ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
先ずは訂正のお詫びを
感想にてマジュニアの食事描写に対してご指摘をいただきました。お肉もしゃるシーンがあったので修正させていただきました。
改めまして……閲覧ありがとうございます!
何の気なしに日間ランキングみたらランクインしててびっくり!
皆様ご愛読ありがとうございます!
遂にマジュニア登場!ということで初投稿です。
プリキュア・ライオットジャベリン様、誤字報告ありがとうございます!!
其之二十七 大魔王の遺産
「おまえは…ちちのかたき」*1
赤い肌の女が立ちはだかる。どうやってここを見つけたのか。そんなことはどうでもいい、倒すべき敵が目の前にノコノコ現れたのだ、これを生かさぬ手はない。
「しね!」
小さな魔族が放った渾身の奇襲、それを彼女は真っ向から受けて、傷一つ受けなかった。
「力はピッコロ大魔王と同じ…いいえ、将来性を考えれば…アレ以上ね。」
「ッ……わたしをころすのか!」
「そうね、その方が世界の為…だけど貴方は…まだ殺してない。」
彼女の死生観は一般的なソレと少しずれている。悪人であれば殺すことも辞さない。しかし…潜在的な悪人は別だ。世を知らぬ小さな魔族は未だ悪事に手を染めていない。故に殺すに値しない。
ここで、彼女は一つおもいついたことがある。
「お父さんの仇を討ちたい?」
「…どういうことだ。」
「言葉通り、悟空くんを倒すために、私が鍛えてあげるって言ってるの。」
「なにがもくてきだ。」
「なんでもいいでしょう、やるの?やらないの?」
「…いいだろう、だがわたしは、おまえもころす。かくごしておけ。」
「いいよ、出来るものならね。」
悟空はきっともっと強くなる。しかしそれはピッコロ大魔王という明確な障害があったからだ。
この先…大魔王以上の邪悪がこの世を乱すかもしれない。
彼はその仮想敵として最適と踏んだ。
確かに邪悪の化身、その身から感じる気配は悪そのもの。
更生するなどありえない。
だからこそ良いのだ。
彼を鍛える傍ら…自分が彼の障害であり続ける為に…死力を尽くして己を鍛えることができる。
「それで、なにをするんだ。」
「今から私が貴方を叩きのめすわ。生き残りなさい。」
「は?」
悟空との出会いで随分と穏やかになったが、彼女の本質は悪。
確かにピッコロの息子は悪事を働いていない。
しかしだからと言って優しく手解きするなどと甘いことはしない。
彼女は徹底的にピッコロの息子を叩きのめした。
殺し方を知っている彼女は、殺さない方法も理解している。
力を加減して、死なないギリギリのラインで彼を痛めつけ…力の差をその身に刻ませる。
「はぁ…!はぁ…!ばけものめ…!」
「無駄口を叩く余裕があるのね、立ちなさいもう少し鍛えてあげるわ。」
「…くッ…ちょっとまて…!これいじょうはしぬ…!」
「大丈夫よ、死なない程度にちゃんと加減はしてる。」
「そういうもんだいじゃ…ぐほ…!」
容赦も躊躇いもない、これなら一思いに殺して踏み潰す魔族の方がまだ慈悲のある行いでは?ピッコロの息子は薄れゆく意識のなかで悪態をつきながら気絶した。
数時間後、焚き火から水分の弾ける小気味の良い音で、ピッコロの息子は目覚めた。どうやらあの娘に叩きのめされてそのまま気絶していたらしい。慌てて飛び起き、女に対して身構える。
「やらない、今日はもうおしまいだよ。」
差し出される獣肉、それを彼ははたき落とした。
「おまえからのほどこしは、うけない。」
「修行つけて貰うのは施しじゃないの?」
「うぐ…!ま、まぞくはにんげんのたべものはたべない。みずがあれば、それでいい。」
「ふーん…植物みたいね。明日も同じことをするから。」
「
「そうよ、見て盗みなさい。私はそうやって強くなった。」
フラフラと水場に向かうところを押さえつけられる。
「…いいから座ってて、水くらい汲んできてあげるから。」
屈辱だ、敵に情けをかけられるばかりか施しまで受けるとは…父が今の自分を見たらどう思うのか…想像するだけでも情けない。
だが、コイツから学ぶことが父の仇討ちの近道なのは間違いない。
今はまだ…この屈辱を飲んでやる。
そして彼女は眠りについた。
敵である自分が目の前にいるのに、だ。
どれだけ自分のことを舐めているのか…!
手頃な石を拾う、十分な殺傷能力を秘めたそれを片手に静かに寝息を立てる間抜けな女の首筋目掛けて…思いっきり振り下ろす。
ーーーしね…!!!
ーーーぱきん。
壊れたのは石の方だった、なんて硬さだ…アレほど脆そうな見た目をしておきながらその実鋼鉄よりも硬い身体を持っている。
この女は油断してるわけではない。
コレを殺すにはこの女以上の力を手に入れるのがマスト。
父の思い描いた魔族による恐怖と支配を実現するのに、この障害は余りにも高すぎる。自分は本当にこの化け物の様な女を超えられるのか…?そんな一抹の不安がよぎり、色々と思索する内に眠ってしまった。
翌日、恐ろしいことに自分が襲ったことを女は知らないらしい。
つまり、完全な無意識状態のコイツに自分は手も足も出なかったという事になる。
情けなくて涙が出てくる。
ピッコロ大魔王の息子ともあろうものがこれでは終われない。
今日もこの女は自分が気絶するまで叩きのめすつもりだ。
むしろ…
「女の子の寝込みを襲うなんてサイテー。」
「てきをまえにねるきさまがわるい。」
この日は、前日以上にしばかれた。一度や二度の気絶では許されず川に投げ込まれて強引に目覚めさせられた挙句、再び意識が飛ぶまで蹂躙されることを3回繰り返した。
この日は飯を食った後の記憶がない。
7日間女の修行という名のリンチに付き合ったころ、自分の身体に変化が訪れた。
殴られた時のダメージが減って来ているきがする。
最初は手加減でもされたかと想像したが、あの女がそんな手心を加えるとは到底思えない、ならば自分が成長したのかと喜び、その勢いのまま再び寝込みを襲ってみたが、失敗した。
次の日バレていつもの3倍ボコられることになった。
女が自分をボコり続けて二週間、それまで淡々と修行という名の蹂躙を行うだけだった女が口を開いた。あちらからコミュニケーション取り出したのだ。
「名前、なんていうの。」
「ピッコロだいまおうだ。」
「ピッコロ大魔王って世襲制なのね?呼びにくいから別の呼び名はないの?」
「…マジュニアとよべ。」
「わかった、ありがとう。」
おかしな女だ。それからこの女の蹂躙は続いた。
しかし散々ボコられていく内に、動きの癖がなんとなく見える様になった。
何度か攻撃をかわして殴りかかる。
相変わらずダメージにはならなかったが…攻略の糸口はできた。次は貴様を押し倒して…その綺麗な顔を気の済むまで殴り倒してやる。
…と思ったが、どうやらこの二週間、女は全然本気を出していなかったらしい。
この女に気絶されるまでボコボコにされる日々がまた始まった。言われて見れば徒に自分を殴りつける動きだったように思う。
そこに技も何もあったモノじゃないと今更気づいたのはなんと間抜けなことか。
ただ自分を甚振るための行為…こいつの方が今の自分よりよっぽど魔族らしいのではなかろうか。
肌も赤いし、鬼っぽいし。
1ヶ月が経過し、マジュニアの身体は大きく成長した。人間の子供でいうところの10代半ばといった身長、魔族にしては成長が早い。
恐らく父が自分に力を与えてくれた影響だろう。
今の成長した自分ならばこの女の寝込みを取れるのではないか。
そう思い、試してみたがやっぱり失敗しバレて半殺しにされた。
『このムッツリドスケベ魔族、ヒトの寝込みを狙うだなんて真似、老師様だってしないよ、貴方最悪ね。』
半分意味はわからなかったが、過去最悪の悪口だと言うことはわかった。
ここ最近女から手加減が消えたように思う。力の差が縮まっている証拠だ。
やはり自分の中には偉大なピッコロ大魔王の力が宿っている。
この女と孫悟空を殺し、世界をこの手に納めてやる。
半年が経過した。
父ほどではないが、それなりの体格を手に入れた。あの女を見下ろすのは気分がいい。見下ろされるのが相当気に入らなかったのか、これまでにない速度で打ちのめされた挙句。
「デカいだけの木偶の坊ね。」
「黙れ…!」
父の無念、孫悟空を倒し、魔族の世界を実現する前に、こいつを必ず殺し…その死体を晒して辱めてやる。
「ボコボコにされて仰向けの貴方がいうと完全にやられ役ね。お似合いだわ。」
「いつか、殺してやる…!絶対にィ…!」
今や孫悟空の抹殺以上にこの女の抹殺はマジュニアの最優先事項であった。そうでなければ父がかつて保っていた威厳を取り戻せぬと思ったからだ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
マジュニアと彼は名乗った。
成る程、魔の子供でマジュニア、洒落が利いてて良い。
意外とユーモアのセンスがあるのかもしれない。
以降、彼をマジュニアと呼ぶ事にした。
彼は天才だ。少しずつ自分の攻撃に順応して行っている。
しかも、的確にその死角をついてくる。今は未だ自分が優位に立っているが…もう半年もすれば本気を出さざるを得なくなる。それまでに自身の限界を超えねばならない。
悟空の様に強靭な肉体はない彼女は、自身の限界を感じ始めていた。気の扱いが上達しても…肝心の肉体は普通の女。いつか必ず…悟空に遅れを取り、置いて行かれる。そんな予感がする。
だからせめて最盛期の今…自分の限界を超え続けなければならない。
そういう意味では、マジュニアはスパーリング相手として完璧だった。自分の弱点、弱みを教えてくれる。もちろん彼にそんな意図はなく…隙を見て自分を殺すつもりなのだろうが…生憎と…まだ死んでやる気はない。
自分を超えてしまった悟空の横に並び立つモノが必要だ。コイツには悟空の好敵手になってもらわねばならない。このペースならあと一年とかからずにマジュニアは″今の″彼女を確実に超える。ここで限界を超えられなければ、彼女に待つのは死だ。死体を残すなどとは期待しない、きっとバラバラにして川にでも捨てるか、野犬の餌にでもされるだろう。そうなればドラゴンボールによる蘇生も叶わない。*2
だが、彼と馴れ合う気はない。
どこまで行っても彼は悪の権化。
自分は彼を更生させるためではなく、敵として成熟させるために彼を鍛えてるのだから。
そして、彼女は自分の死が確実に近づいてるのを肌で感じていた。
「ッ…!」
「クク、どうやら俺様の成長の方が早いらしい。」
「…少し鍛え過ぎちゃったわ。」
「気に入らんな、そのツラが恐怖に歪むのが待ち遠しいぜ」
たくましく育ったマジュニアが、組み手の休憩と去っていく。
今や自分が本気を出して漸く彼の攻撃を防げている。あと1ヶ月もしないうちに、この魔族は自分の首をちぎり取る。
悟空のように、逆境を乗り越える奇跡を期待した。それが叶う超天才であれと願った。しかし、彼女は
「…ま、今更逃げる訳にも、行かないしね。」
「俺様が貴様を逃すと思うか?」
「相ッ変わらずデリカシーゼロね、盗み聞きとかサイテー。」
「フン、俺様の聴覚は貴様とは出来が違うんだ。」
「うわ。やっぱり聞き耳立ててる最悪。この自意識過剰ムッツリドスケベ変態魔族。」
「貴様…!構えろ!今日こそ首の骨をへし折ってガタガタにしてやる!」
「大口だけは上手くなったわね?相手になってあげる。」
こんな瑣末な口喧嘩から山を震わす組み手に始まり、陽が沈む頃には引き分けで勝負が終わる。ここしばらく引き分けが続いている。
どういう訳か…ここ最近のマジュニアからは殺意を感じない。
既に気の大きさで彼女は負けている。
″気の解放″すら彼は独学で会得してしまった。
自分はもしかしたら世界を滅ぼす戦犯なのかもしれない。
悟空が自分の想像を遥かに超えてくれることを祈るしかない。
彼が本気を出していないのは明白だ。それでも自分が生かされている理由はひとつ。体のいいスパーリング相手。実力が拮抗してるモノほど練習相手にちょうどいい。
彼女は生かされている。来たる孫悟空との決戦の舞台のために。それとも、目の前で孫悟空が死ぬところ見せてやる。などと考えていそうだ。
ーーーコイツ悪趣味だしあり得る。…あの大魔王の生まれ変わりだものね、悪趣味で当然か。
戦闘力更新
マジュニア(幼) 260
マジュニア 800
小籠包 720=>740
マジュニアのドッカン覚醒。これラディッツくん本当にボスになり得る、大丈夫そ?
閲覧ありがとうございました!
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