ブレイン傭兵事務所へようこそ   作:上代わちき

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三話「壁越え」

 

 

 

「あい。壁越えです」

 

 壁ですね~。

 

 

 

「アーキバスの部隊と一緒に、ガトリング砲台と四脚さんとデスノートを丸焼きにするだけの簡単なお仕事です」

 

 簡単ですね~。

 

 

 

「まぁ面倒なオーダーがありますけれども」

 

 面倒ですね~。

 

 

 

 

 

「……やる気しがんね」

 

 だるいですね~。

 

 

 

 

 

「じゃ、頑張りましょか」

 

 あい。

 

 

 

 

 

 

「ひゃっはー」

 

 ひゃっはー。

 

 

 

「ここは通さねーぜー」

 

 ここは通さねーぜー。

 

 

 

 

「なんなんだこいつら……ぐぉっ?!」

 

 

 と、いうわけで。

 遮蔽となる壁の側溝に入り込んだところでありんすが。

 

 

 

 

「上はすんごいね」

 

 うん。

 さっきからばんばん銃声やら爆発音やらが響いてます。

 

 平和だねぇ。

 

 

 

 

「いやこれ戦場のど真ん中なんすよ、ヘボ所長」

 

 まぁ冗談はさておき。

 スカルちゃん、目標の位置は覚えてるかい?

 

 

 

「あい。この側溝を出てすぐにガトリング砲台があって、奥っちょに四脚がいるんだったね」

 

 そのとーり。

 壁の上から降ってくるジャガーノートの砲撃をかいくぐりながらそいつらを撃破しないといけないって寸法だねー。

 

 

 

 

「どがんすんよ」

 

 まぁ雑に。

 僕がジャガーノートの砲撃をひきつけながら正面突破して、奥の四脚さんを捻る。

 

 

 

「その間にあちしが手前のガトリングをちぎるってことだな。了解だ」

 

 じゃあ出発だ!

 

 

 

「側溝からACが出てき……いっ?!」

 

 逃げる奴はゲリラだー。

 逃げない奴は訓練されたゲリラだー。

 ホント戦場は地獄だぜベイベー。

 

 

 

「べいべー」

「っ?! またACがもう一機……がぅぁっ?!」

 

 はっはっはー。

 これだからこの職はやってらんないねぇ。

 

 

 

 

「おのれぇ……死ね、独立傭兵が!」

 

 あ、四脚さんだ。

 またの名を金のなる木。

 

 スイーっとバズーカを回避してー、そのまま実弾オービットとレーザータレットを展開。

 そのまま周りを旋回しながらハンドガンで彼奴の姿勢をすりつぶし、後はオービットタレットの弾幕と一緒にレーザーダガーでフィニッシュだ!

 なんとなくアサルトアーマーのおまけも忘れずに。

 

 

 

「き、企業の……狗どもが……」

 

 四脚さんがちんもく~。

 これだけでスネイルのお財布から24000コーム出るってんだからほどほどに美味しい~。

 

 

 

 

「ブレイーン。こっちのガトリングも撃破しといたぞー」

 

 おーらい。

 じゃ、このまま街区を回ってMTとか砲台とかを倒して回ろっか。

 全部撃破報酬が設定されてるからいい金になるぞー。

 

 

 

「あい。もうちょっとで借金が消えるはずだからな。気張っていくかー」

 

 おーぅ。

 

 

 

 

「これが……アーキバスの傭兵か……!」

 

 

 

 

 

 

「ほくほく」

 

 いっぱい銃を撃っていっぱい稼ぎましたねー。

 

 

 

「ねー」

 

 

 

 じゃ、街区の占拠はアーキバスのMT部隊に任せて、そろそろ壁に入りますか。

 

 

 おらぁ!

 アーキバス市警だ!

 開けろ!

 

 

 

 

「そんなんで開けましたら苦労しないんすよ」

 

 じゃあこの扉を石臼代わりに餅つき大会しましょ~。

 電子的に。

 

 

 

「開けましたらおめでとうございますってな」

 

 

 そういうこと。

 

 ってことで開きました。

 おらぁ、中にいるの全員死刑だ!

 

 

 

「理不尽な私刑ですこと」

 

 生憎ここに裁判所とかないからねー。

 ってことでばんばんばーん。

 

 

 

「こちらV.Ⅳラスティ。話の通りできるらしい。こちらもスピードを上げていく」

 

 って、あら。

 問題のラスティさんだ。

 

 

 

「リフトに到着~ってね。上ったら一回顔を拝んでおきましょか」

 

 見るのは機体だけだけどね。

 

 

「そうともいう」

 

 

 

 

 

 

「君が、スネイルの雇った独立傭兵ブレインか。そして、そちらが助手のスカル。……共に、壁越えといこうか」

 

 おう、よろしくねラスティ君。

 

 

 ……で、あれが帳面か。

 でかいねぇ。

 

 

 

「ジャガー『ノート』って言いたいんか」

 

 ルビコニアンデス帳面~。

 

 

 

「なるほど。この状況でも平常心を保てているのか。頼りになるな」

「いや単に緊張感がないだけだよあっしら」

 

 

 まぁそれはさておき。

 

 重装機動砲台ジャガーノート。

 個人的通称帳面。

 

 正面にはでっかい盾を構えていて、どんな弾だろうと弾く奴。

 だからなんとか側面やら後ろやらに回り込んでいかないと、どうしようもないってわけだ。

 

 

 

「幸いヘボ所長もあちしも高機動型だ。フレームは中二だけど。だから回り込むのは容易いな」

「私のスティールヘイズもスピードには自信がある。お互いのスピードで攪乱し、背後に回り込めた者から叩く。どうだ」

 

 まぁそれでいいだろね。

 スカルちゃんは上空から、僕とラスティ君は横へ旋回してくよー。

 

 

 

「あいあい。じゃ、撃っちゃうよー」

 

 こちらもレーザータレットを展開してくー。

 

 

 

 

「見せてくれる。流石はスネイルが召喚した傭兵だ。互いの信頼関係にも目を見張るものがある」

 

 お。

 ラスティ君のプラズマミサイルで相手がスタッガーしたな。

 

 

 

「これで決める……!」

 

 ラスティ君のレーザースライサーが帳面の背後にしゅーって感じだなー。

 じゃあ僕もレーザーダガーで一閃だー。

 

 

 

「大分ダメージが入ったようだな。撃沈こそしてないが、良い感じだ」

 

 けど復帰されちゃったのは痛いねー。

 また姿勢を崩すところからやり直しだ。

 

 

 

 

 

「いや待て。スネイルから通信だ。……まずいことになった。敵の増援が迫ってきているそうだ。迎撃しないと共倒れだ」

 

 あぁ……そういうこと?

 

 

 

「迎撃要員の指名は君達だ。私はここに残ってジャガーノートを倒す。……背中は預けたぞ」

 

 了解。

 じゃ、いくよスカルちゃん。

 

 

 

 

 

「あいあいーっと。…………この辺でいっかね?」

 

 まぁね。

 ……あの感じじゃ、普通に倒してしまって終わりっぽいね。

 

 ともあれなんとかヴェスパーの……というか、スネイルの手柄になってくれるわけだ。

 これであいつの上層部に対する発言力が増してくれると、今後動きやすくなるわけだけども…………。

 

 

 

「解放戦線からのスパイだっけ、あいつ」

 

 現時点じゃ嫌疑でしかないよ。

 今のところは忠実にこのまま壁を落としてるし。

 

 まぁ、シュナイダーのきなくささを思うと確定視はしていいと思うよ。

 もしアーキバスの基地内であいつが近づくようならすぐスネイルに助けを求めること。

 

 

 

「あいよ」

 

 

 

 

 

 さてはて。

 今しがたラスティがジャガーノートを撃破した。

 おそらく解放戦線はあえて壁を放棄したってところだろうね。

 

 

 

「それほどまでにラスティとやらに賭けているわけだな。まぁともあれ、ミッション達成だ」

 

 一応この映像はスネイルに提出しておいて。

 もちろん後で僕の所感も出しておくから、添付しておくこと。

 

 

 

「了解。それを済ませば眼鏡声からの仕事は終わりか。……身内を疑わなければならねーとは、嫌な職場だな」

 

 本当にね。

 スネイルとフロイト以外はほぼ全員信用できないって有様な辺り、今のアーキバスは本当に腐っているよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それで、ひとまず報酬は振り込まれたわけだけど。

 帳簿はどんな具合だい?

 

 

 

「喜べ。借金はこれで返済しきった。もう利息に追われる必要はない」

 

 やったー。

 

 

 

「おまけに今月の船の電気代・ガス代・水代・燃料代もすべて払っておいた」

 

 いえーい。

 じゃあしばらく何も気にせず船内ゲームセンターのゲームで遊び惚けることができるわけだ。

 

 

 

「ついでにオールマインドセンターに立ち寄ってたくさん食べ物を仕入れておいた。もちろん修理資材や弾薬の類もな」

 

 

 これで当面は物資に困らないわけだねー。

 

 ……それで、あとどんぐらい残ってるの?

 

 

 

 

「聞いて驚け。ヘボ所長とあちしの小遣い分が綺麗に残った」

 

 ……それってまたアセンブリ資金が残ってない奴じゃーん。

 

 

 

「そういうこった。もうしばらくパーツ更新はできねーぞ」

 

 ちぇー。

 なんだか僕はとても悲しくなってまいりました……。

 

 

 

 

「ならばハグしてやろう。あちしを湯たんぽ代わりにして癒されるといい」

 

 

 ……悲しいね。

 

 なんでこの世はこんなにも悲しいんだろ。

 

 

 

「金は天下の回り物だからな。それがなければ人間扱いなんて望むべくもない」

 

 うぅ……悲しいからゲームして気分転換しよ。

 

 

 

「そうするといい。エナジーカクテルも作ってやる。その後はあちしも一緒に遊ぶがな」

 

 あーい。

 二人で楽しんでしばらく現実を忘れよーぅ……。

 

 

 

 

「だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

「独立傭兵ブレイン」

 

「リリース計画を狂わせるイレギュラー」

 

「トリガーになる筈だった老兵を滅ぼし、故に我々は計画の変更を余儀なくされた」

 

「それだけでなく。スネイルを支援し、アーキバス・ヴェスパーにおける彼の立場を盤石なものへと変えた」

 

「おそらく、計画の第一条件にも干渉が予想される」

 

 

 

「……消さなければならない」

 

「人類とコーラルの可能性。その未来に、彼は不要です」

 

 

 

 

 




個人的に壁越えはすごく好きなミッションです。
どこかACVDのストミ市街地を思わせる、ワチャワチャしたザ・戦場って感じの世界観が好みです。

もひとついうと、壁越え時のMTとか砲台とか撃破する度に追加報酬が入る歩合制めいたシステムが入っているのも好み。
パーツが出揃うとお金の使い道なんてないのですが、それはそれとしてあの「ヒャッハー、お金稼いでいるぜー」感はとても大好物。


……実は今作オリ主ことブレインが家賃滞納&借金に追われて金を稼いでるって設定は、上述のノリが由来。とにかく金を稼ぐぜって世界観ほんと好き愛してる。
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