ブレイン傭兵事務所へようこそ   作:上代わちき

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本作スネイルの口調は割と適当です。
本作フロイトの口調も適当です。
ブレインとスカルはもっと適当です。


二話「武装採掘艦破壊」

 

 

 

 いやー、格ゲーはいいですなー。

 くらえ、タイランレイブ!

 

 

 

「おい」

 

 ここでエナジーカクテルを一杯。

 うーん、この電撃的な炭酸が癖になるー。

 

 

 

「聞いてんのかヘボ所長」

 

 いやー苦労して作った甲斐があったなぁ、船内ゲームセンター。

 

 あちらこちらで格ゲー音ゲーのアーケード台が音楽を鳴らすこの感覚と、その景色を見渡せる特製バーカウンター席の座り心地。

 ちょっと埃っぽくて汚いところも含めて昔懐かしの味がありますなー。

 

 

 うん。

 アーキバスに戻っても何とかこれは維持したいねぇ。

 僕の最高のお城だ。

 

 

 

 

「いつまで自分の世界を旅してんだおい」

 

 ……今いい感じで耽ってたのにー。

 

 

 

「現実逃避しても船の帳簿の具合は変わらねーぞ。このままだとまた節約生活に逆戻りだ」

 

 えー、なんでー。

 あれから大豊とか解放戦線とかの部隊を吹っ飛ばしてお金貰ってるのにー。

 

 

 

「報酬の半分近くは借金の返済に充ててんだ、仕方ねーべ。ここの電気代も割とあれだし」

 

 おかしーなー。

 傭兵稼業やってりゃその辺は安泰だってのが相場の筈なんだけどなー。

 

 

 

「けど進展はあっぞ。本社の家賃滞納は解消した。万が一アーキバスに見捨てられても最低限この稼業は続けられる」

 

 

 まぁ何事も絶対はないからね。

 それはまさしく朗報だ。

 

 それでー、アセンブリ資金の方はー……?

 

 

 

「アセンブリ資金が一番の金食い虫だからな。そこにもお金かけてりゃ自然とオケラになる」

 

 やっぱ時期尚早だったかなー、実弾オービットとレーザータレット。

 いやでもこないだの独立傭兵レイヴンのことを思うと、やっぱ買っといて正解っぽいし……。

 

 

 

「まぁなんにせよやることは変わんねーよ。丁度そーゆー話が来てるんだからキリキリ働け」

 

 お金、稼ぐのは大変なのになくなるのは一瞬だねー……。

 

 

 

 

 

 

「アーキバスんとこの眼鏡生えてない声からお仕事だ」

 

 眼鏡生えてないってことは、ペイター君だね。

 傭兵起用担当の第八隊長殿。

 

 

 

「依頼主はシュナイダー。内容は、ボナ・デア砂丘に突っ立ってる武装採掘艦「ストライダー」の破壊だってよ」

 

 ルビコン解放戦線のデカブツ兵器か。

 ちょっときなくさいシュナイダーからの依頼ってのが気になるけどー……。

 

 

「贅沢できる身分じゃねーだろーが。デュアルネイチャー曰く、狙うべきポイントはストライダーの上に乗っかってる「アイボール」だそうだ」

 

 どこまでもいつまでも走り続ける長距離レーザーの砲台だね。

 それさえ潰してしまったら、後はアイボールのエネルギーがストライダー中にいきわたってトロピカルジュースが出来上がるわけだ。

 

 

 

「でもアイボールにはシールドが張られてっから、まずはシールドの動力源になってる周りのサブジェネをペーストにしないとな」

 

 うーん、今回はハンドガンじゃ相性悪そうだな―……。

 スカルちゃん、右手用のバーストライフル一丁借りてくよ。

 手持ちの中で射程がある腕武器はあれだけだからね。

 

 今回はそれでストライダーのジェネレータをネクターにする。

 

 

 

「じゃああちしは今回オペレーター役か。別にこっち単独でもいっぞ? 安楽椅子探偵ならぬ安楽椅子傭兵だ」

 

 そういうのは性に合わないんだ。

 

 

 

「知ってる」

 

 

 

 

 

 

「ミッション開始。ストライダーを料理すっぞ」

 

 そういえばRaDで敵を料理する武器があったねー。

 確か火炎放射器だったっけー。

 

 

 

「カタログ見たけどクソ重い奴だぞ」

 

 あ、じゃあいいや。

 

 

 

「速度主義者め」

 

 機体の軽さはスカルちゃんも大概でしょー。

 

 

 

 

「ふざけてるのか貴様ら……っ?!」

 

 敵MT撃破ー。

 

 

 

「そういうのいっから。敵さんのアイボール起動を確認。レーザーが来るぞ」

 

 クイッククイック、スロー!

 

 

 

「……無茶な動きで避ける。そんなにブースター吹かしたら体弾けねぇか?」

 

 

 仮にも第七世代の強化人間だよ、僕。

 体の頑丈さはスカルちゃんと同等だ。

 

 生身相手ならハンドガンとナイフだけでいっぱい引きちぎれるぜぇ。

 

 

 

「だからってついでのように道中のMTみじん切りにしなくていいから。いやダガー使わずに蹴ればいいってもんでもねーよ」

 

 はいはーい。

 懐に潜り込みましたー足の脆い部分にバーストライフルを撃ちまーす。

 

 

 

「やれやれ。ストライダー脚部の破壊を確認。あんたに限ってないとは思うが、巻き込まれるなよ」

 

 はーい。

 それじゃあ上ってくよー。

 

 

 

「ストライダー後部車両の連結解除を確認。振り落とされっぞ」

 

 それはやだ。

 諦めて僕のアセンブリ資金になってもらうぜぃ。

 

 

 

「ついでに借金返済の種にもなってもらう必要がある」

 

 だねー。

 っと、ちゃんととりつき成功しました。

 

 

 

「じゃあようやっと仕事だな。サブジェネは四か所に分かれてあるから、全部ぶっ潰しな」

 

 あいよー。

 

 

 

 

「艦長……このAC乗り、普通じゃありません!」

「諸君はコーラルの戦士だ。サブジェネレータを死守せ……っ?!」

 

 

 コーラルよーアーキバスと共にあれーっと。

 

 

 

「ついでに我らの財布になれーってね。サブジェネの破壊を確認……って、もう二つ目壊したのかよ」

 

 特に理由はないけどスピード重視でいくよー。

 早く帰ってエナジーカクテルが飲みたーい。

 

 

 

「フレーバーは?」

 

 コーラルレッドで。

 

 

 

「桃メインの味の奴ね。終わったら作ってやる。三つ目の破壊を確認。後一個だ」

 

 あいあーい。

 

 

 

 

「ふ、ふざけおってぇ……我々の生活を、ルビコニアンの命を何だと思って……っ?!」

 

 四つ目撃破ー。

 

 

 

「じゃあ後はアイボールだけだな。シールドの消失を確認してっから、弾ぁぶち込むだけでいい。それで仕事は終わりだ」

 

 はーい、ばんばんばーん。

 

 

 

「アイボール砲台が、制御不能に……!」

「おのれぇ、企業の狗どもが……!」

 

 アイボール撃破。

 そろそろ離脱するよーん。

 

 

 

「あい。……アイボールのエネルギーが暴走を始めてる。仕上げとしては上々だな。いい金になるぞ」

 

 こんなことならカメラ持ってこればよかったね。

 爆発するストライダーを背にするストーミングなんて、絶対かっこいい奴じゃん。

 

 

 

「なんか映画であったなそういうの。後で二人でみっか? ポップコーンぐらいならついでに作ってやる」

 

 お、いいねー。

 久々に棚を漁ってみよーか。

 

 船内事務所のー……どの棚だったっけ?

 

 

 

 

 

「ストライダーを、歯牙にもかけないだと……。なんなんだ……こいつらは、いったいなんなんだ……っ?!」

 

 

 

 

 

 

「貴方ですか? ハンドラー・ウォルターとやらは」

「俺は独立傭兵レイヴンの代理人だ。ヴェスパー第二隊長スネイル」

「壁越えに参画したいということでしたね? お断りです。今まで通りベイラムにでも尻尾を振っているといい。ああ、解放戦線にも与している蝙蝠でもありましたか」

 

「今回も第一隊長がベイラムの方へ出ると聞いているが。頼れる人材が他にないとは不幸なことだ」

「くだらない。壁を攻略する人材は足りている。駄犬程度の手を借りるほどアーキバスは安くない。おとなしく帰ることです」

 

 

 

 ……話は終わったか、スネイル。

 

 

 

「ええ、今しがた。それで、そっちは何の用です? 壁についての作戦は追って連絡すると通達しましたが」

 

 

 ああ、うん。

 本当は映画鑑賞にでも誘ってやろうかと思ったんだけどね。

 

 

 

 ちょっと別件で頼みたいことがある。

 

 さっきのハンドラー・ウォルター、ちょっと調べてほしい。

 ついでに、独立傭兵レイヴン自身についても。

 

 

 

 

「貴方の助手の件ですか」

 

 

 まぁね。

 スカルちゃんはもともとさっきのあいつの猟犬。

 

 本来なら帰してあげるのが筋だ。

 

 

 

 けど、ハンドラー・ウォルターの噂にいいものはあんましない。

 第四世代を買いあさってはすぐ使いつぶす……とかね。

 

 スカルちゃん自身も、スッラの件のショックで以前の記憶があいまいらしいから、そこら辺の真偽のほどはわからない。

 

 

 

 

「だから当人の意思を確認した上で身分と名前を偽装した。それで話は終わりでしょうに。私の仕事を増やす気ですか?」

 

 

 いやね……さっきの通信を聞いてさらに不穏になったからねぇ。

 

 

 独立傭兵レイヴン。

 以前の作戦で殺した名前だ。

 

 だのに何故かまだ生存していて、しかもごく最近ルビコンに現れたハンドラー・ウォルターと組んでいる。

 

 おまけにそのレイヴン。

 何か知らないけど、嫌な感じがするんだよねぇ。

 多分脱出レバー捌きがうまいとか、そういう話じゃない奴だ。

 

 一応こっちでも探るつもりだけど、念のためそっちの情報部門の助けを得たい。

 

 

 

 

「……忌々しい。調べればよいのでしょう、調べれば」

 

 うん。

 頼んだ。

 

 今度エナジーカクテル奢るから、それで許してちょ。

 

 

 

 

「生憎そういう砂糖漬けのものは好みません。年代物のワインと私を納得させるだけの映画フィルムを用意するというのなら、一考してやってもいい」

 

 

 交渉成立だな。

 

 それじゃあ、しばらく予定を空けとくよ。

 

 

 

「ええ、ゆめゆめ英気を養うことです。壁の攻略は、もう目前なのだから」

 

 

 

 

 

 

「調子はどうだ、ラスティ」

「芳しいとはとても言えないな、オキーフ」

 

「スネイルは変わった。以前の奴ならまだ隙があったが、今は安定している。今回の件で、社内の敵味方がはっきりしたからだろうな」

「……彼か」

 

 

 

「独立傭兵ブレイン。元アーキバス社員で、スネイルの同期。上層部の意向で今も独立傭兵のままだが、事実上ヴェスパーのナンバー3だ」

「そして、フロイトの同期でもある。……表向きの実績こそ敵わないが、AC乗りとしての実力も互角以上だとか」

 

「おそらくこれを引き抜くことはできんぞ。アーキバスへの忠誠心は崩せそうだが、スネイル個人への情が意外に篤い。驚くべきことに、その逆もな」

「彼がアーキバスに出入りするようになってから、フロイトの動きもわかりやすくなった。まさか、三人揃うことで本領を発揮するトリオだったとは」

「スネイルやフロイトとて人の子。勝手の知れる友人がいれば、精神的に安堵する側面があるのだろうな」

 

「探ってみた限り、ブレインは身内には甘いようだ。第四世代の娘を助手にして、スネイルに保護を頼んでいるぐらいだ。まさかスネイルが応じるとはな……」

「身内に優しくない者などいない。具体的に誰を身内にするかは、その人と状況で変わるというだけでな」

「つまり、フロイト・スネイル・ブレインの三人は互いを身内として扱い結集しているということだな。件の娘も含めて」

「ああ。アーキバスには、スネイルにとっての不穏分子が多い。我々も含めてな。だからこそ、奴とて身内は信頼するのだろう」

 

 

 

「第八隊長ペイター。傭兵起用担当。独身。社内のどの陣営にも属していない積極的日和見主義。野心と能力のおかげで、上層部に気に入られている節がある」

「第七隊長スウィンバーン。会計担当。独身。当人はスネイル寄りの立場を示しているが、本質的には消極的日和見主義。何かあれば命欲しさに上層部へ鞍替えしかねない」

「第六隊長メーテルリンク。独身。表向き第七隊長同様スネイル寄りだが、上層部にとっても都合の良い捨て駒という、複雑な存在だ」

「第五隊長ホーキンス。輜重担当。妻子持ち。つまり彼は明確に上層部寄りだ。何せ家族の生活を人質に取られているような立場だ。スネイルにもこちらにも靡かん」

 

「……改めて整理すると、スネイルの敵ばかりだな。同じ組織だというのに」

「だからこそ我々が付け入る隙があった。……フロイトの件もあったからな」

 

「第一隊長フロイト。本来は陣営を考慮しない孤高主義……だが、ブレインの出戻りで明確にスネイル側の立場になった。おそらくブレインが二人の仲を取り持った」

「そして、独立傭兵ブレイン。正式なヴェスパーではない外部戦力。だがその本質は、ヴェスパーの誰よりもスネイルに忠実な革新派」

 

 

 

「間違いなく上層部にとって面白くない展開だ。以前はフロイトがスネイルの重石として機能していた側面があるが、今はそれが二人に増えてそのままスネイル側になった」

「スネイルの足を引っ張るために、上層部が何か手を打ってくるということだな」

「それが我々にとってプラスになるとは限らない。うまく誘導できればその限りではないが、油断するなよ」

 

 

 




当面の間は今回みたいに原作と同じミッションに沿う展開が続きます。
とにかくお金を稼がないと!
もちろんがっつりスネイルに味方する立場の都合上、ミッションによってはALT程度の変化はあります。
ミッション合間のお話も、ウォルターの猟犬とは異なる立場故の展開になる予定。

そんな感じで今回は618ことスカルちゃんとそのACのデータをいかに纏めてあります。
合わせてお楽しみください。





スカル AC // スケルトン
企業勢力と共にルビコン入りした独立傭兵。

スカルは独立傭兵ブレインと行動を共にしており、時には彼のオペレーター、時には彼の僚機として活動する。
だがどちらかというと、自堕落な私生活を送る彼の家政婦めいた業務の方が多いようだ。

正式名称はC4-618。元はハンドラー・ウォルターの猟犬であり、独立傭兵スッラに殺されかけた時ブレインに救われる。



スケルトン
独立傭兵スカルが駆る中量二脚AC。
バーストライフル二丁・四連ミサイル・垂直プラズマミサイルを装備。
フレームはRaD製探査用で統一。ブースターは通常推力特化「BST-G2/P06SPD」、FCSはブレインのものと同様「FCS-G2/P05」、ジェネは大豊製の「明堂」。

バーストライフル二丁を主軸としたミサライ機。四連ミサイル・垂直プラズマミサイルを組み合わせる引き撃ち戦法を基本とする。
軽いフレームと通常推力特化型ブースターの組み合わせで軽量機並みの速度を実現しており、並大抵の攻撃は回避しきる。
また近距離特化型のブレイン機「ストーミング」との協働を前提としており、遠距離および空中から支援射撃することに特化している節がある。
その他、ストーミングに欠けている「遠距離攻撃性能」「経戦能力」に秀でており、対称的に「攻撃力」は低い。
実はブレインに調達してもらったブースター以外は安物で済ませた格安機。
なおスカルはこれでも十分と考えており、あんまりアセンブリ資金はいらないんだけどなぁと考えている模様。
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