ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
閲覧ありがとうございます!
微妙に原作が変わってますが、対して影響はないので初投稿です。
高評価ありがとうございます!!
カメハウスは、重苦しい空気に満ちていた。
あるものは悲しみに暮れ、あるものは無力に怒り、あるものは未来に絶望する。
悟空と小籠包は、ついぞ戻って来ることはなかった。
亀仙人は二人の死を確信する。
この中でもトップクラス…悟空と互角に渡り合った彼女ですら、魔族に殺されてしまった。
自分たちの最強戦力が早くも二名脱落したことになる。
悲しみにくれる餃子の横では…天津飯が怒りに震えていた。
自分はなんのために、鶴仙流を離反したのか…大事な人達を守る為にこの道を選んだのではないのか…!
だと言うのにこの惨状はなんだ…肝心な時に妹弟子の力になれず、こうして手をこまねいていることしかできない。
せめて…彼女のように気を探ることさえ出来れば、今すぐにでも彼女を探して連れ戻すというのに。
「そう自分を責めるな。」
ヤムチャの声が、彼の心を解した。
「悟空と互角にやり合う子だ、きっと無事さ。」
「ああ、そうだな…。」
「今お前にできるのは、あの子を信じてやることだ。違うか?」
彼の言う通りだ、こう言う時こそ自分が信じてやれずにどうする。
「気分直しに、組み手でもしないか、天津飯。」
久しぶりに動きを見ていただけませんか?
彼を主導に澱んだ空気が流れ始める。
「じゃ、じゃあ私!レーダーを作るわ…!孫くんに持っていかれちゃったし!」
「天津飯にケガさせたら承知しねーからな!ヤムチャ!」
「ソレは保証できないな。」
少しずつカメハウスの面々が顔を上げ始める。
ーーー全く、大した奴だ…。
彼も辛いはずだ。このカメハウスに来た時も…その拳は血が滲む程強く握られていたのを天津飯は知っている。
こんな事で落ち込んでる場合ではない。ピッコロ大魔王という巨悪を倒す為に1秒でも早く強くならねば。
ーーードラゴンボールを全て集めるには…ピッコロとの衝突は避けられん。
既に四星球は敵の手に落ちている。
恐らくレーダーに準ずる物を持っているのだろう。
ブルマ曰く…半日とかからずレーダーの予備は作れると言っていたが、その半日でどれだけの出遅れになるかは想像もつかない。
仮にボールを集めたとして、どうやってピッコロの手からドラゴンボールを奪うか。
ーーーやはり魔封波で再び奴を封印するしかあるまい。
倒せないのなら封じ込め…神龍に封印のジャーもろとも、彼の消滅を願えばよい。
その後、再びドラゴンボールの復活を待って…犠牲になったモノたちを生き返らせる。死んだ者たちには申し訳ないが、ピッコロという巨悪を葬ることは何より最優先事項だ。
そして最大の問題は…亀仙人にピッコロを封印するだけの体力が保つかどうか。
魔封波は格上の相手でも容易く封印の出来る強力な技の反面…術者に多大な負担がかかる。
ピッコロを封印するとなれば、彼の師、武泰斗同様に命をかける必要があるだろう。
ーーーこの老ぼれの命一つ、安いモノじゃ。
もう武天老師は悟空たちに必要ない。
彼らは自分と違い、素晴らしい仲間、ライバルに恵まれている。
今後、力に溺れ、慢心に心を病むこともないだろう。
目の前で汗を流す若き武闘家に若かりし頃の自分を重ねながらサングラス奥で満足そうに微笑む。
およそ数時間後、カメハウスの奥からブルマがレーダーの予備を持って現れた。
半日かかるところをたったの数時間で終わらせる急ピッチ振り。
さて、ボールの位置を確認する。
移動を続けるボールが一つ。
どうやら敵はボールの収集が捗っていない様子。
あるいはざっくりとしたレーダーのみで、ブルマ謹製のような精度はないのかもしれない。
どちらにせよこれはチャンスだ。
早速亀仙人主導で話し合いが始まった。
名乗り出たのは、ヤムチャ、天津飯、餃子だ。
小型ジェットの定員は四人、小柄な餃子を踏まえればお釣りが来る重量。
しかし、全員がいくことを亀仙人はヨシとしなかった。
「全員が出て、全員が死んだらどうする。」
「しかし、我々の誰かが残れば…ブルマ達が危険です。」
「俺もそう思います、老師…敵の狙いは我々です。彼女らを危険に晒すわけには行きません。」
彼らの言にも一理ある。そこで亀仙人は一計を案じた。
有事の際には誰か一人…小型ジェットに残り、必ず誰か一人でも生きて帰ること。
自分の命を最優先とし、いざとなれば見捨てる事を約束させる。
当然、ヤムチャはそれに異を唱える。
「小籠包をも倒したかも知らぬ奴らじゃ…誰かを守りながらなんとかなる相手ではない。いざとなったら必ず逃げるのじゃ、…良いな。」
ーーー死ぬことは、師匠であるワシが許さん。
いつも以上の厳しい老師からの言葉にヤムチャは返す言葉がなかった。
ソレほどまでに、ピッコロ大魔王は恐ろしいのだ。
相対していないヤムチャにはその恐ろしさは想像もつかないが、理解はできた。
不承不承ながら、首を漸く縦に振った弟子を引き連れて小型ジェットに乗り込んでいく。
「ヤムチャ、無事に帰ってくるのよ。」
「ああ、必ずクリリンを生き返らせて、ついでに大魔王とやらも軽くのしてやるさ。」
不敵に笑うヤムチャの顔に影が残っているのをブルマは見逃さない。
「絶対よ!死体で帰ってきたら、許さないんだから!」
「…ああ、約束する。全員で生きて帰ってくるさ。」
ヤムチャの顔色は変わらない。ソレが口先だけの約束だと言うことをブルマは確信した。
逃げるようにヤムチャがジェットに飛び乗る。
「天津飯。出してくれ」
「いいのかヤムチャ、彼女をおいていって。」
「敵は俺たちを狙っている。一緒にいる方が危険だ。」
「…そうか、そうだな。」
ペダルを踏み込み、ジェットが上昇していく。
そのままあっという間に、カメハウスをおいて水平線の彼方へと消えていってしまった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
出発してから数時間…彼らは2つのボールを集めた。
南極大陸の氷山の中から二星球を
海賊の連中から三星球を
彼らの元には2つのボールが滞りなく集められた。
次のボールの在処をレーダーで探してる時に…餃子はあることに気がついた。
それも尋常ではない速度。
一つはピッコロ大魔王の四星球なのは間違いない。
ではもう一つは?
「老師様、もしや…悟空と小籠包では…!?」
希望に満ちたヤムチャの声、ハンドルを握る天津飯の口元にも笑みが浮かぶ。
直ぐに向かいましょうと息巻く彼を諌める。
「わからん、ボールを集めてる奴の手下の可能性がある。」
仮に行くとして、どちらに向かえばいいのか?一つ間違えれば、ピッコロ大魔王にみすみすボールを差し出すも同じだ。
幸い、二つの距離は離れている。直ぐに合流できる距離でもない。
ならば、他のボールを早急に集め、ピッコロの先をいく方を亀仙人は選択した。
半分友人を見捨てるようなこの選択に歯噛みするヤムチャ、しかし師匠の言葉も尤もである。
ここは彼らを信じて、自分たちにできることをするしかない。
「案外、他のボールのところにおるかもしれんぞ?」
気休めにもならない仙人の言葉、仮にそうだとして、何故自分たちの元へ帰ってこないのか。
それを踏まえれば…他三つの静止したボールに彼らが身を潜めている可能性は限りなく低いと言える。
ーーーシャオ、無事でいろよ…!
ジェットの速度が上がる。次のボールの元へ四人はスピードを上げた。
無印のヤムチャマジでかっこいい…なんで現代のヤムチャはあんな扱いなの………
昨日から2話ずつ更新してます!
頑張れるようならこれで頑張ります!!
閲覧ありがとうございました!
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