ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
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なんだかんだバトル書いてる時が一番楽しいので初投稿です。
高評価ありがとうございます!!!!
第22回天下一武道会、その最終日…決勝戦はこれまでにない程の盛り上がりを見せていた。動員数は実に2倍を誇る。ソレもそのはず、第一回戦のあまりに次元の違うバトルを繰り広げた猛者の中の猛者が今日激突すると言うのだ。
これを逃す手はないぞ、予定にないモノたちまで押し寄せてきたのだ。
大盛り上がりの中…アナウンサーが高らかに選手の紹介を開始する。
達人ヤムチャを下し…更には前回の天下一武道会優勝者の戦意を喪失させた今大会の優勝最有力候補!
その紹介にヤムチャは苦い顔をする。
別の世界線なら彼は病院から抜け出してるところだが…
幸い今回のこれは天津飯の情けで…ただの気絶で済んでいる。
そして、流石の彼らも天津飯の纏う空気が変わっていることにきがついていた。
剥き出しの敵意は静かな闘志に変わり、倒すべき敵にのみ意識を集中している。
実際に彼と拳を交えたヤムチャは彼の変わり様に驚いていた。
一体どういう心境の変化か…それはどうでもいい。
重要なのは、今の彼の方が好感が持てる。ヤムチャはそう感じた。
ーーーこれは強敵だぜ、悟空。
続いて一回戦から激しい攻防を繰り広げ…更には己の弱点まで克服し更なる進化を遂げた…同じく今大会屈指の実力を持つ孫悟空!
さて、今度は小籠包とクリリンが顔をしかめる。
隠し札まで全て晒した上で…相手の全てを出しきれなかった小籠包。
掴んだ尻尾は弱点ではなく、強力な武器となっていたクリリン。
清々しい敗北ではあったが、悔しいかどうかは別の問題である。
ーーー天兄をどう超えるか、見せてもらうよ悟空くん
ーーー悟空、負けんじゃねーぞ!
武舞台の上で睨み合う二人。
悟空はそのプレッシャーから冷や汗をかく。
理屈抜きに、彼の野生由来の勘が囁く。
これまでの天津飯ではない。
あの日、詐欺まがいの行為を働いていた悪い奴とは別人だ。
あんなに強かった小籠包よりも、遥かに上を行く相手。
ーーーへへ、ワクワクするなぁ!
対する天津飯、やはりこうして向き合っても彼の感想は変わらない。
強いのは自分だ。
しかし胸騒ぎが止まらない。
これは彼に秘められた可能性に怯えているのか、あるいは期待しているのか。
この試合で孫悟空を殺すつもりは、もう彼にはなかった。
一切の手出しは不要、餃子にもそう釘をさしている。
ーーー勝つのは、俺だ。
湧き上がる焔のような濃密な闘志。
武の心得のない観客にすら感じ取れる。
二人が構えをとったことを確認し…アナウンサーが高らかに宣言した。
ーーー始め!
仕掛けたのは悟空だ。
準決勝で見せた驚異的な脚力を使った、超スピードのフットワーク。
一度は天津飯の視覚すら翻弄させた技だ。
しかし所詮初見殺しの子供騙し、天津飯の目にはただの横跳びでしかなかった。
「!」
彼の姿を捉えたその目に驚愕の色が宿る。
超スピードで駆け回る彼の姿が幾重にも分身しているではないか。
目にも止まらぬ速さで駆け回りながら、彼は残像拳を重ねている。
超スピード多重残像拳とでもいうべきか。
残像拳に紛れて悟空の拳が容赦なく彼の顎を捉える。
重い…!
あの小柄な体躯に見合わないハンマーで殴られたかのような衝撃。
その威力に怯んだ彼を一方的に叩きのめす。
頬を、胸を、腹を。
完全優位なはずの悟空の顔が焦りに歪む。
手応えが軽いのだ。
攻撃のどれもが、
直撃の瞬間、僅かに威力を殺されて思った威力を発揮できていない。
焦りは残像拳に綻びを生む、その微かな乱れを天津飯は見逃さない。
「ずぇぇぇぇあ!!」
「ぐ……ぉ!?、」
彼の片足が悟空の腹を捉える!
観客の目からは透明な悟空が突如彼の足の前に現れた様にも見えただろう。
準決勝で見せた彼の技が破られた。
飛ばされる悟空目掛けて、指先が向けられる。
「どどん…波!!」
金の極光が一直線に悟空目掛けて迫る。
宙に投げ出された悟空に回避する術はない。
そのままどどん波は直撃、ガードの上からでも激しいダメージを与えながら彼を場外に飛ばしていく。
しかし間一髪…!彼の尻尾が武舞台の縁を掴み…ギリギリのところで場外落下を回避。
空中に飛び上がりくるくると戻る彼に天津飯がニヤリと笑った。
低く腰を落としたその構え…小籠包が声をあげた。
「て、天兄!殺す気!?」
鶴仙流の数少ない体術奥義。
決まれば確実に殺せる絶技…その名は排球拳。
敵をバレーボールに見立てて滅多打ちにする究極奥義だ。
くるくると落下する彼の身体に対して天津飯は高らかに宣言。
「排球拳!…いくわヨ〜〜!…はァ〜い!!」
逞しい彼から想像もつかない甲高い声、ふざけたその様子から信じられない初速で悟空が着地をするそこに巨体がダイブする。
ーーーワン!
まるでバレーボールのフライングレシーブ、着地するはずの身体が下から打ち上げられる。
着地直前の完全な無防備に彼の身体は再び宙に打ち上がる。
文字通りボール扱い。回転が緩み自由落下する彼の下から今度はトス!
ーーーツゥー!
「かは…!?」
誰もが予想するフィニッシュ。
もう見てられないと目を覆う観客もいた。
技の全容を知る鶴仙人はほくそ笑む。
技の威力を熟知する小籠包は奥歯を噛む。
ーーー死んだな。
ーーー悟空くん…どうか生き残って…!
トスで打ち上がった哀れなボール目掛けて天津飯が飛び上がる。
利き腕を上げて、高らかに叫ぶ。
「アタァァァァァァァァック!!!!」
腹部に叩きつけられたスパイク。ボールはまっすぐに武舞台へ撃ち落とされる。
ソレは弾む事なく、小さなクレーターを起こし武舞台の中央に沈む。
観客が固唾を飲んで見守る。
ぴくりとも動かなくなった、悟空。今大会何度目か…カウントを忘れるアナウンサーを気にも留めず。
「立て!孫悟空!そんなものではないはずだ!」
「へへ、もうちょっと休憩しようかと思ったんだけどな!」
両脚をバネに使って跳ね起きる悟空、アレ程のダメージを負っているというのに、その様子はケロリとしている。
ーーー馬鹿な…!?
ーーーホントに、頑丈なんだから。
口の中を切ったのか、あるいは内臓にダメージでも入ったのか、鮮血混じりの唾を吐き出して再び構えを取る。
「おめぇ、ほんっと強ェなぁ!」
「ソレはこちらの台詞だ、俺は殺すつもりでやったのだからな。」
「おめぇなら、おもっきしやっても死なねぇな!」
「見せてみろ、お前の本当の力を!」
その言葉に、ハテと首を傾げるのは武天老師含む亀仙流の面々だ。
これまで彼は″思いっきり″やっていなかったというのか。
第一試合で、一瞬だけ小籠包にだけ見せたあの力。
敗北の思い出に彼女は思わず苦い顔を隠せない。
「じゃあ、行くぞ…こっからは試合じゃねえかんな!」
「期待…してるぜ…!」
ーーーぞく!?
悟空の気が大きく膨れ上がった。
あの時は、ダメージによって気づかなかったがその力の大きさは小籠包の予想を大きく上回る。これは…気の解放した自分と同等の力だ。
しかも彼は…ここから更に力を増強出来る。
ーーーこれだ…この力に、私は負けたんだ…!
殺人を目的とした自分たちにはない。
試合と、戦闘を分けた戦い方。
これから悟空の放つ攻撃は…相手を下すのではなく。
悟空の身体が…弾丸の様に弾ける。
ーーー速…!?
「がは!?」
ダメージと共に、敵の攻撃を理解する。
腹に一発、続け様に顎と、頬に一発ずつ。
今度は先ほどの様にいなす余裕などない。
鉄塊と評した余りにも重い拳が、一方的に天津飯を叩きのめしていく。
「だりゃりゃりゃりゃぁぁぁ!!」
「ぐ…ぉぉぉ!?」
蹴り飛ばした巨体を追う。
追撃にと両足で上空に吹き飛ばした天津飯目掛けて…あの構えを取った…!
ーーーかぁ…めぇ…はぁ…めぇ…!
この試合、幾度となく見せた人間技を遥かにこえた絶技。
観客の期待が最高峰に高まる。
空中でなんとか姿勢を整えた天津飯は回避が不可能な事を悟り防御を固めた。
さぁ、撃つぞ…!となったところで昂った気は霧散した。
「やめた。」
ーーーずて、
最高峰の期待があったばかりに、その場の誰もが思う。
打たないんかい!?と。
事実着地した天津飯はもらったダメージに吐血すらしている。
先の防御も下手をしたら貫通したのでは?
ーーー悟空のやつ、良く考えたのう。
さて、その真意に気づいたのは武天老師。
撃ち合いを演じた彼には解る。かめはめ波をあのレベルで使いこなせるのなら、当然防ぐ術もあるということ。
だからこそ、かめはめ波は有効打にはならない。
余計なエネルギーの消費を回避したと言える。
「どうだ、効いただろ。」
「く、くく…嬉しいぜ…これほどの奴に出会ったのは初めてだ…!この俺が…ワクワクしちまうとはな…!」
「そうこなくっちゃな!」
今度は両者飛びかかる。互いの拳を、脚をかわし防ぎ合い攻撃の主導権を奪い合う。
素人にも解る、あの一撃一撃が…常人が浴びればタダではすまない一撃を秘めていることを。
天津飯が優位に立っては、悟空がソレを返す。
悟空が攻めれば天津飯がこれを利用する。
正に一進一退、埒の開かないこの競り合いに天津飯は隠していた奥の手を引っ張り出した。
「新鶴仙流…!太陽拳!!」
唐突に会場を包む眩い光、太陽を思わす凄まじい光がこの場にいる全てのモノから視界を奪う。それ無論、悟空とて例外ではない。
完全なる不意打ち、何が起きるのかわかっていれば…その対策を打てたかもしれない。
そしてこの″戦闘″において、この目潰しは実に効果的だ。
1秒でも止まりさえすれば…致命傷を与えるのに十分。
ーーーこれで、終わりだ…!!
利き腕の筋肉が大きく盛り上がる。
全身全霊、全ての力をこめたと言っても過言ではない一撃。
ソレを悟空の鳩尾目掛けて…撃ち込む…!
ーーーどか…!
ーーーぐぁ、な、なにィ…!?
感じたのは肉を砕く感触ではない、まるで分厚い…鋼鉄の壁を殴ったかの様な重い衝撃。
予想外の反動に腕の痺れは免れない。
「そこだぁ!!!」
「おゥ!?」
眩い閃光の中…悟空の鉄拳が逆に天津飯の鳩尾を正確に撃ち抜いた。
閃光があけて…漸く皆の視力が戻ったその時…攻撃をしたはずの天津飯がダウンを取られている。サングラスによって視界を守られた亀仙人は舌を巻く。
「な、なんてやつじゃ…!敢えて殴らせ…敵の位置を特定しよった!」
そして、一番驚いてるのは小籠包だ。
太陽拳の光をなんとか庇いながら、彼女は見ていた。
悟空が極限まで気を高め、集中し、全身を硬く強化していたところを。
ーーーあんなこと、私にもできない…!
勿論彼の頑強さあっての力技…自分との試合で悟空は気の集中という感覚を理解した。
いわば、瞬間的な戦闘力の増強である。
『…へっへーん!受け方がわかってきたぞ…!』
ーーーアレだ、私の渾身の一撃を耐え抜いたあの技だ。
まさか、ソレで相手の位置を捉えようとするとは思わない。
見方を変えれば天津飯の油断とも取れる、しかし不意打ちが完全に決まったと確信した上で、警戒を取れる人間など果たしてどれだけいるだろうか。
カウントが響く、遂に…天津飯敗れたか!?
そんな空気の中…7を超えたところで立ち上がる。
この試合二度目の吐血。
無視できないダメージだ、そろそろパフォーマンスに支障を来たすころかもしれない。
「ほんとタフな奴だな。」
「油断したぜ…だが勝負はここからだぞ、孫悟空。」
観客たちが熱気を高めるなか、鶴仙人は忌々しそうに舌打ちする。
ーーー天の奴でも殺しきれんか…やむを得まい。
武舞台の上では殺しキレない、しかしこのままでは確実な勝利は程遠い。
餃子に視線を向け、最低最悪の命令が下された。
ーーー孫悟空の動きを止めろ。餃子。
戦闘力更新
孫悟空 180=>190(戦闘パワー解放)
天さんが完全にZ戦士な件。いや、これ無印なんですけどね。
高評価ありがとうございます!
次話は多分明日には仕上がると思います!よろしくお願いします!
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