能の雄英生!!」
「「ああ?」」
心操の近くにいるまだパニックになりきっていない数十人が聞き返す。
ニヤリと顔を歪めて言葉を紡ぐ。
「邪魔にならないところに避けろ」
心操がそういうとその数十人は機械のように固まりその言葉に従って出口から遠いところに移動する。
まだまだ入り口に向かう人は多いが、それでも先ほどよりも空間が空く。
───もう一回。
と思いもう一度声を出そうとした時、眼鏡の生徒が飛び上がる。
そして非常口マークのように手足を曲げながら大声を上げる。
「みなさ〜ん!!これはマスコミの騒ぎで〜す!!ですから落ち着いてくださ〜い!!!」
その言葉を聞いてだんだんと騒ぎは鎮静化する。
心操はその生徒を見ながらため息を吐く。
「やっぱ、ヒーロー科は違うな」
それはどこか諦めが混じった発言。
自分とヒーロー科との違いを見せつけられた気がしていた。
「……あの、あなたですよね?あの人たちを寄せてくれたの」
「え…」
「ありがとう!あなたのおかげで助かった」
後ろから心操に話しかける声がする。
振り向くと1人の普通科の生徒がいる。
その生徒は心操に感謝の言葉を告げる。
その言葉は歪んでいた心操の心に深く突き刺さる。
「当たり前のことをしただけだ」
心操はその生徒に背中を向けてパニックの治った食堂を後にする。
「ガチでやってやるか。ヒーロー目指して」
心操の心にはもう人を見下すような想いは消え去っていた。そして前以上のヒーローになる意思があった。
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心操にめっちゃいい話があった頃。太陽は………
「みなさ〜ん!!マリトッツォはいかがですか〜!?!?」
「「うぎゃー!?マリトッツォお化けだー!?」」
マリトッツォをマスコミの口に押し込んでいた。
「マリトッツォはいかが〜!?タピオカもあるよ〜!!…あれ?」
走り回りながらマリトッツォを透明なタピオカをマスコミの口に押し込んでいく太陽。
目敏い太陽は1人の青年に目がいく。
全身に手をつけている原宿でも見ない奇抜なファッションをした青年が雄英敷地内に行く。
(あれれ〜?おっかしいな〜?絶対黒幕じゃん。殴りに行こ)
やることを決めた太陽は忍び歩きと隠れるを併用して青年の後を追う。
その青年が着いたのは雄英高校の職員室。
マスコミに対応に追われて誰もいない職員室をその青年はガサゴソと漁る。
そして一つの書類を手に取る。
「おらぁ!!先制攻撃!!マーシャルアーツ+跳躍+キック*4!!*5」
「ぐはっ」
職員室の扉から綺麗なライダーキックをかます太陽。
唐突すぎて回避することができない青年はその蹴りをモロに喰らう。
「ふぅ、やったか?」
「なんなんだよ!!なんでここに人がいるんだよー!?」
まだギリギリ生きていた青年は癇癪を起こすように文句を言う。
「お前がいるところに俺がいる。それが自然の摂理*6」
「何言ってんだ!?お前」
「さて、お前の罪を数えろ。今からぶっ殺す」
太陽が飛び掛かろうとした時、青年の背後に黒いモヤが現れる。
そのモヤの中から全身がモヤでできた異形の存在が現れる。
「弔。手に入れるものは手に入ったので帰りますよ」
「チッ!…次あったらぶっ殺す」
「ばいば〜い!!マリトッツォあげるね!!」
太陽はマリトッツォを2つ投げる。
それは綺麗な放物線を描いて2人の顔にぶつかる。
「マジで、お前ぶっ殺す!!」
「やめなさい!弔!!」
「黒霧。お前はぶつかんないからいいだろ!!」
「さっさと帰りますよ!!」
そのままモヤは消えていく。
「うわ〜、負け犬の遠吠え乙!!」
「おい、何やってんだ?」
屈伸運動をしながら煽っていると背後から相澤先生に叩かれる。
振り向くと相澤先生以外の先生も勢揃いしている。
「何をしていたか……全身に手をつけた変なやつとバトってました!!」
「はぁ……お前、今から校長室行くぞ」
「うっす」
相澤先生にドナドナされて校長室に辿り着く。
校長室の机にはネズミが座っている。
「あ、害獣」
「校長だ」
再度叩かれる。
校長と呼ばれたネズミは流暢な日本語で喋る。
「HAHAHA!!今年の入学生は元気がいいね!!」
「畜生が喋った!?」
「だから、校長って言ってんだろ」
またもや頭を叩かれる。
校長は笑いながら許してくれる。
「HAHAHA!よく言われるのさ!!それより、君が見たと言う
「ふむ……あれ
「そりゃあ、勝手に校舎に侵入する奴は
「確かに」
太陽は腕を組んで考える様子を出すと、一つの薬を取り出す。
「てってれてってて〜!!冥王星の薬!!の劣化版!!」
「なんだいそれは?」
「簡単に言うとこの薬を飲んでから数分間過去に戻れます。やったね」
「はぁ!?」
「どう言うことなのさ!?」
「説明の通り、過去に戻れます。この薬は俺とあの手人間が出会うところまで戻るようにしてますね。細かいことはもういいのでほら飲んだ飲んだ」
「「んぐっ!?」」
「因みに、過去は変えられないので」
太陽に丸薬を飲まされた2人はその場から消える。
そして数秒後、全く同じ場所に戻ってくる。
「はぁはぁ、本当のことだった……」
「信じられないのさ」
「どうでしたか?ちゃんと見られました?」
息を整えて校長が話す。
今も信じられない顔をしているが説明はちゃんとする。
「ちゃんと見ることができたのさ!!ありがとう?夢見くん!!これでちゃんと対策を取ることができるのさ!!」
「俺も信じられないが本当に見れた。一応礼を言っておく」
「いえいえ、じゃあ俺は授業に行くんで!!」
太陽が校長室から出ていく。
後に残った2人は顔を見合わせてため息をつく。
「あのこが
「本当です」
「ちゃんと指導を頑張って欲しいのさ」
「わかってますよ。俺のクラスから絶対に
帰りのHRで緑谷が飯田に委員長の座を明け渡し、今日は終わった。
帰りは真面目に歩いて帰る太陽であった。
心操くんが主人公みたいな雰囲気を出して今回は終わりです。
心操くん、結構好きなキャラなんですよね。これからも真面目に努力して頑張ってほしい。