バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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バトルロイヤルと言いつつメイン戦闘は結局少人数です。私の文章力なんてこんなもんですよ……。


激闘!SBF予選②

美波と秀吉のコンビはEクラスの教室にて、籠城していたEクラスの生徒と激闘を繰り広げていた。……いや、激闘と言えるほど拮抗した闘いではないのだが。

 

 

美波「これでトドメよ!」 

 

〈美波〉のランスと〈秀吉〉の刀は既に満身創痍である二体の召喚獣の息の根を止めた。

 

三上「あぁっ!」 

中林「そんなっ!?」

秀吉「すまんのう、お主らはここで脱落じゃ」

 

 

《理科》

『二年Fクラス 島田美波 141点

 二年Fクラス 木下秀吉 288点

VS

 二年Eクラス 中林宏美 戦死

 二年Eクラス 三上美子 戦死』

 

 

闘っていた相手はEクラス代表の中林と、Dクラスの平賀と付き合っているらしい副官の三上。名実ともにEクラスのツートップであるが、打倒Aクラスを目指している今の秀吉達の敵では無かったようだ。自分達のトップが一方的にやられる光景を目の当たりにしたEクラスの生徒達は蜘蛛の子を散らすように教室から出ていった。

 

美波「追うわよ木下!」

秀吉「うむ、労せず倒せる相手を逃がすわけにはいかんのう!」

 

乱獲対象を見逃すはずもなく、美波と秀吉は召喚獣を引き連れ廊下に飛び出した。

 

 

 

 

 

しかし…

 

 

 

 

 

《理科》

『二年Aクラス 木下優子 455点

 二年Aクラス 橘飛鳥  302点

VS

 二年Eクラス 園村俊也 戦死 

 二年Eクラス 源涼香  戦死

 二年Eクラス 花井大  戦死

 二年Eクラス 湯浅弘文 戦死』

 

 

追おうとしたEクラス生徒達は、既にAクラスきっての女傑コンビに全滅させられていた。〈飛鳥〉の装備は忍装束と両手に嵌められた鉤爪、〈優子〉の装備は騎士鎧に固有武器『エクスかリバー』である。

 

秀吉「あ、姉上……」

優子「あら秀吉、奇遇ね-」

美波「逃げるわよ!」

秀吉「わかっておる!」

優子「あ、ちょっ、こら待ちなさい!?なによその化け物か何かに遭遇したかのようなリアクションは!?」

 

秀吉達は優子の制止も聞かず一目散に逃走した。戦力差を考えると彼らの判断は何もおかしくはないが、美波はともかく実の弟にああいう反応をされると流石の優子でも少し(あくまでほんの少しだが)傷ついたらしい。

 

優子「秀吉の奴~、どうしてくれようか…」

飛鳥「今は放っておきなさいな。あの二人を相手するにはポーンピース2つじゃ割に合わないわ。……!」

優子「それはわかってるけど-っ!?」

 

こちらに近づいてくる気配を察知した二人が警戒心を強めると、前方から熱線が飛来してきた。学年でも屈指の成績を誇る彼女らの召喚獣だろうと直撃すれば致命傷ものではあるが、直前に察知して警戒体勢を取っていたため難無く避けることができた。間髪入れずに姫路とその召喚獣が優子達の元へ歩み寄ってくる。

 

 

《理科》

『二年Aクラス 木下優子 455点

 二年Aクラス 橘飛鳥  302点

VS

 二年Fクラス 姫路瑞希 432点』

 

 

姫路「美波ちゃん達を追わせはしませんっ!」

飛鳥(追うつもりなんてなかったんだけどなぁ……)

優子(まあどっちにしろ対峙したからには闘うしか無いか……それにしてもあの赤い剣……)

 

優子は〈姫路〉が握りしめている赤色の長剣……『レーヴァテイン』に注目する。以前までの大剣は強そうではあるものの普通の範疇に収まる武器であったが、あの赤色の長剣は明らかに一点物……5000点オーバーの証、『固有武器』であろう。他の教科は不明だが少なくとも《理科》の点数が以前より向上していることも裏付けとなっている。

 

飛鳥(まだ秀吉君達と闘ってた方がマシだったね……この子倒してもたった一点なんて、割に合わないにもほどがある)

優子(かといって簡単には逃がしてくれそうもないし、腹を決めるしかないか。……それにしても、秀吉達の逃げた先は一年生達がいる二階だけど大丈夫かしらね?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美波「ふう……どうにか逃げ切ったわね」

秀吉「橘はまだしも、腕輪能力持ちの姉上と真っ向勝負は自殺行為じゃからなぁ。それにしても……」

 

 

《数学》

『二年Fクラス 島田美波 318点

 二年Fクラス 木下秀吉 294点

VS

 一年Eクラス 薬師寺静 153点

 一年Fクラス 宮本絢音 176点』

 

 

『あ、あれ!?』

『なんで思い通りに動かないの!?』

 

優子達が階段付近で待ち構えている可能性も無くはないため秀吉達はしばらく二階に留まることにしたのだが、ただ待っているだけでは暇なので近くにいた一年生達を次々と打ち倒していく。

 

美波「やっぱり一年生達は召喚獣の操作に慣れてないわね。……ねぇ木下、せっかくだから教室に入ってみる?」

秀吉「むぅ……あまり欲を出すのは危険だとは思うがの」

美波「平気平気♪他の科目ならともかく、外国語と数学ならそうそう負けないって」

 

やや気乗りしない秀吉を強引に押し切り、文化部部室の扉に手をかける美波。しかし美波が扉を開けるタイミングとほぼ同時に、二体の召喚獣が文化部部室の壁をすり抜けて現れ、秀吉と召喚獣を取り囲んだ。召喚獣が物理干渉できないことを逆手に取って高等テクニックである。

 

秀吉「な、なんじゃ!?」

美波「木下!?」

 

美波は慌てて秀吉のもとにかけつけ、背中合わせで個々の召喚獣に向かい合う形になる。一拍遅れて教室の両側の扉から秀吉達を囲うように、黒木鉄平と宗方千莉の生徒会役員コンビが出てきた。

 

鉄平「何やら廊下で暴れまわっている熱血な輩を見に来たというのに、まさか上級生の方々だったとは……嘆かわしい!操作慣れしていない後輩を蹂躙して得意気とは、アンタらはそれでも漢かよ!?」

美波「違うわよ!?どこをどう見ればウチらが男に見えるのよ!」

秀吉「いや島田よ、ワシは男であっておるぞ……」

千莉「太閤殿下……よもやこのような場で貴殿と相見えようとは、恐悦至極に存じます」

秀吉「宗方……いつも言っておるが、確かにワシは“秀吉”じゃがその接し方は恥ずかしいのでやめてほしいのじゃ……」

 

臣下の礼をとりつつやたらと持ち上げてくる部活の後輩に、秀吉はげんなりした表情で懇願する。

宗方千莉はある意味では秀吉以上の役者魂を持つ女子生徒であり、武士系の役しか演じることができないかわりに、舞台上から日常生活至るまで常に演技し続けているという変人だ。秀吉は彼女の演劇の才能には注目しつつも、自分の名前が秀吉だからってやたらと天下人扱いされることにはかなり辟易していた。

 

千莉「……御意。それではこの場は無礼講で臨もう……いざ尋常に勝負でござる!」

鉄平「その腐った根性を叩き直してやる!熱血指導だ!」

 

〈千莉〉と〈鉄平〉が武器を構え戦闘体勢に入る。〈千莉〉の装備は武者鎧に太刀と脇差しの二刀流、〈鉄平〉の装備は軽装にセスタス(グローブ状に固く編み込まれた紐)だ。

 

 

《数学》

『二年Fクラス 島田美波 318点

 二年Fクラス 木下秀吉 294点

VS

 一年Aクラス 黒木鉄平 325点 

 一年Cクラス 宗方千莉 253点』

 

 

秀吉「やむを得ん……島田、そっちは任せたぞい!」

美波「誰の根性が腐ってるって?……上等よ、返り討ちにしてやるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃三階では…

 

姫路「やぁっ!」

優子「甘い!」

 

〈姫路〉は渾身の力でレーヴァティンを降り下ろしたが、〈優子〉はバックステップを織り混ぜつつそれを受け止める。バランス型の〈優子〉ではパワー特化の〈姫路〉と普通にぶつかれば力負けしてしまうが、後ろに下がりつつ受け止めることで衝撃をうまく殺した。

〈優子〉が受け止めているその隙に、〈飛鳥〉は〈姫路に〉急接近して鉤爪を振るう。〈姫路〉は寸前に回避行動をとったことで直撃は免れたものの、〈優子〉をフリーにしてしまったことに姫路は狼狽する。しかし姫路の予想に反して〈優子〉は追撃せず、様子を伺うようにその場に佇んでいた。

 

 

《理科》

『二年Aクラス 木下優子 438点

 二年Aクラス 橘飛鳥  302点

VS

 二年Fクラス 姫路瑞希 277点』

 

 

さしもの姫路と言えど二対一…それも優子と飛鳥のペア相手に単独では分が悪かったのか、次第に追い詰められていく一方であった。

 

優子「……飛鳥、ここは引くわよ」

飛鳥「ん、了解」

姫路「っ!?ま、待ってくださいっ!」

 

圧倒的優位に立っていたはずの二人が突然勝負を投げ出したことに、姫路は慌てて止めにかかる。

 

優子「瑞希、もうわかるでしょ?いくらアンタでもアタシ達二人を一度に相手したら勝ち目が無いって」

姫路「それは、そうですけど……。だ、だったらなんでお二人は……」

優子「余計なリスクは避けたいからよ。アンタが生き残ることを度外視して“オーバークロック”を使われたらアタシ達もただじゃ済まないだろうし」

 

“オーバークロック”は大きすぎる代償と引き換えに、いかなる劣勢をも覆す可能性を秘めている。それを警戒した二人は実力差を見せつけてた後に退散することにしたのだろう。

 

優子「それに、早く秀吉達を追いかけた方が良いんじゃない?取り返しがつかなくなる前に」

姫路「……え?ど、どういうことですか?」

飛鳥「予選が始まる前にクラスの全員、できるだけ二階には行かないようにって蒼介から忠告されたのよ。それってつまり、私達Aクラスの生徒でも手に余るほどの相手が一年生にいるかもしれないってこと」

優子「ほら、秀吉や美波が心配ならさっさと行きなさい。見逃してあげるから」

姫路「あ、ありがとうございますっ!」

 

礼を言いつつ二階へ向かう姫路を見送りつつ、優子は呆れたように溜め息をつく。

 

優子「アタシや久保君にも忠告されたってことは瑞希も安全とは言えないでしょうに……。友達想いと言うか甘ちゃんと言うか……」

飛鳥「まぁそこが瑞希の良いところ(ウィーン)……あ、科目が切り替わったわ」

 

 

《外国語》

『二年Aクラス 木下優子 499点

 二年Aクラス 橘飛鳥  428点』

 

 

優子「え?アンタ英語400点越えてたの?」

飛鳥「英語じゃなくてフランス語だけどね。小学生の頃はフランスにいたから、実は英語より染み付いているのよ。柔道を始めたのもそれがきっかけだし、意外と思い入れがあってね」

 

補足をすると、現在フランスの柔道競技人口は日本の4倍以上と、日本を差し置いて世界一の柔道大国になっている。またフランスでは体育の選択科目として柔道を選べるようになっているが、約90%の小学生が柔道を選択しているため、どの町にも柔道場が整備されているそうだ。

 

飛鳥「まあそれはともかく……まだ30分しか経ってないけど、既に結構な人数が脱落したようね」

優子「一年生はともかく、二・三年生は積極的に腕輪能力が使用されているからね。弱者はどんどん落伍していくわ」

飛鳥「それはつまり時間が経つにつれ必然的に-」

 

飛鳥の言葉が言い終わる前に巨大な黒い腕が二人の召喚獣に襲いかかる。〈優子〉は自身の能力『ソードバースト』を発動し、エクスカリバーより放たれた斬撃は黒腕と相殺し消滅した。

 

 

 

《外国語》

『二年Aクラス 木下優子  409点

 二年Aクラス 橘飛鳥   428点

VS

 二年Bクラス 根本恭二  303点

 二年Bクラス 五十嵐源太 627点』

 

 

優子達の視線の先には、好戦的な笑みを浮かべつつ歩み寄ってくるBクラス代表の根本と副官の源太がいた。

 

飛鳥「必然的に、厄介な相手だらけになってくるわね」

優子「ええ……上等よ、誰が相手だろうとぶっ倒してやるわ」

 

 




【注目生徒データ②】
・五十嵐源太(二年Bクラス)

〈召喚獣〉パワー型

〈武器〉ハルバード

〈能力〉巨人の爪(消費50)……鋭い爪のある巨大な腕を生み出す。無数の小さい爪に変化させたりと色々応用が効くようだ。

〈オーバークロック〉千の刃(全教科から消費150)
……フィールドを埋め尽くす大量のナイフ。一つ一つの攻撃力はたかが知れているが、有無を言わさぬ数の暴力で押し潰す。

〈成績〉
外国語……677点
国語……241点
数学……250点
社会……246点
理科……253点
保体……246点

総合科目……3580点



・根本恭二(二年Bクラス)

〈召喚獣〉スピード型

〈武器〉ククリ刀

〈能力〉無し

〈成績〉
外国語……303点
国語……242点
数学……196点
理科……217点
社会……251点
保体……225点

総合科目……2643点
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