四葉真夜と七草弘一の子供(非公式)ってハードすぎない⁉︎ 番外編 作:例示
すみませんゲームしてて遅れました。ゆるして…
今回は本編中の番外編です。
本筋に関係ないのでここで…
「これでいいのか?」
「はい。ありがとうございます」
週末。忙しい達也の時間をなんとかもらって、研究所のお手伝いをお願いしていた。
深雪もついてきちゃったけど、まあ今回はいいかな。
「それにしても、本当にたくさんあるのね…」
「研究内容からして実用性を否定されたものばかりですから」
ついさっき『分解』した試製七連装レーザー砲の残骸を見ながら、深雪が呟く。
今私たちがいるのは、研究所の中の廃棄予定機器保管庫。
基本的に研究所で作った試作品は、一定期間保管後にリサイクルしている。
ただモノによっては頑丈に作りすぎて分解困難だったり、手間がかかりすぎることがある。
空間魔法のおかげで保管場所自体はたくさんあるので『とりあえず後でなんとかしよう』と放置された結果、大量の試作品が溜まってしまっていた。
いや、場所は良いけど使った資材はそのままだから、新しく買うか作るかしないといけないんだけど…
しかも大体高性能を目指しているので一つ一つの部品が高い。
私が『分解』を使ってもいいんだけど、達也ほど早くないし魔法力もかなり消費する。
だからこうして手伝ってもらえるとものすごいコスト削減になる。
「一体何に使うのか分からないものが多かったがな」
「それは私も思っています」
「止めないのか?」
「他で止められた人たちの掃き溜めのような所ですから…」
私の言葉に、達也が呆れた顔で次の機械を『分解』する。
宇宙戦艦用大出力レーザー砲とか、本当に何のために作ったのか。
ちなみに地上では大気の影響で照射した瞬間、砲口が爆発するために使用不可。
月でのマスドライバーとして使えないかなと思ったけど、電力消費が大きすぎて設置できないし、普通に電磁投射の方が圧倒的に効率が良いということで分解決定。
推進ビームとしても、こんなに出力いらないんだよね…
そうして分厚い合金板の中に封入された、金やレアメタルを取り出して次の機械を運ばせていると、倉庫の隙間から白い綿のようなものが落ちてきた。
「あら?」
「これは……」
注意深く観察して摘むと、手の中でもふもふと蠢くソレ。
指を突っ込んで問題ないことを確認すると、不思議そうに見ていた二人に説明する。
「これは『ダスター・パフ』の試作品Ver2.4です。埃を吸い取って成長しつつ、想子が一定以上与えられると分裂して増えます。全て処分したはずなのですが、仮死状態でこんなところにいたようですね」
「安全……なんですか?」
「
そっと深雪に渡すと、手の中でふるふると動くパフ。
深雪から漏れている想子を吸って活性化していて、おずおずと触る深雪に自分からじゃれついている。
「かわいい…!」
「機械とも生物とも思えないが、どういうものなんだ?」
「確か藻とミドリムシの融合体のようなものだったはずです。光合成だけでも生存には十分な栄養を生成できて、埃の中のセルロースとタンパク質を使って身体を合成します。基本的には繊維の集合体として一体になっているので、プレス機で潰したり千切ったりしない限りは死なないはずです」
「聞いた限りでは安全そうだが」
「実際しばらくは研究所内で掃除役として使っていましたよ。魔法師でなくても想子を流せれば育てられますからね」
大きさも2~5センチ程度と小さく、ある程度以上大きくなると窓際で動かなくなるので回収も簡単だった。
必要想子量もサイズに比例して少ないので良かったのだけど…
「製法の問題で一般販売もできませんし、そもそもHARで掃除は事足りるので今は使っていません」
「そうなのですか…」
「製法がなにか不味いのか?」
「人造精霊や、式神の実験で作られたモノなんです。外部で解析されると色々と…」
「なるほど」
深雪がいるから言わないけど、要するにホムンクルス製造の試作品だったんだよね。
とりあえず単純な機能を持った人工生命体を作れるかどうかっていう。
相変わらずな研究員達だったけど、できたモノとしてはまあまあ上手く行ってた。
「これを作った人はまだ居るのかしら? 他にもかわいいモノがあったり…」
「そのもふもふのVer4.2に食べられて死にました」
「……え」
「女性研究員だったのですが、脂肪吸引もできるように改良したのがアダとなって、気づいたときには部屋中がもふもふだらけになっていました」
あの時は大変だったね…
部屋の隅から隅まで焼却しても安全かどうかわからなくて、一週間くらい業務が完全停止したからね。
放置してエネルギーが切れかかると目立つところに集まる習性をつけてなかったら、もっと大変だったと思う。
身体にまとわりついても簡単に手で払えるんだけど、寝てる時に吸われるとどうしようもないからね。
無駄に凝って痛みもほとんどないせいで気づかないし。
「とりあえず気が済んだらソレは焼却処分します」
「……はい」
そっと私の手に返されるもふもふ。
うん……あとでぬいぐるみでも買えば良いんじゃないかな…
・試製七連装レーザー砲
大出力レーザーを中心に一つ、それを囲むように六つ配置したレーザー砲。
車載サイズだが威力は0.1秒で航空機を破壊できるレベル。
大気中での運用を考えて、照準した位置に七つのレーザーが集中する設計。
ただ威力が高すぎて大気がプラズマ化して照準が狂う問題が解決できず、開き直って標的までの大気を吹き飛ばした後で本命のレーザーを撃つことにした。
しかし今度は狙っている位置がバレバレになるため簡単に避けられてしまう問題が発生。
もうどうしようもなくなったので放置された。
・宇宙戦艦用大出力レーザー砲
『大気があるから面倒なんだよ!』ということで、宇宙用にすることで強引に問題を解決することにしたレーザー砲。
大気の影響を考えなくて良いためさらに大出力化、人工衛星どころか小さな隕石まで破壊可能になった。
しかし代わりに必要エネルギー量が増加。特に冷却は宇宙用としたために大型の設備が必要となってしまった。
計算の結果、宇宙ステーション規模でも冷却と保守が難しいことから『宇宙戦艦でもなければ使えない』と結論が下された。
・ダスターパフ(もふもふちゃん)
ゴミ掃除の名目で、ホムンクルス実験の試作品として生まれた人工生命体。
外見や習性には主任研究員だった女性の趣味が多分に含まれており、特に手触りにはこだわっている。
正直HARがあるので掃除目的では要らなかったが、無害だし(主に女性職員の)メンタルケアにもなるのでしばらく研究所内に放牧されていた。
もふもふゾンビ事件後には、やばいヤツと無害なのとの見分けがつきにくいのでまとめて処分された。
もふもふゾンビ事件
Ver4.2で発生した事件。
Ver4.0で脂肪吸引機能をつけた主任だったが、そのことを周囲には隠していた。
無駄に有能だった主任は皮下脂肪だけでなく、内臓脂肪まで吸引できるよう改良したのだが、これが悲劇のきっかけとなる。
パフ自体が小さいため脂肪吸引速度が大したことなく、もふもふに癒されてうたた寝してしまった主任の体内でVer4.2が増殖。
一応セーフティとして一定量の想子が与えられないと増殖しないようになっていたのだが、体内に潜り込んだために想子供給が無くならなかった。
結果として、指数関数的に増殖したVer4.2による鬱血とそれに伴う脳梗塞によって主任は死亡。
放出された大量の想子で活性化したVer4.2により、衣服の全てと脂肪・筋肉組織の半分程度がもふもふに変換された。
事態発覚後、既に数十体のVer4.2がダクトから部屋の外に出ていたためパニックが起きかけた。
結局死亡者は主任だけだったものの、これ以降人工生命体の研究は所長直轄管理となり、扱うとしても『肉体無し』が基本となった。