どっかおかしな提督と金剛さんが戯れるお話

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お昼頃、執務室にて。

 

いつも通り執務を終えてそろそろ休憩でも取ろうかとペンを置いたときだった。

 

慌ただしい足音がこちらに向かってくるのが耳に入る。それが何者か、そしてその登場の仕方は足音からおおよその検討がつくので俺はそそくさと対そいつ用防御兵器を準備した。

 

すると共に執務をこなしていた今日の秘書艦、黒髪を後ろ結びにしたお芋っ娘艦娘、吹雪は対そいつ用防御兵器をみて問いかける。

 

「壁に立て掛けてあったそれ、執務中ずっと気になってたんですけどなんなんですか?」

 

「あいつ加減をしらんからこういうのそろそろ用意するべきだと思ってな、明石に作らせてたんだ」

 

「あー、なるほど」

 

足音から吹雪も誰のものか理解しているのか困ったような表情を一瞬見せると納得した。まぁ、若干趣味に走った事に対する困惑だろうが俺自身この防御兵器は機能は実験すらしてないのでわからないがデザインは気に入っているのでよし。

 

とそんなやり取りをしている間に奴が目前まで迫ってきたようで、壊れるかと思うくらい勢いよく扉が開け放たれて。

 

「提督ー!今日こそ私のラブを受け止めて欲しいネー!バーニングラァーーブッ!!」

 

「ビッグ○ールド○ードナーを表側守備表示で特殊召喚ッ!!」

 

ダイブという名の特攻を仕掛けてきた茶髪の両サイドにフレンチク○ーラーのような結ったお団子にアホ毛とロングヘアーという個性的な髪型に付け加え巫女服を身に纏う提督LOVEな戦艦帰国子女に対して防御兵器、ビッグ○ールド○ードナーの盾を展開。

 

「あべし!?」

 

鋼鉄のビッグ○ールド○ードナーの盾に思い切り激突した戦艦帰国子女、改め金剛はまるで北○神拳でも食らったかのような悲鳴を上げるとぶつけたであろう額を押さえ、オーノー!!と痛みで床で身悶え始めた。

 

それを見て勝ち誇った笑みを浮かべて盾を元の場所に戻している俺とは裏腹に、心配そうに吹雪が駆け寄ると金剛は額を押さえながらふらふらと立ち上がる。

 

「金剛さん、大丈夫ですか?」

 

「今日はブッキーが秘書艦でしたネー!まだおでこが痛いデスがダイジョブネ!」

 

流石明石手製の防御兵器、素手で砲弾ぶん殴って弾く金剛の悪質タックルを守備力2600で無傷……あれ、なんかへこんでね?怖。

 

……まぁ防御兵器くんは後々明石に直していただくとして。

 

「でいつものことだが一応聞いておく、執務室まで来てどうした?」

 

「ではいつも通りのレスポンスをしマース!提督ー!今日こそ私になにか渡すものがあるでショウ!それをクダサーイ!」

 

「毎度言っているがそんなものはな……ふむちょっと待て」

 

渡すもの、という単語にふと昨日あるものを思いつきで購入したものが脳裏に過り、それを仕舞ったであろう執務机の一番したの引き出しを漁る。

 

「昨日仲の良い提督と久しぶりにあってな」

 

そんなことを言った(のち)、ふと吹雪にこんな問いかけをした。

 

「吹雪」

 

「へ!?は、はい!」

 

突然に向けられた俺の真剣な眼差しと呼び掛けに姿勢を正し、慌てながらも返答をする吹雪。

 

「もしお前が男だったとして、女性のどこに魅力を感じる?」

 

「うぇ!?え、えーと……優しいところなど、でしょうか?」

 

「そうだな、ここの艦娘は皆優しさに満ち溢れ、その優しさに危うくコロっとイキかけたことが何度もあった」

 

「私はいつも優しくしてマース!」

 

「あぁ、お前は悪質タックルさえなければ優しいよ。では質問を変えよう。吹雪、男という生き物は女性のどの部位に対して魅力を感じると思う?」

 

俺は問いかけを続け、吹雪はその問いかけに顔を赤らめながら、けれど自信無さげに答えた。

 

「む、胸でしょうか……?」

 

「確かにな、胸を好む男は多い……中学高校辺りの俺はそうだった。無論だったといっても嫌いではない、今でも好きさ」

 

そういって視線を顔を赤らめこの状況に困惑してきた吹雪から金剛のふっくらした胸部装甲に移して話を続ける。

 

「金剛のたわわに実った二つの立派なメロン、その形と柔らかさ香り、どれを取っても一級品だ、実に素晴らしい」

 

「ててて、て、提督!?いきなりなに言い出してるんです!?」

 

「ちょ、ホワイ!?提督!!さ、流石に時と場所はわきまえなヨー!?」

 

顔を赤らめ恥ずかしそうにこちらを見つめる金剛、さらに自信無さげにけれど同じく顔を赤らめる吹雪。あわてふためく二人の叫びを制するようにしかし、と俺は語る。

 

「さっきも言ったように胸は良い、大小あれど何れも素晴らしいものだ。でもな、違うんだ」

 

意を決したように金剛の胸部装甲から二人の顔に視線を移し、執務机からあるものを取り出しながら椅子から立ち上がり、その答えを言い放った。

 

 

「脚、だ」

 

 

二人は赤かった頬が素の肌色に戻ると困惑しつつおうむ返しのようにその単語を繰り返す。

 

「「脚、脚……?」」

 

「そう……脚だ。この世の中の多くの男が女性と言えば胸と答えるだろう……だが違う、それは大きな間違いだ。最も光輝く部位、それは脚なんだ」

 

「なるほど……分かりません」

 

「吹雪、女性は胸が全てではない。その素晴らしい脚は君の大きな魅力の一つ、だから胸をそう気にして絶望しなくていいんだ。俺は吹雪の脚、好きだぞ」

 

「て、提督!私……!!」

 

「え!?ブッキー!?って私というものがありながら何言ってるデスか!」

 

わからないと言っていたものの手のひらを返し目を輝かせてこの話に激しく同意する吹雪にその方向はマズイデース!帰ってくるデース!と捲し立てつつ俺に抗議するという器用なことをする金剛を横目に更なる脚について演技がかった演説を始める。

 

「付け根から爪先にかけてその全てが一つの美しい芸術と言える。程よく肉のついた柔らかな太ももと美しい滑らかな曲線を描くふくらはぎ、そして男なら誰しも踏まれても良いとさえ思わせる芸術的形を誇る足裏とその指」

 

まるで自身の崇拝する神について話すかのようにより脚のよさを理解して貰うべく滑らかに手や脚、全身を使った表現を交えて話す。

 

「そして、そんな魅力的な脚には様々なその良さを引き立たせる品が数多くある。スパッツやニーソック、ストッキングなどよく知られているがその中でも一際目を惹くのは……そう、タイツだ」

 

袋に入ったそれ、そうデニール数40の完璧なタイツを天高く掲げ、声高らかにその溢れんばかりの魅力について語りかける。

 

「ただタイツと一つ取っても様々なものが数多く存在し、その中でもデニールというものがあり、それ即ちタイツやストッキングなんかに使われる糸の太さによる単位のことだ」

 

「「へぇ、なるほど……」」

 

普通にタメになっている二人を見てうんうんと頷きデニールに、もっとも重要なその単位について話を続ける。

 

「そして、単位というからには数字がある、そうだな?そう、これこそがもっとも重要なポイントだ。女性の美しい柔肌これを最大限生かしたデニール数、それこそは40ッ!!しっかりとした黒い生地、が濃すぎずきちんと透ける肌色が映える数値と言えるだろう」

 

俺はどこからともなくそれぞれ異なるデニール数のタイツの写真が張られたパネルを取り出し解説、そして続けざまにその魅力を語る。

 

「そんなデニール40のタイツを纏った脚、その魅力は最早一言では言い表せない。艶やかな輝きを放つ魅惑的な光沢に黒いベールのような薄い生地から透けて見える純白に煌めく乙女の柔肌、その光景はまるでそう例えるならばどんな暗闇の中でも輝きを失わない暖かな光ッ!!」

 

「なるほど、タイツ……勉強になります!」

 

「ブッキー帰ってくるデース!!ちょっと提督!ブッキーにそっちはまだは早い気がしマース!!」

 

「と言うわけで金剛」

 

「ふぇええ!?て、提督!?」

 

パネルを机に置き、ふっと視線を金剛の瞳に向ける。じっと見つめてからその手に握るタイツを再び顔を赤らめそしてあたふた慌てる金剛の手をそっと取って手渡した。

 

「さ、履いてみてくれ。そのタイツは君のサイズに合わせて先ほど話した友人から購入した物で特注品だ。その脚ならばきっと素晴らしい美の輝きを俺に見せてくれると信じている」

 

「もう何がなんだか分からなくなってきた気がしマスが、まぁ提督がそう言うなら……」

 

「吹雪には今度別の物を買ってこよう、無論タイツは無くとも君の美しい生足は素晴らしい芸術品だ」

「ちょっと恥ずかしいですが、えへへ……楽しみにしてます!」

 

恥じらいながらもタイツを履く金剛と嬉しそうに笑みを浮かべる吹雪。

 

その瞬間を最大限で体感するべく、俺は金剛が履き終わるまでは後ろを向いていた。

 

「て、提督、こっち向いてもいいヨー?」

 

金剛の声を聞いて背を向けていた俺は振り向く。さて、その輝き……いか程のものか見てみようじゃないか。

 

「こ、これは……!?」

 

その光景、一言では言い表せない。

 

「なんと、ふつくしい……」

 

ああ脚、ああタイツ。それらは素晴らしき芸術品であり、昨日語らいに語らった友人の提督と、分かち合った熱い友情の譲り受けた素晴らしい特注タイツ。

 

ありがとう友人の提督。

 

ありがとうタイツ。

 

ありがとう脚。

 

ありがとう金剛。

 

ありがとう世界。

 

「い、いつもこっちから行っておいてなんデスが、その……そんなマジマジと見られると流石に私も恥ずかしいデース!」

 

「腐☆腐」

 

恥じらう金剛を尻目にほぼゼロと言える距離でタイツを纏ったその御神体とも言えるおみ足を丁寧にじっくり見回す。

 

「Oh……Fantastic!!健康的な引き締まりつつも肉感のある太ももの太さ!そして筋肉と脂肪が織り成す絶妙な曲線を描くふくらはぎ!、そんな最高の脚に纏う素晴らしいタイツ!この絶景!!例えるならばタイツという闇夜の中でも煌めく肌はまさしく純白の月……!!」

 

「も、もう!そこまで褒められると嬉しいんデスけど、状況が状況で素直に喜べまセン!とても恥ずかしいーネ……!」

 

興奮する俺に褒められ脚をガン見され永遠に恥じらう金剛、そしてまたさらに対称的に外部から見ていたお陰か、冷静になった吹雪はどこか冷めた目でこちらを見ていた。

 

大人気なくはしゃぎ過ぎてしまったか、と少し反省しつつ脚を見るためしゃがんでいた俺は立ち上がる。

 

「と言うわけであげるものがあるとするなら、そのタイツは金剛にあげよう」

 

「は、はい、えっと、ありがとうございマース……」

 

恥じらいの余韻でもあるのか、シンプルに疲れたのかぎこちなくお礼を言う金剛。

 

「吹雪はほんとに要るなら今度注文しとくけど?」

 

「え、あ、まぁ……貰えるなら、はい」

 

冷めた目は変わらないのだが何処と無く自信溢れる気迫的なのを感じさせる吹雪。なんだ冷静になってるからいらないとか言われると思ったんだが。

 

ほんとは指輪が良かったネー……」

 

「ん?どした?」

 

「もう!なんでもないデース!!」

 

「そうか?じゃまぁ、時間も時間だしこのまま三人で飯食いに行こうか」

 

興奮から少し冷め、当初の予定を思い出してそう二人に声を掛ける。二人はそれぞれはい!と返事をして、俺達は執務室を後にした。


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