どうやら俺は須川君に憑依したようだ   作:葬炎

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〜第九問〜 前半

第九問

 

問 以下の問いに答えなさい。

『人の三大欲求を答えなさい』

 

 

 

 

須川亮の答え

『食欲・睡眠欲・性欲』

 

教師のコメント

正解です。

 

 

 

 

土屋康太の答え

『性欲・知識欲・撮影欲』

 

教師のコメント

食欲と睡眠欲が無いどころか、最後は欲求ですらなくなってます。

 

 

 

 

姫路水樹の答え

『えっちぃのはいけないと思います!』

 

教師のコメント

姫路さんがふざけるとは珍しいですね。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

「しかし今更になって不安になってきたな......」

「本当今更だな。もう承認したんなら諦めて心待ちにしやがれ」

 

誰のせいでこんなことになったと思ってるやがる雄二。

俺は昨日恭子とデートの約束をして日時を決めた後はすぐに帰り次の日からは普通に登校した。

そして補給テストがあり二日後の朝、教室でカバンをちゃぶ台の上に置きながらつぶやいたとこにちょうど通りかかった雄二が俺のつぶやきに突っ込みをいれてきたのだ。殴ってやろうかこのヤロウ。

しかし雄二は俺のそんな考えなどお構いなしに壇上に上がり、Aクラス戦での作戦の説明をし始めた。

 

「まずは皆に礼を言いたい。周囲に不可能だと言われてきたFクラスによるAクラスへの下克上が、ついに『もしかしたら』と思えるほど現実味が出てきたのは皆の協力があってからこそだ」

 

雄二は今までにないくらい真剣な顔で皆に礼を言う。

それを真面目な顔で耳を傾けるFクラス。やはり不真面目で馬鹿なことで有名なFクラスもAクラスへの挑戦という大事を前に真剣にならざるおえない空気があるとでもいうのか。

 

「ゆ、雄二。どうしたのさ? 馬鹿のくせにそんな小難しい言い回しをして」

「.....この状況でもそこに目が行くんだな明久(どうしようもない馬鹿)

「まて雄二、未だ嘗てないほどの侮辱を僕は今受けたよ!?」

 

しかし相変わらずの掛け合いに少し気が張りすぎてたきらいのあるFクラスの空気が霧散する。

さすが、だな明久。本人は自覚がないがあのマイペースさは周りを安心させ心に余裕を持たせてくれる。まぁ、馬鹿だがな。

 

「はっ、なぜか皆から僕をバカにする気配が!」

明久(救いようのない馬鹿)は置いといて、話しを進めよう。細かいことは言わない。ただ、お前らはどうしたい? ここまできたなら勝ちたいだろう?!」

『『『おおー!』』』

 

雄二の言葉に手を振り上げながら答えるFクラス。

 

「勉強をしろと言う教師どもに、学力が全てじゃないって証明を見せてやりたいだろ?!」

『YaーーHaーーーー!!』

『Wryyyyyyy!』

『勉強だけじゃねえんだーっ!』

 

最後の戦争を前に、皆の気持ちが一つになったかのような高揚感が生まれる。これなら......いける!

 

「ヤる気十分だな。そんでAクラス戦だが、これは一騎打ちで決着をつけようと思う」

 

この言葉に教室中にざわめきが広がった。

それもそうだろう、今までクラス全体で戦ってきたというのに今回は参加できないというのだから。

 

『どういうことだ....?』

『まさか、俺に俺も知らない隠された力があってそれを代表は見抜いたってのか?』

『ふっ、どうやら俺も本気の本気の本気を出す時が来たようだな』

 

ーーどうやらなぜか全員自分が出ると信じて疑ってないようだ。その自信はどこから来るのかお伺いしたい。

当然出るのは決まっており、それは本人たちにあらかじめ伝わっている。

 

「......とりあえず説明しよう。当然一騎打ちをするのは俺と翔子だ」

 

さらにざわめきは加速する。

『俺じゃないのか!?』『なん....だと....!?』という声も聞こえるが、それは無視しよう。

ここまでは原作通り。多少経緯に違いがあれど、結果は変わらないのか....?

 

「あはははは。馬鹿を体現したような雄二が才色兼備な霧島さんに挑むだって? 勝てるわけがなぁっ!?」

「次はーー......」

「次は? ねぇ次はなに!?」

 

明久の頬をかすめるように猛スピードでカッターが飛来した。

そして中途半端なとこで言葉を止めた雄二に明久が詰め寄る。ここまでテンプレ。

 

「まぁ、明久の言うとおり翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目は非常に低いだろう」

 

明久の発言を認める雄二の言葉。

しかしそれは事実にして現実。神童と言われたのが今は昔で勉強もなにもしなかった正真正銘ただの悪知恵が働くだけの馬鹿となった雄二と違い、あちらはずっと努力をしてきた才女なのだ。その今の差は言わずもがな、どう頑張ろうと埋めようがないものとなっている。

 

「だが、それはBクラス戦でもDクラス戦でも同じだったろう? どう足掻こうと格上のクラス、まともにやりあえばFクラスに勝ち目はなかった」

 

しかしそれを否定するかのような雄二の言葉。

実際事実現実、FクラスではDクラスBクラスに勝ち目はなかっただろう。それくらい、戦力差はあった。

 

「今回も状況は似たようなものだ。Aクラス代表にFクラス代表が勝てるはずがない。全員そう思っているだろう。だが、それを今までと同じように覆す。結果は俺たちの勝ちだ!」

 

皆、今までの戦闘より今回の戦闘が別格と言えるほど難しくなってることはわかっているだろう。

しかし雄二がこれまでの戦闘で積み上げた実績、信頼によってその言葉を信じた。Aクラスに勝つという誰もが成し遂げなかった、やろうとも思わなかったことを達成することを。

 

「俺を信じて任せてくれ。過去に神童とまで呼ばれた力を、今こそ発揮する時だ!」

 

『『『『『おおおおーーーーっ!』』』』』

 

最後の雄二の言葉により皆は完全に雄二に任せる意思を固めたようだ。力強く呼応の声を上げる。

しかし、雄二はすごいな。馬鹿と嫉妬で作られたような人物ばっかのFクラスを見事にまとめ上げている。普通の代表ならこうまではいかないだろう。いや、女性でものすごい美人で性格がいいような代表だったらどんな無理難題でも聞いたかな。そんな女性がFクラスに来るわけがーーあれ、そういえば姫路が代表やればどうとでもなるんじゃね......? やる気、統率力なんかが自動でMAXに......今気づくことじゃないな。この考えは封印しよう。

 

「さて、具体的な内容だが......一騎打ちではフィールドを限定する」

「フィールド? なんの教科でやるつもりじゃ?」

「教科は日本史だ」

 

周りから疑問符が浮かび上がるのが見えてくるように頭をかしげている者がいる。しょうがないだろう、誰も霧島さんが日本史を苦手にしている等の噂を聞いたことや、そもそも霧島さんに苦手な教科があるということも聞いたことがないのだから。

 

「ただし内容は限定する。百点満点でレベルは小学生程度、召喚獣での勝負ではなく純粋な学力勝負にする」

 

更に困惑する声。それも仕方ないこと、このような条件にする意図が一切わからないのだ。

もしかしたら雄二はAクラスに勝つ気がないかもしれない、という話しも出ている。

 

「確かに普通にやりあうよりは霧島さんに勝つ可能性はあるかもしれないけど、同点だった場合はきっと延長戦だよ? そうなったら問題のレベルも上がっちゃうだろうし、雄二じゃきつくない?」

「そうじゃな」

『おいおい明久がまともなこと言ったぞ?』

『災いの前兆か? 今の状況からしたらシャレにならないんだが....』

 

確かに、普通にAクラスと全面戦争するよりは分の悪い賭けではあるが可能性がある。それが皆の考えだろう。しかし雄二がそんな運任せの策を取るはずがない。

 

「おいおい、まさか俺がなんの考えもなしにここまで来たとでも思ってるのか? そんな完全に運に頼り切ったやり方は作戦などとは言えねえよ」

「? それじゃあ霧島さんの気をそらしたり諦めさせる方法とかあるの? あとはあらかじめテスト用紙に仕込んでおくとか」

 

どうして明久はすぐこすい手に走るのだろうか。いや、実力じゃ勝てないし搦手に頼ってしまうのはしょうがないこと......か?

 

「馬鹿か? いや馬鹿か。すまないお前は馬鹿だったな」

「なんで三回も言ったの!?」

「大事なことだったんじゃろうな」

「馬鹿は放って置いて話しを進めるぞ。気をそらしたり集中を乱したりする程度じゃアイツなら問題なく満点を叩き出すだろう」

 

雄二が告げる事実。Fクラスは本当にこれで勝てるのかどんどん不安になっていく。

 

「雄二、ではどうするのじゃ?」

「ああすまない、つい前置きが長くなってしまったな」

 

雄二は一泊置いて、改めてしゃべりだす。

 

「俺がこのやり方にした理由は一つ。ある問題が出れば、確実に間違えることを知ってるからだ」

 

雄二が口にしたのは、誰も知らないこと。知ったとこでなにかに役立つわけでもないので誰も知ろうともしなかったこと。だがその事実は今、この決戦において重要なものとなっていた。

 

「ある問題?」

「それはーーいや、言うのはやめておこう。どこに耳があるかわかったもんじゃねえしな」

 

雄二は言いかけ、止める。

これを聞かれたら勝率が0になるからだ。こんなことで負けたら悔やんでも悔やみきれないだろう。

 

「む。確かにそうじゃのう」

「まぁなんだ。その問題が出れば翔子は間違える。これは確実だ。そしたら俺たちの勝ち。晴れてFクラスの教室とおさらばすることができる」

 

皆の目に希望の光が灯る。

そう、もしかしたら、万が一、FクラスがAクラスに勝てればーー

 

「俺はそれを利用してアイツに勝つ。そしたら俺たちの机はーー」

 

『『『『『システムデスクだ!!!』』』』』

 

今ここに、Fクラスによる無茶で無謀で馬鹿な挑戦が始まる。

最弱が、最強に勝つ。そんな漫画の一幕のような挑戦が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの、坂本君」

「ん? なんだ姫路?」

「霧島さんとは....その....仲がいいんですか?」

 

「ああ、アイツとは幼馴染「で寝食や風呂を共にする程度の仲」だ。っておい須川ぁぁあ!」

 

「総員、狙ええぇぇ!!」

『あいつ......霧島さんの裸体を見たというのか!?』

『許せねえ.......許せねえ......!!』

『例え魂魄百万回生まれ変わっても、てめえを殺す!』




ども。葬炎です。二日遅れでの投稿となりました。

さて久しぶりの執筆。手応えは微妙。どうですかね?
そんで次話はいつになるかわかりません。凍結にする場合はしっかり報告します。

おそらく次話を書く予定ができたら活動報告に書くと思います。あぁ、早く安定して書けるようにしたいなあ....

葬炎でしたー
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