バカとテストとスポンサー   作:アスランLS

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【バカテスト・国語】

次の熟語の正しい読みを答え、これを用いた例文を作りなさい

『相殺』

姫路の答え
『読み……そうさい
 例文……取引の利益で借金を相殺する』

蒼介「正解だ。差し引いて帳消しにする、という意味なので貸し借りなどに使われる言葉だ」


和真の答え
『読み……そうさつ
例文……不倶戴天の戦士二人は相殺する運命にある』

蒼介「物騒極まりないがこれも正解だ。相殺には“そうさつ”という読みもあり、その場合は“互いに殺し合う事”という意味になる」


明久の答え
『読み……そうさつ
 例文……パンチにパンチをぶつけて威力を相殺した』

蒼介「不正解だが惜しかったな。この場合の吉井の例文では互いに打ち消し合うという意味なので、読みとしては“そうさい”が正解となる」


美波の答え
『読み……あいさつ
 例文……のどかな朝。私は友達と相殺した』

蒼介「ヤンキー用語じゃないんだぞこれは……」






白虎の威光

暗殺を終えてから様子を見ることしばらく。六時間目の途中くらいになると、Bクラスはどうやら雄二の思惑通り疑心暗鬼に陥っているらしいという情報が入ってきた。Fクラスは担当教師不在で自習時間になっているので、明久達は雄二の席に集まって作戦会議を進めていた。

 

明久「これで時間稼ぎは成功したのかな?」

雄二「そう長い時間は無理だが、明日ぐらいなら大丈夫だろ」

 

源太が目を覚ますまではFクラスの仕業だとはバレないが、その効果も今日一杯が限界だろう。明日になれば源太も復活して何があったかを根本に話すだろうし、そうなったらBクラスはDクラスに事情を聞きに行くだろう、今度は暗殺を警戒して大人数で。タイムリミットはおおよそ明日の朝まで。朝一にDクラスが宣戦布告してきたら雄二の作戦は成功だ。

 

明久「秀吉。例のDクラスとの交渉は大丈夫?」

秀吉「うむ。清水を引っ張り出すことはできた。予定通り放課後に旧校舎の二階の空き教室に待ち合わせと言う手はずになっておる」

和真「となると、あとはどうやって清水を怒らせるかだが……雄二、ここは任せたぞ」

雄二「言われるまでもない。お前と清水の間にわずかにだが存在しているパイプは割と貴重だ、みすみす手放すのは勿体ない。まあ任せろ、とっておきの作戦がある」

 

何とも頼もしい台詞である。雄二の挑発スキルは和真に勝るとも劣らないので、任せておけば多分大丈夫だろう。

 

雄二「ただし、明久は余計な口を挟むなよ。一応お前と島田がいないと挑発にならないから連れて行くが、下手なことを言われると取り返しのつかないことになるからな」

明久「了解。その辺は全部雄二に任せるよ」

和真(この分だと俺の保険は使わずじまいになりそうだな……ん?)

 

和真の電話(授業中のためマナーモード)が振動する。確認してみると、電話をしてきた相手は翔子の父。いつ連絡先を交換したのだろう。

 

和真「(ピッ)……はい、柊です。……ハイ……わかりました。雄二、翔子の親父さんから」

 

雄二と変わってほしいと言われたため和真は携帯を渡す。雄二の携帯が故障中のため、翔子の父はこんな回りくどい方法をとったのだろう。というかこの男は逆に誰の連絡先なら把握していないだろうか。

雄二はいつもと違ってかなり畏まった口調で電話に出る。その光景はぶっちゃけ爆笑ものであったが、見る見る内に狼狽していく雄二の様子からただ事ではないとはっきりわかった。

 

雄二「!?……わかりました、すぐに向かわせて頂きます(ピッ)……皆、本当にすまん……交渉には参加できなくなった」

明久「ええ!?それは困るよ!だって作戦は全部雄二に任せムグゥ!?」

和真「気持ちはわかるが落ち着け明久。……雄二、何があった?」

雄二「…………翔子の容態が急変したらしい」

「「「なっ!?」」」

 

それはあまりにも予想外の事態である。おまけに雄二のこの狼狽ぶりから、相当ヤバい状態であることがはっきりとわかる。

 

和真「………わかった、後は俺が何とかしておく。お前は翔子の側にいてやれ」

雄二「和真……すまねぇ、ここは任せたぞ!」

 

そう言うと雄二は荷物も纏めずにに鬼気迫る表情で教室を飛び出していった。

 

明久「こうしちゃいられないよ和真!僕達も早く霧島さんのもとへ-」

和真「却下だ。お前と島田は交渉の席に参加すべきだって言ってるだろ」

明久「……っ!?…(ガッ!!)今はそんなこと言っている場合じゃないだろ!?和真は霧島さんが心配じゃ(ガッ……ドゴォッ!)うぐ!?」

 

明久ものすごい剣幕で胸ぐらを掴んで怒鳴り散らすが和真に力ずくで振り払われ、逆に胸ぐらを掴まれ壁に叩きつけられる。そして明久以上の剣幕で和真は声を荒げる。

 

和真「心配に決まってるだろうが!じゃあ何か!?俺らが何もかも放り出して駆け付けて、いったい何の役に立つっつうんだよ!あぁ!?」

 

今まで見たことのないような怒りの形相で睨み付けられ、明久のみならず秀吉もムッツリーニも指先一本すら動かせなくなるほど気圧される。

 

否、気迫ではない。

 

明久は今の和真の顔、そして血が出るほど握りしめられた拳を見てわかってしまった……明久達などよりも翔子が心配で心配で気が狂いそうであるということが。

 

和真「いいか、俺達は医者でも凄腕呪い師でもねぇんだ!出来ることなんざ精々元気に戻ってくることを信じるぐらいしかできねぇんだよ!お前の頭部はお飾りか!?少しは頭使って考えろ!俺達が感情に任せて雄二から託されたものを何もかも投げ出しちまったらどうなるか考えろ!」

明久「そ……それは……姫路さんが……」

和真「そうだ、俺達はBクラスに宣戦布告されたら設備ダウンは免れねぇ!そうなると姫路は転校してしまう!翔子の奴が無事元気に戻ってきたとき、ミカン箱だらけの光景を見て、さらにそのことを知ったら……あいつがどれだけ自分を責めるのか、お前はわかっているのか!?」

 

自分が原因でBクラスの宣戦布告が止められず、間接的に自分が招いた戦いに参加できなかった。そしてそのせいで友人を失ってしまう……後悔の念に囚われること間違いなく、下手をすれば塞ぎ込んで立ち直れなくなってしまうだろう。

 

和真「あいつの側にいてやるのは他の誰でもねぇ、雄二の、雄二だけの役目だ。だったら、今俺達の為すべきことは何だ?答えて見ろ明久」

明久「…………Dクラスとの試召戦争を乗り切ること、Fクラスの設備を守ること、霧島さんの無事を信じて、いつ帰ってきてもいいように最善を尽くすことだよ、和真!」

和真「……やりゃあ出来るじゃねぇか」

 

そう言って和真は明久の胸元から手を離す。

 

明久「……ごめん和真、ちょっと考え無しだった。和真が霧島さんのことを心配していないはず無いのにね」

和真「気にすんな、お前の短絡的な所は短所だが長所でもある。軌道修正してやるのは外部である俺達の役目だ」

ムッツリーニ「……そろそろ時間」

明久「え!?」

 

喧嘩(?)をしているうちにいつの間にか時計はもう六時間目終了時刻を示していた。

 

ムッツリーニ「……どうする?」

和真「一応、最終手段は用意してある。出来れば使いたくねぇから、まずは俺抜きで挑発してくれ」

明久「わかった。とりあえず、参加メンバーは僕ら四人と美波くらいかな」

秀吉「いや、ムッツリーニとワシは待機していた方が良いかもしれん。向こうには『先日の覗きの件について謝罪をしたい』と言ってあるからの。恐らく向こうのメンバーはクラス代表の平賀とDクラス女子代表といったところじゃろうから、こちらもそれに倣って人数を絞るべきじゃ」

 

覗きの件についてと言えば代表の平賀と、少なくとも表面上は覗きに対して怒っていた清水が出席することになる。挑発がうまくいけばその場で宣戦布告をさせることも可能だろう。

 

明久「わかった。それで、その場で謝罪そっちのけで相手を怒らせたらいいってワケだね」

秀吉「うむ。狙いはクラス代表の平賀もそうじゃが、なにより清水じゃ、今Dクラスの行動決定権は清水にあると言っても過言ではないからの」

ムッツリーニ「……男子の発言力は皆無」

 

ムッツリーニの事前調査によると男子の意見は取り合ってもらえず、女子はほとんどが清水に追従しているようだ。

 

明久「それじゃ、清水さんをうまく怒らせよう」

和真「挑発は明久に任せる。俺が中途半端にアイツを怒らせると、最終手段がとれなくなるかもしれねぇからよ」

明久「わかったよ」

 

こうして明久たちはクラスの命運を掛けた重要な交渉の場で、よりにもよって雄二抜きの状態で挑むことになった。

 

和真「……(カチカチカチ)」

 

とある相手にメールを送りつつ、和真は明久を連れて教室を出る。

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

放課後に待ち合わせの空き教室に入ると、中ではDクラス代表の平賀と清水が既にそれぞれ椅子に座って明久達を待っていた。

 

明久「待たせたね」

 

明久が大して悪びれた様子もないように口だけの謝罪を述べる。そもそも謝罪をする側が遅れるなど本来言語道断であるが、あくまでも謝罪というのは名目で明久達の目的は挑発だ。相手を怒らせなければ意味が無い。

 

が、

 

清水「お姉さまっ!お会いしたかったですっ!」

島田「美春!?ちょっと、暑苦しいからひっつかないでよっ!」

 

残念ながら目標である美春は見事に明久達を無視して美波に飛びついていた。というかむしろ美波以外眼中にない雰囲気である。

 

清水「お姉さま……。邪魔者のいない空き教室で放課後二人きりなんて、やっぱり美春のことが」

美波「ど、どこ触ってんのよ!?それとアンタ、周りの連中が見えていないの!?」

清水「ああ、お姉さまの胸は最高です……。そう。まるで波の静かな大海原を彷彿とさせるような……」

 

詩的な表現をしているが、要は『水平線のようにペッタンコ』という意味だ。明久が発言していたら間違いなく半殺しにされていたであろう。

 

清水「お姉さま……美春はお姉さまを心よりお慕いしております……」

美波「や、やめてよっ!ウチにそっちの趣味はないんだから!」

清水「美春はお姉さまのことを、一年360日、常に想い続けているのです……」

 

どうやら盆と正月は忘れているらしい。

 

和真「あー……清水、そこまでにしとけー。一応、島田は明久の……何?恋人?だから、えっと……まあそのなんだ、むやみに手を出すのはやめた方がいんじゃね?うん……」

明久(歯切れ悪ぅぅぅぅぅい!?もうちょっとやる気出してよ和真!?)

 

 

どうやら持ち前の勘が失敗を告げているのか、和真がやる気の欠片もない適当な挑発をすると、清水はようやく初めて美波以外の面子がいることに気がついたような態度で答えた。

 

清水「……柊和真、その様子だとあなたも内心では苦しい台詞だと思っているのでしょう?お姉さまとそこの豚野郎の間になんの関係のないことぐらい、お姉さまの顔を見れば一目瞭然です」

 

いかにも全て知っていると言わんばかりの口ぶりである。どうやら実際に情報収集で二人が付き合っているのは嘘だというのは知っているようだ。

 

美波「……それは……」

 

清水の言葉にリアクションを取りあぐねる美波。明久に対して怒っているので否定したい感情と、先ほどの和真の叫びを聞いていたため肯定しなければいけないという責任感がせめぎあっているようだ。

 

清水「だいたい、そこの豚野郎がお姉さまに相応しいとは思えません」

明久に「…………そりゃ、僕は勉強もできないし部活もやってないけど、でも」

清水「勉強?部活?違いますね。美春が言いたいのはそんなことじゃありません。それ以前の問題です」

 

明久の向上を遮ると、清水はまるで見下すような視線を明久に送りながら言葉を続けた。

 

清水「美春は前々から二人の関係を見てきましたが、そこの豚野郎の態度は最低です」

明久(……思い当たるフシが多すぎる)

美春「同じクラスの姫路さんに接する態度とお姉さまへの態度があまりに違いすぎます」

美波「……っ!」

清水「姫路さんには優しく気を遣い、まるでお嬢様を相手にするかのような態度。それに対してお姉さまへの態度はどうです?全く気遣いも無ければ、異性に対する最低限の優しさする見られないじゃないですか」

 

今の唇を噛みしめている美波は、普段の勝ち気な姿とかけ離れた、捨てられた子犬のような印象を抱かせる。

 

清水「はっきり言えば、そこの豚野郎はお姉さまの魅力に気付いていないどころか、何の気も遣わずに男友達に接するような態度でお姉さまに接している大馬鹿野郎です。そんな男がお姉さまに相応しいかどうかなんて、容姿や学力以前の問題です。それに……」

 

とどめを刺すように、清水は口の端を少し吊り上げて言い放った。

 

 

 

 

 

清水「それに、演技とは言え『好き』とまで言ってくれたお姉さまのことを放って姫路さんを追うなんて、普通は考えられません。もしかして、お姉さまのことを男だとでも思っているんじゃないですか?」

 

美波「ーっっ!!」

 

清水の台詞を聞くや否や、美波が教室から走り去っていった。

 

明久「美波!?」

清水「追ってどうするんです?また男友達に接するように乱暴な言葉でもかけるんですか?そうやって更にお姉さまを傷つけるんですか?」

 

清水の非難するような言葉に明久は思わず足を止め、部屋中にとてつもなく気まずい雰囲気が流れる。

 

平賀「……和真、俺ももう行ってもいいよな?こんなんじゃ謝罪どころの話じゃなさそうだからな」

和真「おう、おつかれ源二」

 

すると、無言だった平賀が気まずそうに立ち上がり教室を出て行った。この雰囲気に耐えられなかったようだ。

切りたくない切り札を切らざるを得なくなった和真は内心ため息を吐きながら友人を見送る。

 

清水「この話し合いに何の目的があったのかは知りませんが、美春はもうあなたを恋敵として認めるようなことはありません。お姉さまの魅力に気付かず、同姓として扱うだけの豚野郎に嫉妬するなんて、時間の無駄ですから。……お姉さまの魅力がわかるのは美春だけです」

和真「あーちょっと待て清水、一つ聞きたいんだが」

 

席を立とうとした清水を呼び止める和真。清水はやや面倒臭いと思いつつも一応聞くことにした。

 

清水「……なんです?」

和真「屋上に仕掛けてある盗聴器、あれお前のだよな?」

清水「だったらなんだというのですか?」

和真「……ハァ……半ば自業自得なんだが、一応先に謝っておくわ」

清水「?柊和真、いったい何を…」

和真「おーい、もう入ってきていいぞー!」

 

美波や源二が飛び出していったのとは別のドアから、一人の女子生徒が教室に入ってきた。

 

金色に輝くセミショート。

 

凛々しくも美しい容姿。

 

洗練された芸術のような肉体。

 

そして、鋼の如き意思の強さを秘めた瞳。

 

 

 

清水「あ……ああああああ飛鳥お姉さま!?」

飛鳥「清水さん、話は全て聞かせてもらったわ」

 

生徒副会長にして“橘”のご令嬢、そして蒼介の許嫁、橘飛鳥その人であった。

紆余曲折で深く関わることを禁じられた清水は、かつての想い人の来訪にパニックになるが、飛鳥は厳格な表情で清水を責め立てる。

 

飛鳥「どうやら蒼介が合宿で貴方が行った盗撮を厳罰に処さなかったのは間違いだったようね。まさか懲りもせず同じ過ちを繰り返すとは……」

清水「み……美春は盗撮なんて……」

飛鳥「言い訳は結構。当の被害者である島田さんからの確かな情報よ」

 

狼狽する清水の弁明を冷たく切り捨てる。普段優しい飛鳥であるが、どうやら相当ご立腹のようだ。

 

飛鳥「恥を知りなさい。貴女に誰かを非難する資格など無いわ」

美春「み……美春はただ……」

飛鳥「……貴方にはそれ相応の罰が必要のようね。本来なら私達Aクラスが貴方達に宣戦布告をしているところよ」

清水「!?」

 

もしAクラスに攻め込まれたらDクラスなど鎧袖一触で蹴散らされてしまう。自分が原因でAクラスが宣戦布告したということはいずれ知れ渡るだろうし、そうなればクラスでの立場などどん底に突き落とされるだろう。それを理解した清水は泣きそうな表情になる。

この女性のことはよく知っている。

普段は誰に対しても優しく接する慈愛に満ちた性格をしているが、同時に一度敵意を向けた相手には一切の容赦もない苛烈な性格を持ち合わせていることを。

 

飛鳥「……でもそれでは、清水さん以外のDクラスの人があまりに可哀想ね。それにFクラスは最終的に覗きの主犯格になったのもまた事実。となると貴方達がすべきことは一つね」

 

突然飛鳥は和真と清水の間に立ち両者をそれぞれ見据えてから、反論など受け付けないといった声色で宣言する。

 

飛鳥「DクラスとFクラスの試召戦争を要求するわ。引き受けるならばこれ以上貴方達を咎めません。でももし断るならばそのときは……私達Aクラスと試召戦争をすることになります」

 

毅然とした表情で告げられたそれは、もはや要求というより脅迫であった。意訳すればこちら側の要求を飲まなければ地獄に落とすと言っているようなものである。

とはいえ和真にとっては予定通りで、一瞬で崖っぷちに立たされた清水も引き受けないという選択肢など存在しなかった。

 

和真「俺達は構わねぇぜ、後で雄二に伝えとく」

清水「……美春達も構いません。明日宣戦布告を行うと約束しましょう」

飛鳥「よろしい。……清水さん、貴女のしたことは許されざることだけど、貴女が島田さんを心から想っていることは伝わりました。……悔い改めるのは今からでも遅くはないわ」

清水「っ!?……はい……!……ごめんなさい……!」

 

思わず泣き出しそうになる清水に先ほどまでの厳格な表情を緩ませ、微笑みかけ慈しむように清水の頭を撫でた後、飛鳥は役目を終えたと言わんばかりに教室から出ていった。

恍惚とした表情を浮かべる清水を一瞥して、和真は呆れるように溜め息を吐く。

 

和真(そういうこと平気でやっちゃうからお前は『彼氏にしたいランキング(女性編)』堂々の第一位なんだよ……)

 

もっともな言い分であるが、男性編で蒼介とトップ争いを繰り広げた和真もあまり人のこと言えない。

不意に、また和真の携帯が振動する。差出人は再び霧島父。内心翔子の安否が死ぬほど気になっていた和真は固唾を飲んで通話ボタンを押す。

 

和真「(ピッ)……はい、柊です……その声、雄二か!……おう……そっか!……良かった……ああ、こっちも無事成功したぜ……おう……じゃあな(ピッ)

……明久、翔子は無事だとよ」

明久「本当に!?良かった……」

和真「見舞いに行こうにも流石に倒れた直後だから面会はできないそうだ。となると、俺達は明日に備えてさっさと帰るぞ」

明久「うん、それなんだけど……和真はちょっと席を外してくれるかな?清水さんと一対一で話したいことがあるから」

和真「……りょーかい」

 

特に断る理由も無かったので、和真はさっさと教室を出ていった。つい先ほどまで恍惚の表情を浮かべていた清水は、再び不機嫌そうな表情に戻り、煩わしいと言わんばかりにに明久を睨めつけた。

 

美春「……なんです?美春に何か言いたいことでもあるんですか?」

 

 

 




綾倉「いやぁ、色々ありましたが最終的に橘さんが全部持っていきましたね」

蒼介「そもそもタイトルからしてネタバレ全快ですがね」

綾倉「しかし橘さんにとっては初の見せ場ですよ。今までは精々木下さんの発射台でしかか活躍していなかったですもんね」

蒼介「否定はできませんがもう少し言葉を選んであげてください」

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