ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

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 閲覧ありがとうございます。

 若い頃のチチ可愛すぎるので初投稿です。

 あんころ餅様 誤字報告ありがとうございます!!


其之三十二 小籠包 胃を痛める。

 

 一夜明け、遂に天下一武道会当日。

 会場は前回とは比べものにならないレベルで賑わっていた。

 第22回の天下一武道会が特撮もかくやと言わんばかりの大激闘だったのが、人伝に伝わり次は俺も私も見に行こう!という輩が集まった結果である。

 会場側もこの大混雑は予想できていなかった様で、会場の整理に大いに振り回されていた。

 亀仙人に見送られ、小籠包たちは予選会場へと入場していく。

 

 今回の参加人数は前回よりは少なく感じられた。

 こちらは観客が多いのと真逆の理由である。

 あれだけレベルが高いのなら勝てるわけがないと辞退するものが増えた。

 即ち記念参加するモノが大いに減ったのだ。

 

 さて数少ない女性参加者である小籠包は男どもと同じ様に会場で着替える訳にはいかない。*1

 

 用意された更衣室に足を運んだ先には先客がいた。彼女と同い年くらいの女の子である。自分が言えた話ではないが、女の参加者とは珍しいと横目に着替えを始める。

 

 「オメェ小籠包だか?」

 

 可愛らしい声に少々訛りの強い声、正装であるドレスから頭をすぽん、と出しながら目線で応える。

 

 「はい、そうですが…?」

 「やっぱりだ…!オラの悟空さ殺そうとした悪ィ奴だ!」

 

 はて、どこかでお会いしたことが……と考えたところで思い出した。

 前回の天下一武道会…当然生中継がされている。おそらくその映像を見たのだろう。

 

 「ここで会ったが100年目だ!オラが成敗してーーー」

 「ごめんなさい!」

 

 90度!…直角の深々としたお辞儀と謝罪!

 この子は話を聞かない!そう直感した彼女は先手必勝ならぬ先手必敗。

 白旗である。

 

 流石に開幕謝罪に困惑した少女は素直に謝ったし言い訳くらい聞いてやるかと腕組みを始めた。話してみろの態度である。

 

 ーーーかくかくしかじか

 

 「なぁんだ、悟空さのお友達だっただか!ならオラにとってもお友達だ!オラはチチ、悟空さの…お嫁さんだべ…♡」

 

 花も恥じらう勢いで顔面真っ赤にしながらの自己紹介。

 …嫁?

 

 「ご、悟空くん結婚してたの!?」

 

 衝撃の事実、今ならマジュニアが改心したと宣ったとしても驚くまい、花より団子、色気より食い気の権化ともいえる彼が結婚!?

 んだ、と可愛らしく微笑むチチ、しかも相手はとびきりの美人ときた。

 

 ーーーホントに天界で修行してたの?彼。

 

 「いつ結婚したの?」

 「まだだ。」

 

 ん?

 

 「悟空の、奥さんなんだよね?」

 「もう、奥さんだなんて照れるべぇ♡」

 

 小籠包背筋に嫌な汗が噴き出る、同時に、何故私が胃を痛めねばならないのだ?と若干の怒りも覚え始めた。

 

 「チチ?因みにプロポーズの言葉は?」

 「恥ずかしいだよ♡他の人には内緒だべ?♡」

 「ウーンキキタイナーゼヒトモー」

 「『くれるもんなら貰ってやる』だよ!もう、照れちゃって可愛いべ!♡」

 「ワートッテモステキー」

 

 キャーと真顔で拍手をしながら小籠包の嫌な予感は加速する。

 まさかとは思うが…よくわからないけど、彼女のプロポーズを受けたのではないか?

 

 「チチ?悟空くんからの愛を確かめたくない?」

 「勿論だ!」

 「私がこっそり、聞いてきてあげる。」

 「オラもいくべ!」

 

 冗談じゃない!

 今悟空と彼女を鉢合わせしたらどんな地獄が展開されるかなんて火を見るより明らかだ!

 

 「待って、貴女がいたら照れ屋の悟空くんはまたカッコつけて本音が聞けないかもしれない、ここは私に任せて。」

 「…シャオ…おめぇ、ほんっと〜えェ子だ!…そんだらオラ待ってるだよ!」

 

 これが何人も殺めた罪人への罰だというのか…

 だとしたら随分と軽い刑罰である。

 

 チチのキラキラした視線を背中に受けながら大股で悟空達に歩み寄っていく。

 

 「悟空くん、つかぬことを聞くけど…″お嫁に貰う″の意味、知ってる?」

 「ヨメ?なんかの食いもんか?」

 

 思わず膝から崩れ落ちる。

 この戦闘バカは言葉の意味も知らずに乙女の一世一代の大勝負を安請け合いしてしまったのだ。

 

 「悟空、お前な…嫁に貰うってのは結婚するってことだ。」

 「ケッコン?してどーすんだ?」

 

 次はクリリンがずっこけた。

 

 「一緒に暮らすってことだよ。」

 「へー…そうなんか…クリリン、小籠包…大丈夫か?」

 「大丈夫じゃない、…ねぇチチって子、覚えてる?」

 「覚えてるぞ。」

 「その子と何か約束したでしょ…。」

 

 …暫し悟空は思い出に耽る。

 その昔ブルマとドラゴンボール探しの旅をしている最中に出会った、牛魔王という大男に出会った時のこと。

 その別れ際にその娘チチとの最後の会話だ。

 

 『なぁ悟空、もうちょっと大きくなったら嫁に貰いに来てくれな!』

 『何をくれるって?』

 『やあだぁ、わがってるくせにぃ…♡』

 『何かよくわからねえけど、くれるもんなら貰いに来るぞ』

 

 大体、こんな会話だったと悟空は記憶している。

 ソレを聞いた三人は開いた方が塞がらなかった。

 これは…チチから聞いた愛の告白と同じ内容なことに、小籠包は絶望した。

 

 「ご、悟空!お前なぁ!」

 「婚約してたなんて、聞いてないぞ!」

 ーーーチチになんて言えばいいのよ…!

 

 彼は嫁というものを食い物か何かだと思っていたらしい。

 こんなこと言えるはずもない。

 言ったが最後、ブチギレるか泣き喚くかのどちらかだ。

 

 「でも約束しちまったもんはしょうがねえな。武道会が終わったらチチのこと迎えに行くか。」

 

 まるで友人と遊びにでも行くかの様な気楽さで人生の重要な決断をくだす悟空であった。

 

 ーーーそれでいいのか孫悟空。

 

 彼女は、考えるのをやめた。

 

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 「て、天下一武道会で…!優勝して迎えに来る!?」

 

 目をキラキラさせながら待ち続けたチチに、だいぶ、脚色した思いを彼女に伝える小籠包の胃はだいぶダメージを負っていた。

 

 「う、うんだからね?チチにはお家で旦那様が迎えに来るのをーーー」

 「そったら…オラが決勝戦で悟空さと当たってそのまま挙式だべ!」

 

 そう来たかーーーー!!

 

 悟空は間違いなくチチを見分ける事はできない。断言できる。

 なんせ今の今まで婚約の約束を忘れていたようなアンポンタンだ。

 万一会場内で鉢合わせでもしたら大変な事になる。

 

 

 

 あははー

 

 もうどうにでもなれの精神だ。

 瞳を半開きしながら乾いた笑いを溢す。

 

 「オメェはエェ子だ!変わった肌してっけど、美人さんだし…!悟空さみたいなステキな旦那さんがきっと見つかるべ!そったらオラも応援するだよ!」

 「ど、どうも…。」

 

 この容姿と経歴に惚れ込む男がいればね、そんな風に明後日の方向を見つめながら乾いた笑みが拭えない。

 

 「そうだ!オラがいること悟空さに言ってないだか?」

 「言ってないよ。」

 

 言えるわけがない、そんなことしたら悟空は会わせろとか言い出しかねない。

 

 「オラ、この大会には匿名で参加してるだよ…フフ、悟空さ、デカくなったオラにきっとたまげるべ。」

 「ダイジョブカナーゴクウクン、キレーニナッタヨメサンニキヅクカナー」

 「素敵な奥様だなんて照れるべー」

 

 乙女フィルターによってホップステップを介さずに天界までジャンプした様な気もするが…小籠包は突っ込む気にもなれなかった。 

 

 「ありがとうな!…でも、予選であたったらなら話は別だ!武道家として…オラ絶対ェ負けねーだよ!」

 「…そうこなくちゃ。チチは誰に武術を習ったの」

 「おっとぉが教えてくれただよ。」

 

 確か、ギューマオーのおっちゃんと悟空は言っていた。

 随分大袈裟な名前だが、彼女も人間ではないのだろうか。

 どちらにしても、彼女はかなりの達人、その立ち振る舞いから分かる。

 この可憐さで油断する男達はさぞや多いだろう。

 武器がいくつもあって羨ましい。

 

 …などと考える小籠包も割りかしヒトの事はいえないのだが

 

 「おっとぉはすげェだぞ!なんせ武天老師様の2番弟子だっただ!」

 「!」

 「少しはオラのこと、見直しただか?」

 

 フフン、と得意げに笑う彼女に得心がいく。

 確かに気の大きさは常人を逸脱している。

 それだけだと思っていたが…ならば、亀仙流独特のタフさも持ち合わせていると考えた方が良さそうだ。

 

 「お互い、頑張ろうね、チチ。」

 「んだ!優勝賞金でド派手な結婚式を挙げるだ!」

 

 もう悟空の賞金の使い道が決まっている。

 これはあの悟空をして尻に敷かれてしまうのでは?

 そんな心の中で彼女は静かに合掌した。

 

 いよいよ、天下一武道会の予選が始まる。

*1
その場で着替えようとし…天津飯に死ぬほど止められた





 戦闘力更新
  チチ 130

 牛魔王からの手解き。公式数値を採用

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