バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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投稿した後も何度か読み返しているのですが、誤植がもうでるわでるわ。見つけるたびに自己嫌悪に陥ってしまいます…


戦後対談

 

Dクラス代表 平賀源二 討死

 

『うぉぉぉぉぉっ!』

 

その報せを聞いたFクラスの勝鬨とDクラスの悲鳴が混ざり合い、耳をつんざく大音響が校舎内に響き渡る。

 

『凄ぇよ! 本当にDクラスに勝てるなんて!』

『これで、畳や卓袱台ともおさらばだな!』

『ああ。アレはDクラスの連中の物になるんだがらな』

『坂本 雄二サマサマだな!』

『やっぱりアイツは凄い奴だったんだな!』

『坂本万歳!』

『姫路さん愛しています!』

『霧島さんがこの世にいてくれるだけで僕は幸せです!』

代表である雄二を褒め称える声があちこちから聞こえる。

和真(というか最後の奴どんどん妥協してるな)

 

Dクラスの生徒達はというと、殆どがガックリとうなだれた状態である。その表情は現実を受け入れることができないといと言わんばかりに苦悶に満ちている。最底辺クラスに負けたのだ、その心情は推してしるべきであろう。

その奥では、雄二がFクラスのメンバーに囲まれている。

 

雄二「あー、まぁ、なんだ。そう手放しで褒められると、なんつーか…」

 

頬を搔きながら照れ臭そうに明後日の方向を見る雄二。ずいぶんと意外な反応である。

 

『坂本!握手してくれ!』

『俺も!』

 

完全に英雄扱いの雄二。あの教室にどれだけ不満があったかがわかる。そんな中、笑顔の奥に殺意を滲ませた明久が雄二にゆっくりと近づいていく。

 

明久「雄二!」

雄二「ん?明久か」

坂本が振り向く。そこへ、明久が駆け寄って手を突き出す。

 

明久「僕も雄二と握手を!」

雄二「ぬぉぉ!」

 

ガシィッ

 

明久「雄二……! どうして握手なのに手首を押さえてるのかな……!」

 

雄二「押さえるに……決まっているだろうが……!フンッ!」

 

雄二は明久の手首を捻りあげると、明久は握っていた包丁を取り落とす。

 

和真(いや流石に憎みすぎだろ…と思ったがそうでもねー…か?)

 

試召戦争中のやり取りを思い出し、どう判断するか迷う和真。明久は無い知恵を絞ってどうにか誤魔化そうとするが、流石にもう手遅れであると思われる。

 

明久「雄二、皆で何かをやり遂げるって、素晴らしいね」

雄二「……」

明久「僕、仲間との達成感がこんなにもいいものだなんて、今まで知らな間接が折れるように痛いぃっ!」

雄二「今、何をしようとした」

 

おそらく全年齢対象のこの小説では決してしてはいけないことだろう。この小説は全年齢対象でやっていくつもりなので、阻止できた雄二GJである。

 

明久「も、もちろん、喜びを分かち合うための握手を手首がもげるほどに痛いぃっ!」

雄二「おーい。誰かぺンチを持ってきてくれ!」

明久「す、ストップ!僕が悪かった!」

雄二「…チッ」

 

舌打ちをして明久を解放する。R-15指定ルートはなんとか避けられたようだ。

 

平賀「まさか、姫路さんと霧島さんがFクラスだなんて……信じられん」

 

その後ろから力無く歩み寄る平賀。平静を装ってはいるが、無理しているのは誰の目にも明らかである。

 

 

和真「あれ? 源二、俺は?」

平賀「お前の場合わざとFクラスに行くことぐらい、別に不思議でもなんでもないからな」

和真「あっそ……」

 

友人の冷たい反応に和真は少し悲しくなる。

 

姫路「あ、その、さっきはすいません……」

平賀「いや、謝ることはない。全てはFクラスを甘く見ていた俺達が悪いんだ」

 

姫路達のやり方はまさに騙し討ちだったが、これも戦略の内、咎められることでもない。

 

平賀「ルールに則ってクラスを明け渡そう。ただ、今日はこんな時間だから、作業は明日からで良いか?」

明久「もちろん明日で良いよね、雄二?」

 

これから三ヶ月の間戦犯扱いされ、肩身のせまい思いをするであろう平賀を可哀想に思ったのか、明久は雄二にそう聞く。

 

雄二「いや、その必要はない」

和真(…なに? 設備交換しねぇのか?)

 

それは明久は勿論、和真にとっても予想外の返事だったようだ。

 

吉井「え?なんで?」

雄二「Dクラスを奪う気はないからだ」

 

さも当然のことのように告げる雄二。その態度に明久はますます混乱する一方である。

 

明久「雄二、どういうこと?折角普通の設備を手に入れることができるのに」

雄二「忘れたか? 俺達の目的はあくまでもAクラスのはずだろう?ここで設備を替えたらまずいだろ」

和真(なるほどねぇ……モチベーション維持のためか)

明久「???」

和真(やっぱり明久はわかってねぇか、仕方ねぇな)

 

雄二の目論見をようやく察した和真はまるで理解していない明久に説明する。

 

和真「明久、今まで最底辺の設備だったのがまともなものになったら喜ぶだろ?」

明久「え?そ、そりゃそうだよ!だから」

和真「まあ聞け。でもな、それと同時にその設備を失うのが嫌になる奴もいるだろ?つまりそう言うことだ」

明久「え?ど、どういうこと」

和真「……はぁ……つまりAクラスに戦争を仕掛けることに反対する奴が出てくるんだよ、交換しちまうと」

明久「な、なるほど…」

雄二「…和真、お疲れさん」

和真「もっとねぎらえ…可能な限り」

 

疲れたように言う和真。ちなみに話についていけなくなった明久にわかりやすく説明するのは、去年からだいたい和真の役目だったりする。

 

明久「でもそれなら、何で標的をAクラスにしないのさ。設備を替えないならこんな回りくどいことをしなくてもいいじゃないか」

雄二「少しは自分で考えろ。そんなんだから、お前は近所の中学生に『馬鹿なお兄ちゃん』なんて愛称をつけられるんだ」

明久「なっ!そんな半端にリアルな嘘をつかないでよ!?」

和真「そうだぞ雄二。小学生だよ、多分」

明久「…………人違いです」

雄二「まさか……本当に言われた事があるのか……?」

和真「…………マジかよ」

 

悪ノリがまさかの的中で思わず絶句する和真。そのときの明久は穴があったら入りたい気分だったという。

 

雄二「と、とにかくだな。そういうわけでDクラスの設備には一切手を出すつもりはない」

平賀「それは俺達にはありがたいが……それでいいのか?」

雄二「もちろん、条件がある」

 

おそらくその条件が、Dクラスと試召戦争をした最大の目的だろう。

 

平賀「……一応きかせてもらおうか」

雄二「なに。そんなに大したことじゃない。俺が指示を出したら、窓の外にあるあれを動かなくしてもらいたい。それだけだ」

 

雄二が指したのはDクラスの窓の外に設置されているエアコンの室外機。しかしあれはDクラスの物ではなく、

 

平賀「Bクラスの室外機か」

雄二「設備を壊すんだから、当然教師にある程度睨まれる可能性もあるとは思うが、そう悪い取引じゃないだろう?」

 

それだけでFクラスの設備を回避出来るなら確かに悪い取引ではないし、うまく事故に見せかければ厳重注意程度で済むだろう。

和真(あれを壊すってことは次の標的はBクラス……学年で二番目のクラスか、腕が鳴るぜ!)

 

今日散々やりたい放題しておいてもう次の戦争のことを考えている和真。思考回路が完全にバトルジャンキーのそれである。

 

平賀「それはこちらとしては願ってもない提案だが、なぜそんなことを?」

雄二「次のBクラスの作戦に必要なんでな」

平賀「……そうか。ではこちらはありがたくその提案を呑ませて貰おう」

雄二「タイミングについては後日詳しく話す。今日はもう行っていいぞ」

平賀「ああ。ありがとう。お前らがAクラスに勝てるよう願っているよ」

雄二「ははっ。無理するなよ。勝てっこないと思っているだろ?」

平賀「それはそうだ。AクラスにFクラスが勝てるわけがない。霧島さん達がいても、Aクラスには鳳がいるしな」

 

軽口を叩きあった後、平賀は去っていった。

 

雄二「さて、皆!今日はご苦労だった!明日は消費した点数の補給を行うから、今日のところは帰ってゆっくりと休んでくれ!解散!」

 

雄二が号令をかけるとFクラスの連中は雑談を交えながら教室に向かい始める。帰り支度をするのだろう。

 

和真「…さてとっ!一段落したことだし10人集めてサッカー部に試合でも申し込むか!明久、お前も混ざるか?」

明久「いや、流石に疲れたから今日は帰るよ」

和真「そうか。じゃあ誰を誘うかな、とりあえず『アクティブ』のメンバーに、残りはこいつとこいつと…」

 

そう言いながら連絡先を吟味する和真。ちなみに二年生の連絡先は男女問わずほぼコンプリートしている。

 

明久(相変わらずすごい量だね…女の子のメアド教えてくれるよう頼んじゃダメかな)

 

駄目に決まっているだろ。

 

ちなみに『アクティブ』というのは和真が一年生のときに結成した部活荒らしチームであり、各部活に練習試合を申込むときはこのチームのメンバーが中心となる。

 

姫路「あ、あのっ、柊君っ」

和真「あん?」

 

参加メンバーを吟味し終えた和真に姫路が話しかける。

 

和真「姫路か、どうした?」

姫路「実は、柊君に聞きたいことがあるんです」

和真「…どんなことだ?」

 

大事な話みたいなので明久は二人から離れる。

しかしやはり気になるのか二人の方を見る明久。

姫路はまっすぐに和真の目を見ていた。

余程大事な用件なのか、姫路の表情は真剣そのものだ。

しかししばらくすると、二人とも楽しそうに笑っていた。

 

明久(和真が楽しそうに笑うのは珍しくないけど、姫路さんまであんなに楽しそうにしているってことは……まさか愛の告白!?そうか!姫路さんは和真が好きだったのか!和真だって男だもんね、趣味が合わないとはいえ、あんな可愛い子に好意を寄せられたら悪い気はしないだろう)

雄二「おーい明久、そろそろ帰るぞ」

 

雄二と翔子が声をかけてくる。雄二達とは家の方向が同じだからよく一緒に帰っている。

 

明久「(二人とも楽しそうだからそっとしておいてあげよう)……わかった、すぐ行くよ!」

 

そうして明久達は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和真「あ、そうそう。明久が試召戦争を仕掛けた理由は今言った通りだけど、雄二が翔子とクラスが離れることを覚悟してまでFクラスに来た理由もついでに教えてやろうか?」

姫路「え?はっはい、是非!」

和真「明久のためだよ」

姫路「吉井君のため…ですか?」

和真「普段から努力していたお前が手違いでFクラスなんかに入れられたら、明久が試召戦争を仕掛けようとすることなんて雄二にはお見通しだ。だが明久だけじゃ成功するはずがねぇ。俺や翔子は雄二にとっても予想外だっただろうしな。あいつはお前のために頑張る明久を助けてやりたくてここに来たんだよ。素直じゃねぇから絶対認めねぇだろうがな」

姫路「そんな理由があったんですか……やっぱりあの二人は仲が良いんですね♪」

和真「普段は全力でお互いの足を引っ張り合っているがな、それはもう不毛なほど」

姫路「ふふっ……あ、柊君はなぜFクラスに?」

和真「なんとなく面白いことが起きそうな気がしたんだよ。現在進行形で起きてるしな」

姫路「なんだかすごく柊君らしいですね」

和真「そりゃな。自分らしく生きてこそ人生だろ。姫路はどうなんだ?」

姫路「え?」

和真「自分のために一生懸命な奴がいる…それを知ってどう行動するのが“姫路 瑞希らしい”んだ?」

姫路「……それは勿論---です!」

和真「…そうか、頑張れよ!おっ返信来てる来てる…よしよし全員オーケーだな…そろそろグラウンドに行くか、じゃあな姫路!」

姫路「はいっ、また明日!」

 

 

 

 




和真と姫路の会話。
原作では雄二がしてましたが翔子さんがいる以上、明久が愛の告白だと勘違いするのは、またそれをおとなしく見ているのは流石に無理があったのでチェンジしました。
確認しますが、この作品の雄二は原作よりほんの少し明久に優しい性格です。スプーン一杯分くらいは。

吉井 明久
・性質……速度重視型
・総合科目……800点前後
・ステータス
(総合科目)
攻撃力……F
機動力……E
防御力……F

雑魚。以上。
操縦者が明久でなければ、Fクラス雑兵レベルである。
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