たったひとつの願い   作:Jget

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ブラックオベリスク

「引き付けたよ!お願い!」

「よし!貰った!」

 

MP7とM4SOPMODⅡがR93のスコープで視認しやすい場所まで白い兵士たちをひきつけた。

R93は捉えた兵士たちを次々と狙撃し、敵は倒れた。

 

「やっぱり起き上がった!」

「仕留めます!」

 

だが、弾丸を浴びても再び立ち上がろうとする兵士たちに向って潜んでいたDP-12が飛び出して強力なスラグ弾を浴びせ四肢を粉砕して、とどめを刺した。

 

作戦が終了し、部隊は残弾を数えていた。

 

「特徴さえわかれば、思ったより大した事ありませんでしたね」

「本当に軍の連中より、強いのか?」

「さぁ、人手が足りてるからじゃない?それとも、軍との戦いに慣れすぎたとか」

 

1日2日で慣れたら、苦労なんてないだろうと思いながら、M4SOPMODⅡの肩におとなしく乗っかっているRO635はこの行動が小手調べだという推測を立てた。

 

「…ふむ、だとしたら彼らの役目はデータ取りでしょう、彼らは…私たちとの戦いをしばらく続け、対策を練った後に一気に攻め入って殲滅する可能性も考えられます」

「だとしたら、尚更急がないと行けないと思うけど?」

 

とは言えど、急ごうと歩いてもリソースを食っているRO635のお陰でまた、すっ転びそうになる。

 

「不便だよ。この体」

「お前が言うか!!」

「落ちるって、RO!!」

 

漫才にしか見えない、彼女達をよそにAKS-74uは…

 

「アタシらが行った事考えてみた?」

「それはまた今度と言ったはずよ」

 

提案した事の確認を取ろうとしたが、同じ返事で返されてしまう。

 

「…聞いた?」

「あ、ああ。うん、これは警報?」

 

平行線のまま、話が終わると思った次の瞬間、拠点から大規模な警報が鳴り響く。

 

<76号拠点の白い敵がきた!最後方にはあのボスらしき敵もいる、力押しだ!!>

「クソッ!!予定よりも数倍早い!マズイわね…」

「つまり、それだけ敵に余裕がないって事じゃない?ここで全部倒せれば、最後の攻撃にする事もできるかもしれないよ?」

「(最後の攻撃か…)」

 

これで、私はここを離れこの厄介な環境からおさらば出来る…その筈なのに…

 

「(いや、他に別の選択が…?)」

「ねえ416!早く行かないとマズイんじゃないの!?」

 

M4SOPMODⅡの声でHK416は現実に引き戻された。

 

「…っ、えぇ。急ぎましょう」

────撤退ポイント近くの76号拠点で…

 

乾いた銃声が鳴り響く。

そして、そのお返しにけたたましいプラズマ音が飛んでくる。

 

「もう始まってる!!」

「マズイ、あれってミサイル?発射しそうなんだけど!?」

 

M4SOPMODⅡの言う通り、戦闘はもう始まっており、砲撃陣地すら置かれている。

最悪なことに対空ミサイルがどこかを狙っている。

 

「アイツまで…余程、私達に帰ってもらいたくなさそうだね」

「…アレが、HK416が言っていた?」

 

M4SOPMODⅡが捕捉した、あの白い眼玉のようなロボット。

そして……

 

「……あれって?」

 

恐らくボスだと思われる存在と目が合った。

そのボスの姿を見たとき、M4SOPMODⅡは驚きを隠せなかった。

 

「…SOPⅡ!」

 

MP7に大声で話しかけられて、思わずハッとなる。

 

「…どうしました?あの黒いやつが気になるのか?」

「いや…その…」

 

M4SOPMODⅡに戸惑いを感じている事は自覚した。

その理由はあの白い兵士を指揮していると思われる黒い敵…その姿が自分のよく知っている"M4A1"に似ていたから。

 

「…ごめん、とにかく…あの黒いのはまだ、一番後ろで見ているだけで…今のところ何もしていないようだね。先に私たちであのミサイルを破壊しよう。416、正面にAUG達を加えてもいいから、私たちが側面から仕掛けるで良いかな?」

「出方は任せる。けれど、まだ方向性も定まっていないのに部隊を混ぜるのは危険だと思うわ。……加える筈の連中も連れていきなさい。その代わり、砲撃部隊は私達が優先して利用するわ。いい?」

「OK、よし…始めよう」

 

────

───

 

「あのレーザー野郎だ!!」

「真ん中の列が狙われてる!すぐに移動!!」

 

M4SOPMODⅡが部隊に陣形を指示して指示通りに展開される。

次の瞬間、人形の皮膚装甲を軽く溶かすほどの熱線が先ほどまでグリフィン人形がいた所の真ん中に放出された。

 

「頂き────って、コイツもバリア持ちか!?」

「でも、この程度なら!!」

 

ズドン!とけたたましい銃声が鳴り響く。

 

「運に頼らなくても、そのシールドごと撃ち抜けます!」

 

R93が放った.338ラプアマグナムがシールドの偏向を突き破り、レーザーを放っていた敵の頭を彫刻刀で木を削るように引き裂く。

 

「…よし!今のうちに突破するよ!!」

「了解!!始末しますわ!!」

 

M4SOPMODⅡの新しいグレネードランチャーである、FN-ELGMから榴弾を発射して、敵を吹き飛ばした。

再びグレネードランチャー手に入れたM4SOPMODⅡは今重装部隊とHK416の次に頼りになる人形となった。

 

「……今」

 

敵の火力が分散されたタイミングでバレルを交換してドラムマガジンを装備したAUGが機銃掃射の如く弾薬を追い打ちでばら撒き、一時的に敵の陣営を崩した。

 

「今です!飛び込んで!」

「ミサイルに走れ!!」

 

陣形を整えてくるまでの時間の間にミサイル台を掌握して、あわよくば利用するつもりだったが…

 

「ダメだ!!ロックされてる、撃てない!」

「了解、なら予定通りに行こう!」

 

M4SOPMODⅡが予定通りと言った瞬間、人形達は手早くロケット砲の砲弾を爆発させ、使用不可能な状態にした。

 

「破壊したぞ!!M4SOPMODⅡ!!」

「────あっ!増援です!!」

「ここは逃げるよ!!…スモーク発射!!」

 

あの数を相手にで火力は今はない。

陣形を整えて、戻ってきた白い敵から逃げるためにFN-ELGMからスモーク榴弾を発射…全員が一目散に逃げ出す。

 

「全員無事!?」

「はい。指揮官の見立て通り、見失ったら追ってこないみたい!」

「よし…でも、これでミサイルは潰したんだ。後は416と合流して、重装部隊の支援を受けられるようにしないと…あのでっかい目玉は私達の装備じゃ、対処出来ない」

 

破壊され、放棄された軍の戦車の影に隠れて…M4SOPMODⅡの部隊は作戦の進捗を確認していた。

自分たちは目的のミサイルの排除に成功したが、HK416達のグリフィン特攻部隊はそろそろ、敵の主力とぶつかる筈だ。

そこに重装部隊の砲撃を喰らわせてやるのだが、果たして…総攻撃をしてまで私達の弱みにつけ込む、白い兵士達はそこに乗るのだろうか?

 

<SOPⅡ!ロケット砲は片付いた!?進捗を!>

「目的のロケット砲は片付いた!でも、増援がやってきて撤退してる!」

<分かった!こっちはさっきまで見ていただけの黒いのがいきなり攻撃に移って…キャッ…>

 

ボスが遂に、私達にチェックを掛けに来たなとM4SOPMODⅡは確信した。

 

「SOPⅡ!どうしたの!?」

「MP7!多分!ボスが動いた!416が押しつぶされて、そのまま全滅しちゃう!部隊を救出しないと!」

 

────15分後…

 

「……助かったわ」

「手ひどくやられたね」

 

何とか、M4SOPMODⅡ達のグループがHK416達のグループの救出に成功して、飛行場跡の拠点で人形らの手当にあたっていた。

 

「あの人形、確かに軍の人形よりも強い…というのは本当だったんですね…まさか、最新の兵器を揃えていたとは」

「動きにラグがないのも、恐ろしいです。まるで"人間"を相手している気分でした」

 

準備をしている間も、余裕が残るM4SOPMODⅡ達は推測や情報交換をしていた。

 

「あの黒いやつは私たちを皆殺しにせるつもりだよ。416、仲間は……何人戦える?」

 

HK416は周りを見渡した。

手遅れから、まだ大丈夫そうな人形たちが"あの砲撃"でバラバラな感情をした表情を見せる。

 

「何人戦えるか、なんて分からないわ。でも、アイツが私達をさっきよりもずっと、猛烈に殺そうとしてるのは同意するわ」

「守りも堅い。普通の敵とは違う…」

 

黒いボスらしき敵の周りには多数の歩兵が黒い敵を守っていた。

 

「アイツが前に出てから、アイツらは効率的動き出した。私たちも可能な限りは反撃して…砲弾で戦車も倒せたけど…あの黒いやつ」

 

重装部隊を使って、黒い敵にも砲弾を落とした。

 

「けれど、あの黒いやつ……味方を盾にして凌いできた」

 

倒そうにも随伴部隊を優先しなければ、数で劣るこちらの陣形が引きちぎられる。

 

「戦車を優先して倒したんだけど…しくじった、ザコを優先しないといけないなんて……誰がわかるのよ」

 

正直状況は最悪だ、覆すのは難しい。

 

「ボスが自分から動くなんてね。敵も焦ってるに違いない?でしょ?」

「それは…アンタの願望でしょ…」

 

話している間に、処置が終わりM4SOPMODⅡは立ち上がる。

 

「アレはこっちが引き受ける。416は他に生き残りがいないか調べて」

「……分かった。重装部隊の支援はそっちに優先させる。必ず成功させなさい」

 

あのボスは自分が倒したかったとHK416は思っていたが、ここまで手ひどくやられてしまってはM4SOPMODⅡに任せるしかない。

 

「負けるまでは、負けと認めてはダメですよ、HK416!」

 

HK416は、煤塗れの顔で力なく笑った、ダイナゲートに心配されるなんて、人生で初めてだろう…痛みに耐えながら、足腰に力を上げ、立ち上がり周りを見渡す。

 

「みんな…諦めていないのね…」

 

こんな絶望的な状況でも必死になって食らいつき生き残ろうとしている、希望を捨てていないのだ。

 

「…馬鹿ばっかり」

 

火がついて燃える、ボロボロのベレー帽を捨てる。

炎の熱量を運ぶ生温い温度の風が私の頭を涼ませた。

 

「でも…他に選択肢は無いようね」

 

HK416も切り札を使うことにした。

ガンケースの中に入っていた、M320とグレネード弾を取り出した。

 

「指揮官、黒い敵のいる後ろに着いて、挟撃しようか?」

<…いや、回り込める時間は無いだろう。>

 

指揮官とM4SOPMODⅡが無線で作戦会議を立てていた。

HK416の部隊の情報によると、黒い敵が持つ巨大な棒状の砲身を発射したらしい。

その砲弾は着弾した後に広範囲にエネルギーを撒き散らかす。

 

「確かに…ソレじゃあ、背面に移動している為に使う障害物が吹っ飛んで奇襲は難しいと思うわ」

「それに戦車も厄介。武装の攻撃力こそそこそこですが、あの機動性でペチャンコにされるかも」

 

白い兵士の随伴部隊には戦車も使われており……その戦車の為に重装部隊があてがわれている理由でもある、だが…その甲斐あって戦車は現在、襲ってこない…修理でもしているのか?

 

<だとしたら、敵の2度目の総攻撃は戦車と黒い奴…その2つのグループで襲いかかるかもな>

「それならどうするの?」

 

暫く思案したユーリが一つの提案をする。

 

<重装部隊は2つに分ける。BGM-71は黒いやつに残りの重装部隊は戦車の奴らに使うだろう。それに、彼らの戦い方はある種の脅迫観念で動く様なパターンが出てる>

 

ユーリが予想進路を端末上に送った。

 

<戦車はこちらを削り切るための強硬手段に使うはず…随伴部隊もそれなりかもしれない。…で、黒い部隊はイレギュラーに対応するために宛てがわれる筈だ。だとしたら、随伴部隊に御大層な数は注ぎ込みづらい>

「それなら、黒いのを倒して…そのあと戦車を倒すの?」

<いや、それが敵の誘いだ。先にイレギュラー対処を倒す時点で作戦を遂行するとしたら、その為にはこちらは戦線を下げる必要がある。それが白い兵士達の狙いだろう、下げたタイミングで敵は飛行場を潰す気だ>

 

それでは、突撃か?RO635は考えたが、ユーリはその事を見越した作戦を立案した。

 

<相手の誘いを利用しよう。まず始めでやる事なんだが…>

「────敵が戦線を下げた…戦車部隊、歩を進めなさい…飛行上を破壊しろ」

 

配置されていた、戦車が凄まじい勢いで加速して、グリフィン部隊の配置した防壁に衝突し、ヒビが入る…そして、控えていた白い部隊が一斉に砲撃を開始、壁とその後ろの司令塔は破壊された。

 

「戦車が壁を壊したか…だとしたら」

 

HK416が崩落する壁を眺める。

戦車が破壊した、壁の中に押し込む様に白い部隊が入り込んだ…次の瞬間…

 

「私達の勝ちね」

 

突如として、山間部が揺れる様な鈍い音を醸し出す。

一瞬、小さな鉄が落ちたと思われたが…突然、積み上げられた大量の物資が雪崩の様に降り注ぐ。

 

 

────壁の裏側に余った物資を積載する?

────そうだ、敵がその壁を壊したらその壁の中にある物資で敵に叩きつけてやるんだ。そのためには壁は高めに作る必要がある。

 

HK416達のグレネードランチャーと重装部隊の砲撃はさらに壁を破壊した。

 

「そうか…!!これで、上の物資が敵に叩きつけれて…!!」

<それだけじゃない>

 

物資は次々と落下、そして引火して激しく爆発する。

 

<これは酷い。昔にあった事故を思い出す>

 

さらに破壊された司令塔が途中で止まり、流れる様に黒い敵のもとに飛んでいく。

 

<司令塔を壊して、通信設備を取ろうとする為にあの砲弾を失策だったな、音と光で君の居場所が丸わかりじゃないか。生憎、連絡は付いているからもういらないんだよ。崩れるところ箇所を押さえて、君のところにプレゼントする以外にはな>

「こりゃすごい…」

 

この、派手なトラップは敵の陣形を一気に崩した、それだけではなく戦車や単眼のロボットもその大きさゆえ、物資によって動きを取れなくされていた。

 

<敵は混乱している!このタイミングに乗じて、一気に奴らを殲滅しろ!!!>

「指揮官がお望みなら…必ず。それに…後ろにいる仲間達のためにも…ここは絶対に勝たなきゃならない。行くわよ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

人形達がこうなればやってやる!という気持ちもあるだろうが、これなら勝てるという気持ちに後押しされ、一斉に攻撃を開始した。

 

────その頃、M4SOPMODⅡ達も黒い人形を倒す為に向かっていた。

 

「ねぇ、M4SOPMODⅡ。分かってるわよね?」

「分かってる。アイツらに人形の弱点は通用しない」

 

敵は混乱していないが、足並みは乱れている。

破壊された司令塔の一部を破壊して、その黒い敵が現れた。

黒い敵はM4SOPMODⅡを見つめる……

 

「あなたは……同類?」

「…え?」

 

黒い敵は謎の言葉をかけた。

 

「SOPⅡ…!!」

 

MP7の声を聞いた瞬間、黒い敵はM4SOPMODⅡに銃身を向け銃弾を発していた。

 

「…!!」

 

いち早く、黒い敵よりもグレネードランチャーを発射して爆発で砲身角度をずらして攻撃を外させた。

 

「…器用な行為。しかし、次は…」

 

砲身が輝く。

 

「コイツ…まさか、全員!!距離を!」

「ブラックオベリスク…発射」

 

M4SOPMODⅡが散会の指示を出さなければ、一瞬であの砲身の餌食になっていたに違いない。

砲身が排熱処理を行い、陽炎が発生した。

 

「同類とはいえ、いい度胸。…あなたは、鉄砲玉になれる」

「鉄砲玉って……褒めてないよね?確かに私はバカだけどその言葉の意味はよく分かってるから!!」

 

今度はM4SOPMODⅡの番とばかりに接近した。

黒い敵も彼女の動きに合わせて、見た目から想像もつかないくらい素早く動き回る。

 

「早い。でも、近づかれるのは嫌みたいだね」

「攻撃手段があの取り回しの悪い武器だからでしょうね。近づかれたら巻き込まれるからだと思うわ」

 

M4SOPMODⅡの観察にRO635は推測を述べた、今は砲身から輝く事態はないが…

 

「…あなたの、醜い姿はどこで手に入れたの?拷問、それとも強盗?」

「あのさぁ…余り、私を犯罪者扱いしないでよ」

「時間稼ぎだ、惑わされない」

 

黒い敵の言葉に乗るなと、MP7は忠告した。

 

「言葉で惑わすほど、必死ですか。敵さん…随分と離れたがりますね」

「そんなに攻撃を受けたくないのか?だけど、あの砲身の反動を受け止めるだけの耐久性だろ?攻撃にも強いはずだろう?」

「どちらにせよ、近づくのは彼女にとって有効だろうね」

 

こちらが爆発の攻撃を防ぐ為に至近距離で決着をする為に近づこうとして気づいた事ではあるが、先程の攻撃をするには十分な距離でも黒い敵は執拗に距離を取ろうとしているのが何度も見受けられた。

また、増援が黒い敵の元に集まってくる。

 

「…もう一度近づく。今度は強引に、随伴部隊が邪魔するかもしれないから近づけない様にできる?」

 

「…分かりましたわ。援護します」

 

何かを察した、M4SOPMODⅡがAUG達が援護をする様に依頼した。

その意図を汲んだAUGやDP-12はM4SOPMODⅡを援護する配置につく、

 

「よし…!はじめ!!」

 

M4SOPMODⅡが素早く飛び出し、再び黒い敵に接近する。

それを阻止しようと白い兵士が彼女を守る様に立ち塞がる。

 

「やっぱり、来ましたか…でも、これなら…!!」

 

随伴部隊の攻撃にDP-12はシールドを展開して、2人を守りつつ、ドローンを起動。

 

「ロールアウト直前は大恥かいた人形がいたようですが!私は違います!」

 

DP-12が起動したドローンが鎮圧用のスタンガンで随伴部隊の足を止める。

次の瞬間、足を止めた兵士を最後に移動しながら、取り回しの良い短銃身に切り替えた半身で偏差射撃をする、取り逃がした兵士はR93が狙撃で仕留める。

 

「器用な事を…」

「捉えた!この距離なら!!」

 

その関心も束の間、M4SOPMODⅡは一気に距離を詰めて、鉄血の部品で換装した腕で黒い敵を引き裂く。

 

「…っ」

「ホントに効いてるの…っ!?」

 

顔を若干切り裂かれたが、性能は落ちておらず……反撃にAUGとDP-12を蹴り飛ばし、M4SOPMODⅡの首を締め上げる。

 

「最低、同類でも許されない。死ね」

「死ね?殺して…やりたいのは…コッチだよ」

 

M4SOPMODⅡはツバがわりに口に含んでいたものを吐き出す。

 

「コレ、なぁんだ?」

「最低」

 

けたたましい爆発が起きる。吐き出しのは、手榴弾のピンだった。

黒い人形に掴まれたタイミングで、ピンは抜かれていて、首を絞められていたときには手榴弾の安全装置は外れていたのだ。

 

「────っ…!R93!!」

 

「見えてます。こちらで仕留める」

 

R93がM4SOPMODⅡの合図で.338ラプアマグナムで黒い敵の頭に狙いを定め、弾薬を発射した…

 

「しまった…!!」

「何…!!」

 

しかし、その銃弾は何かに干渉されたかと思うと銃弾はあらぬ方向に飛んでいってしまった。

 

「R93…逃げ」

「反撃…」

 

向けられた砲身は、R93に向けられているわけではないが今までの威力の範囲を考えると充分、脅威の位置だ。

砲弾が再び発射された、爆風は着弾と同時に一瞬で広がっていたった、誰もが狙われたR93自身もがやられた…と思っていたが

 

「あれ…?私…助かってる?」

 

しかし、R93の方にまで爆発は届かず銃にすら傷ひとつついていなかった。

 

<そうか…分かったぞ!!>

 

黒い敵が再びこちらに照準を向けたので、MP7が牽制射撃をしている瞬間にM4SOPMODⅡは背後を取る形で再び接近する。

 

<SOPⅡはあの砲身を攻撃しろ!あの砲身の突破力するぞ!>

「はい!!」

 

 

黒い敵の砲身から砲撃以外の実弾が見えた、その銃撃を避ける為に銃身の方角を見ながら障害物にぶつからない様、ジグザグではなく滑らかに左右に移動して近づく。

 

「コレを使わせるとは…」

 

黒い敵は恐らく取り付かれた際の保険として装備されている短刀を取り出して、切り裂こうとする。

 

「そんな武器なんか!!」

 

M4SOPMODⅡはその武器を修復された左手で鷲掴みにするとその短刀を握り潰した。

 

「…何?」

 

態度では驚いていない様に見えるが、それを見た瞬間また砲身が輝き始めたのをみて、焦っているとM4SOPMODⅡは確信した。

 

<その砲身をチャージしている間に攻撃を畳み掛けろ!!その砲身はチャージした時間で威力が変わる!!>

「ああそうか…!だから、R93は…」

 

R93は無事だったのか、その推測に納得したM4SOPMODⅡはグロック19を取り出した。

黒い人形とM4SOPMODⅡがアメリカンフットボールのタックルのぶつかり合いの様に衝突する…

 

「喰らいなぁ!!」

 

ライフルに今、弾薬切れ。

ぶつかり、体制を崩した黒い人形に至近距離でグロック19撃った。

 

「く…」

 

至近距離はたとえ9ミリでも攻撃を偏向させるシールドが壊されてしまい、手の開いた右手で、無理やりM4SOPMODⅡを引き剥がして、銃弾で迎撃するも…その取り回しが仇になり、容易く躱されてしまう。

 

「もう一回…!!」

「みんな、援護をお願いします!!」

 

M4SOPMODⅡが再び接近する。

撃しようとするも、MP7達の援護が入り移動しながら攻撃しなければならずまともな照準が取れない。

 

「こいつさえ!!」

「ちょ…ちょ…危ないって!!」

 

堪らず、黒い敵は飛び上がり取り付かれるのを防ごうとしたが、着地した位置を読まれて再び至近距離での戦いに引っ張られる。

 

「…!」

 

黒い敵は最後の短刀を取り出し切り裂こうとするが、またもや短刀を握られた…その瞬間、黒い敵は砲身の1段階のチャージが完了した表示を確認した。

 

「…ブラックオベリスク」

 

とっさの判断で短刀を離して、砲身をM4SOPMODⅡに向けて相打ちでも構わず発射する。

 

「…ッ!!」

「…止めた!?」

 

咄嗟に自身の銃を捨てて、左腕で顔を庇う様に砲弾を受け止めるが…

 

 

「うわあああ!!」

「きゃあああ!!」

「お父様…!」

 

しかし、爆発を止められる筈もなく砲弾は爆発して、M4SOPMODⅡと黒い敵…両方が吹き飛ばされた。

 

────M4SOPMODⅡ…!M4SOPMODⅡ!!

 

「う…」

 

揺り動かされる身体を起こして、瞳を開ける

 

「大丈夫か?M4SOPMODⅡ…!」

「あ…うん…」

 

どうやら、助けてくれたのはMP7だった様だ。

 

「無茶しすぎよ…M4SOPMODⅡ、今は一蓮托生なんでしょ?やりすぎないで」

「ごめん…」

 

左腕を見る、あの砲身を受けた事で黒焦げになって使い物にならなくなっていた、黒い敵のいた所を見る。

敵の砲身だけ見えたがその砲身は根元から破れた様に千切れていた。

 

「まさか…アンタ、砲身事ぶっ壊すなんてな」

「…運が良かったんだよ」

 

どうやら砲弾の破壊力は黒い敵の方に向かったというわけではなく、完全に発射されるより前に受け止めた事で砲身の中で爆発したらしい。

 

<コッチは終わったわ。そっちは?>

 

戦車を倒したと、HK416の報告を聞く。M4SOPMODⅡも通信を起動させた。

 

「コッチも倒したよ…これでやっと、終わったの?」

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