機動戦士ガンダムSEED 臆病者の意地   作:ユーリさん

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この小説…すごい進みが遅いです…
あとそんな原作と変わることも多分ありません


第3話 今年1番の最悪な日

 

 

 

今日は、多分人生の中でも最悪な部類に入るぐらい不運な日だと思う。

 

いつも通り友達と過ごしていただけなのに、いつの間にかザフトが攻めてきて、その時に幼少の頃の親友に会ったけど、その親友は攻めてきたザフト軍の1人で、生きる為とはいえ、よく分からない、多分このモビルスーツの関係者であるお姉さんと一緒にいつの間にかモビルスーツなんかに乗っちゃって…

 

自分でも、何が何だか分からなくなっていた。

あまりにも事態が急変しすぎて、どうすればいいのか分からなくて、ただ生きるために必死に動いていただけだった。

 

それでも、モビルスーツ同士の殺し合いで生き残ることが出来たこと、そして、トールやミリアリア、サイやカズイ。周りはまだ危険なんだろうけど、皆も無事で、こうやって笑い合えることが凄く幸運なんだって思った。

 

それができるのも、このモビルスーツに乗ることが出来たことももちろんだけど、何よりもう一機の、僕が乗ったモビルスーツと同じ姿をしたモビルスーツ…操縦してる人が誰かは知らないけど、それでも、あの人がいたから僕は生きてる。…ちゃんと、お礼を言わないと…

 

「…キラ?おい、大丈夫か?」

 

「え?…あ、あぁ、うん」

 

「…ほんとに大丈夫かよ…?あんなもんに乗って戦ったんだ、相当疲れてるだろ?」

 

僕の友人、トールやサイが心配してくれる。確かに疲れてるけど、でもほんとに大丈夫だから…

 

「貴方達…何故こんなところに…何故避難していないの?」

 

僕と一緒にモビルスーツに乗った、軍のお姉さん…なのかな?その人が騒動の時に負傷した片腕を押えながら僕の後にコックピットにおりてきて、尋ねてきた。

 

「い、いやぁ…俺達ももちろん逃げようとしたんですけど、もう身近なシェルターは埋まっちゃってるか、入口が瓦礫で塞がっちゃってて…仕方なく、ここに逃げ込んでいたんです。…にしても、腕、大丈夫なんですか…?」

 

トールが少し気まずそうにそう答えた。お姉さんの腕はだいぶ血が滲んでいて、まるからに痛そうだった。だが、、それを聞いたお姉さんはだいぶ険しい表情でなにか呟いていた。

 

「なんてこと…そんなところまで被害が拡がっているなんて…」

 

トールの心配が聞こえていないのか、そのまま何か深く考えている様子だった。多分、これからのことを考えているんだろう。僕達も、これからどうするのか考えないと…

 

あまり再開を喜んでる暇もなく、皆暗い表情になってしまった。その時、ふとカズイとミリアリアが呟く。

 

「…にしても、あのもう一機のモビルスーツ…キラの乗ったやつと比べて凄くボロボロになってるけど、大丈夫なのかよ…」

 

「そ、そうよ!キラに会えたのは嬉しいけど、まず先にあれに乗ってる人を助けなくちゃ!あれだけボロボロなんだもの、コックピットが開かなくなってるかもしれないし!」

 

え?いや、そういえばあの機体、フェイズシフト装甲を展開していなかったような…まさか、その状態であの爆発を受けてるんだったら、いくらコックピットの中と言えど相当なダメージがあるはずだ!ミリアリアの言うとおり、すぐに助けないと!

 

僕達は周りに気をつけながらもう一機のモビルスーツのパイロット救出に向かおうとしたけど、そうするまでもなく、コックピットが開いた。

そして出てきたのは…

 

「…あれ、軍人か…?服装的にそうは見えないんだけど…ん?もう1人…?」

 

「…嘘、女の子!?なんでぇ!?」

 

ミリアリアとカズイがそのパイロットを見たけど、僕も目を疑った。なんせ乗っているのは軍人なんかじゃなく、作業着のツナギを着ている若い大人の男性と、短い金髪の少女だったんだ。

 

男性の方は少女を抱き抱え、コックピットから降りると周りに気をつけながらこちらに向かって近寄ってくる。

お互い話せる距離まで近づくと、男性の方はすごく疲れたように微笑んだ。

 

「…その、お互い、大変な目にあったね…」

 

「え?…えぇまぁ…そうですね…とても、大変でした…」

 

僕はさっきの戦闘や過去の友人に会えたことを思い出して、返事が少し暗くなってしまった。

だが彼は特に気にした様子もなく、抱えていた少女を下ろすと、こちらに手を差し出した。

 

「…君があのジンにトドメを刺してくれたから、今こうして会うことができてる…ほんと、感謝するよ。ありがとう…」

 

「あ…いやそんな、僕は…」

 

生きる為に必死でやっただけで…でも、事情がどうあれ彼はこうやって手を差し伸べてくれた。僕も、それに応えたくて手を伸ばした。

 

「…いえ、こちらこそ、ありがとうございました」

 

お互いに手を握ったあと、彼は皆に向けて短く自己紹介をしてくれた。

 

「改めて、俺はツクミ・バーシル。このヘリオポリスに住む自動車関連のエンジニアさ。…彼女は…」

 

彼はそう言うと困ったような表情で、手を繋いでいる少女を見る。

 

「…その、彼女はステラって言うんだ。…悪いが、名前以外の事は俺も知らなくてね…この騒動でお互い逃げ道をなくしてしまって、一緒に行動していたんだ」

 

手を握る女の子は、見る限りあまり感情を感じさせない子だった。紹介されている最中も目線ひとつ動かさない、なんだかぽけーっとしてるみたいでちょっと変わった女の子のようだ。

 

「そう、なんてすか…まぁこんな状況ですもんね。しょうがないですよ」

 

「そうですよ!あまり気にしないでください!…えっと、ステラちゃん、だっけ?可愛い子ねぇ」

 

トールやミリアリアがツクミさんを励ましながら、ミリアリアは軽くしゃがみ、ステラに目線を合わせて微笑む。

 

「大丈夫だからね…私達皆で安全な場所に行こう?」

 

「……」

 

けど、女の子はミリアリアを少し見たあと、ツクミさんの手を強く握って、少し後ろにあとずさった。ツクミさんも困ったように笑って

 

「ステラは案外人見知りなのかな?気を悪くしないでくれな」

 

「あはは…お姉さん、もしかして怖がられてる…?」

 

「きっとミリィの性格が見抜かれてるんだよ」

 

「な、なんでってぇ!?ちょっとトール!」

 

ミリアリアとトールが笑いながら喧嘩していた。元々彼女やトールは皆のムードメーカーみたいなところもあって、こういう少し不安な空気がある時には彼女達のおかげで回りも明るくなる。本当に皆がいてくれてよかった。

 

そうして皆んなでこれからどうしようか話し合おうとした時…

 

「…貴方が、ストライクを動かしたの?」

 

「え?スト、ライク…?あ、あぁ、もしかしてあのモビルスーツのことですか?」

 

僕の後ろから、顔色があまり良くない軍のお姉さんがツクミさんに問いかけた。

…なんだか、怒ってる…?

 

「えぇまぁ…逃げる為に、致し方なく…」

 

ツクミさんがそこまで喋ったその瞬間…

 

 

 

 

 

お姉さんは懐から銃を取りだし、彼に銃口を向けた。

 

「…え」

 

「全員動かないでッ!!」

 

お姉さんは皆にそう叫んだ。

僕も一瞬何が起こったのか分からなかった。皆も同じで、戸惑いで動けなかった。だが、トールがいち早くお姉さんに向けて叫ぶ。

 

「な、何すんだよっ!なんで銃なんて向けるのさ!」

 

「黙りなさいッ!」

 

だが彼の言葉は虚しくもお姉さんの一言で一蹴された。

お姉さんはとても警戒しているような表情だった。

 

「…私は、地球連合軍所属、マリュー・ラミアスです。…軍に所属する者として、貴方達は到底看過出来ません」

 

「ぐ、軍ッ!?ザフトの次は地球軍かよ…!」

 

「嘘…!というか、貴方達ってことは、私達も…?」

 

サイやミリアリアがそう呟く。けど、マリューさんは警戒を解かず、銃を向ける理由を話した。

 

「…あれは、軍の所有物。それも、最重要機密が詰まったものです。間違っても民間人が扱っていい代物ではありません。もちろん見ることすらも…貴方達にも事情はあるのでしょうが、見てしまったからにはおいそれと解放することはできません。然るべき処置が下るまで、私の管轄下にいてもらいます」

 

「…はぁ!?あ、あんたイカれてんのかよ!?キラやツクミさんが戦ってくれたから俺達は生きてるんじゃないかっ!あんたが生きてるのだってキラ達のおかげじゃないか!なのに、何を今更!」

 

黙りなさいと言ったはずです!…次は撃つわよ」

 

「そ、そんな理不尽な…俺達は中立国の国民なのに…」

 

「理不尽でもなんでも結構!戦争をやっているんです…私達はッ…!貴方達も、もはや中立だのなんだの言っていれば助かる…なんて思ってはいないでしょう…?」

 

トールやカズイがなおも抵抗の言葉を話すが、自分たちに銃口を向けられたこと、そして、マリューさんの言った事がこの世界の、そして今の自分たちの現状なんだと頭の中では理解してしまったがために、言い淀むことしか出来なかった。

 

「…貴方達2人が戦ってくれたから助かった…その点については感謝します。ですが、ただの民間人が、モビルスーツを操縦できるはずがない…貴方やそこの君も、ザフト軍のものでは無いでしょうね?」

 

そんな、僕達はただ生きる為に仕方なくモビルスーツを操縦したっていうのに、なんでこんなこと言われなくちゃいけないんだ!

そう反論しようとしたが、下手に口を出して撃たれてしまうことを僕は恐れていえなかった。だが、そんな中ツクミさんが前に出た。

 

「…違うって言っても…信じては貰えないんでしょうね…でも、今それを追求するよりも、やるべき事があるんじゃないですか?貴方は軍人なんでしょうけど、その前に1人の人間で、大人でしょう?俺達大人が、彼ら子供を安全な場所に連れていくのが、何よりも大切なんじゃないんですか…?」

 

「………」

 

ツクミさんは説得している最中、体が少し震えていた。きっとこの人も今の状況に恐怖していたんだと思う。

 

「…わかっているわよ…それぐらい…」

 

マリューさんはツクミさんの言葉を聞いてもしばらくは無言だった。だが、一言何か呟いた後、ゆっくりと銃を下ろしてくれた、

 

 

「…確かに、貴方の言う通り、今は争っている場合では無いわね…分かりました。現状況においては追求しません。ですが、先程も言ったように解放ことはできません。今からは私の指示に従って行動して下さい」

 

そう言ってマリューさんは僕達全員を軽く見た後に、数秒なにか考え込み、そしてすぐに顔をあげた。

 

「…改めて、貴方達の名前を聞かせてちょうだい。まず君から」

 

「え?あ、えっと、カズイ・バスカーク、です…」

 

「…あ、えっと、ミリアリア・ハウです…」

 

「…トール・ケーニヒ…」

 

「…サイ・アーガイルです…」

 

「……キラ・ヤマトです」

 

「ツクミ・バーシル。こっちの女の子は…」

 

「…ステラ・ルーシェ…」

 

「…です」

 

急に名前を聞かれて皆戸惑ったが、全員の名前を聞いたマリューさんは軽く頷きながら質問する

 

「そう、わかったわ…ではツクミ君、聞きたいのだけれど、あのストライクは動くの?」

 

「え?えぇ、まぁ…片腕は全く動きませんし、さっきの爆発のせいで大破とまではいきませんが片足と全体の装甲が損傷、頭部のメインモニターにも異常が出ていて非常に視界が悪く、推進剤もカラ…おまけに内部バッテリーもあと少し動けば多分止まりますけど…一応動きはしますよ」

 

ツクミさんの乗っていたモビルスーツの散々な状態を聞いたマリューさんはまるで苦虫を噛み潰したような表情をした後にため息をついた。

 

「随分な状態ね…でも、どんな状態でも動いてくれるだけまだマシか…では、キラ君は私と一緒に、ツクミ君もそれぞれのストライクに搭乗。残りの皆はそこの車両に乗って私が支持する場所に向かってもらいます」

 

一体どこに向かわせられるのか分からないが、ここでじっとしているわけにもいかないし、僕もみんなも渋々マリューさんのいうとおりに従った。

 

「ではキラ君、お願いね」

 

「…えぇ、分かりました」

 

早速ストライクのコックピットに向かうけど、指定された車両に乗り込もうとしていたミリアリアが何か言っていた。

 

「…あ、ちょっとステラちゃん!君はこっちだよ!」

 

見るとあの女の子はツクミさんに着いていこうとしていた。

ミリアリアはそんな彼女の手を取り、車側に連れていこうとするが

 

「…やぁ!」

 

「わぁ!?」

 

彼女は手を掴まれた瞬間、怖がるようにミリアリアに掴まれた手を振り払い、急いでツクミさんのところに逃げてしまった。あまりのことにミリアリアも驚き、ぽかんとしていた

 

「ちょ、ステラ!どうしたんだよ急に…」

 

「ステラも…ステラもッ…!」

 

見れば彼女は半分泣きかけていた。ツクミさんは申し訳なさそうにミリアリアに謝罪し、ステラを車の方に向かわせようとするが一向に話を聞いてくれない様子だった。あの子はよほどツクミさんと一緒に居たいらしい…

 

「…1度乗ってるんだもの、二度乗ってもおなじ事よ。貴方が操縦しづらくないなら連れて行っても構わないから、早く乗ってちょうだい。あまり悠長にしている時間はもうないわよ…」

 

マリューさんもため息混じりに仕方なく指示を出した。…なんだかあの子は見た目の割には中身が幼すぎるというか…本当にとても変わった子なんだな…

 

しょうがなくツクミさん周りに謝罪しながらは女の子を連れてコックピットの中に入っていった。

残りの皆も車両に乗っていったが、ミリアリアは特に落ち込んでいるようだった

 

「……あの倉庫に、残ってると良いのだけれど…」

 

「…倉庫に向かうんですか?残ってるといいって、一体何がです?」

 

ふとマリューさんの呟きが気になってつい聞いてしまったが、もしかしたらこれも軍事関係とか何とか言われてまた怒られるんじゃ…って思ったけど、マリューさんは仕方なさげに教えてくれた。

 

「…そうね、簡単に言うと、ストライクの付属品よ。今のストライクはいわば素の状態。このまま行動するにはとてもじゃないけど頼りないし、何よりザフトにむざむざと奪取される訳にもいかないわ。…今はもう、モビルスーツの姿は見えないけれど…またいつ来るかも分からないしね…」

 

「へぇ…」

 

「何より、向こうにはバッテリーの充電器もある。この機体はともかく、向こうのストライクはガス欠寸前だし、どこかで充電しないとただの重い大きな置物になってしまうわ」

 

確かにこの機体、モビルスーツにしては武装が少なく、もし次敵が出てきたら勝てるかどうか分からない程だ…だが、自分はてっきり安全な避難場所にでもいくのかとおもっていたが、マリューさんはどうしてもこの機体をザフトに奪われたくないらしい…

しかし、マリューさんはそんな僕の心情を察してか、少し慰めてくれた。

 

「大丈夫。心配しなくても、安全な場所はちゃんとあるわ。部品の回収さえすめば、そこに案内できるから」

 

「…はい」

 

不安は残るが、僕はマリューさんを信じて皆と一緒に倉庫へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

「…ここよ、止まって」

 

「あ、はい」

 

しばらく移動した後、半壊した倉庫を発見した。正直、こんなところにモビルスーツにつけるような部品が残っているのだろうかとも思っていたが、倉庫内ではなく、どうやら倉庫の隣にあるトレーラーに積んであるコンテナの中にあるらしく、僕とツクミさんのストライクをその付近に停め、後から続いてきた友人達にマリューさんは指示を出し、中のコンテナを開ける。

 

「…あった!良かった…」

 

「…これが?」

 

「えぇ、これはランチャーストライカー…ストライクの遠距離用装備よ

 

コンテナの中身は、とても大きな砲身と、色んな部品があった。

 

「キラ君はこれを装備してちょうだい。データ上にどう付ければいいかあるはずよ」

 

「了解です」

 

『マリューさん、こっちのコンテナはどうします?中は…こっちも二丁の銃身がありますけど』

 

ツクミさんが通信で聞いてきた。どうやらもうひとつコンテナがあったらしく、中身は左右で形の違う銃身が2つあった。

 

「それは…バスターの予備のライフル…?…まぁ、ストライクもバスターも規格は同じだし、扱えないことも無いか…見つけたものは持ち帰りたいわ。ツクミ君はそれを装備して。それと、この倉庫内に確かモビルスーツ用の充電ケーブルがあったハズよ。おそらくまだ電気は生きているはずだから、できる限り充電してちょうだい」

 

『了解』

 

その後も、皆んなで手分けしてストライクの整備をできる限りした。2機のストライクは、万全とは言わずとも最初の頃よりかは頼もしく思えるようになっていた。

 

「…どう?キラ君」

 

マリューさんはモビルスーツから降りて皆を手伝っていたため、下から見上げるようにストライクに向けて大きな声で話す。

僕もコックピットを開けて、簡潔に状況を伝えた。

 

「一応、一通りは装備できましたけど、使用するプログラムがめちゃくちゃで、実際にこの装備を使うにはまだ時間はかかります」

 

「まぁ、敵は来ていないし、今のところはそれでもいいわ。それじゃ今から指示する場所に…」

 

 

 

 

 

 

そこまで話していると、急に上空で爆発音が響き、コックピット内に警報が響く

 

「うわッ!敵襲ッ!?」

 

「そんな、どこから!?」

 

 

レーダーが示す先は上空、宇宙港付近。見てみると、戦闘中の2機の機体が現れる。

 

 

「…あれは、ザフトの機体に、メビウス・ゼロ!?」

 

 

一難去ってまた一難…敵は僕達の事情なんて構わずに襲いかかる。

戦いたくなんてない、でも僕がやらなきゃ、皆が死んでしまうから…

 

 

「もう、僕達を…放っておいてくれぇッ!!」

 

 

僕は、銃を構えた。

 

 

 

 

 




ツクミのビジュアルは一応少し長い銀髪を後ろに束ねているってだけです。
でも正直皆さんの脳内で好きなように考えてもらって結構です
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