バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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徹「原作で一番扱いが悪いのは、実を言うと小山さんなんじゃないかな?」

飛鳥「え?そこまで不憫な人だった?」

和真「えーと原作での活躍は、と…」
 
一巻……Fクラスの罠にまんまと嵌まり、Aクラスに攻めこむも敗北、設備ランクダウン
二巻……付き合っている男が女装趣味の変態だった(誤解であるが)。別れる寸前にキスを迫られと後で判明。
三巻……あたかも覗きに憤慨する女子グループのリーダー格のように登場するも出番それだけで、誰にも言及されずフェードアウト。
八、九巻……Fクラスに善戦できたのは相手の仲間割れと高城の策があってこそなので完全に置物に。しかも負けて今度はFクラスの設備に。
十一巻……雄二に気がある宣言。それ以前は翔子一強であった状況に一石を投じるか?と思われたが……雄二と翔子が和解した頃には戦死してました。
ちなみに番外編での出番は一切無し。

飛鳥「これはあまりにも不憫ね……」

源太「特に最後が輪をかけて酷ぇな……」

和真「当て馬系女子とはまさにこいつのことだな」

徹「この小説でもあんな扱いだしね」

蒼介「言いたい放題かお前ら」




覗き決行!?

秀吉「酷い濡れ衣じゃったのう……。なぜだかワシは被害者扱いじゃったのも解せぬが」

和真「まったく血も涙も無い連中だぜ。精神、肉体ともにボロボロだ」

明久「和真は拷問受けてないじゃないか!?それから精神的にボロボロになったのって明らかに小山さん達だよね!?」 

秀吉「人の傷口を抉ることにかけて和真の右に出る者はおらんからのう。しかし、いつにも増してノリノリじゃったな」

和真「俺とて旅行先では多少浮かれたりするんだよ」

明久「浮かれた結果あの地獄絵図なんだ……。しかしホント、酷い誤解だったよ」

ムッツリーニ「………見つかるようなヘマはしないのに」

 

今回は本当に濡れ衣だったとはいえ、ムッツリーニの色々ギリギリな弁解を聞くに、女子達の犯人の目のつけどころはなかなかに優秀であったと言わざるを得ない。

 

明久「雄二、大丈夫? さっきから黙っているけど」

 

先ほどからなぜか不気味なほどおとなしい雄二「不思議に思い、明久は何事かと話しかける。すると雄二は目に怒りの炎を宿し、何かを決意したように立ち上がった。

 

雄二「……上等じゃねぇか」

明久「え?雄二。どうしたの?」

雄二「どうせここまでされたんだ。だったら本格的にやってやろうじゃねぇか……!」

和真(あーダメだこりゃ、完全に頭にきてんな)

明久「ま、まさか本当にって……」

雄二「ああ、そのまさかだ。あっちがそう来るのなら、本当に覗いてやろうじゃねぇかゴルァ!!」

 

話している最中にも雄二の怒りはどんどんヒートアップし、とうとうこらえきれず爆発した。そんな雄二の無茶な宣言に明久と和真は呆れるような表情で諭すように言う。

 

明久「雄二さぁ、そんなに霧島さんの裸が見たいなら、個人的にお願いしたらいいんじゃない?」

和真「多分二つ返事でOKしてくれるぞ。その後の選択を間違えたらでき婚ルートに突入するリスクはあるが」

雄二「バ、バカを言うな!翔子の裸なんかに興味があるか!それから和真キサマ恐ろしいこと言うんじゃねぇ!?俺はもっと気楽な人生を送りたいんだ!」

 

明久の提案には異様に慌てながら、和真の発言には青ざめながら否定する雄二。この態度からして、翔子との関係は満更でもないのは明白だが、後半の願望もどうやら嘘ではないらしい。

 

秀吉「もしや、例の尻に火傷のある犯人探しかの?」

雄二「そうだ。流石に覗きなんて真似はやりすぎだと思って遠慮していたが……向こうがあんな態度で来るなら遠慮は無用だ。思う存分覗いて犯人を見つけてやろうじゃないか」

ムッツリーニ「……さっきのカメラとマイクは、脅迫犯の物と同じだった」

秀吉「なんじゃと? それは本当かの、ムッツリーニ?」

ムッツリーニ「……間違いない」

和真(話の流れからして脅迫犯ってのは明久関連か。こいつは本当に面倒事に溺愛されてんな……)

 

当面の目標が決まったのか、明久を除く四人は覚悟を決めた表情になる。そして明久だけが会話に乗り遅れるのもFクラスの日常茶飯事。

 

明久「つまり、どういうこと?」

雄二「流石明久だな、この程度の会話にもついてこられなかったか。和真、解説」

和真「雄二お前な……。しかたねぇ、いいかよく聞け明久。お前と雄二を脅している犯人は同じで、さっきの覗き犯のカメラとマイクがその犯人と同じ物だった。そして、覗き犯は火傷の痕があるという話だ」

明久「ああ、なるほど!その火傷の痕がある人を探したら全部解決するってわけだ!」

和真「思ったより理解が早くて助かる」

 

この程度の内容をいちいち丁寧に説明しなければいけない時点で色々とアレなのだが、ひどいときには今の数倍の労力を必要とする場合があるので、一回で済んだことに和真はほっとする。

 

雄二「これでもう迷う余地はないな」

明久「そうだね!やってやろう!……それにしても、相変わらず雄二は霧島さんのことになるとやる気が凄いよね。どうしてそこまで頑張るのかって疑問に思うくらいだよ」

和真「いい加減素直になれよ。男のツンデレほど見苦しいものはねぇってのに」

雄二「ブチ殺すぞ和真。……実はこの前、いつものように翔子にクスリをかがされて気を失ったんだが」

明久「ごめんその前置きから既にイロイロと厳しいと思う」

和真「一応翔子にはそういうのはほどほどにって軽く注意しておいたんだが」

雄二「もっとやる気だせよ!どう考えても軽く注意するレベルの内容じゃねぇだろ!?……話を戻すと、目が覚めたらヤツの家に拉致されていたんだ」

 

恋する乙女は猪と同じでただ一直線に突っ走るのみである。たかが法律の一つや二つ障害ですらない。

 

和真(こいつがそんな態度とってなきゃ、そもそもそんな目にはあってねぇと思うんだけどな)

明久「ふぅん。そこで霧島さんの両親と挨拶をしたとか?」

雄二「いや、そうじゃない。ただ、ヤツの家に……

俺の部屋が用意されていたんだ」

和真「翔子の行動力は日々加速してるな。あとお前の自由が削られていくスピードも」

雄二「加速させてる張本人がそれを言うか!?」

秀吉「そ、そうとなれば、すぐにでも向かわれば風呂の時間が終わってしまうぞ!」

ムッツリーニ「…………(コクコク)」

和真「それもそうだな、善は急げだ」

 

やや話が脱線してきたので、秀吉とムッツリーニは軌道修正を行う。このまま雄二をいじり倒すのもそれはそれで面白いのだが、そんな暇はないと思い直し和真も秀吉達に賛同する。

 

明久「え?和真と秀吉とムッツリーニも協力してくれるの?」

和真「たりめーだ」

秀吉「うむ。友人の危機なのじゃ。当然じゃろう」

ムッツリーニ「…………(コクコク)」

 

苦労も汚名も顧みずに自分達のために行動してくれる友人達(ムッツリーニは別の目的がありそうな気がしないでもないが)に明久が感動する一方、雄二は和真に対して疑うような視線を送りながら問いかける。

 

雄二「何か企んでるんじゃないだろうな?世渡りが上手いお前なら俺らに加担することが、今まで築いた信頼を失墜させるリスクがあるとわからない筈がない」

和真「見くびんな雄二。脅迫されたり濡れ衣着せられたダチ見捨ててまで保身に走る気はねぇよ」

雄二「そうか、疑って悪かったな。……ところでその言い回しだと俺単体なら見捨ててたかのように聞こえるんだが?」

和真「だって俺『翔子の恋路を手伝い隊』の隊長だしそれはまあ仕方なくね?」

雄二「お前とは今度サシでじっくりと話し合う必要があるみたいだな。なんだその俺にとって悪い展開になるとしか思えない部隊は」

 

ちなみに参加メンバーは翔子の友達であるAクラスの優子と愛子、Fクラスの美波に姫路、そして今ここにいる雄二以外の四人と、すでに状況は四面楚歌である。

 

ムッツリーニ「……女子風呂の場所なら確認済み。後半組の入浴時間は残り四十分」

 

腕時計で時間を確認しながらムッツリーニは迷いの無い足取りで部屋を出て行き、残りのメンバーもそれに続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布施「君たち、止まりなさい!」

 

女子風呂へと続く廊下を全速力で駆け抜ける五人の前に、化学教師の布施先生が立ちはだかる。

 

布施「更衣室にカメラが設置されていたと聞いて警戒してみたら……まさか本当に覗き犯がやってくるとは思いませんでした」

明久「雄二、どうする!?布施先生だよ!」

雄二「構わん、ブチのめせ!」

布施「そこは構いなさい坂本君!?私は一応教師ですよ!?」

明久「了解!一撃でけりをつける!」

布施「吉井くんも了解じゃないでしょうッ!?」

明久(これは僕らの濡れ衣を晴らすための行動なんだ!正義はきっと僕らにある!)「この前の補習の恨みをくらえぇっ!」

秀吉「思いっきり私心で行動しておらんか!?」

和真(甘いな……。布施センセは教師、とっておきの切り札がある)

布施「ひぃぃいいっ!試獣召喚(サモン)!」

 

明久の正義と逆恨みを込めた必殺の拳は、突如現れた召喚獣のフラスコによって阻まれた。

 

雄二「しょ、召喚獣だと!?おまけに教師用の召喚獣は、物に触れるのか……!」

 

どうやら教師の召喚獣は明久の召喚獣と同じく、物理干渉能力を持っているようだ。召喚獣の強さは点数に比例する。明久の点数程度の召喚獣でさえ壁を破壊するほどの力を持つ召喚獣が教師レベルの点数を与えられたとしたら、例え和真でも力ずくでの突破は無謀と見てよいだろう。

 

明久「卑怯じゃないですか!自分たちが作ったテストで召喚獣を喚び出したら強いに決まってますよね!?」

和真「一方的に殴り飛ばそうとしたお前がそれを言うか?」

明久「どっちの味方なのさ和真!?」

布施「それに、教師もテストを受けているのですよ?他の学年の先生が作った問題で。『教える側にもそれに相応しい学力が必要だ』というのが学園長の方針ですからね」

和真「ますますお前の旗色が悪くなったな明久」 

明久「だから君はどっちの味方なのさ!?」

 

色々と問題の多い振る舞いの学園長だが、たまには教育者らしいこともしているのだなと心の中で和真は感心しつつ、和真は雄二の手を逃がさないようにがっちり掴む。

 

和真「先に行け明久、秀吉、ムッツリーニ。

この勝負は俺と雄二が引き受ける」

雄二「ちょ、おま-」

明久「わかった二人とも!絶対あとから追い付いてきてね!」

 

無許可で道連れにされた雄二が抗議する前に、明久は二人を連れて先に進む。

 

布施「こ、こら!君たち待ちなさい!」

和真「させねーよ布施センセ!やるぞ雄二!」

雄二「ったくしかたねぇ、さっさと片付けるか!」

 

和真・雄二「「試獣召喚!」」

 

 

《化学》

『Fクラス  柊和真    369点

 Fクラス 坂本雄二   293点

VS

 化学教師  布施文博 586点』

 

 

二人は召喚獣を喚び出し、明久達を追おうとしていた布施先生の召喚獣の行く手を阻む。布施先生は和真に向かって困惑するように問いかける。

 

布施「吉井君達はともかく、なぜですか柊君……?確かに君は少々自由奔放過ぎるところがある生徒ではありますが、こんなことに加担する生徒じゃなかったはず」

和真「まあ確かに、先生達の信頼を裏切る行為だってのは理解してるし、その事に対してすまないと思わないわけじゃねぇ」

 

和真は何かを葛藤するような表情で一度布施先生から目を逸らした後、覚悟を決めたように真剣な表情で布施先生に向き直る。

 

和真「ごめんな布施先生、それでも俺は友達が大事だ。こいつらを見捨てるなんて俺にはできやしねぇ」

布施「……そうですか、あなたにも譲れないものがあるのですね。

……あなたの覚悟は伝わりました。ですが私も教師のはしくれ、ここを通りたければ、全力でかかって来なさい!」

和真「ああ……いくぜ!」

 

布施先生も覚悟を決めた表情で立ちはだかる。そんなどこぞのスポ根漫画的な熱い展開を冷めた目で見る雄二。

先ほど保身は考えないと言うことを自分に言いつつ、ちゃっかり信頼を失墜させない算段はついていた和真に対して呆れざるを得ない。

 

雄二(こいつマジで世渡りうまいな……。なんださっきの申し訳なさそうな表情?そんな感情確実に毛ほども抱いてないのにどうして平然とあんな顔ができるんだ?)

 

色々と納得できないもののそんな場合ではないので、雄二も和真に加勢するため召喚獣の歩を進める。

 

和真「オラオラオラオラオラァっ!」

 

キキキキキキキキキキキィィイイインッ!

 

布施「くっ……やりますね!」

 

速攻が得意な〈和真〉が早々に百烈突きを仕掛けるも、〈布施〉はやや押されながらも手に持った三角フラスコで防ぎきる。

攻撃力や武器のリーチでは特化型の〈和真〉に分があるものの、布施先生の操作技術は明久に匹敵するものであり点数差もかなりあるため、回避に専念すれば防ぐのは難しくない。

 

雄二「相手が和真だけだと思うなよ!」

和真「あ、バカっ!」

 

〈布施〉が猛攻に耐えてる隙に〈雄二〉は後ろに回り込み、メリケンサックで殴りかかった。しかしその戦法は紛れもなく悪手!

 

布施「勿論あなたのことも警戒していましたよ坂本くん!」

 

ダンプカーの衝突をも上回る威力の〈雄二〉の拳はクリーンヒットしたにもかかわらず、ダメージらしいダメージは与えられなかった。それどころか〈布施〉は反撃とばかりに〈雄二〉をフラスコで殴り飛ばし、遥か彼方へ吹き飛ばした。

 

和真「ちぃっ、余計な手間を……!」

 

召喚フィールドの障壁に激突する寸前に、〈和真〉が〈雄二〉をなんとかキャッチする。もし激突していれば〈雄二〉は無惨にも圧死していただろう。

 

 

《化学》

『Fクラス  柊 和真  369点

 Fクラス 坂本 雄二 105点

VS

化学教師  布施 文博 525点

 

とはいえ今の攻防で雄二の点数は半分以上失ってしまった。それに対し布施先生の点数はほとんど削れていない。

一気に戦況が不利になってしまった。

 

和真「ほんと使えねぇなお前は!やる気あんのか!?」

雄二「うるせぇ!大して戦闘経験無いんだからお前や明久みたいに闘い慣れてると思うなよ!……しかしそれにしてもあの点数差で直撃食らったのに思ったほど減ってねぇな。腕輪も装備されてねぇし布施先生、そこんとこどうなんだ?」

 

ただでさえ希薄だった雄二と和真のチームワークが完全に雲散霧消した一方、雄二はふと疑問に思ったことを布施先生に訪ねる。

雄二の点数は確かに大幅に減少したが、点数差を考えると本来なら即死かその一歩前まで減らされていてもなんらおかしくない。さらによく見ると布施先生の点数は400点を越えているにもかかわらず金の腕輪を身につけていない。

そうした雄二の疑問に布施先生は苦笑しながら答える。

 

布施「私達教師の召喚獣は暴走した場合のリスクを考慮して、攻撃力がある程度セーブされているのですよ」

和真「それに物理干渉能力のある召喚獣で金の腕輪なんざ使ったら……」

雄二「なるほど、建物がレゴブロックみたいにぶっ壊れるということか」

布施先生「そういうことです。さて、そろそろ年貢の納め時ですよ二人とも」

 

フラスコを構えながら〈布施〉が二人の召喚獣にジリジリと近寄ってくる。追い詰められた表情の雄二に和真はバレないようにアイコンタクトで作戦を伝える。

 

和真(一つ、ここを切り抜けられる策があるんだが…………実行しても良いか)

雄二(構わん、やれ。集団での指揮はともかく、試召戦争ではお前に一日の長があるからな)

和真(お前がそう言うなら遠慮なくいくぜ……悪いな)

雄二(……?悪いって何が-)

 

 

 

 

和真「カズマジャンピングサァァァアアアブ!」

雄二・布施「「何ィィイイイ!?」」

 

〈和真〉は〈雄二〉を天高く放り投げた後自身も全力で跳躍、そのまま槍の腹で〈雄二〉を敵に向かって全力で殴り飛ばした。

 

布施「あわわわ…」

 

〈布施〉は向かってくる召喚獣(死体)を思わずフラスコで防御する。しかしその判断は先ほどの雄二同様、限りなく悪手。

 

召喚獣の質量+落下のエネルギー+〈和真〉の桁外れのパワーが合わさった比類なき破壊力なのだ、ここはなんとしてでも避けるべきであった。

〈布施〉は必死で押し返そうとするが流石に相手が悪く、遥か後方に吹き飛ばされてしまう。

 

そんなあからさまな隙を見逃す和真ではない。

 

 

和真「続けてカズマジャベリン!」

 

〈布施〉が立ち上がる前に、空中から投擲された必殺の槍が突き刺さり、為す術もなく地面に縫い付けられてしまう。

 

 

《化学》

『Fクラス  柊 和真  369点

 Fクラス 坂本 雄二 戦死

VS

化学教師  布施 文博 139点』

 

 

防御力と点数の高さでなんとか生き延びるが身動きがとれない以上既に詰んでいると、戦闘経験の乏しい布施先生にも理解できた。

 

和真「とどめのカズマブロォォォオオオ!」

 

この状況から番狂わせなぞ起こりようもなく、〈布施〉が右拳を食らってあっさりと戦死する。

 

和真「よし、さっさといくぞ雄二!」

雄二「俺を生け贄にしたことについて色々言いたいことはあるが……まあ後にするか」

 

二人を止めるすべを失い、項垂れる布施先生を放置し、二人は明久達に追いつくために全力疾走する。

 

 

 

 

 

しかし二人の前に飛び込んできたのは、 

 

大島「布施先生を突破するとはやるじゃないか」

鉄人「だがお前達の快進撃もここまでだ」

 

召喚獣に捕縛された秀吉とムッツリーニ、地面に這いつくばった明久、そして立ちはだかる文月学園でも屈指の武闘派教師の二人という、絶望的な光景であった。

 

雄二「くそ、いったいどうすればこの状況を…」

和真「どうやらここまでだな。西村センセ、投降するぜ」

雄二「なっ!?……ちぃ、仕方ねぇ」

 

なんとか状況を覆す策を捻り出そうとする傍ら和真が無条件降伏宣言。雄二は一瞬呆気にとられるが冷静に状況を分析し、渋々敗北を認める。そんな二人を明久だけではなく、鉄人も信じられないような目で見る。

 

明久「どうしたのさ二人とも!?やる前から諦めるなんて和真らしくないよ!」

鉄人「吉井の言う通りだ、貴様らはいったい何を企んでいる?」

和真「別に何も企んじゃいねぇよ。そりゃな、1%でも可能性があるなら足掻きの一つでもするけどよー、流石に可能性が無いんじゃなぁ……」

雄二「布施センも俺の犠牲でどうにか突破できたんだ。流石の和真でもおそらく布施センより闘い慣れしてる上に、」

 

そこまで言って雄二は大島先生の召喚獣に表示されている点数に目を向ける。

 

《保健体育》

体育教師 大島 武 543点

 

雄二「ムッツリーニですら歯が立たねぇ大島先生を倒せる訳がねぇ」

 

大島先生の点数はムッツリーニとの闘いで多少減った現段階でも、学年首席の蒼介すら凌駕している。

和真の保健体育の成績は300点程度、タイマンでの突破は不可能である。

 

和真「それに加えて西村センセだ。この人の相手する以上、召喚獣の操作に割く余裕なんざあるわけねぇ」

雄二(それにチャンスはまだ三回あるんだ。ここは無理する時じゃねぇ。ここは大人しくしておくぞ)

三人「「「!」」」

鉄人「中々潔い判断じゃないか。その気概に免じて、停学は勘弁してやろう」

 

雄二は鉄人に隠れてアイコンタクトで明久達を説得する。幸い、和真に目を向けていた鉄人には気づかれなかった。

 

鉄人「なに。俺も鬼ではない。きっちり指導を終えたら解放してやる。さて、それでは英語で反省文でも書いてもらおうか。文法や単語を間違えていたら何度でもやり直しだ!

終わった者から部屋のシャワーを浴びて寝ても良し!」

 

こうして、明久達は廊下で正座しながら英語の反省文を書かされる羽目になった。

余談だが、普通に成績の良い和真と雄二が2、3分で反省文を書き上げさっさと部屋に戻っていったあたりで、明久達三人は和真達が自分達には被害が微々たるものである内にさっさと降参したのだと理解した。

 

 

 

 

 




蒼介「布施先生との戦闘シーン~覗き失敗までの流れが追記されたな」

源太「また和真が新技を編み出したようだな」

飛鳥「貴方は本当にことあるごとに仲間を捨て石にするわね……」

和真「人聞きの悪いこと言うな。勝利への布石と呼べ」

徹「どちらも石ころには変わりないじゃないか」









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