たったひとつの願い   作:Jget

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旅立ち

「────走れ!走れって!!」

 

────午後5時。

 

本来なら、夕暮れが地平線からもうすぐ見られそうな時間だが、今この残骸の中を走り続けている、4人にはそんな余裕なんてない。

 

「────グッ…!ガァっああっ!!」

 

突如、1番後ろで走っていた人形の1人が悲鳴を上げ、他の3人が立ち止まり振り向く。

悲鳴を上げた1人が、E.L.I.Dに感染した化け物に噛みつかれていた。

 

「────クソ!」

「やるわよ」

「────了解」

 

3人が1人に噛み付いた、化け物を撃ち殺し止まっていたタイミングで寄ってきた他の感染者とも応戦する。

 

「大丈夫ですかぁ?R5」

「大丈夫だよ、あぁ…ちくしょ…しくじった」

 

噛みつかれたが、生きていたR5がMCXに心配するなと傷口を押さえていた手を退ける。

 

「油断してるからよ」

「議論の暇はないわ、とにかく急いで!!」

 

部隊の隊長のM4A1の言う通り、再び自分達の元に感染した化け物達が自分達の所へやってきた。

 

「────あぁ!もうっ!ゾロゾロと!!」

 

流石にこの状況下で危機感を感じないはずがなく、人形達は一斉に感染者から逃げ出した。

 

「やっと辿り着いた!!」

 

漸く安全地帯に繋がるゲートの所まで、疲れでメンタルがオーバーフローする事もお構いないしで走り続ける事でやっと辿り着く。

 

<調査に出ていた人形の帰還の確認、人形達は急いで洗浄場所に行け>

 

M4A1が認証を得たキーカードでゲートに通すと、いくつかのパスワード入力画面が現れ、それを解除し終えるとゲートが開く。

 

「この子、宜しく。それと、ゾーンの書き換えを」

 

AR-57が抱えていた、子供を下ろすとゲートの近くにいた雇い主の私兵に預ける。

 

<何があった?>

「どうもこうも、汚染エリアの調子がめちゃくちゃよ…ある場所だと、汚染エリアの汚染度が異常に少なかった…でも、イエローゾーンだった所はレッドゾーンでもおかしくないくらい汚染が進んでたんですよ。その子、その辺りで拾いました」

 

M4A1が修正した、データを送る。

 

<変わったことは?>

「…そうですね、報告するほどじゃないかもしれませんけど、調査した場所は初めて見る花が育っていました。その辺りは汚染が嘘の様に少なかったですね」

 

除染を始める為に4人は洗浄用の部屋に入る。

 

「いやぁ、さっぱりしたなぁ」

「禁足域での戦闘、最初は大変だったけれど、今はもう慣れてきたね」

「そりゃあ、もう4回目だからね」

 

戦いを終えて、更衣室で先程の4人がタオルで身体についた水を拭き取る。

AR-57の言う通り、M4A1達は4回目の禁足域での任務を終えた。

M4A1の言う"腕試し"で傭兵達もE.L.I.Dとの戦いに自信がつき始めていた。

 

「この花…どうします?」

 

MCXが子供を助ける時に、見つけた花を収納する時に使用した、コーラップス液すら保存可能な機材を割らないよう、ベンチの上にゆっくりと置く。

 

「そうねぇ…取り敢えず」

 

M4A1が許可がないと開けられないように、機材のカギにロックを掛けた。

 

「コーラップス液を浄化する何かを作るにせよ、栄養として吸い取るにせよ、もれたら大惨事だから。念には念を入れておかないとね…」

 

戦場が終わった後、依頼主に報告をした。

依頼主もこの情報を予想していたらしく、報酬を少し増やしてくれた。黙っていてほしかったのか、手柄を独り占めにしたかったのか、またはそれ以外なのかはわからない。

 

「…で?私は何度か仕事をしたが4人の感想は?隊長?」

「率直な感想を言うと、"使える"。このままチームを組みましょ」

 

そんなことを正直、気にはしない。

今回、私が重要だと感じることは彼女たちがどのくらいの力を持っているのか、それを見てみたかったから。

感想は、合格。

AR-15やSOPⅡと比べると、劣るところはあるが基準にするべきじゃない。

 

「────アタシらはアンタに雇われた人形だがよ、小隊らしくなってきたな」

「なら、名前決める?」

 

M4A1がAR-57の言葉を待っていたかのように笑う。

 

「ちょうどいい機会ね。実はもう決めているのよ…私達の部隊の名前は────」

 

────2週間後

 

グリフィン基地

 

「みんな、次の仕事よ。行くところが決まったわ」

「どんなところでしょうか?隊長さん」

「タリンよ」

 

部隊が宿舎として使用している、場所で隊長のM4A1が地理情報を部隊に転送した。

 

「────タリンね。やっぱり、そこに行くんだな」

「────そういえばタリンって、あのエストニア近くの?あのタリンだよな?」

 

AR-57の情報に基づく質問にM4は頷いた。

 

────タリン、バルト海東部に存在するフィンランド湾に面するエストニア共和国の首都。

旧称はレバル、ロシア帝国時代にはレーヴェリとも呼ばれたらしいが、ソビエト連邦時代に名前がタリンになっている。

 

「フォトンが詳細をくれた。グリフィンに向けて、パーヴェル氏がそこに行くように依頼したらしいわ」

「…依頼?ほぼ、処刑宣告にも聞こえるが」

 

R5がメンテナンスが終わった、銃をラックに掛け直す。無理もないと、M4A1はR5の発言を汲んだ。

 

タリンは、米蘭島事件で被害を受けた都市の一つだ。

そのアウトブレイクの影響は、エストニアの政治体制を大きく変えて共和制の民主主義から、ロクサット主義の社会主義に変えてしまうほどだった。

 

「ソ連様はロクサット主義が信奉者を死刑にするくらい嫌いなんだろ?エストニアに行くなんて、帰ったらロクサット主義の影響受けたとかいいがかり付けられる口実にも見えるな」

 

「ええ、だからハーヴェル氏が外務省に依頼して、ソ連中央委員会から、エストニアに調査っていう名目でグリフィンの派遣を許可してもらったわ」

 

M4A1が正式に発行された、許可証を部下たちに見せた。

 

「PC確かめに行く時に出迎えにきたあの男の部隊のことだな」

「グリフィンに後ろ盾がある、か。了解したわ、それでタリンにはどんな装備を持ってく必要があるの?対人?対人形?それとも…感染者対策装備?」

「フォトンは全部を要求したわ」

 

AR-57の何を持っていくのかの質問は、選択肢のすべてを選ぶという答えが回答になった。

 

「全部は持てない。質量保存の法則っていうのもある」

「タリンに行く時は大陸横断列車使うから、全部載せられる。出てきた相手に応じて”預金”を引き出せばいい」

「あー成程、ウチらは列車なら戦う相手ごとに持ってく装備変えられる...備品のストックのできるってこと」

 

AR-57の問題も大陸横断列車使う方法によって、解決した。

 

「今まで移動手段は徒歩でしたから、新鮮な気持ちだよ」

「時間が経ったらダレると思うけど、パーヴェルさんがそのクレームを受け付けることには期待できそうにないわよ?我慢のラーニング」

 

────確かに、AR-57の言う通り、MCXには我慢を学ぶ機会になれるだろう。

 

「外務省の方は?合流場所は?」

「とっくにタリンに現地入りしてるらしいわ」

「やべぇな。出迎えの時から思ったが人形いらないんじゃね?」

 

一同があまりの外務省の手際の良さに舌を巻く。

 

「自分の命を安くはれるのが戦術人形のいいところよって、どこかの45口径のドイツのサブマシンガンが言ってたわ」

「厳しいですねえ。ま、否定はしませんが」

「出発は1週間後。今のうちに、ウチの指揮官に挨拶を忘れないように」

 

保安局の圧力が形式的になくなったことで、ソ連外務省に戻って、グリフィンを辞職したユーリ・フレーヴェンは軍事顧問となって……

グリフィンに形だけ戻ってきてはいるが、先ほどのM4A1の発言通り、指揮官ではないし、グリフィンの人間ではなくなっている、現にユーリはタリンにいるのがその証拠である。

 

「M4は会ったんだったか...どんな感じだ?」

 

指揮官の椅子は、入社時の成績が優秀でベオグラードという厳しい研修を受けたばかりの新人の指揮官が座ることになった。

 

「一言で表せば、優秀だけどコメントに困るタイプの指揮官。と、だけ...」

「いや、矛盾してるし...私、会うの嫌になってきた」

「どうせ遅かれ早かれ顔を合わせるんだから我慢しなさい。性格が破綻してるとかそんなタイプじゃないから安心して」

「えぇ...」

 

数日後、M4A1は雇った傭兵達を連れて、挨拶に来た。

指揮官室はユーリがいた時より、私物が多く見られた。

それは気にするべきではないか……気にするべきなのは、指揮官の隣で待ち構えるように後ろ手で組んでいるOts-14だろう。

 

「おはようございます、フォトン指揮官。M4A1です、予定どうり挨拶に参りました」

 

フォトンの方は特に反応はない。

Ots-14が睨みつけてくる方が印象的だ。

 

「あぁ、ベオグラードでは顔を合わせるくらいしか出来なかったな」

「申し訳ございません、立て込んでおりまして。ですので、改めて挨拶に参りました」

「それって、後ろの連中に"お勉強"させるのに忙しかったから?」

 

形式的な挨拶で済ませようとするフォトンに反して、Ots-14はこちらに攻撃的だ。

それはそうだろう、Ots-14は秩序乱流作戦であのコーラップス兵器の爆弾で死にかけ、さらに二次被害のE.L.I.Dとの戦いでも死にかけたのだから。

 

「えぇ、そんなところよ。自前でお友達を揃えないといけなかったからね」

「誰かに頼ればよかったのに」

「あなたには頼んだ覚えがあるけど?」

 

M4も一度、Ots-14にSOPⅡと同じように部隊を組まないか?と打診したことがある。その返答は水を引っ掛けられたという冷たい返事だった。

 

「お前が自前で部下を雇うのは構わない」

「指揮官、」

「だが、お前の傭兵がミスをしたり助けを求めてもこっちは一切関知しない。お前の傭兵はグリフィンじゃない」

 

M4の傭兵起用を認める発言を諌めようとしたOts-14だったが、続けて命令を出したので彼女は黙る。

 

「ええ、構いません」

 

M4A1はフォトンの取り決めに文句はなく、「それでいい」と頷き席を立つ。

 

「じゃあ、俺はタリンの調整があるから失礼する」

「本当に忙しいのね。認めてもらったことだし…Ots-14、私たちも失礼させて貰うわ」

「待ちなさい、M4」

 

Ots-14が退室しようとするM4を呼び止めた。

 

「まだ何か用でも?」

「M4。私たちは妙な真似したらわかっているわね?」

 

そうか、Ots-14は秩序乱流作戦に参加した人形一人だった。

作戦に参加したのなら、彼女もM4の爆弾の巻き添えを食らった被害者の一人というわけで、彼女を人一倍警戒する理由と権利があるのだろう。

 

「フォトンがグリフィンに戻ることを許しても、私もSOPⅡあなたを信用できるわけがない。妙な真似をしてみなさい、殺すわよ」

 

当然だが、嫌われている。

M4だって、あんなことをしたのを今でも公開しているし、非難されるのは当然で責任を負うべきとも思っていた。

 

「けどね。SOPⅡとの関係は私の方が長いわよ、あの子を使って私を非難したいなら本人もここに連れてくるのね」

 

けれど、これはOts-14に言わなければならなかった。

Ots-14がM4SOPMODOⅡとどんな関係になったかは知らない、けれど姉として妹がこの場にいるような振りをして代弁させられたのなら、こっちも「本当に言ったのか?」とトゲを出さなければならない。

 

「ここにいるいる限り、結果は出すわ」

「そうじゃないと困る」

「期待しててね」

 

それだけ言って、M4A1は傭兵たちを引き連れ部屋を出ていく。

その後をOts-14は今なら撃ち殺せるか?なんて思いながら、出ていく姿を見つめていた。

 

「酷いもんだね。クライアントの扱い」

「それだけ恨まれることをしてしまったからね」

 

廊下を歩きながら、M4と傭兵たちは雑談をしながらM4の部屋に戻ろうとしていた。

 

「あの金髪、出ていくアタシら撃とうとしてたぜ」

「先に仕掛けなかったのは褒めてあげるるわ」

「タリンでもおんなじことあったら、ウチらも撃っていいの」

「指揮官の言葉をそのまま受け取るなら正当防衛にして、くれるかしら?いや、厳しいかもなんせ…」

「M4!」

「AR-15…」

 

道中、偶然にも同じAR小隊のSTAR-15と偶然出くわした。

 

「M4、そのいけすかない連中は?初めて見るわよ」

「さすがの洞察力ね。いいわ、教えてあげる。彼女たちはね…」

 

────

───

 

「金で雇った!?あんた何やってるのよ!?」

「私が稼いだお金を使って何が悪いの?」

 

正気か?と詰め寄る、STAR-15にM4A1は特に悪びれた様子もなく、淡々と話を流していく。

 

「そういう意味じゃないのは解ってるでしょ!なんで、勝手にするのよ!」

 

STAR-15が言葉でこそ「勝手な事」をいさめている様子だったが、怒りの本当の理由が別にあることはだれの目にも明らかだった。

 

「私はこのまま孤立したままじゃダメだと思ったの、それに私が相談したら絶対反対するでしょう?それとも、私がこの話をしたらあなたは賛成してくれたの?」

「できるわけないでしょ!」

「SOPⅡやROの独自部隊は黙認しているのに?」

「…それは」

 

M4のもっともな質問にAR-15は言い返せなくなってしまった。

 

「あなたも方々に話しかけて結局失敗しているのは知っているし、それを責めるつもりはない。私は成功して、あなたはしくじったそれだけ」

 

それによ、とM4A1は一つ言葉を付け加えた。

 

「私がお金で部下を雇ったからって、あなたを切り捨てたり、別に小隊解散って意味じゃないから、誤解しないで」

 

STAR-15は思いもよらない言葉に思わず振り向いた。

 

「否応なくても、チームになるんだから仲良くしなさい。それが出来ないなら、他のやり方で結果を出すのね」

 

一週間後:グリフィンによるタリン移動開始直前。

 

────聞こえる?

 

「────だれ?」

 

気が付くと、私は真っ暗な闇の中で一人で立っていた。ここに来るまでの前後が思い出せない...

 

────06:56

────”戦術人形”M4A1

────AR小隊:アリージェンス(忠誠)部隊

────???

 

気が付いたM4A1はとりあえず、声の巣方向へ手探り感覚で進んでいく。

 

「ようやく来てくれた、分かってた」

「私は何が何だか、よく...わからないけど」

 

だが、聞き覚えのある...そんな声だ、誰の声だっけ?気づけば、遠くにかすかな光を見つけた出口かもしれないので、そこへ向かうことにする。

 

「あ…」

 

光があったところは、見たこともない美しいとも形容できる白色の花畑だった。

 

「誰?」

 

奥に誰かたたずんでいる、ここがどこなのか分かるかもしれない。

 

「こんばんわ」

 

彼女の所まで、歩き、挨拶をする。私の言葉が通じるだろうか?

 

「お父様は私たちがつながっているとおしゃっていた。だけどそれは私とあなただけじゃなくて、みんなのことだったのね。だって、こうして話せてる」

 

「宗教の勧誘とかじゃないわよね?」

 

この会話が理解できる存在はいるかもしれないが、正直それができる人と仲良くなれる気がしない。

 

「ごめんなさい。分かりやすい言葉で話してくれますか?」

「さあ、その身に託された意思と共にこちらへ」

「だから…そんな気はないって言ってるでしょ」

 

話にならない、他の人に当たるか。私が、彼女のもとを離れようとしたその時────

 

「何のつもり?」

「私たちは同じところから生み出されたの、みんな」

 

手首をかなり強い力で、つかまれている。なぜだか力任せには抜け出せないと、そう直感が働く。

 

「だから、同じ場所に帰りましょ?」

 

ずぶずぶと入ったことはないけど、沼にはまっていくような感覚が体と意識を満たしていく、フードをかぶっていた彼女の顔が下に行くたびにくっきりと映りだす、まるでその顔は...

 

「────わ、た…」

 

────いいカードだ!!

────どうせ、ブラフでしょ?

────どうかな?なあ、M4も見てくれよ!!

 

見えないはずの足元から、聞き覚えた声が飛び交う。グラグラと揺れる...ま、まずい

 

「この感覚は...」

 

────起きろー!!

 

「は…き、そ」

 

────起きろ!!M4A1!!

 

「おえええええええ!!!!!」

 

口の中から、今まで吸収してきたものが一斉に外に────

 

「────ほぉら、フラッシュだ!!」

「────あぁ!?クソッ!!」

 

「うわあああああああああ!!??」

 

────ガンっ!!と金属音と、火花。

 

「痛っああ…!」

「うわっ!!ビックリした!?」

 

飛び起きた拍子になにかに激突した。

そして、額にかなりの痛みを覚えて気が付くと、そこはタリンに向かうための列車の座席だった。

 

「M4…あなた大丈夫?」

 

────07:05

────"戦術人形"M4A1

────グリフィン:アリージェンス部隊

────大陸横断鉄道車内

 

<M4、お姉ちゃんしくじった?>

 

どうやら、自分の銃のハンドガードのレイルに頭ぶつけたらしい、ギザギザする痛みが走る。

部下たちが、私を心配していたところに、別の座席にいたSOPⅡが声をかけてきた。

 

「覗き見い?これは、いろいろ聞かないと────」

<あんなでかい声、隣の車両にいても聞こえるよ。それよりも指揮官からそろそろ接敵するって>

 

SOPⅡの報告は、暇つぶしでだらけていた私たちに戦闘のアドレナリンを一気に補充させた。

 

「…しょうがないわね、敵は?」

「感染者、いや...感染生物だっけ?」

 

SOPⅡがリモコンで外部カメラに切り替えた。

カメラにはコーラップス液の粒子に感染してケイ素化した、野生動物が線路をふさいでいた。

 

「大物は私たちのアサルトが片付ける、他はアリージェンスの仕事だって」

「なるほどね、SOPⅡ教えてくれてありがとう」

「どういたしまして」

 

SOPⅡが部屋を出ていくと、ぞろぞろと足音が隣の部屋から聞こえる。あまり、のんびりとした準備は許されないらしい。

 

<”フォトン”から”M4”、応答を>

「指揮官、どうぞ」

 

準備がそろそろ出来そうな、ちょうど良いタイミングで、無線が入る。通信をした”フォトン”は例の新任の指揮官の事だ。

 

<報告は受けているかもしれないけど確認しよう。列車の進行上に感染生物がいる。ケイ素の体じゃ、ひき殺せないかもしれない、早いうちに対処したい。それとなるべく、感染動物を近づけないように…>

「指揮官、それは怪物たちの出方に寄ります」

<────了解、だけど感染生物の対処は任せた。幸運を>

「了解です、指揮官。お任せを」

 

<────全員降りたぞ!>

 

列車が止まり、アリージェンスチームの全員が列車から降りると、自分たちが出た、車両のドアが密閉された。

先頭列車から500メートルくらい先に感染生物だと思わしきヘラジカが身の毛もよだつ奇声を上げる。

 

「アレね。”アサルトチームーダー”こちら、”アリージェンスリーダー”標的だと思わしき生物を発見、種類は恐らくヘラジカ、確認を」

 

”アサルトチームーダー”はMP7らを率いるM4SOPMODⅡ、”アリージェンスリーダー”は傭兵らを引き連れるM4A1のことだ。

 

<────確認、こっちも大物を見つけた。多分ヒグマだね、よしそっちの合図でこっちも始めるよ合図を頂戴>

 

ヒグマか...食べられるのかしら?...食えないでしょうね、────って、そんなこと考える場合じゃない、サッサとこの邪魔な害獣は倒さないと

 

「404は来ないんですね、エリートと聞いたんですけど」

「なあに、先に働けば後でゆっくり休憩できるわよ」

 

ゆっくりと私たちは鹿に接近する、鹿は一向に動こうとしない。

 

「いいねえ、最初の一杯おごるのも面白そうだ。全員レーザーサイト忘れてないよな?」

 

ナイトビジョンを起動すると、忘れてはいなかったらしい。

自分を入れて4つのレーザーが線路の真ん中にいる鹿の急所を狙っていた、全員が狙ったところで当たるゼロイン調整した距離の所で停止した。

 

「アリージェンス。わかってると思うけど、撃ってから他の感染生物がやってくる可能性は高いわ、時間があまりないわよ、いいわね?」

 

部下たちが、了解のハンドサインを送る。

 

「よし────始めるわよ!!」

 

 

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