なにやら息子が鮮烈(ヴィヴィッド)しまくってる女の子を拾って「私は恋人ですから!」と叫ばれている件。お母さん、ちょっと分からないわ 作:SUN'S
ミッドチルダ郊外、ベルカ自治領。
リンジは母親と買い物袋を背負った状態でアスファルトで舗装された道路沿いを汗一つ掻かずに疾走していると道路脇の草むらに倒れている人を見掛ける。
「…おっ、おかん、死体や……」
「アホなん?よく見てみい、ちゃんと息しとるやろ」
流石に図太いリンジもビックリしているのか。背負った母親を放り投げる勢いであわてふためき、草むらに倒れたまま動かない人間を指差す。が、直ぐに彼の考えは否定され、全く動揺していない彼の母親は平然と死体(?)に歩み寄る。
「こんなところで寝てると風邪引くわよ?」
「いや、そうやないやろ!?」
「……みじゅ…水を…」
「みず?リンジ、貴方のヤツを渡したりな」
「別にええけど。ほら、飲みな」
いつの間にか行き倒れの隣に移動していたリンジは飲み掛けのペットボトルを差し出す。すると行き倒れの人間は引ったくるようにペットボトルを受け取り、ゴクゴクッと喉を鳴らしながらリンジ特製のエナジードリンクを飲み始まる。
そう彼の母親は「よう飲めるな、ソレ」と呟く。
「プハァーーッ!!不味い、もう一杯!」
「不味いって言うな、せめて臭いって言えや」
「どっちも同じちゃうん?」
「ちゃうやろ?たぶん」
そう言うとリンジは再び母親と買い物袋を背負い、ついでに行き倒れの人間も持ち上げた瞬間、ぐにゅっ、と彼の右手にふくよかな膨らみが当たる。
ふむ、とリンジは黙り込み、直ぐに口を開く。
「お前、ええ身体しとるな」
「…えっち……」
「いつかヤると思っていたわ、リンジ」
彼の母親は深い溜め息を吐くとリンジの持っていた買い物袋を奪い取って、そのままベルカ自治領に在る別荘へとひとりで向かってしまう。
「堪忍や、知らん人…!」
「いや、知らんって言われても
その言葉に関してリンジはイヤなものを、DSAA関連の出来事、腕試しのケンカ屋、強さ自慢のボンクラ達による面倒な襲撃など思い出している。
「
「エレミア…ああ、あのエグい技のやつか!」
「エグないよ!?」
リンジの「エグい」という言葉に反論するジークリンデだが、彼女も自分の使う技の威力や範囲の広さに、ほんのちょっとだけ、えげつない破壊力だと思っているものの、さすがにリンジのようにハッキリと言われるのは嫌いらしい。
「ところで。エレミアはなんで行き倒れてたんだ?」
「…………空腹です…………」
「さよか」
なぜか重苦しい空気になった。
〈ジークリンデ・エレミア〉
DSAA女子最強
現在を生きる〈黒のエレミア〉の末裔。リンジ・ミヤザワの試合は時々チェックするほど興味を持っているが、それは単純な腕試しの試合をやりたいためである。