バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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注意:大門 徹君とのバトルはカットされました。
徹「バカな!?」


料理人の心構え

和真「もらったぁっ!」

 

〈和真〉の槍が身に纏っている鎧ごと〈徹〉を貫く。意気揚々と勝負を引き受けた徹であったが、割と一方的な展開で決着が着いた。

 

徹「くっ、僕の負けか…相変わらず無駄に操作がうまい…」

和真「まあキャリアが違うからな」

 

同学年で和真ほどフリスペを利用している生徒はいない。召喚獣を手に入れたときから週に四回ほどのペースで誰かと闘っている。そのお陰で和真の召喚獣の操作技術は学年でもトップクラスだ。まあ間違いなくトップではないのだが。

 

工藤「それにしても…このフリースペース、利用者が和真君ぐらいしかいないのになんで設置し続けているのかな?結構場所もとるのに」

優子「言われてみれば……なんでかしら?」

蒼介「それはこの装置が生徒の学力向上に貢献しているからだろう」

飛鳥「え?そうなの?」

徹「あんまり使われてないのにかい?」

 

不思議そうにしている四人に蒼介は説明する。

そもそもこの装置は利用されなくてもいいのだ。正確にはこれを設置しているだけで効果がある。

成績上位者はあまり利用しない、といってももしかしたら利用しているかもしれない。成績不良者は職員室など行きたがらないので確認するすべもない。

言うまでもなく試召戦争を仕掛けたがるのは下位クラスが多い。上位クラスに勝つためには成績か操作技術、どちらかを向上させる必要がある。しかし成績不良者はフリスペを利用できないので操作技術を上げる機会は中々巡ってこない。

もし成績優秀者がフリスペを利用しているなら、成績だけじゃなく操作技術も劣ってしまうことになる。操作技術で勝てない以上、試召戦争に本気で勝とうとしているなら、自ずと成績を上げようとする。反対に、成績優秀者も自分達の設備を守るために勉強を怠らないようにするだろう。

結果、生徒の学習意識の向上に繋がるのだ。

 

優子「…なるほど。この装置はモチベーションの向上に関わっているわけね」

蒼介「そういうことだ」

和真「まあいい暇潰しになるならなんだっていいぜ。じゃあ俺そろそろ屋上に行くわ。ミーティングもするだろうしな」

 

そう言って和真はAクラスメンバーと別れ、屋上に向かう。

 

 

 

 

和真「おーっす。揃ってんな!」

島田「あっ柊、どこ行ってたのよ!せっかく瑞希が皆にお弁当作って来てくれてたのに!」

和真「あー、すまんすまんす、フリスペで徹とバトってた」

 

大して悪びれていない態度で謝罪しながら、和真は明久達とアイコンタクトで会話する。地味にすごい技術である。

 

明久(和真!君がいない間僕達は死ぬところだったんだよ!ハッまさかキサマ、いつもの勘で事前に察知して一人だけ逃げやがったな!?)

和真(悪かったって。ごめん、わりぃ、すまねえ、許せ。ところで何があった?)

 

明久達は姫路の料理が殺戮兵器であったことを説明した。アイコンタクトで。

 

和真(おいおいシャレになんねぇぞそれ…味見の段階でおかしいって気付くだろ…まさか姫路の味覚がぶっ壊れてやがんのか?)

雄二(それがな、姫路は太るのを気にして味見してないらしいんだ)

和真(……………………) 

 

信じられないとはまかりに思わず絶句する和真。

 

和真(俺、姫路に言いたいことがあるから行ってくる)

明久(なにいってんのさ和真!?そんなことしたら姫路さんが傷ついちゃうじゃないか!)

 

劇物を食べさせられかけた相手を庇うとは、どこまでも女子に甘い男である。しかし和真はそんな明久に深刻な表情で言い返す。

 

和真(そんなこと気にしてる場合じゃねぇんだよ!いいか、このことが蒼介の耳に入れば姫路は死ぬ)

明久(え、えええええ!?なんで!?)

和真(蒼介が住んでいる家はこの辺りでも有名な由緒正しい料亭だ。あいつも幼い頃に母親に料理を教わったらしく、料理というものに敬意を払っている。そんなあいつが姫路が食べ物に劇物を混ぜ、あまつさえ味見もせずに人に食べさせたなんてことを聞いたら…姫路の奴、スープのだしにされるぞ)

 

男子一同(スープのだしに!?)

 

戦慄する明久達。実のところ、流石にそこまではされないのだが明久達を納得させるため話を盛る和真。仮に蒼介がそんなことをしても、財閥の金と権力で事件を揉み消すことができるだけに信憑性がある。嫌な時代になったものだ。

 

和真(心配すんな、姫路を傷つけはしねーよ。俺に任せとけって)

明久(わ、わかったよ……)

 

アイコンタクト終了。

 

和真「おーい姫路、ちょっと話したいことがあるからついてきてくれ」

姫路「え?はっ、はい!」。

明久(まあ和真なら大丈夫だよね、姫路さんも和真と二人っきりになれて嬉しいだろうし)

 

 

 

 

和真「…ここでいいか。あ、そう言えば姫路、約束忘れちまっててすまんな」

姫路「いえ、少し残念でしたけど大丈夫です」

和真「そっか。それはそうと姫路、味見はしないってさっき聞いたけど、なんでしないんだ?」

 

遠回しに言えば余計こじれると思ったのか、直球で本題に入る和真。

 

姫路「あの……太っちゃいそうので……」

和真「なるほどねぇ…なあ姫路、ひとつ問題を出すから答えてくれ」

姫路「え?はっはい、わかりました」

和真「とびきり美味しそうな料理ができたとき、その料理人はまず誰に食べさせると思う?」

 

一見すると正しい答えがないように思える問題を出す和真。姫路は料理ができたらだれに食べさせたいか考えたところ、明久の顔が思い浮かんだので赤面しつつ答える。

 

姫路「えーと…やっぱり、その人にとって大切な人……でしょうか?」

和真「残念ながらハズレだ。正解は………自分だ。なぜだかわかるか?」

姫路「……わかりません」

 

どうしてその答えになるのか姫路にはわからなかった。なぜなら姫路は今まで自分の作った料理を最初にどころか一度も口にしたことがないからである。

 

和真「それはな、その料理はとびきり美味し“そう”な料理だからだ。食べてみるまで美味しいかどうかはわからねぇ。料理を作る奴は自分で美味しいと納得できるものでないなら人に食べさせるべきではない」

姫路「な…なるほど…」

和真「姫路、これはお前にも当てはまるぞ」

姫路「え?…………あっ」

和真「気付いたみてぇだな。いくら美味しそうにできたからといって、味見もしないで他人に食わせてはいけねぇよ。明久達が言うには美味しかったらしいが、もしそうでなかった場合取り返しがつかねぇからな」

 

実際取り返しのつかない事態が起きていたのだが、姫路を傷つけないように平然と嘘をつく和真。嘘も方便とはこのことである。

 

姫路「そうですか……私、なんてことを…」

和真「そんなに落ち込む必要はねぇよ。あいつらは優しいからそんなもん気にしねぇよ。それに人は失敗するから成長できるんだからよ。だがこういうもんはその道のプロに聞くのが一番だ。そこで…」

 

そういうと和真はメモを取りだし、何かを書き始めた。書き終わると、姫路にそのメモを手渡した。

 

姫路「これは?」

和真「料亭『赤羽』の住所と俺からの紹介状。Aクラスとの試召戦争が終わった後そこ行って修行して来い」

姫路「え…えぇ!?『赤羽』ってあの有名な!?な、なんでそんな有名な所にコネがあるんですか!?」

和真「だって蒼介の家だし、そこ」

 

驚きながら聞く姫路に、和真はあっけらかんと答える。

 

姫路「…わかりました!色々とありがとうございます!」

和真「なに、クラスメイトを手助けしてもバチは当たらねぇだろ?さて、屋上に戻るぞ」

姫路「はいっ!」

 

 

 

 

 

 




というわけで、姫路の殺人料理スキルはこの後没収されます。
以外と面倒見が良い和真君。
ちなみにこの話の元ネタは『焼きたて!!ジャぱん』の一流パン職人の格言です。

今回はAクラス代表代理、優子さんです。

木下優子
・性質……攻撃重視型
・総合科目……3850点前後 (学年5位)
・ステータス
(総合科目)
攻撃力……A
機動力……B
防御力……B

学年5位だけあって全ステータスが高水準である。
欠点を挙げるなら、400点以上を越えている科目が無いことぐらいだ。

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