ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

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 閲覧ありがとうございます。
 予約投稿ミスってました…すみません。

 大魔王編のエピローグに入りましたので初投稿です。

 うおおお!高評価ありがとうございます!ありがとうございます!


其之二十六 伸びろ如意棒!天界までひとっ飛び

 

 「ははは!みんな!オラやったぞ!」

 「…孫…全く大した奴だ…!」

 「…悟空、凄いな相変わらず。」

 

 やったやった!と飛び跳ねながら二人の元に駆け寄る悟空に対して天津飯は思う。その世界一の男を鍛え上げたのは、他でも無い妹分であると。そして、正確には測れないが…彼女の気配は、悟空のモノより大きい気がした。

 

 「シャオ、どうした。」

 「なんでもない。」

 

 何かを思い詰めたような顔。こう言う時、彼女はよくない事を考えてるのだ。

 その予想は当たっている。

 あの時…大魔王の身体がかめはめ波に吹き飛ばされる瞬間。

 彼の口から何かが飛び出たような気がした。

 実際に何かが見えたわけではない。

 そんな気がするだけ。

 

 ーーー今は、私だけの中にとめておこう。

 

 折角の祝勝の空気を壊したくない。

 現に…その方角に気を探っても何も感知することはできなかった。

 

 「どうしたんだ小籠包」

 「なんでもない、これで天下一だね。」

 「おいおい、天下一武道会の現覇者はこの俺だぜシャオ。孫…随分突き放されちまったが…次の天下一武道会も、この俺が頂く。」

 「俺だって…いつまでもお前たちの後追いをする気はないぜ!」

 

 明るい笑い声が響く。

 とにもかくにも勝った。

 悪の蔓延る最悪の世界に堕ちるのは回避された。

 そこに…一台のジェット機が降りてくる、言うまでもない。ブルマとランチだ。

 

 「みんな!無事!?」

 「ブルマ!カメハウスで待ってたはずじゃ…!?」

 「私だけ安全な所にいられないわよ!それで…!?ピッコロ大魔王は!?」

 「たっぷり弾薬と爆薬を用意したぜ、魔族でもなんでも吹き飛ばしてやる!」

 

 下手な防具と機関銃を持った強気な女二人。

 だが彼女らの闘志虚しく、決着は既についていた。

 

 「ピッコロ大魔王なら、オラが倒したぞ。」

 「えぇ!?…孫くん、嘘でしょ…?」

 「本当さ、悟空のやつ…信じられないくらい強かったんだぜ!」

 

 彼の活躍を我ごとの様に楽しげに語るヤムチャ。

 にひひ、と笑う悟空には疲労が伺えるが、まだまだ余裕がある。

 

 全員が悟空との再会と…この世全体を覆い尽くした悪夢の終了に喜ぶ。悪に支配されかけた世の中は間一髪のところで終わりを告げ、再び平和な世の中が帰ってきたのだ。ブルマは急ぎ…生きている通信機器をひっつかみ、テレビ局へと一方的に入電する。その朗報は瞬く間に世界中に広がった。そして、「誰がピッコロ大魔王を滅ぼした勇者なのか?」そんなゴシップに沸き立つのは時間の問題であろう。

 

 「あ、そうだ…!カリン様のとこ行かねーと!」

 「誰よソレ…?」

 「仙人様だ、オラそこで修行してウンと強くなったんだぜ!」

 「へェ…すごいお方がいるもんだな。…行ってこいよ悟空、あとは俺たちに任せとけ。」

 「わかった、じゃあみんな、後でな!小籠包!行こうぜ!」

 「ちょ…待っ…!もう、忙しないんだから…!」

 

 小籠包の言葉を待たず、悟空は猛スピードで飛翔していく。

 後で追いつければいい、一先ず…情報の共有を行った。

 そこで彼女は初めて、兄弟子の訃報と…もう二度と蘇生する手段がないことを知る。

 

 「うそ…餃兄が……?」

 「すまないシャオ、俺のせいだ。俺が老師様を止められていれば、こんなことには…!」

 

 家族を失うのはこれで三度目…大粒の涙が溢れていく。

 その様子を、皆は悲痛な面持ちでみることしかできない。

 

 「……カリン様なら…何か方法を知ってるかもしれない…!」

 「さっき孫がいってた…仙人様のことか。」

 「うん…!私…!行ってくる!」

 「ま、待て!シャオ!」

 

 兄弟子の静止も聞かずに彼女はオーラを噴き出して飛翔。

 そのスピードに残された者は唖然とする。

 

 「な、なぁ天津飯…あいつら、一体どんな修行をしたんだろうな…」

 「さぁな…一つ言えることは、奴らの力は俺たちを遥かに超えてしまったってことだ。」

 

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 「カリン様ー!」

 「おー、生きて帰ってきたか。よーやったのぉ。…悟空よ、小籠包はどうした。」

 「あれ…?ついてきてねーのか?」

 「全くお前さんって奴は…心配して損したわい…。」

 

 最悪の結末を予感したカリンは胸を撫で下ろす。

 何はともあれ、未来ある若者が帰ってきたことは実にめでたい。

 

 「後は…奴に殺された連中をドラゴンボールで生き返らせるだけじゃな。」

 「…カリン様ドラゴンボールのこと知ってんのか?」

 「もちろんじゃ、ワシの知らんことはないわい。」

 「あ、でもよアイツが願いを叶えちゃったから、ドラゴンボールは石になってんじゃねーか?」

 「嗚呼…そうじゃったな。…一年待てば復活するその後ゆっくり集めればよかろう。」

 「おう、そうだな!」

 

 その時はブルマにレーダー借りて、小籠包と手分けして集めればいい。

 そんな能天気なことを考える悟空。

 …既に神龍がピッコロによって抹殺されていることなど夢にも思わず。

 

 「してお主…これからどうするつもりじゃ…?」

 「どうって何がだ?」

 「ピッコロは倒した、どこかアテはあるのか?」

 「そうだな、3年後にまた天下一武道会があるから、今度こそオラ優勝する!その為にまた稽古しねえとな!」

 「うむ、そうか、楽しみにしとるぞ。」

 

 すでにこの世で最も強いと言っても過言ではない彼が、闘志を燃やすのは…なんといっても小籠包の存在が大きい。

 既に彼女を超えているのだが、悟空にとって彼女はライバルであり師、越えるべき壁、強くなった彼女とまだ悟空はきちんと試合をしていない。

 

 だからこそ、また天下一武道会での決着を、彼は望んでいる。

 

 和やかな雰囲気の中…一足遅れて小籠包が飛び込んできた。

 

 「なんだよ、遅かったじゃねーか。」

 「…そんなに慌てて、どうしたのじゃ。」

 「カリン様…お話があります……!」

 

 ただならぬ様子にカリンの眉間にシワがよる。

 ピッコロはもう消滅したというのに、何をそんなに切迫しているのか、その疑問はすぐに解消する。

 

 「な、なんじゃと!?…なるほど…確かに奴なら神龍を殺せる…!」

 

 むむむ、と頭を抱えるカリンに思念が舞い込む。

 

 ーーーそれと、もう一つ…悪い事が…

 表情を変えぬまま、仙猫は続けるよう促した。

 わざわざ思念を載せたということは、今からの情報は最悪を意味する。

 

 ーーーピッコロが、生きてるかもしれません。

 ーーーなんじゃと!?

 

 これでも未だ、仙猫は表情を変えない。

 大した精神力、伊達に彼も武の神と讃えられてるわけではない。

 彼女は自分の持ってる情報を、彼と共有した。

 

 立て続けに大きな問題が二つ。

 カリンはまたも頭を抱えた、神龍がいないということは死者は理にしたがって二度と帰って来ない。しかも…更に犠牲者が増える可能性がある。

 

 ーーーお主の力でも探せぬか?

 ーーーはい、取り越し苦労だと、いいのですが…。

 

 この世で最も気の扱いに長けた達人に見つからぬのなら、世界中の草の根をかき分ける必要がある。そんなことしていたら一生かかっても見つけられまい。

 

 ーーー待てよ…うむ。

 

 カリンの頭にある者の顔が過ぎる。

 ソレは今起きてる問題の二つを一気に解決する方法だった。

 

 「…神龍じゃが、なんとかなるかもしれん!」

 「ほんとか!?(ホントですか!?)」

 「何簡単なことじゃよ、作った本人様に復活していただけるよう頼むんじゃ!」

 「だ、誰なんだ!?」

 「決まっとるじゃろう、神様じゃ。」

 

 至って真面目な仙人の言葉、ヤジロベーと小籠包は突拍子もない言葉にため息すらこぼした。

 神?そんなご立派なお方がいるのなら、何故我々が死力を尽くして大魔王を下したというのか?

 よしんば、その神がいたとして…地上の災厄を放置するような存在、人間の頼みを聞いてくれるとは思えない。

 

 「そっか!じゃあオラ…その神様に会ってくる!」

 「悟空くん…あのね。」

 「神様だぞ?何か分かってんのか?」

 

 そんなのいるわけない。

 小籠包も見解は異なるが、そこに希望は見出せない。

 

 「知らぬのも無理はない、なんせ…わしが認めねば天界には登れんのだからな。強く、逞しく…何より心の清き者。」

 「じゃあ、私とヤジロベーは除外ですね。心は清くありません。」

 「な、なんだとー!テメェーこの俺様は誰よりも清く正しいんだぞ!」

 「どの口が言うんだか…」

 

 ジトリ、と睨み合う二人を放置して仙人は話を続ける。

 

 「悟空はもちろん、小籠包…お主にもその可能性があるぞ。ヤジロベーはだめぇ!!!」

 「ウルセェ!」

 

 殺し屋と仙人にまでダメだしされ…すっかり彼は不貞腐れている。

 そんなモノいるもんかよと。

 

 「どこに行けば会えるんだ?」 

 

 曰く、このカリン塔の更に上…上空を更に超えた天空には、この星の神様が住む神殿があるらしい。

 

 「この上に神様がいらっしゃるのなら…舞空術ですぐにいけますね。」

 「待て待て、そう焦るな。神殿は隠されておる故…道を開かねばならん。」

 「道ってどうすんだカリン様。」

 「悟空、お主の如意棒じゃ。それは元々この塔のてっぺんと神殿を繋いでいたものなんじゃよ。その昔、亀仙人にど〜してもと頼まれ、奴に貸してやったんじゃ」

 

 偉い偉い仙猫様から借りた物を又貸ししているあたり、亀仙人の適当振りが感じられるが…幸いカリンはその様な事を気にしない。失くしてないのならオールオッケー!

 

 「そして、これを見せるがよい。これを見せれば、お主が資格有と証明できる。」

 

 渡されたのは小さな鈴、ちょうど猫の首輪にちょうど良い可愛らしい小ぶりの真鍮性の物。それを悟空の手に握らせる。胴着の帯にしまいこみ、二人は塔のてっぺんへと登る。…確かに何かをはめ込むような穴が開いている。そこに如意棒をしっかりとはめ込む。

 

 「カリン様、これで良いんか?」

 「うむ、如意棒を伸ばせ、その先に神様の神殿が存在する。」

 「よぉし、伸びろ!如意棒!」

 

 上空にて悟空の声が高らかに反響し…雲を突き抜けて、如意棒はまっすぐ天空を切り裂いていく。

 

 「これでお主らでも神殿まで飛べるじゃろう。」

 「よーし!行くぜ!小籠包!」

 「うん、ではカリン様、また後ほど。」

 「うむ、気をつけてな。」

 

 如意棒の伸びた先へ二人は飛んでいく。それを見送るカリンは少しだけ意地悪く笑いながら塔の中へともどっていった。

 その後、彼が見ていないのをいいことに、大量の仙豆をくすねようとしたヤジロベーに大きくため息を溢した。

 

 ーーーコイツが筋斗雲に乗れる日は来ないじゃろうな。

 

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 上空を超えて、雷雲を抜けた先に、それは存在した。

 物理法則を無視した大きな大きな円形の建物。だだっ広い空間の真ん中にポツンと建屋が構えられている不思議な場所。入り込んだ二人の少年少女に近づくものがいた。

 

 「おっす!」

 「ちょっ…悟空くん…失礼でしょ!」

 

 この方が神様である可能性もあるのだ。しかもわざわざ出迎えまだしてくれた。そんな相手に″おっす″はない。いくらなんでも失礼にもほどがある。

 

 「おっす、大丈夫、ミスターポポ気にしてない。」

 「オラ、悟空だ。」

 「小籠包と申します。…えっと、ポポさんは?」

 「ワタシ、ミスターポポ、神様の付き人。」

 

 目を細める。…この人は強い。何を考えているのか予想もつかない。

 

 「お前たち、人間とは思えない強さ、よくピッコロ倒した。」

 「そんなことも知ってるのか。」

 「神様、なんでも知っている。神様エライ。」

 「…あちらの神殿にお住まいなのでしょうか。私達…どうしても、神様にお会いしたいのです。」

 「カリンに認められた印、持ってきたか?」

 

 悟空は思い出したかのように鈴を差し出す。それをまじまじと見つめる。何を確かめたのか、ポポは満足そうにニンマリと笑った。

 

 「確かにお前認められたもの、テスト受ける資格ある。」

 「テストってなんだ?」

 「お前ミスターポポと試合する。勝てば、神様に会える」

 「なぁんだ簡単じゃねえか。オラたち二人なら楽勝だぜ」

 「テスト受ける資格あるのお前だけ、その娘、資格ない。」

 「…ど、どうしてですか…!」

 「娘、鈴持ってない。」

 

 か、カリン様ァァァァ!!…脳内でVサインを得意げに構える彼に非難の声を浴びせる。その理由は単純…彼は知っていたのだ。

 

 ーーー()()()資格有と証明できる。

 

 確かに彼は()()()()()()()()()()

 そして、「可能性」を示唆しただけ。

 いくら悟空がみとめた戦士でもカリンが認めたのは″ピッコロ大魔王を討ち取った″功績であり、何より彼女は、″心の清き者″をクリアしていない。

 

 「資格ないやつ、これ以上は進めない。大人しく帰れ。」

 「ま、待ってくれよ。こいつもオラと同じ…いや、オラより強ェンだ!こいつにもチャンスをくれよ!」

 「ダメだ、鈴持ってない、資格ない。」

 「で、でもよ!」

 「悟空くん、ワガママ言っちゃダメ。…勘違いとはいえ…立ち入ってしまった非礼をお詫びします。」

 「大丈夫、お前悪くない。カリンの説明不足、後で神様に報告する。」

 

 にひ、とミスターポポがイタズラっぽく笑う。どうやら、あの仙猫の茶目っ気は神様相手でもお構いなしらしい。

 ならばお言葉に甘えて、自分はお咎めなしに下界に戻るまで、やるべき事が他にある。ここは悟空に任せよう。

 

 「ポポさん、一つだけ教えてください。」

 「なんだ?」

 「ピッコロ大魔王には、自分の写し身…分身などを作る能力は、ありますか?」

 「…………。」

 

 ニンマリと人好きのする笑顔を浮かべる彼の顔から表情が消えた。

 それはつまり、この回答への是を意味する。

 

 「ポポ、答えられない。」

 「そうですか。」

 「なぁ、どう言う意味なんだ?今の。」

 「なんでもない、…私は下界に戻るよ。ドラゴンボールは、任せたよ?」

 「おう、任せとけ!絶対神様にあって頼んでくるから。」

 

 気合い十分な悟空を置いて、シャオランは下界へ向けて飛び込む。

 全身神経を集中させてこの地上に残された、最後の悪の気を探る。

 彼が何かを飛ばしたと思える方向に意識を集中する。

 カリンの元にも、カメハウスにも戻らず、彼女はただ一心不乱に意識を気の探索と舞空術に集約させる。

 

 ーーーピッコロの忘れ形見と…彼らを探さないと…!

 

 





 既に悟空の戦闘力の最大数値がラディッツと変わらない件

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