たったひとつの願い   作:Jget

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外伝Assalt Raid:2話 怪物の発進

「どうする!?SOPⅡ!?」

「もちろんこうする!!」

 

開戦の号令代わりにFN-ELGMから、グレネード弾を発射する。

騒ぎを聞きつけた鉄血の残党たちがあちこちから飛び出してくる。

 

「あーあ、SOPⅡが始めたか…」

「やりますよ、SOPⅡに続きましょう」

 

やれやれとMP7が頭を掻き、AUGはSOPⅡに続いて、射撃をした。

 

「司令官…SOPⅡ達に遅延の事、聞いてましたか?」

「知らん……戦力が揃わないのは前線の常だろ?15分くらい持ち堪えることができないで何がエリート人形部隊かしら?」

 

司令室の中では、状況の精査が指揮官同士で行われている。

既に数で押しつぶすには十分なほどの敵が小隊に発砲している。

 

自身の部隊の命もかかっている状況もあり、ユーリもクラメンの発言に司令部で顔を見えない様にしかめた。

クラメンも口では強がっているが、事の深刻さを受け止めざるえない。

 

「(冗談でしょ……)」

 

これだけマズそうな状態なのに保安局の連中は知らないフリだ。

護衛の人形の中にはあくびをしている奴もいる、保安局は深刻さがあまりわかってないのだろうか?

HK416は早くもこの作戦が暗礁に乗り上げたのではないかと思い始めた。

 

「────撃った?!撃ってきたぞ!」

「────本気でこの数を相手にするつもりなのか?」

 

撤退もせずいきなり先制攻撃を加えたSOPⅡ達に鉄血部隊が驚いている。

だが出鼻を挫けなかった。

────手ひどい反撃がレーザーとなって遅いかかる。

 

「くそ…!こんな銃撃戦、そうそうないぞ!」

「喚くよりも、敵の数を減らしますよ」

 

鉄血の先行部隊が重火器をまだ用いていないのは幸運だった。

それでもハリウッド並みの銃撃戦がこの基地の外周部で繰り広げられているが…

 

「……っ!?ふぅ…数を押される、撃ち合いはキツいですね…」

「そんな事はない!SOPⅡが倒しまくっているのをみたろ?例え、SOPⅡがいなくても私はやれる!」

<分かった、それを証明して見せろ。MP7!>

「ええ、任させてもらうよ!!」

 

スカート近くに攻撃が着弾して、呻くDP-12をMP7が励ました。

 

「これでも喰らえ!黙って私好みの格好になれ!!」

 

「えぇ、確かにSOPⅡは楽しげに撃ちまくってる。そして今、私たちは付き合わされて振り回されてますわ。犬ぞりの犬はしっかり選ぶべきですわね」

「それ私のこと言ってるよね!?あと、全然楽しくない!いや、心臓バクバクだから楽しいのかな!?」

「人形にバクバクする心臓はありません」

 

こんな、激しい銃撃戦でもSOPⅡの耳は頼りになるらしい、AUGが零した悪口をグレネード弾を装填しながら抗議する

 

「お前意外に誰がいるんだ?このバカ犬人形」

「馬鹿って言うな!!仲間じゃなかったら────ぬわっ…!アイツ…」

 

光弾の他に爆弾まで飛んできた、鉄血の重火器が使われだしたのだろう。

 

「また違う兵器が飛んできたぞ。案外、増援送るの早かったですね」

「結構な数いるけど…」

「どんな兵器なんて関係ない。雑魚は雑魚だって」

「そんな雑魚に余裕かまして、見下した挙句ハニーバジャー死なせかけたのはどこの馬鹿隊長だ?」

 

<お前達から、うるさい声が聞こえているが…進展がある報告は一切聞こえないな?>

「あぁ…もう!!さっさと全員始末するよ!!」

 

クラメンの嫌みがSOPⅡの肝を一瞬だけ冷やした。

確かに、口よりも手を動かした方がいい。

 

「────MG排除!」

「はあ、缶コーヒー飲む余裕は出来ましたね。そうだ、MP7?」

「なんだい?私のキャンディはあげないよ?」

「SOPⅡはこの頃、鉄血の解体に勤しまなくなったんですね。人並みの情でも芽生えだんですか?」

「さぁな。けど、仕事終わりに死んだ奴の解体をするようにしてるらしい。鉄血のオンボロパーツでも売りとばしたくなったかのかね」

 

ようやく、余裕ができて雑談の続きを始めた。

 

「その話は秘密にしてって言ったじゃん!MP7!!…あ」

「うわっ!」

 

ストックから顔を外した瞬間にSOPⅡは何者かに攻撃を受けてしまう。

だが直撃は銃が守ってくれたので事なきを得た。。

 

「敵の銃声が嫌になってきた」

「あぁ、蜂の大群みたいにうるさいね。ていうか、本当に何人来るの!?…後、さっき私を助けたの誰!?」

 

<間に合って何よりです。M82A1、戦列に参加します>

<よし、いいわ。グリフィンの別部隊ね。電子戦人形とダミー部隊もいる。それに…>

<保安局からきた、戦術人形です。敵殲滅の効率…中程度。所詮民間軍事会社と言ったところですね>

 

どこか虚ろとも思える保安局からやってきた鹵獲部隊の戦術人形が抑揚のない声で、AR小隊のメンバーの評価を品定めした。

 

「…なめやがって!!」

「はいはい、乗らないで。私達と似てる容姿をしていたとしても軍用人形だから、中身は大して変わらないんですよ」

「…そうだね。あんな無表情な奴とは会話しないほうが楽か!!」

 

鉄血の様に舐められて、見下された態度を取られ、それがSOPⅡにはそれがゼリンスキーを思いこさせた、激昂を覚えたが、DP-12に諫められ先程の発言を気にしないという旨の発言をした、本心は怪しいが…

 

<聞こえてますよ>

「聞こえる様に言ったんだよ、この木偶女!」

 

売り言葉に、買い言葉を返されて保安局の人形も一瞬、閉口した。

 

「にしても、近くでもないのに列車のすごいデカさ。これを使えるように直せたら脅しにも使えそうだな」

「自分の国同士で脅しをするの?仲間同士でしょ?」

 

MP7が話に飽きて、すり替えた話題にSOPⅡは疑問を抱いた。

 

「ソ連名物はボルシチ、寒冷、政争ですわ。SOPⅡ、覚えておく様に」

「まぁ、冗談でもなんでもなく場所によっては国外の軍よりも身内を疑ったりするのが政治でその傾向が特に強いのがソ連だった。新ソ連と言ってもどうせ昔のソ連の劣化コピーに過ぎないだろ」

 

「劣化コピーなら、どうしてコピーを崩した政権を打ち倒された奴を元に戻すの?もっと変だよ」

 

SOPⅡの話題は最もだ、と言える。彼女の人生を知るこの部隊の人形達もその発言に自分たちの人生関わらず、一理あるとも思っている。…だが、

 

「人間も人形も追い詰められたら目の前の希望に縋る奴が大半。今の見苦しい政府よりも見たこともない新しい試みを試すのが性なんじゃない?それがソ連だろうとロシアだろうと新ソ連だろうと変わるところじゃない、変えれば救われると思ってるから変えてしまう…まぁ、結局そういうのは別の苦しい暮らしを呼び込むだけなんだけど」

 

<知ってる様な口ぶりですね>

 

M82A1は別にMP7を怪しんでいるかではないが、その発言をするに値するか確かめる様にマンティコアを12.7ミリのテルミット弾で誘拐させながら問いただす、

 

「これでも色々な職を転々として、人間にも人形にも鉄血以上にロクでもない目に遭わされたからね。ここだってそうだ、何せこんなバカ犬人形のお守りしなきゃならん。まったく手が焼ける…って、本当に焼けてるよ!?」

 

よく見ると、MP7のグローブが焼けていた、銃身の加熱ではなさそうだ対処の為グローブを投げ捨て傷を確認。

 

グローブから、下は焼けていないらしい。

 

「RO、いま私に何が起きたかわかる?」

<うーん…炎?オーバーロードにも見えないけど>

 

誰もが体験した事ない状況にヒントを出したのは意外な人形だった。

 

「最新鋭の鉄血人形がいるみたいだね、似ている見た目はしているけど強さは違ってる」

「最近確認した、"SWAP"タイプかしら?恐らく、焼夷型の弾薬を用いてるのでは?」

 

確かにDP-12の言う通り、普通の鉄血の人形とは似ているが細部や強さが大きく違う。

SWAPタイプの戦術人形まで現れた。

 

「正直…遠いけど、弾幕貼るくらいの感覚で…あれ?」

<電子戦の支援下に入ったわ、余計な処理能力を替わってくれる。今のうちよい>

 

引き金を引こうとした、SOPⅡに突然冴え渡る様な感覚が広がった、

 

「OK、仲間からもらった不思議な力なら…よしっ!!当たった!!」

 

普通なら当たらないであろう、253メートルの距離を電子戦支援の恩恵を得て、SOPⅡがSWAPタイプを一体倒した。

 

<不思議じゃないって…取り敢えずSOPⅡ、SWAPタイプを一体撃破!>

「すげぇ!」

 

「クソ!クソ!一番の若手を金髪の赤メッシュのクソ女が殺しやがった!!」

 

その後、他のAR小隊のメンバーにも電子戦の恩恵が得られ徐々に不利じみていていた戦局を有利に変えていく。

 

「少し、危ない所があったけど今回の作戦は大成功で済みそうだね、援護助かったよ、M82A1」

「…感謝の言葉はありがたいです。でも、次からは自分で自分の身を守れる努力をしてください。あまり私を頼りにしないで」

 

M82A1に釘を刺されて、SOPⅡの体温は0.2度下がり、0.02秒硬直した。

 

「言われてますよ、SOPⅡ」

「笑えないんだけど」

「お前にはちょーどいいさ」

 

ともあれ、一番乗りで戦場で戦い先行し続けていた、AR小隊が装甲列車格納されている基地の内部に最初に辿り着くのは当然の帰結でもあった。

 

「ハンガーは確保しよう。バックを取られても砦にできる」

「不利になっても、列車をぶっ壊せる…もだろ?」

「いい事を言うね、よし…突入!!」

 

 

────SOPⅡ達が突入するよりも数分前

 

ハンガーの中では、鉄血人形たちが弾薬を装甲列車の中に詰め終わり、搭乗し出していた。その走行列車の中心位置にいる、ハイエンド人形は基地の指令をしている、ドリーマーと交信していた。

 

<この基地は持たない、だったら最後はこの基地もろともアンタ達にグリフィンと政府の奴らを道連れにしてもらうしかないわね、>

 

「この、列車を破壊せよ…と?」

 

ハイエンド人形は机を掻き、命令の確認をした。

 

<そもそも、この列車を再稼働させるよりジュピターを作った方がグリフィンどもを多く殺せるでしょうが。わかったらさっさとそのボロクズを爆弾にでも変えなさい。そうしたら、エゲツない光景になりそうな…アハハッ!!>

 

気怠げにドリーマーはその列車に興味は無いと答えた。

 

「愚かな…」

「将軍(ジェネラル)、彼女達はこの計画の為に全ての命を捧げる覚悟を持ってきたと言っています」

 

「フフフ…いいだろう。ドリーマー、伝えてやる。我々は今から鉄血工造を離脱する。総員、装甲列車を発進させる!!」

<いま、なんて────>

「愚か者め────主砲!!発射!!!!」

 

 

「────ガハッ」

「鉄血のSWAPをまた倒しましたよ!」

「慣れちゃえば、大した奴らでもないね。気楽に行こう」

<全員、よくやったわね。危ない事態に見舞われたけど。作戦も成功間近。1番素晴らしいのはこちらの損失がまだゼロな所よ>

 

後方で指示を出して前線に参加できなかった、ROも満足げだ。

 

「朝飯前だよ、それよりも私の活躍はちゃんと録画してくれました?指揮官?」

<心配しなくていい、デブリーフィングで確認しよう。給料が上がるかもね>

「ようやく明るいニュースだね。私の事を考えてくれるのはやっぱり指揮官だけだね!」

 

この中で自分を唯一褒めてくれた、指揮官にSOPⅡはさらに信頼と依存を深めたのは言うまでもないことだが、それはまだ周りに気づかれていない。

 

<…私は退席する、後の指揮はユーリ指揮官。お前に任せる>

 

クラメンも安心したらしく、一度作戦室を退室した。

 

<よくやってくれた。だが、まだ気を抜かないで…どうした?…それは間違いのか?全員、伏せろ!!>

「…取り敢えずみんな伏せろ!!」

 

<────何が起きた?>

 

SOPⅡ達が基地の内部に入って、鉄血部隊を追い詰め、鹵獲部隊も基地に侵入して鹵獲作戦は順調だと思われた…しかし、ハンガーの天井が0.1秒もせずにえぐられ、基地の中で1番大きい司令塔の施設が周りごと、箒でゴミを払うように吹き飛ばし、直後に凄まじい轟音が鳴り響く。

 

「…う、助かった。でも、いまの轟音は…一体?」

<警告!バンカーから大量の動力を確認した。"レオニダス"が動いているぞ!!」

「なんですって!?」

「ねぇ、アレを見て!!」

 

基地の地面から一斉に線路が隆起して、一瞬にして道が完成する、そして次の瞬間、内部から半壊したハンガーから沢山の判断や機銃を搭載した、ホラー映画の怪物が現れるように怪物の咆哮のような警笛を鳴らして、装甲列車が現れた。

 

「…こ、これが」

「レオニダス…」

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