細かいことは気にしないスタイルで参ります。
「聞こえてっか、ブレイン所長殿?」
聞こえてるよースカルちゃん。
「相変わらずノリが軽い。ミッションを確認すっぞ」
あいよー。
「依頼主はアーキバスの眼鏡生えてる声。前方の汚染市街でベイラムとルビコン解放戦線がにらみ合いしてっから、奴らを攻撃して戦端を開けってよ」
奴らに潰し合いをさせるってことだね。
そうなりゃここは一気にグラウンドゼロ化。
実際に戦端を開く僕らは捨て駒扱いだなこりゃ。
「この作戦を考えた眼鏡声。あんたの知り合いなんだろ、何とかしろや」
元社員で同期だったってだけだよ。
こっちはクビにされて久しいんだから、どうせ何言ったって仕方ないよ。
「ま、金を払うならいっけどさ。……AC、見えてきたぞ。レッドガンの七番目だ」
はいはい。
じゃあまずはレーザーダガーで斬り込むから、適当に後方支援お願いねー。
「また手が出るのが早い。しかもびみょーに堅いしこいつ」
あ、でも姿勢崩れた。
このままレーザーダガーで三枚おろしにしておくよ。
この回転率がダガーの強みよな~。
「向こうも動いたぞ。……解放戦線もAC乗りを雇ってんのか」
ここ最近は彼らも独立傭兵達に粉をかけて回っているらしいよー。
もし美味しそうな仕事が回ってきたら突っぱねずに保留にしといてね。
「アーキバスを攻撃しないやつ限定でか」
当然。
あ、もう死んじゃった。
「独立傭兵トーマス・カークの撃破を確認。こっちもモンキー・ゴードを撃破。まぁ下位ランカーどもじゃこんなもんか」
いや、まだ来るみたいだよ?
迎撃しにいかなきゃ。
「なんじゃありゃ。……この感じ、どっちの陣営でもねーな?」
うーん、RaD辺りの差し金かなー?
「ふむ、ランクはFか。さっきの七番やトーマスよりは下位だけど……」
……なんか、まずいっぽいね。
スカルちゃん、今から実弾オービットとレーザータレットをフルで回す。
ちょっと気をそらしてくれ。
「また弾薬費が高くなっちまうぞーっと」
命には代えられないよ。
……うわ、展開しきったのに割と全部避けてるの気持ち悪。
絶対ランク詐欺でしょこいつ。
「けど二体一ならこれが効くっしょ」
上空からミサイル援護、助かるー。
「いいから追撃しておくんなまし。なんのための近距離武装だ」
はいはい。
この距離ならハンドガンでネクターにするのがよさそうだ。
いくらあの変態軌道でもそろそろ効くっしょ。
「バーストライフル二丁ともリロード。……けど、もう十分か」
はーい敵さんスタッガー。
そのまま実弾オービットとレーザータレットの弾幕が響く~。
ついでにレーザーダガーで切り刻んで、アサルトアーマーでフィニッシュ!!!
「独立傭兵レイヴンの撃破を確認。相も変わらず状況が嵌った時の火力がいかれてること」
そりゃ短期決戦前提の一発屋コンボ機体だからね。
実弾オービットとレーザータレット、無理してでも買ってよかったよ。
「声眼鏡から通信来た。もう帰っていいってよ。これ以上は封鎖機構に睨まれるし、金貰いに行くぞ」
いよっしゃー。
やっと金が手に入る―。
帰ったら船のサブバッテリー起動してゲームしまくるぞー。
船の中にゲームセンター作ったのにずっと消灯状態だったの、寂しかったんだぞこんちくしょうめー。
「今まで節約生活だったもんな。本社んとこの家賃も今のうちに送金しないと。滞納しまくってるからいつ差し押さえられるか……」
本社って、あれただの巨大なガレージだよ?
僕らは船さえあれば普通にシャワーも浴びれるしゲームもしまくるし、ぶっちゃけあそこいらないんだけどなー。
「あそこがなくなったらどこで船の補給すんだ。いつまでも眼鏡男におんぶにだっこってわけにもいかないし、書類管理の都合でもあの住所はいるんだぞ」
へー、そうなんだー。
「なんでそんなこと把握してないんだヘボ所長。……後は借金の返済もあるし、修理費・弾薬費も計上しないとだし、飯と船の電気代を考えるとあんまし懐に残らないな」
えー。
そろそろコアと脚部もアーキバスフレームに換装したいのにー。
スカルちゃんのフレームもシュナイダー製の奴にしてあげたいしー……。
「奴らのは高いからな。また今度だ」
そんなー……。
◆
コーラルって物質がある。
スネイル曰く、次世代のエネルギー資源なんだって。
こいつを独占できれば、アーキバスは大きく発展し人類社会の支配者として君臨できるんだとか。
でも、似たようなことを考える奴がいる。
『ベイラム』だ。
奴らはアーキバスよりも先にコーラルを独占しようとしてくる敵だ。
あと土着のルビコニアン勢力『ルビコン解放戦線』も邪魔してくる。
コーラルがあるルビコンを封鎖する『封鎖機構』も忘れずに。
だからアーキバスにはあいつらを打破するための戦力が要る。
スネイルが率いるヴェスパー部隊が一応その枠だ。
でもスネイル曰くフロイトの奴以外に使い物になる奴がいないんだってさ。
だから、僕に白羽の矢が立った。
元アーキバス社員のAC乗りだった、この僕に。
僕の名はブレイン。
ブレイン傭兵事務所の所長であり、即ち独立傭兵の一勢力だ。
事務所の従業員は僕とスカルちゃんの二人だけだがね。
だから二人組の独立傭兵ってのが正しい認識になる。
アーキバスから解雇通知を食らってしばらく、他にできることもなく独立傭兵としてACを育てて、数年前にスカルちゃんを拾って、そんな感じでお金を稼いでいた。
金欠だからベイラム製とかの安いパーツにも手を出して、まぁなんとかやりくりしたよ。
そんな時に、我らの移動事務所である船に元同期のスネイルがやってきたのさ。
それが、今僕らがルビコンにいる理由だ。
「おーぅ、戻ったぞスネイル閣下―」
「閣下は不要と言った筈です。貴方に呼ばれると悪寒が走る」
「ひっでぇ」
この眼鏡生えてそうな声してる嫌味で偉そうな奴がスネイル。
ヴェスパー第二隊長で、事実上ルビコンにおけるアーキバス司令官だ。
実際は上層部との兼ね合いに苦しむ悲しき中間管理職だけどね。
「……本当にいるんだな、ブレイン。こうして三人揃うとまるであの時に戻ったかのようだ」
「あの時は色々ごたついてたもんねぇ。僕としても感慨深いよ。だからってお前の慣らしには付き合わんけどな、フロイト野郎」
「……っ」
「そこ、露骨に舌打ちしない。ついでに言っとくと書類上は独立傭兵のままだから上司命令も聞きませんからね」
「残念だ」
一方そこで書類仕事をしつつベイラムの雑誌を漁っているのが、ヴェスパー首席隊長のフロイト。
数字の上ではスネイルより上だけど、できることは僕と同じACを使った戦働きぐらいなもんで、頭脳労働はあんまりしない。
一応この僕と互角には戦える奴だから、結構バケモンなんだよね。
ただでさえ真人間なのに、おまけに対AC攻撃力に特化してない生存型アセンで、だ。
おかげで数字上の実績は普通に負けちゃってる。
流石にAC相手の戦績はこっちが上だけど。
「あの忌々しい上層部の意向がなければブレインをV.Ⅸ……いえ、今すぐにでもV.Ⅲに起用したというのに」
「だからついさっき汚染市街でちまちま実績を稼いできたんだろが。あれって僕をアーキバスの拠点に出入りさせる権限のための作戦でしょ。あと実力的にⅢはお前だ」
「そうだな。スネイルは最低限の実力はあるが、動きに柔軟性がなくてつまらん」
「仕方ないよ。こいつ頭でっかちだし」
「今すぐ再教育センターに送ってやりましょうか?」
まぁそんな感じで。
僕、スネイル、フロイトはこんな風に三人でだべるのが、例の騒動までの日常だった。
スネイルが頭として考えまくって、僕とフロイトがスネイルを頭でっかちにしないよう色々支えてやる。
それが僕ら三人の関係性って奴さ。
「さて。ひとまずこれでオールマインドのシステムにも仁義切った。最低限上層部に対してもね。これで僕も本格的にアーキバス側として戦場に介入できる」
「後はどうやってこいつを正式にアーキバスに戻すか、だな」
「……今回のルビコン進駐で、奴らを蹴落とします。それでブレインの再雇用反対派は軒並み消えることでしょう」
「ああ、そういう……。まぁ僕はスカルちゃんの身柄と安全を確保してくれるなら、アーキバス戻りに異論はないよ。むしろ生活が安定して助かる」
「先は長いぞ。まず『壁』がある。あれは単騎では早々落ちんし、他の拠点のこともある。まともな戦力が俺だけなら今頃頭を抱えていただろうな、こいつが」
「そのためのブレインです。……ひとまず貴方達二人が揃っていればどうにでもなるでしょう」
久々の三人だが、まぁ相変わらずなようで何よりだ。
スネイルほっとくと変な暴走するからなー。
「当面は『壁』の攻略を目標とします。その時、フロイトはベイラムへの誘導と睨みを。ブレイン、貴方も独立傭兵として雇用するのでそのつもりで」
「面倒くさい……が、まぁブレインが戻ってくるなら多少は我慢してやろうか」
「で、僕の方はヴェスパー部隊とお前に成果を譲るための露払い役だな。しばらく実績には恵まれなさそーだなー……」
「いえ、貴方は囮役の捨て駒です。独立傭兵は独立傭兵らしく、途中で死ぬようならそれまでと肝に銘じておきなさい」
「ひっでぇ」
と、いうわけで。
ひとまず僕らはアーキバス……というより、スネイルを政治的に勝たせるために戦うわけなのさ。
「ところで、貴方が連れているスカルという小娘……あれ、何なのです?」
「一度顔を見たが、あれは第四世代だな。そういう動きだ」
「あー……うん、お前らには念のため素性を伝えておいた方がいいな。あんまし口外すんなよ?」
「スカルちゃんの元の正式名称は『C4-618』。数年前にスッラとかいう奴から助けて拾った、元ハンドラー・ウォルターの猟犬だ」
細かいことは気にしないスタイルでお願いします(二回目)
同じ日に死んでるのにモンキーとかトーマスとかレイヴンとかのライセンス失効期限が異なるのは、多分それぞれの実績とか前ミッションの日が異なるとかそんな感じだと思います。
そういうことにしました。
以下例によってオリジナルキャラとACのデータをまとめてあります。
今回はオリ主ことブレインの分。
合わせてお楽しみください。
ブレイン AC // ストーミング
企業勢力と共にルビコン入りした独立傭兵。
ブレインは元アーキバス社員であり、社内政治に巻き込まれて解雇された後も事務所を開き独立傭兵として活動していた。
だがある時、同期だったスネイルから仕事を依頼され、アーキバス部隊と共にルビコンへの密航を果たした。
ACアセンブリに支障をきたす程度には金欠であり実績にも恵まれないが、本質的にはフロイトに並ぶ実力を持つ。
ストーミング
独立傭兵ブレインが駆る中量二脚AC。
短ハンドガン・レーザーダガー・レーザータレット・実弾オービットを装備する。
フレームは「アーキバス量産頭」「メランダーコア」「アーキバス量産腕」「メランダー脚部」と、ベイラム製とアーキバス製が混合。
ブースターはシュナイダー製軽量型「ALULA/21E」、FCSはファーロン製中・近距離特化モデル「FCS-G2/P05」、ジェネはアーキバス製万能型「VP-20C」。
拡張機能はアサルトアーマー。
ベイラム製・アーキバス製のパーツが混合する近距離格闘機。
基本はハンドガンとレーザーダガーを用いた近距離機動戦を仕掛けるが、背部に備えたレーザータレットと実弾オービットを組み合わせることで相手を攪乱する。
特にレーザーダガーを中心としたコンボ性能を重視しており、ひとたび相手が姿勢を崩せばそのまま一気にタレット・オービットの火力も合わせて撃破に追い込む極端な攻撃力を有する。
レーザーダガーとレーザータレットについては社員時代からの付き合いでありようやく買い戻せた相棒。とりわけタレットによる『狩場』の構築がブレインの十八番。
その一方、遠距離攻撃性能・経戦能力には難がある。
金欠に喘いでいる機体であり、タレットとオービットの購入費・維持費のせいでフレーム統一ができていない。
できればスカルちゃんの機体もシュナイダー製へ強化してあげたいなぁとか考えて貯金しているせいで余計にアセンブリ資金が貯まらない。
「ストーミング」の元ネタは、会議方式の一つ「ブレインストーミング」。
ちなみにエンブレムは「管で連結した三つの脳」。とてもこわい。
さらにもひとついうと、ブレインはランク09/Bのイメージです。ラスティを押しのけて。そういうことです。