ブレイン傭兵事務所へようこそ   作:上代わちき

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フレーバー程度ですが筆者の過去作の設定を流用しています。


六話「旧宇宙港襲撃」

 

 

 

 今日の昼飯、ホットドッグです。

 

 ……むぅーん。

 

 

 

 フライポテトもいただきます。

 

 ……むぅーん。

 

 

 

 ファーストフードにはコーラ……ではなく、スカルちゃんお手製のエナジーカクテルです。

 フレーバーはゴールドルーン。

 

 ……むぅーん。

 

 

 

「うまいか」

 

 うまい!!!

 バーカウンターで食べる昼飯はいいねぇ。

 

 

 

「おそまつさん。……色々トピックがあるが、どれから聞くよ?」

 

 とりあえず基礎的な部分から情報整理しましょ。

 

 

 

「あい。例の一件以降惑星封鎖機構が本格的に動き出した。あちしらのデータのおかげで備えがあったアーキバスはまだマシだが……」

 

 ベイラムはまともに調査拠点をいくつも失くした。

 奴らの勢力下にあるコロニーもこの騒動で全滅して、傭兵界隈じゃ話題になってるぜ。

 

 一方でルビコン解放戦線はこれを機に再起を図ろうとしている、と。

 

 

 

「勝手につぶし合ってくれると助かる……というには、あいつら厄介だよな」

 

 スネイルの奴はもうすでにベイラムとの休戦を視野に入れて動いているそうだ。

 後はベイラムがどれだけ早くこの状況を理解してくれるかどうか、だな。

 

 

 

「まぁそこは眼鏡のような政治家のお仕事だな。どーゆー結果になろうと、しばらくは時間が要るだろ」

 

 じゃ、次のトピックをお願い。

 なんとなく点けてたテレビに流れる、あのアーキバスのCMについて。

 

 

 

「独立傭兵向けの宣伝だな。燃料基地襲撃作戦でめっちゃ稼いだ独立傭兵をマスコットにして、アーキバスの仕事をしてくれる独立傭兵を募ってる奴だな」

 

 

 今はできるだけ消耗を減らしたいのがアーキバスの考えだ。

 そこ自体はスネイルも同意見で、だから危険を承知でラスティも泳がせている。

 

 例の船商人とかは、もうこぞって惑星封鎖機構を叩きまくってる。

 いやぁそれとなくあっこのコミュニティに潜ってアーキバスからのお仕事を斡旋した甲斐があったねぇ~。

 

 日和見主義やベイラム寄りの奴らもアーキバスの仕事に流れてらぁ。

 

 

 

「もともとベイラムは独立傭兵に美味しい仕事を回さない傾向があったからな。金に飢えてた奴らにとっちゃ丁度いい機会だったろうな」

 

 

 まぁそれでも一定の層は割に合わないの覚悟でベイラムの仕事もこなしているようだけどね。

 

 この間の坑道のコーラル逆流の件だってそうだろ。

 悲しくもベイラムの雑用みたいな任務を請け負って、そのまま捨て駒気味に爆破に巻き込まれる。

 これだからこの職はやってらんないよねぇ。

 

 

「あいや、その傭兵今も生きてるらしいが」

 

 あ、そうなんだ。

 

 

 

 

「興味がなさそうですこと。……じゃあ、第七隊長の件はどうなのさ?」

 

 

 いやぁ……。

 スウィンバーンに関してはタイミングを考えてほしかったなぁとは思うよ。

 

 スネイルにすり寄るだけすり寄って、結局忙しいときに限って致命的な馬鹿やらかして迷惑かけるんだから。

 そりゃスネイルじゃなくても怒るよ。

 

 

 

「多分一番怒ってるのアンタだろ」

 

 流石にここは締めるべき場面だ。

 きちんと制裁しとかないと、スネイルが舐められる。

 とにかくやらかしたことに対して激怒しているって姿勢は示すべきだよ。

 

 まぁ結局今回はその件に関われる道理がないから、ひとまず僕個人としては許すしかないんだろうけどさ……。

 

 

 

「その怒りは別の場面で晴らそうぜ……嫌なことばかりだけど、気張っていきましょ」

 

 あい。

 頑張ります……。

 

 

 

 

 

 

「アーキバスの眼鏡からお仕事が来ている。結構な大仕事だぞ」

 

 私の直属で作戦行動に臨めることを光栄に思いなさいって奴だな。

 

 

 

 

「ヴェスパー第四隊長と一緒に、惑星封鎖機構の拠点を急襲しろって言ってんだよ」

 

 ラスティと一緒に、ねぇ……。

 

 

 

「今回のターゲットは二つ。一つはイケメン声が担当する、部隊間通信を中継する『ハーロフ通信基地』だ」

 

 もう一つが、僕達が担当する『バートラム旧宇宙港』だね。

 

 

 

「スティールヘイズ野郎が封鎖機構の通信網をピヨピヨにして、その間にあちしらが旧宇宙港に停泊している『強襲艦』をケチョンケチョンにする。それが今回の仕事」

 

 なるほど、ずいぶんな大仕事だこと。

 

 

 

「なお、スネイル曰くこの作戦には意図的に穴を空けてあるとのこと。通信網の混乱は一時的なもので、何かしらの増援は結局予想されるんだとさ」

 

 通信基地を吹き飛ばす意味よ。

 

 

 

「一応何かしらの布石なんだろさ。……ひとまず第四隊長に救援に向かうよう命令してあるそうだから、そこも含めて奮戦するようにと伝言を食らってる。伝えたぞ」

 

 ったく、相も変わらず人使いの荒いやっちゃで……あいつらしいといえばあいつらしいけど。

 

 

 

 

「まぁスパイの動向を見とけってことだろな。捨て駒にするわけでもない辺り、今はリスクを承知で使いつぶさず温存するしかないってことでもあるだろーが」

 

 要はラスティに釘をさせってことか。

 また神経が削れるなぁー……。

 

 

 

 

 

 

「ミッション開始。旧宇宙港に停泊してる惑星封鎖機構の強襲艦をコテンコテンにすっぞ」

 

 まずはその辺のLCをボコボコにします。

 22000コームの臨時収入でお財布がモリモリです。

 

 

 

「ついでに砲台や軽MTも倒していきます。みんな金のなる木です」

 

 これでアーキバス製のコアとか足とか買うんじゃあ~。

 

 

 

「まぁみんな死んだわけですが」

 

 ……あい。

 奥に見えるドッグに向かいます。

 

 

 

「素直でよろしい」

 

 とほほ……仕方ないんですぐ中の強襲艦に乗り込みますね~。

 艦橋をレーザーダガーで一閃。

 

 これを後四回やればひとまずは目標達成だ。

 ひとまずは。

 

 

 

「こちらラスティ。中継アンテナを破壊した。これでしばらく応援は来ない筈だ」

 

 あい。

 今回もよろしくね~。

 

 

 

「ドッグを出た先に四隻か。どがんするよ所長」

 

 あー……あっちの三隻は任せていいかい?

 僕こっちのLCどもが群がるエリアを引きつけつつ一隻をズタボロにしとく。

 

 

 

「あい。頑張ってくらぁ~」

 

 

 というわけで僕も実弾オービット展開。

 ABで突貫しつつハンドガンも併用してLCを撃ち落とし、レーザーダガーで三枚おろしに。

 

 これをいっぱい繰り返してお財布をパンパンにしつつ、強襲艦もお世話する。

 両方やらなくちゃいけないのが傭兵の辛いところだ。

 

 まぁやるんだけど。

 

 

 

 

 

 

 二人で強襲艦をコテコテにしてたら案の定通信復旧しやがって増援来ますた。

 増援もお財布にしました。

 

 強襲艦も二隻来ました。

 二人でドサッっと落としときました。

 

 

 もう慣れてきたね、惑星封鎖機構の相手も。

 

 

 

「コード15、目標を確認」

「消えてもらおう」

 

 そしたらまたなんか来た。

 執行機が二機か。

 あいつら、ツーマンセルが基本なんだろね。

 

 

 

「待たせたな、ブレイン。それにスカル。壁越え以来の協働だ。共に助け合いといこう」

 

 あいあい。

 これで三体二。

 

 スカルちゃんは空中で支援をお願い。

 僕等は直接ぶつかりにいく。

 

 

 

「ルビコニアンデス帳面の時みたいな要領だな。了解だ」

「こちらも異論はない」

 

 

 じゃあ雑に行くか~。

 

 

 

「コード44。対象三機の情報を回してくれ」

「システムより回答。企業所属V.Ⅳラスティ。独立傭兵、識別ブレイン。独立傭兵、識別スカル」

「……なんだこの組み合わせは?」

「肩書に惑わされるな。奴らは事実上アーキバスだ」

 

 

 スカルちゃん、一瞬でいいんで気を引いて~。

 ハンドガンリローディングしてタレット撒く~。

 ラスティもこのエリアに来てくれたらタレットが援護してくれるよ~。

 

 

「あいあい」

「了解だ。頼りにさせてもらおう」

 

 

 レーザータレット展開完了。

 ハンドガンリロード完了。

 レーザーダガー状態良好。

 実弾オービット展開。

 

 ここで一気に決める!

 

 

 

 

「っ?! しまっ……?!」

 

 もう遅い!

 弾幕からのレーザーダガーはよく効くだろう?

 そこにアサルトアーマーを重ねりゃ、如何に執行機だろうと関係ない!

 

 

 

 

「ぐっ……コード78E……送信……」

 

 

 …………やっべ。

 なんかよくわからんけど、なんかやべぇ気がする。

 

 

 スカルちゃん、火力をもう片方に集中!

 一気に仕留めてしまった方がいい!

 

 

 

「あいよ!」

「っ?!!」

「もらった!」

「っ……システム……っ?!」

 

 よし。

 二人共高台へ退避!

 

 何が来てもすぐ離脱できるよう備えろ!

 

 

 

「了解した」

「おんや、すぐに動くとは要領がいい。流石は第四隊長殿。……っと、こちらも退避完了だ」

 

 よし、二人共来たな。

 ……なんか来るぞ。

 

 

 

「システムの判断を通達。コード78Eを承諾。惑星封鎖に対する脅威現出とみなし、IA-02の起動を許可します」

「IA-02? ……なんだそりゃ」

 

 

 ……うわぁ、なにあれ。

 機械でできたルビコニアンデスワーム?

 

 地面抉って出て来たと思ったらめっちゃ暴れ回ってんだけど。

 うっかり残したレーザータレットを狙ってんのはいいけどついでに建物とかぶっ壊しまくってんぞ。

 

 頭悪すぎだろあの兵器。

 

 

 

「レーザータレットの攻撃を見たか? ありゃ攻撃が効かなさそうだぞ」

「こっちにまで来ないのがせめてもの救いか」

 

 あんまし油断はしないでね。

 あんな巨体だし、気まぐれ起こしたら多分こっちにも来る。

 

 すぐ逃げられるよう備えときな。

 ここからならどうにでも動けられる筈だ。

 

 

 

 

「いや待て。様子が変だぞ」

「どこかに向いて、そちらへ向かって行った? 何が起きている」

 

 ……よくわからんけど、窮地は脱したのかな?

 

 

 

「らしいな。……スネイルから帰投命令が来た。ミッション完了か」

 

 そっか。

 

 

 

「おい、ヘボ所長」

 

 あ、そか。

 ねぇラスティ、ちょっとだけ話さない?

 

 

 

 

「……なんだろうか」

 

 えっとねー、この間ねー。

 プライベートでフロイトとゲームしながら酒飲んだよー。

 後ついでにスネイルと。

 

 

 

「……それは、ちょっと反応に困るな。意外というか、なんというか」

 

 そのときねー、フロイトねー。

 なんかラスティ君のことぽろっと漏らしてたよー。

 

 

 

「……それは、どういったことを?」

 

 ヴェスパー同士で模擬戦したって言ってたんだけどねー。

 ラスティ君には期待してたんだってー。

 

 でも、実際に戦うとすんごいつまらなかったんだってー。

 

 

 

 

 

 次やるときは、本気の君とやりたいそうだ。

 機体が合わないようなら、エルカノ辺りのフレームをお勧めするってさ。

 

 

 

 

 

「…………。承知した」

 

 お話おしまーい。

 付き合わせてごめんねー。

 

 

 

「ヴェスパー第四隊長ラスティの作戦領域離脱を確認。……色々と雑すぎやしないかよ、今の」

 

 フロイトがエルカノのこと言っていたのは事実だよ。

 どっちかっていうとそっちの方が怖いわ。

 絶対スパイ疑惑関係なしに言ってんもんあいつ。

 

 

 

「エルカノ。どっちかっていうと解放戦線寄りの企業だな。代表作であるフィルメーザフレームは、シュナイダー製同様軽量型だとか。すんごく高いけど」

 

 ラスティも大概スピード型だ。

 だからスパイの件も含めてお似合いっちゃお似合いだけど……あのフロイトだしなぁ~。

 

 ACについちゃとんでもない嗅覚だからな。

 もしかしたらスネイルの情報網以上のものが見えて言った奴かもしれないな。

 

 

 

「……ま、なんにせよこれでお仕事はおしまいだ。あの化け物もそのスネイルがどーにかすんだろ。あちしらは貰った報酬で打ち上げだ」

 

 だな。

 またエナジーカクテル飲みながらゲームしよー。

 

 

 

「おー」

 

 

 

 

 

 

 よーぅ、お互い時間通りだな。

 いつもの秘密会議といこうか。

 

 

 

「遅れるなら再教育センターに送ってやろうかと思いましたよ。……第四隊長の様子はどうでしたか?」

 

 まぁそれなりにどきついの投げつけてシメといたよ。

 あれで少しは静かにしてくれるんじゃないかな?

 

 

 

「まぁこれで第四隊長も己の立場を理解することでしょう。……観測データを死守したMT部隊の件もあります。あの映像は部隊内にあえて見せつけてありますよ」

 

 独立傭兵の分際でヴェスパーみたいにMT部隊に命令やっちまったあれのことか。

 あの時の映像を見せつけるとか、反発すごそー。

 

 

 

 

「すでに第六隊長メーテルリンクは露骨に動揺しています。意外にも第八隊長ペイターは涼しげでしたが、肝心の第三隊長オキーフは無反応です」

 

 まぁそうそう尻尾を出すような真似はしないわな。

 メーテルリンクちゃんは、ただの嫉妬かな?

 

 

 

「あれについては少々複雑なところがあります。警戒はしておくように。くれぐれも私やフロイトの目が届かない場所にスカルを放るような真似はしないよう気を付けることです」

 

 

 ああ、了解だ。

 

 ……さて。

 あのルビコニアンデスワームについてはどーする。

 

 

 

「通称『アイスワーム』。コーラルを護る自立防衛型C兵器です。あれの排除は、コーラル到達のためには必須事項となるでしょう」

 

 コテンパンにする算段は?

 

 

 

「アイスワームには多重コーラル防壁が二枚あります。そのうちの一枚については、先進開発局が開発したスタンニードルランチャーで剥がせる見込みです」

 

 ほーう。

 誰がやんのそれ。

 

 

 

「当然私は撃ちません。性能を確認してからです。……同じ理由でフロイト・スカル、そして貴方にも使わせません。万が一があっては困ります」

 

 ラスティ辺りはできれば温存しておきたいよなぁ。

 せっかくシメたんだからきちんと有効に使ってもらわないと。

 

 ペイター君メーテルリンクちゃんホーキンスさん辺りはちょっと厳しいだろうし……。

 オキーフはオキーフで多分やらせることあんだろ?

 

 

 

「ベイラムとの休戦協定が現実になったとしても、レッドガンにまともなAC乗りは残っていません。例外はG1ミシガンですが、そう簡単に前線へ出ないでしょう」

 

 

 独立傭兵を使うか?

 一応アーキバス寄りの傭兵コミュニティとのつながりは温存してある。

 必要なら連中の経歴をまとめてリストアップしておくけど?

 

 

 

 

「いえ。忌々しいが、やはりあの駄犬が適任でしょう。ちょうどあの涙ぐましい営業努力に心打たれたところですので」

 

 ハンドラー・ウォルターの猟犬か。

 まぁ企業としては独立傭兵は使いつぶしてなんぼだし、ちょうどいいんじゃないの。

 

 

 

「二枚目の件もあることです。せいぜい役に立ってもらいましょう。……いずれにしろ、アイスワームで貴方に出番はありません」

 

 まじすか。

 

 

 

「ええ、まじです。代わりに、アイスワーム撃破作戦の裏で封鎖機構の兵器を鹵獲する。ブレイン、貴方もそちらの作戦に参加してもらいます」

 

 ……ベイラムとの休戦協定の真の目的はそれか。

 悪辣だなぁ~。

 

 

 

「貴方からのデータを有効に活用するのです。このぐらいはしなければ。……詳細は追って連絡します。今はスカルともども英気を養うように」

 

 あいよ。

 詰めを誤らないでな、スネイル。

 

 

 

 

「ええ。貴方如きに助けられるなど、ごめん被ります」

 

 ひっでぇ。

 

 

 




色々あるけどひとつだけ。
スウィンバーンがなにしたって言うんだ。(命乞いの件から目そらししつつ)

……なんでこういう役回りが似合っちゃうんでしょうね彼。
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