主人公に負けたい、という気持ちは、他の転生者以上だと思う(過言) 作:禁卍槍磔王 ゼロマゲドンX
今回は掲示板じゃないです。
正直普通の文章書くの苦手なので流し見でお願いします。
「牛神さん、起きて下さイ」
「んむぅ…」
昼下がりの研究室、牛神と呼ばれる少女が揺り起こされた。
「…あぁ、起きた」
彼女の名前は
使用するデッキはデイガ*1ドルマゲドン。
どう考えても男の名前だけどもちゃんと女の子だ。
なおその正体は前世アラフォー独身男で、今世では自称天才の拗らせた痛いやつ。
寝た振りだけは前世の学校での経験から上手いらしいね。
「さっきかラ声をかけてたのニ、やっと起きましたネ」
その彼女を起こした研究者然とした格好の異国的な風貌の青年。
彼の名はナム=ダ・デッドマン。
使用デッキはデアリガズ*2ドラグナー。
ただ、みんなにはデッドマンと略されて呼ばれているようである。
「牛神さん、明後日のこと覚えていますカ?」
牛神はその言葉に少し汗を流す。
「……あぁ、覚えているとも、もちろん。私が忘れるわけ無いだろう?」
覚えている、忘れるわけない、という割に目が泳いでるのが牛神という少女。
誰が見ても完全に忘れている顔である。
実際彼女は朝ご飯に何を食べたかも思い出せないし、まして明後日の予定なんて一切覚えていない。しかし、無駄に見栄を張りたかったらしい。愚かだね。
「本当ですカ?」
「ほんとほんと天才嘘つかない」
「…一応確認程度に言っておきますネ」
「!?…あ、あぁ。まぁ確認程度に聞いてやろう。ほら、早く言ってくれ」
余りにも彼女の反応が必死すぎて、探究心以外で心が動きにくいデッドマンでさえも憐れみを覚えてしまう。
「………あなたが学会にレポートを提出する最終締め切りですヨ」
そう聞いた牛神は一瞬だけ疑問を持ち、その後顔をしかめ、驚愕に満ちた顔を青色へと変えて戦慄しだした。
それを見たデッドマンは、あぁやっぱり忘れてたんだなと呆れながらも牛神に対して問うた。
「テーマは"これまでにないデッキ"らしいですけど思いつきますカ?」
「いや無理。テーマアバウトすぎる」
そら無理だろうな、そう思うしかないデッドマン。しかし、ここで、それじゃレポートバックレるか、なんてすると研究費を減らされるのは自分たち。
ただ、彼は牛神を動かす秘密のワードを知っていた。
「…天才にもできないことがあるんですネ」
「なんだと?」
その言葉を聞いた途端に少し怖い雰囲気になる牛神。
「やっぱり天才だなどと言うのはただの世迷言だったんですネ」
「……か」
「?」
「やってやろうじゃないか!!!!」
急に何を言い出したかと思えば、デッドマンは、天才を自称する牛神のやる気スイッチを押していたんだね。
まぁ、牛神はこういうふうにやる気が凄いときは前世の知識もフル動員して本当に天才みたいだから、あとは放っといても勝手になんとかしてくれる。
「どうする…コンボデッキは考える時間がないしまだ発表してないループのストックはあるにはあるが別に強いわけではないし最適化にもやはり時間がかかる…それならビート系のデッキの既存のテンプレから絶対に入ると思われているカードを抜いてこれまでにないデッキと言うか…それなら時間もそれほどかからない…赤単から…ガガガを…いやバッドか?…これは終着点に着眼すべきなのか?…ブレイズクロー…カンゴク…その辺りを本当に採用すべきなのかどうかもいいかもしれない…採用理由を一度洗い出して同コスト帯の別のカードを調べて…」
ブツブツ言っているようだけど、一応間に合いそうだ。牛神は伊達に前世を生きてたわけじゃないからね。
あと、これで安堵して思わずよしっ、なんて言わないのがデッドマンの凄い所。
部内でも一部のエリートしか入れない校舎の奥の方にある部室は牛神がパチパチとキーボードを叩く音とデッドマンがそれを見ているだけの空間になった。
しばらくして、これなら大丈夫だなと思ったデッドマンは自分のデッキの調整をしようとするが…
「おい庶民ども、今からデュエチューブの撮影をするぞ。さっさと撮影部屋に来い」
その言葉に、牛神もデッドマンも、もうそんな時間かと思ってるらしい。
彼ら殿堂王来学園デュエマ部代表チーム、つまり学園のトップ5人は代々学園の宣伝も兼ねて夕方頃からデュエチューブの撮影をする役割も担っている。
これは今代の代表チームにも例外でなく、彼ら彼女らも先代に倣って対戦動画やカード紹介、企画物をやったりしている。
ちなみにデュエチューブというのはY〇uTube的な動画投稿サイトのことで、デッドマンとか軍曹とかが「ウー、デュエル・マスターズ!」とか言ってる公式チャンネルのことじゃないよ。
ちなみに今庶民どもなんて言った青年は
使用デッキは5Cバラモルド。
実家が世界的に有名なすごい企業のバのつく金持ちで、デッキの中身を高レートのカードで種類も散らして作るという物好き。
デュエマが世界中で権威を振るっているこの世界では、彼の所有するデッキを売れば一国が買えるんじゃないかと噂されているよ。
実際はもっとすごいよ。
「そうですカ…」
「ん…まぁ、さっさと終わらそう」
「なんだどうした?いつもはもう少し楽しそうだというのに」
彼もタイミングが悪かったね。
◇◇◇
in撮影部屋
「そういえばツギハギ、他の二人はもう揃ってるんですか?」
学校に申請して経費で落としためちゃくちゃにふかふかなソファにどっかりと座り込みながら牛神が言う。
それに対し、何回も言われたんだろうね。神柩は、牛神しか言わない略称のツギハギ呼びに呆れながらもちゃんと答える。
「お前…まぁいいが。他の二人もさっき電話で呼び出したぞ。しかし、なぜお前らはいつもこの時間に撮影部屋に居ないんだ?撮るのはわかってるのに。余りにも合理的でない」
神柩は大企業の御曹司だからか、時間の使い方とかを幼い頃から学んでいる。
それゆえか、やるとわかっていることに対して準備をしない他のメンバーに対して少し不満を持っているらしい。
「ツギハギ、君はわかってないね。」
牛神のその小馬鹿にしたような言葉に対して、神柩もいい気はしないようで、ムッとしながら言い返す。
「どういう意味だ」
それを聞いて牛神は「いい質問だ」なんて調子よく答える。神柩はイラッとした。
「人間というのは非合理的な生き物なのだよ。だからこうして最初から集まらないのもしょうがない。まして我の強い私たちだ。非合理性はより強まるのは明白じゃないか」
牛神はそうしてハッハッハと高笑いをしている。
当たり前だけど、呼んであげたのに説教も聞かず理由のわからない屁理屈ばかりこねる牛神に神柩はご立腹だ。
ちなみに牛神に神柩を怒らせる意図はないらしいよ。
これだから自称天才男女独身アラフォーは空気を読めないんだ。
三つ子の魂もここまで来ると喜劇だね。
「そんなことよリ、取り敢えず機材をセッティングしよウ」
「そうだね。ほらツギハギ、動け」
「………おい」
「どうしたんだい?」
ほらツギハギ、動け。
その一言を受けて「怒」の頂にゼニス化した神柩が低い声で牛神に声をかける。
風向きが変わってきたようだね。
「俺とデュエルしろ。自称天才」
「…ほぉ、いいよ。お坊ちゃん?」
なんで火に油を注ぐんだろうね?
この自称天(ry。
次回に続くやもしれない