たったひとつの願い   作:Jget

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私の生きる道

────アキ

────どうしたの、グレゴリー。

────最悪な事態だ。コーラップスの濃度が跳ね上がった。アンジェリアが崩壊液を介する爆弾を使ったとみて間違いねえな。

────クソが、隊長は無事なの?一応、指令……いえ、大佐に連絡を…あと、あの方にもこの事態を報告しないといけないわね。

────大佐の連絡はした。"あの方"この事態の予測はしていただろう。俺たち"ヴェルークト"は臨戦態勢に整えるべきだ。

 

「うーーーーん!!!あぁ、もう私が暫く代行します!」

「指揮官は戦力不足からよく前線に出た事があるので手が回らないところの調整も良くしていたんです!」

 

自分の頼りない経験ではあるが、窮地に陥った時大体楽でもない奇跡が起こる。

 

「何の光で────」

 

それとも、この窮地事態が奇跡なのかもしれない、その奇跡から生き残れたらの話だが。

 

────時間後

 

「こほっ…こほっ…────こ、これは…そんな!指揮官様!繋がって!!」

 

カリーナは緑色の光が何なのかに気づき連絡回線を開いた。

 

 

そのころ、ユーリは寄せ来る脅威と戦っていた。

生き物として、尊厳を奪われ、うめき声とただよう生き物の肉を食らおうとする生きる骸と化した"怪物"たちとユーリは今までの経験を────斬る、斬る!撃つ、撃つ!と変換し、怒りながら戦う。

 

「クソッ…クソックソックソクソクソクソクソクソッ!!!畜生!!!!!」

 

感染の進行によって異形と成り果てた人達の格好を見てユーリは叫び声にも似た声を上げる。

 

『はぁ…はぁ…!……アンジェリア!────なんてことを!!』

 

最初に現れた感染者は軍服を着ていたが、心にモヤを感じながらも暫く倒していくうちに"軍服を着ていない"感染者が現れたのだ。

 

「ゴオオオ!!」

 

身の毛のよだつ唸り声をあげて怪物がさらにやってくる。

襲い掛かる怪物に気づいたユーリは彼らに視線を向けたが、その時にはすでに怪物の頭がはじけ飛んでいた。

 

「援護する!!」

 

やってきたのはM82A1とM870だった。

修復を終えて戻ってきたのか。

 

「漸く見つけたよ、ノロマさん!」

『待て!起き上がった!!』

 

M870が普通なら死んでいるはずの怪物が起き上がるのを見て、ぎょっとする。

ユーリの声にM82A1はすぐに反応し、とどめを刺す。

とはいえ、残っている敵がこれだけと思っていたのは失敗だった。

 

『まだいる!!』

「え?」

「ごおお…!」

 

別の死体が起き上がり怪物になり死角から襲い掛かる。

それはユーリがA-545を撃ってとどめを刺した。

 

「嘘!?…さっきまで、生体反応は無かったっていうのに!」

『これがE.L.I.Dだ!』

 

死体になっている、いや死体そのものが襲い掛かる。

この初見殺しに何人の人間や人形か引っかかって命を落としたのか、考えたくもない。

しかも、死骸はあらゆるモノを生き返らせて、起き上がりこちらににじり寄ってくる。

 

「弾、多めに持ってきて良かったって、今は思ってるよ……」

「私は指揮官。会えてよかったと思います」

『M82A1…M870、修復は済んだか?』

 

と言う事はカリーナがいる地点は今のところ問題なしか…

寄せくるE.L.I.Dを近い順に倒していく。

 

「あの被曝地点なのに汚染の影響も最小限でした、あのスーツのお陰ですか?…3ヶ月位で良くなりますよ」

 

暫くして、周囲のE.L.I.Dを一掃した後、セーフハウスにだどりつくとM82A1が自分が取り外した装甲の下に着ていたスーツの上から直接アドレナリン注射をした。

 

『────!』

 

無理矢理身体を人工マッサージで叩き起こされた気分だ。

気分が悪くなるが目もよく冴える。

 

「指揮官、此処にだどり着くまでの道中で…その、"多く"を見ました。軍人であるものもそうで無い人達も…なぜ、アレが一体…?」

「ちょっと、M82A1…」

 

お調子者のM870が肘で脇腹を刺すほど形容し難い光景だったのは予想も付く。

 

『見た通りのままだ。コーラップス液の感染がここに住んでいた人の命を奪って、化け物に変えたんだ…!!民間人まで犠牲にして…!』

「指揮官。それは、決してアンタのせいじゃ」

『────分かってるさ!分かってるんだ…でも、クソッ…頭の中がぐちゃぐちゃで何を考えたら良いかは分かるのに、それをしていいかの判断が付かない!』

 

今から、思い返してみれば…こんなタイミング弱音を吐く自分は指揮官として最低だ。

 

「そうね、でも貴方はM870が言った通り、自分を責める必要はありません。正しい事が正解とは常に限らないのです、私にとっての正解はこれからの貴方の望みを叶える事です」

 

でも、そんな言葉に失望せずついてきてくれようとしている…即興ではあるが良くできている

 

────グリフィンはもう撤退したの?

 

無線から今からでも自分の中から怒りが出てきそうな声の主を聞く。

 

『…アンジェリア』

「行くつもりなんですね?」

 

だが…助けてやる

 

『あぁ…このままでは帰れない、落とし前は付けさせないと』

「どんだけ守銭奴なのよ!?」

 

…かもしれないな、俺は微かにM870のその言葉を聞いて獣の様に笑っていた。

 

『だが、優先順位は他のグリフィンや……望み薄だが、他の民間人だ。そうだ、カリーナは無事なのか。なら、他のメンバーを助けることも考えたらより現実的か』

「そうですか?しかし、声から察するにその人は貴方にとても重要そうに聞こえますが」

『戦友の1人が俺とアンジェリアは元カノに情を捨てられない男って、表現してた。元カノにそこまでの情を抱いていたのか…俺は…?驚いた…いや、この感情はまるで』

 

────

───

 

「では、私達は有利な地点でサポートします」

「夢見るのも勝手だけど、ちゃんと生き延びなさいよ!身の程弁えないで理想で身勝手に死んだやつや周りを巻き込んだやつを奴らを沢山見てきたから行ってあげるけど、それは馬鹿馬鹿しいことだからね!!」

 

分かったよ、忠告通り背伸びしすぎないように頑張るとしますかね。

高台で大量のマガジンを無駄なく起き、伏射の姿勢をとりM82A1は敵の位置をスコープ把握したのちトリガーに指をかけた。

 

「見せてもらいましょうか?人形に信頼されている…指揮官様?」

 

2日前……

 

────強制再起動を開始します。

 

「…痛い、一体何が────あガッ…!?アアアアアア!!!」

 

信号が探知出来ない。

周りを見渡すと自分以外に生存している仲間は無く、自分も残骸同様の見た目になっていた。

 

────素早く済ませろ

 

「ああ、そうだ…」

 

あの時、軍に助けられた…と思ったけど、突然不意打ちされた様に撃たれたのを最後に覚えている。

 

「まさか…傘ウィルスに感染したと…思われて」

<いや、お前は裏切られただけだ>

 

────強制通信?再起動信号がハッキングされている!?まさか本当に!?

 

<悪いな。起こす方法がコレしか無かった>

 

突如、警戒する私に聞こえたのは良く聞き慣れた者の声だった。

 

「M16A1お姉ちゃん!?────生きていたんだ!!」

<……まぁ、ある意味ではそうなるな>

 

少しの沈黙の後、M16A1は回答した。

あの時…まさか、鉄血から逃す為に犠牲になったと思われるM16A1が生きている喜びを感じたが…

 

「────そんな」

 

だが、その強制通信した信号パターンを知り…すうっとした、緊張の感情に包まれた。

 

「────信号パターン、赤…鉄血…そんな」

 

<…>

 

M16A1からは否定の発言が出なかった。

M16A1が大体間違った意識を持たれた場合必ず訂正から入るのをSOPⅡは知っていた。

 

「どういう事なの!?お姉ちゃん!!」

 

<それは後にしろ、再起動は長く続かないだ>

 

M16A1はSOPⅡの発言を保留にさせて本題に入る

 

<この辺りの座標をマークした、なんとかしてそこに行け>

 

そして、通信が一方的に切られる

 

「嘘…お姉ちゃんが鉄血に…!?」

 

────危険!まもなくバッテリーの残量が…

 

だが、M16A1が言った通り自分には時間が残されていないとアラートが表示される。

 

「お姉ちゃん、信じていいの…?」

 

背に腹は変えられない、SOPⅡは傍に残っていた自分と同名のライフルを拾いマークされたところから1番近い場所に向かった。

 

 

────30分後

 

何とか、SOPⅡは残った片方の腕で泥土の戦場を鉄血から身を隠しながらマークされた地点に辿り着く。

そこは鉄血兵の死体が積み上げられていた死骸の山だった

 

<自己診断は出来るか?>

 

M16A1の問いに私の意思とは関係なく自分のシステムログが開示されていく…

 

「出来た。重症部位多数…作戦行動能力は10%以下…」

 

今、動いていられるだけでも奇跡かも知れない。

 

<SOPⅡ、お前はAR小隊の中で最も汎用パーツが使用されている人形だ。規格が合う、鉄血のパーツが使用できる>

「あの…鉄血達?…アイツらのパーツを使うの?」

 

私が視線を向けた先には人工血液で染まり、土を赤く染めていた鉄血の死骸があった。

 

「こんな体の私を煽っているの?」

<訂正する時間も惜しい、さっさとチャンスがある内に自分を修復しろ>

 

チャンス…?

 

<彼女を…M4を救うチャンスだ>

 

そうだ…M4…だが、私には府に落ちない点がある。

 

「M4を助けるって?でも、どうしてお姉ちゃんの信号が…鉄血になったのは?お姉ちゃんはいい奴なの?悪い奴なの?」

<いい奴、悪い奴…お前はまだそんな基準で敵を決めているのか…?>

 

自分にとって至極当たり前の質問をしたつもりだったのに返答は溜息を含んだ。

呆れたと言わんばかりの回答だった。

 

<SOPⅡ、私達の中枢命令を思い出せ>

「それは…M4を守る、どんな犠牲を払っても」

 

それは私達の最も優先される話ではあるが…だからこそ、M16A1が今も仲間なのか知りたいのだ。

でも、知っている”敵”がそれを利用していたら?

 

<罠だと思うなら勝手にしろ。だが…まだ、私を信じているなら彼女の所に行け>

 

血と泥が蔓延している戦場の隅で体を死ぬ気で動かして、近くで倒れている鉄血人形の死体に寄せる。

 

「お姉ちゃんが鉄血の信号になったのは傘ウィルスのせいなの?」

<そうとも言える。ただ、コレは自分が決めた事だ>

 

その言葉に自分が希望の様に抱いていた感情が霧散した、その気持ちを紛らす為に自分の体に合うパーツを引きちぎる。

 

「…それって中枢命令に従う為?」

<好きに解釈すればいい、質問される事全てに答えが返ってくるとは限らない>

 

漸く自分に合うパーツを見つけて、交換する為の準備に入る。

 

「…まぁ、いいよ。でも、鉄血な以上…アンタを信頼できないよ」

 

無意識の内にM16A1に対する二人称がお姉ちゃんから、アンタに変わる事この時は気づかなかった。

 

<気にするな、それが原則だ>

「アンタだって…原則に縛られているんじゃないの?」

 

私が鉄血が嫌いなのは、横暴で…好き勝手…やりたい放題して無責任な奴ら…

振り返るとその人物像はまるで私みたいだった。

なるほど……確かに鉄血とパーツが合うのにも納得できる。

 

<手を止めるな、時間がない>

 

言われ無くても分かっている…鉄血のパーツの扱い方なら私が1番良く知っている、

 

────ガチャ…と音を立てて……やっと、左腕一本の換装が完了した

 

「中枢命令を思い出せ…っていうなら、何でアンタはM4を助けに行かないの?」

<私には私のやり方があるだけだ、しかし、今回はお前にしか頼るしかない…>

 

頼るしかない…余程私ではM16A1は不満か?。

もしかして、もう私しかいないのだろうか?…まさか、RO635も?

不安を抱きながら、最後の眼球のパーツを嵌めた。

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

全身が拒否反応を起こしている。

全身が「こんなものを使うな、外せ」と痛みとアラームの警告を鳴らす。

凄まじい苦痛から、獣の様な唸り声を上げた。

 

鉄血をいたぶるのが楽しいのは私自身に専用パーツがコア以外全く入っていない事が原因なのかは知れないと考えたこともあった。

 

「…はぁ…はぁ…もうみんないなくなった…」

 

痛みからか?仲間を失った悲しみからか?…それとも、両方からだろうか?

目蓋から涙の代わりにすすり鳴き声を出してしまった。

 

こんな事なら激痛から逃れるために他の事は考えなければ良かった。

 

<泣いているのか?>

「…っ、泣いてない」

 

声だけは強がりながら…現に今でも抑えているのに涙が出そうになる。

 

<泣く暇はない、強くなれ。M4を最後に確認した所の位置を思い出せ>

 

それが、私を…起こした理由?

 

「分かったよ…M4…RO…待ってて」

 

どうせここで拒絶したところで意味はないだろう、それなら少しでも動いてみるのも悪くない

 

「慎重に行かないと…指揮官の様に上手に立ち回らないと…」

 

今はたった一人、しかも手負いときた。ただ倒すだけではダメだ。

指揮官がやっている様に、最善だけじゃ無くて…最悪を見つけ出して…回避しないと…

今の身体では、十分な戦闘をする事は出来ないと鉄血を殺さないという、とても嫌な気持ちになりながらどうにか鉄血の視界から映らない様に隠れながら、目標の場所を目指すが…

 

 

「クソ…」

<どうした?>

「手が勝手に…!」

 

ただでさえ、強引な修復なせいで身体を動かすのにも一苦労なのに…手が勝手動く!

勝手な駆動音で敵に気付かれてしまいそうになる所が多かった。

 

「ついた…!?M4…?RO…?」

 

漸く着いた。

セーフハウスには頭を撃たれて仰向けになって倒れていた、ROとまるで電力が切れた様に動かなくなった、M4お姉ちゃんがいた。

 

<触るな!>

 

慌てて、SOPⅡはM4A1だけでも状態を確かめようとしたがM16A1に止められる

 

<接続状況は分かるか?>

「エラーばっかり。ごめん、分からないや…」

 

M16A1に言われた通りにM4お姉ちゃんにアクセスを試みたが、反応が幾ら待っても帰ってこない。

 

「ここに置いておくのは危険だよ!せめて安全な場所に────」

<動かしたら、危険だ…どの様に接続されているか分からない以上、強引に接続使用したらどんな事が起きるか…>

 

もし嘘だとしても、確かにこの状況でM4お姉ちゃんを動かすのは自分では無く、M4お姉ちゃんが元に戻れない危険もあるかもしれない。

 

「なら、M16A1が助けに行くの?」

<…私は他にやる事がある>

 

以前のM16A1なら、そんな事言わなかった筈なのに…

人が変わるように、人形達も変わないといけない理由でもあるのだろうか?

 

「分かった。M4お姉ちゃんはここに置いてく。でも…もし、お姉ちゃんに何かあったら私はアンタを絶対に許さない」

 

<残念だ。M4の事は保証する、それとROに関してだが、彼女はメンタルモデルのインストールをすれば助かる、アイツは特別じゃないからな>

 

M16A1らしいと思った。

彼女は常に何が優先で何を切り捨てるべきかを常に考えていた。

低体温症の作戦でも、ROのお陰で事なきを得たが、M16A1はUMP45のM1887を切り捨てるやり方に納得をしていた。

 

「RO…一緒に行こう」

 

私は、頭を撃たれて動かなくなっているROを背負うとセーフハウスを後にする。

 

<…何している?>

 

私のやっている事に理解が出来ていないのか、M16A1は「理解できない」といった

 

「決まっているでしょ?ROを連れて…帰っているんだよ」

<RO…コイツはバックアップが取れる、お前がいちいち体を運ばなくてもデータがあればまた…>

 

確かに、ROは私達と生産された理由が違う、だからこそ機密維持を考える必要がないからデータのバックアップも取れる…

 

「…でも、コアに私達と過ごしていた時間のデータはROのバックアップ入っているんだよ…?」

 

だが、私達と行動する様になってからはデータのバックアップを取る機会なんてなかった。

…だから復元されたとしても、コアデータがないと記憶は消えて、そのROは私にとっては死んだ事と同じ。

 

<お前がROにそこまで気にかける理由が分からないな…お前はアイツのした事を覚えているだろ?>

「分かってる、ROはシュミレーションでの出来事だったけど…お姉ちゃんを」

 

お姉ちゃんを犠牲にして勝利を手に入れた。

あの時のペルシカさんは相当動揺して、STAR-15とM16A1はかなり辛い発言をしていた覚えがある、

私はと言うとROにとってM4の命は任務よりも重い物じゃ無いのかとしか考える事ができなかった。

 

「…でも、裏を返せば私もそこまでM4お姉ちゃんの事をそこまで大切に思う事ができなかったのかもね」

<…今はどうだ?>

 

どっちが大切か…?私が敵を倒す基準をいい奴、悪い奴で判断している様けど、M16A1はここで誰がより大切かで動いているのか?

 

「それは、教えれない」

 

人形は嘘は付けない、だから答えないを選ぶ事にしたのなら賢い奴だ。

だけど、自分自身なにを思っている私もよく分からない。

それに私はRO635とM4A1、どっちが大切かで優劣を付けたくない。

 

「……重い」

 

不自由な身体ではROを抱えて、歩くのは難しくバランスを崩した拍子にそのまま滑って転んでしまう。

 

<無駄な事を>

「────っ!」

 

歯を食いしばり、重さに耐える。

M16A1が何かを犠牲にして何かを拾うのなら…

 

「この先は…自分でなんとかするよ。…今度こそ、本当にお別れだね…」

 

私には決めた事がある。

 

<お別れ?プランも無いのにか?お前はただ、前に突っ走って…それで終わりつもりか?>

「……終わらない、指揮官を探す。補給を受けられるかもしれないし、コアを預かって貰えるかも……私はグリフィンとして戦う。M16は鉄血に鞍替えするんでしょ?────だから、お別れ」

 

M16の事情は分からない。

だけど、M4A1の今の状況は分かったものではなく、AR小隊が続けられない以上、私は何もしない訳にはいかない。

 

<馬鹿が…>

「じゃあ、何をすれば意味があるの!────みんな、みんな居なくなった!!鉄血になった上に、何を考えているかも分からないアンタは信用できない!指揮官以外に誰を信用すればいいんだよ!…誰も信じられないなら…私は…何の為に生きれば…」

 

M16A1はきっと何かに縋らないと生きられないM4SOPMODⅡに対して失望しているだろう。

だが、私はいつも信頼できる人、私を信頼をしてくれる人を探していた。────私は独りになるのが怖いんだ。

 

<そんな事をしたところで、何も事態は好転しない。お前は指揮官がお前自身を受け入れてくれると本気で思っているのか?────何もかもが変わり始めているんだぞ?人間が変わらなければならない様に、人形も同じだ」

 

人形も変わらないといけないのは……そうかもしれない。

確かに指揮官は人が変わって私を受け入れてくれないかもしれない、だとしても…私は指揮官を信じたかった。

 

「分かってる…私も変わる時が来た」

<何だと?>

 

M16A1がまるで突然言うことを聞かなくなった娘を見た父親の様な発言をした。

 

「もう私は大切な物を失いたくない…だから、私は…決めたの、誰か…を壊すんじゃない、誰かを守るために」

 

M16A1が何かを捨ててるなら私は────

 

「M16…私を起こしてくれて、ありがとう。でも、これからは自分でどうにかするよ、私の責任で私らしく…」

 

…M4A1SOPMODⅡは立ち上がり、背負うROの動かなくなった腕を握りしめて歩き出した。

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