ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
復活のCということで初投稿です。
其之九十九 蘇った最凶!?集めろ強戦士。
ナメック星人達を新たな惑星に送っておよそ一年。
地球の神が住まう神殿にて、神…カタッツの子は未来を憂いていた。
神が死ぬという異例の事態。
それもかつて己が生み出した半身の死という形。
ナメック星人であるからこそのイレギュラー。
これを解消するにはどちらかが消えなければならない。
しかし神の片割れ…ピッコロに罪はない。
元々彼の身勝手で生み出した存在。
それを下界の者達が下したうえ更に厚生までしてくれたのだ。
更なる身勝手でピッコロの人生を奪うことは神にとっても本意ではない。
ピッコロは戦士だ、地球に何かあれば必ずこれに立ち向かうだろう。
つまり、地球の危機は神の死に直結するのである。
これは二人が分たれている限り
ではどうするべきか?
新たな神の擁立である。
幸い、後継者には目星がついている。
この星に一時的に滞在したナメック星人達に神は顔合わせをした。
最長老であるムーリからは…将来ある若者としてデンデを紹介されたのだ。
暫し考える時間がほしいと神は回答を保留にしたが、漸くその決心がついた。
本来であれば遠く離れた星への移動が必要なのだが…幸い地球には小籠包というヤードラット人がいる。
色々あったが、彼女は一応神として尊敬してくれているようだし、対価を用意すれば頼みを聞いてくれるだろう。
「…というわけで、私を新ナメック星に連れて行ってはくれないか。」
「わかりました。」
「報酬は……なんだと?」
「ですから、わかりましたと。ほら、私の手を取ってください。瞬間移動しますから。」
「…お前はなんの対価もなしに動かない奴ではなかろう。」
「私をなんだと思ってるんですか。」
「慈善事業家ではなかろう?お前の雇い主はそうかもしれんが。」
そうまで言われては黙ってなどいられないのが人情。
「では一つ、精神と時の部屋を使わせてください。」
彼女が要求するのはもう一度聖域である神の社に足を踏み入れることだった。
それも以前は使用を許されなかった施設の使用である。
…というのも、実はピラフルームの開発は遅々として進んでいない。
理論上は可能、しかしそれに技術が追いついているかは別問題なのである。
何より、「今のお前は未熟だから使わせない」なぁんて言われて黙っていられるほど彼女はおとなしくない。
「…よかろう、今のお前なら半日は保つだろうな。」
「何日だって居てやります。」
「やめておけ、2日を過ぎると出口が消えるぞ。」
だったらこじ開けて…そんな売り言葉に買い言葉、いつものくせで開きかけた口を彼女は慌てて閉じた。
いくらピッコロに似ているといっても、彼はこの地球で最も尊い存在なのだ。
こほん、と咳払いを一つして取引成立。
さて、彼女は遠い遠い、新ナメック星…正しくはそこに住む人々の気配を探す。
ーーーなに、これ。
得体の知れない異物が一つ。
生物のやつな、それでいて先日であったセルのような人工物のような、そんな人ならざる…いや生き物ならざる尋常ではない気配を感じるのだ。
なにより、彼女はこの悪意を知っている。
ーーーあり得ない、だってアイツは…。
額に当てた指先を離し、一呼吸置く。
このまま神を同胞のもとへ連れていくわけにはいかない。
彼女は十分な面子を揃えるべきだと判断した。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「俺様に殺されに来たのか。」
「相変わらず芸のないやつね?それしか言えないの?」
久しぶりに顔を合わせたかつての教え子は彼は随分と腕を上げていた。
界王星での修行を経て、そして下界へ戻りひたすらに鍛錬を積んだ。
その力は彼のフリーザに及ばないまでも…現地にいれば頼りになるくらいの存在にはなっていた。
「もう貴方なんて私の敵じゃない自覚くらいあるでしょ?」
「試してみるか?」
ピッコロの口角が吊り上がる。
勝ち目はゼロではない。仮に術を封じられた場合、間違いなく彼は小籠包を上回る。
「そんな隙を私が晒すと思う?」
「だろうな、安心しろすぐにでも貴様を踏み潰してやる。」
彼は頑なに気功法も界王拳も使おうとはしなかった。
恐らくその気になれば扱えるだろう。
彼は神の片割れ、術に長けた龍族である。
気の扱いは戦士タイプのそれを遥かに上回るのだ。
己が力だけで憎き女を叩きのめす。それがピッコロのやり方なのである。
「行くの?行かないの?」
「勿論行く、前回俺様の出番はなかったからな。」
ピッコロの反応は予想通りであった。
決して口にはしなかったが、同胞たちの危機であるのなら彼は黙ってはいない。
口は(小籠包の前では)悪いが、彼も立派なナメック星人なのである。
「…何故俺に声をかけた、サイヤ人どもがいれば十分だっただろう。」
彼女がまず最初に訪れたのはピッコロだった。
自分ならヤードラットが危ないとしればたとえ故郷でなくとも一目散に駆けつける。
同族意識とはそういうものだ。
彼にも、そういうものがあることを知っていたからである。
「蚊帳の外は可哀想でしょ?」
「この俺に施しを与えたつもりか?」
「な訳ないでしょ、貸しにしてあげる。」
「相変わらず口の減らねえ野郎だ。」
こいつとは会話するのも疲れる。
互いに塩を撒き散らしながら小籠包は手を差し出した。
「神殿に連れてくから、あそこで待ってて。」
「ふん、俺様は奴の悪心、その化身だぞ?」
「まだそんなこと言ってるの?悪さする気なんて微塵もないくせに。」
「…貴様、本当にいつか叩きのめしてやるからな。」
もちろん、彼の滞在を神は認めた。
ピッコロは本当に神殿の片隅にて静かに瞑想に耽るのであった。
それを尻目に彼女は次の戦力へと赴いた。
…ベジータである。
どうせ足並みを揃えることはないだろうが、それはピッコロとて同じ。
スタンドプレーしかいないのなら頭数を増やすべき、彼女はそう結論づけた。
ベジータを誘うべくカプセルコーポレーションに赴いた。
彼はここに身を寄せているのである。
「よう、小籠包じゃないか。」
「こんにちはヤムチャさん。」
ナメック星での共闘以来の戦友。
彼も当然ドラゴンボールによって蘇っている。
一見いつも通りのフランクな友人…しかしどこか様子が違う。
「遂にお前にまで置いてかれちまったな。」
「はい、もたもたしてると置き去りにしますよ?」
試しに挑発的な言葉を言ってみる。
以前の彼ならばここで好戦的な微笑みを返して来たのだが、やはり様子がおかしい。
「…どうかされましたか?」
「どうもしてないさ、俺はいつも通りだぜ。」
嘘だ、彼は何かを隠している。
「悩みがあるのなら武天老師様に話すといいですよ。」
「そこはお前じゃないのかよ!」
「私には話してくれなさそうなので。」
うぐ、そんなコテコテな反応を返す彼は観念したように両手を上げた。
「わかった、わかったよ。つまらん話だぞ?」
そんな前置き共にヤムチャはその心情を語った。
あのナメック星での出来事を。
フリーザを前になす術なく一瞬で殺されてしまった。
あまりに理不尽な力の差、もしもを想定できない絶対的な死。
幾ら鍛錬してもその先に「
なんの感慨もなく、子供が虫を気楽に踏み潰すかのように殺されるあの瞬間。
「情け無いだろ?もう死んでるアイツに怯えてるんだ。あの時も…奴が復活して地球に来たあの日も、俺は足がすくんで動けなかった。」
戦士失格だよ。
そんな風に自嘲する彼を見上げて彼女は不思議そうに問いかけた。
「いいじゃないですか、それで。」
「どう言う意味だ。」
パチリ、と異形の瞳、猛禽類を彷彿とさせるその瞳孔が、彼をまっすぐ見つめた。
「死に怯えるのは正常な精神です。ヤムチャさんは武道家であって戦士ではありません。本来、殺し合いをすべき人ではないんです。地球の命運なんて背負う必要ないんです。」
武道家は世のため人の為に戦う存在ではない。
己の限界に挑戦する、そう言う存在なのだ。
そもそも孫悟空だって、正義の味方ではない。
強い奴と戦いたい。そんな彼の欲求の先に平和があるだけだ。
「だが…敵に怯えるなんて、武道家じゃない。」
「武天老師様がそうおっしゃられたんですか?」
「…!。」
「桃白白様ならそう言います。私と同門なら軟弱者と誹ります。…でも貴方は亀仙流、老師様の教えは「敵を倒せ」ではないはずです。」
淡々としかしはっきりとした熱を持って小籠包は語る。
自分の道を見失いつつある友人に、思いの丈を叩きつける。
「……。」
「納得できないのなら老師様に尋ねてみては?…きっと叱られますよ?」
「…いや、やめておく、老師様はな、怒ると怖いんだ。」
「そうですか。」
なんとも言えない沈黙が流れた。
これで彼の悩みが解消するとは思えない。
しかし、今の彼が間違っていることも確かである。
「…すまんなこんな話を聞かせちまって、…そう言えば何か用事があるんじゃなかったのか?」
「ベジータを探しています。知りませんか?」
「アイツなら、今の時間は重力室だと思うぞ。」
確かに、離れにある重力室から彼の気配が感じ取れた。
随分と腕を上げた様子。
「ありがとうございます、では。」
ぺこりと頭を下げて重力室へと向かう。
「小籠包。」
後ろから声をかけられ、振り返る。
そこには少しばかり顔色の良くなったヤムチャがそこにいた。
「助かった。もう少し怯えてみるよ。」
「はい、ぜひ。」
それだけ言って小籠包の小柄な背中が遠ざかっていく。
その後ろ姿にヤムチャはため息をついた。
「本当に、不思議な奴だぜ。」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「凄い重力。」
「…。」
「150倍か、無茶してる。」
「……。」
「そろそろスーパーサイヤ人には成れた?3番手くん?」
「この程度の重力で立ってるのもやっとな貴様に言われたくないな、クズめ。」
「やっと反応した。」
打倒カカロット、ラディッツを掲げたサイヤ人の王子。
ヤムチャから奪い取った重力室にて彼は汗を流していた。
「それと、それはお互い様でしょ。」
「貴様と一緒にするな…はァァァァァァ!!」
不敵に笑う彼はその全身から金色のオーラを噴き出す。
スーパーサイヤ人だ。
彼もなれたのだ伝説の戦士に。
「わかったらさっさと出て行け、トレーニングの邪魔だ。」
「クウラを殺したくはない?」
「…なんだと?」
漸く彼は重力を止めた。話を聞く気になったらしい。
「どう言う意味だ。」
「そのまんまの意味よ。生き返ったの、フリーザと同じくね。」
「くだらん、奴の気は感じんぞ。」
「新ナメック星よ?感じないの?」
緑の瞳が驚愕に見開く。
あの星は相当遠い、地球の技術では少なくとも人が生きてるうちには辿り着けない程度には。
幾ら相手の気配が巨大とはいえ、これを感じ取るのは異様だと言わざるを得ない。
「別に来ないなら良いよ、ラディッツたちを連れていくから。」
これはベジータにとってはキラーワードだった。
「誰も行かんとは言っていない。」
「そう、私は悟空くんを迎えにいくから、準備ができたら神殿に来て。」
「…ふん。わかったからさっさと行け。」
その言葉に特に反応もなく彼女は瞬間移動で消え去った。
ーーークソッタレ…!どいつもこいつもこのベジータ様を追い抜きやがる…!
彼女が消えたあと、残されたベジータはぎり…!と拳を握りしめる。
指先から絞られるように滴り落ちる汗。
最早彼の頭のなかに「全宇宙を支配する」などと言う野望は存在していなかった。
彼にとって「小籠包」という女戦士は異様な存在だ。
地球人とヤードラット人のハーフ、この二つの種族は好戦的な種族ではない。
だが彼女は違う、どちらかといえばこちら側に近い。
必要であれば殺す、そして戦いを楽しんですらいるように見える。
驚くべきはこの一年での変わりようだ。
戦闘力の増強だとか、そんなつまらないモノではない。
彼女の在り方が変わった、ベジータはそう感じる。
ソレも丸くなっただとか、穏やかになったではない。
むしろその逆、例えるなら鋭さを増した、と言って良い。
あの時ナメック星での彼女がナマクラに感じるほどだ。
ベジータは彼女に一目置いていた。
もちろん女としてでなく、戦士として。
非力な種族の血を引きながら…自分たちに食らいついてくるその才能。
彼は確信している、彼女はいつか…自分たちに匹敵するパワーを持つことになる。
彼の期待は確かに応えられた。
とてもじゃないが
つまり、種族としてのアドバンテージがなければ彼女を倒せないのである。
屈辱だ。
戦闘民族サイヤ人の王子たる自分が、
スーパーサイヤ人に覚醒したはいい。
下級戦士にできたことだ己にできないはずはない。
これは通過儀礼のようなもの。
ここから自分がカカロットとラディッツを下し、名実共に最強のサイヤ人に返り咲くはずだったのだ。
しかし、現実はどうだ?
覚醒してからと言うもの、自分の伸びは実に緩やかである。
しかも、あのフリーザを一瞬で片付ける謎の存在に加えて、本来あっさり踏み潰せるはずの地球人とヤードラット人の雑種にスーパーサイヤ人という最大のカードを切らなければいけない。
「今に見ていろ…!ナンバーワンは…このベジータ様だ…!」
着替えるべく自室に戻るベジータは迫る死闘の更にその先を見据えていた。
戦闘力更新
ピッコロ
基本最大:18万=>90万
この一年で大幅パワーアップ。
ただし小籠包には大きく遅れを取っている。
敢えて界王拳も気功法も使わない。
その上で仇敵を踏み潰す。ソレが彼なりの意趣返しである。
原作と同じ道筋を辿るのなら…ここから更なるパワーアップの余地を残している。
仮にその通りに行ったのなら……。
ベジータ
基本最大:240万=>400万
超1-1:2億
超サイヤ人覚醒済
もう既に超っぽい王子になってしまった。この頃のベジータ難しい。
初期のベジータチンピラすぎてこの温度差で風邪ひくレベル。
すでに成長率が悟空に劣っているが、確実にラディッツ以上の進化を見せる。
悟空は革新的な修行でステップアップするのに対してベジータは地道に努力するタイプ。
150倍の重力もこの段階では相当厳しいです。
ブウ編のベジータがこの倍率で修行してるレベルなので。
ヤムチャ
基本最大:10万5000=>10万
フリーザにあっさり踏み潰されたのがトラウマになってしまった。
モチベはあるが、鍛錬をすればするほどフリーザの強大さが頭にちらついて身にならない。
かつて師からは、自分の道を歩めと言われたことから一人思い悩む。
小籠包の言葉が少なからず糧になった様子。
すでに最前線に立つのは難しい。