ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

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 作者の情緒がぶち壊れそうなテンポで書いたので初投稿です!

 クソほど慌ててタイトル忘れてましたwwww


其之三十八 限界突破!天津飯!

 

 

 ーーー手加減した隙をつかれてあっさり負けないでよ?

 ーーー俺の敵になり得るのは孫悟空と…お前だけだ小籠包。

 

 師であり憎むべき敵であるいけすかない女と、

 愚かな愚かな自らの油断と慢心に満ちた発言。

 

 あの時細まった黄色の瞳の意味を漸く理解する。

 あの女はこうなることを予期していた。

 

 ふと視線が控えの選手達の方へと向く、その先には冷ややかな黄色い瞳をする小籠包の姿がそこにあった。

 

 ーーーほらみろ、油断するからだ。

 

 そんな風に笑っている。マジュニアにはそう感じた。

 

 もちろん、小籠包はそこまで言っていない。

 3年間、彼の前でクソ生意気な減らず口クソ女として立ち回った結果、被害妄想である。

 

 ぎりッ!と奥歯を噛む。握りしめた拳の裏では鋭い魔族の爪が掌に沈み異形の証たる体液を滴らせる。

 ダメージは殆どない。僅か3カウントでマジュニアはダウンから復帰した。

 天津飯の第三の目が見開く…とてつもない妖気がマジュニアの身体から噴き出ている。

 その表情は怒りに満ち溢れていた。

 

 「重ねて詫びよう、どうやら俺様は貴様を過小評価しすぎてたらしい。」

 

 ただし、その怒りは天津飯に向けてではない、この様な不甲斐ない結果を叩き出した己の迂闊さに腹を立てている。

 頭に巻いたターバンをするりと外し、マントを脱ぎ捨てる。

 

 「もう容赦はせん、貴様を敵と認識してやる。」

 「ほう、では見せてもらうぞ貴様の真のーーー」

 

 彼の言葉は最後まで続くことはない。瞬きすらしていなかった天津飯の12の目を掻い潜り四身の一つに拳を沈め黙らせたのだ。

 この場の誰もが彼の動きを捉えることなどできなかった。

 もちろんヤムチャとクリリンもだ。

 二人とも、あまりのことに言葉を失っている。

 

 ーーーなんてスピードだ、オラの本気とそう変わらねえかもしれねえ。

 

 唯一悟空だけが、マジュニアの動きを正確に捉えられていた。

 

 「ッ!」

 

 マジュニアが目にも止まらぬ速さで天津飯の影を叩きのめしていく。

 三身の拳のはニ身に…そして遂に天津飯は一人にまで追い詰められた。

 

 この秘奥義には弱点がある。

 分裂した分、戦闘力が低下するのだ、先ほどまではマジュニアの手加減にてギリギリ勝負が成立していたにすぎない。

 しかも、目を増やしても敵を捉えられないのなら、力を落とし視界を増やすメリットなど存在しない。

 そうしてふたたび一人になった天津飯だがなおも彼に逆風が吹く。

 

 彼の気功法は長くは持たない。

 大きくパワーを落とす様子にマジュニアは嗤う。

 

 「どうやら貴様のソレは半端な技のようだな。」

 

 マジュニアに油断はない。

 寧ろ逆、この力の落ちた相手を早急に場外に叩き落とさんと飛び出す。

 マジュニアの発する妖気の大きさは、気功法によって高まった天津飯の力をはるかに凌駕する。

 

 「つァ…!」

 「ぐぁ…!?」

 

 右フックが彼の頬を撃ち抜く。

 文字通り目にも止まらぬマジュニアのスピードとパワーを両立させた一撃は牽制攻撃とは思えない重さを秘めていた。

 

 立て続けにマジュニアは天津飯を打って打って打ちまくる。

 

 「ま、マジュニア選手の凄まじい猛攻が天津飯を襲う〜!」

 

 固唾を飲んで見守るしか出来なかったアナウンサーの慌てた様な実況が会場内に響く。

 この場の誰もが、天津飯すら己の敗北を予感した。

 

 だがただ撃たれるだけで終わるわけにはいかない。

 インパクトの瞬間、なんとか衝撃を逸らしてダメージを軽減している。

 

 ーーーなんて、速く…重い攻撃…!シャオの奴…一体どんな鍛え方をしたんだ…!

 

 こんな男と彼女は3年間修行をしたのだと考えると妹分がどれだけ高みにのぼったのかを実感する。

 ぎり…!と己の無力に奥歯を軋ませる。

 

 同じくマジュニアも…ここまで力を発揮してなお喰らいつく天津飯に驚きをかくせない。

 そして同時に、これほどまでの脅威に出会えたことに喜びを感じている。

 

 ーーーうまく受け流している様だが…くくく、いつまでもつかな?

 

 彼の最後の抵抗を楽しんですらいる。

 これは大魔王による気質なのか、好敵手の次なる一手に期待しているのか…

 

 あるいはその両方か。

 

 ただでさえ速いマジュニアのマシンガンの様なラッシュは速度をあげていき、天津飯が反応の出来ない未知の領域へと戦いはシフトする。

 頬を撃ち抜く感触に手応えを覚え、直撃を確信する。

 ふらついた天津飯の胸目掛けて硬く握り込まれた鉄拳を振りかぶる。

 

 ーーー終わりだ…!楽しかったぞ天津飯!!

 

 普通であれば勝負あり、しかし今マジュニアの相手をする相手は普通ではなかった。

 頬を打たれて朦朧としているはずの意識を奮い立たせて失った焦点がギン!!とマジュニアを射抜く!

 

 「!?」

 

 「気功…法…!!」

 

 この時、天津飯は確かに限界を超えた!

 フィニッシュ、渾身の正拳突きを真っ向から受け止め、そのまま手首を握り締める。

 

 「今度は、俺の番だ…!」

 「ッ…放せ!」

 

 渾身の一撃を受け止められた事に対する動揺と、引こうとした拳を掴まれた事により姿勢を崩したダブルパンチ。

 その彼を片手でつくった正三角形の片割れで狙いを定める。

 天津飯最高の技、そして鶴仙流の禁じ手。

 

 「これが俺の、最後の一撃だ…!受けてみろ!!!」

 

 ヴン…!

 天津飯の全身に黄金の闘気が充実する。

 それに対して笑みを隠せない。

 逃げも隠れもすまい、その一撃、真っ向から受け止めて見せよう。

 

 気功砲!!!!

 

 全身に青筋を浮かび上がらせる文字通り全身全霊、己の中の全てを詰め込んだ一撃。

 凄まじい熱と光が武舞台を包み込む!

 並の人間ならば間違いなく消し炭と化す天津飯の絶技。

 激しい光と熱が収まった先には片腕で腕を覆う様にガードを固め、紫の胴着をボロボロにしながらも、確かに健在するマジュニアの姿がそこにあった。

 

 「惜しかったな…!今のは流石の俺様も危なかったぜ…!」

 「む、無念…!」

 ーーーどご…!!

 

 力を使い果たした天津飯の腹部にマジュニアの掌底が深々と突き刺さる。

 何の抵抗もできないまま彼の身体は武舞台の外、観客席との間を隔てる壁に激しく激突。

 

 「じょ、じょじょ…!場外!!マジュニア選手の勝利です!」

 

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 武舞台の端を削り取った兄弟子の渾身の一撃。

 それを耐え切るマジュニア。

 小籠包は、震えていた。

 

 あの瞬間、間違いなく天津飯は気功法を完成させていた。

 もちろんそれは彼女の思い描いた究極形では無いのだが…消耗により大きく萎んだ彼の気はマジュニアと並んだのだ。

 

 褐色の肌が白く成る程に拳を握り込む。

 自分ですら、あの技の最大出力は良くて2倍が精々だ。

 それを、3倍。

 もしかするともっと彼の力は瞬間的に上がっていたのかもしれない。

 

 勝者であるマジュニアが武舞台から退場する。

 自身の前に立った彼はニヤリと笑った。

 

 「奴はお前を超えたぞ。」

 「……ッ。」

 「クク…良い顔だ、明日の試合が楽しみだぜ。」

 

 悔しいが、今の自分ではマジュニアに及ばない。

 あの瞬間的なパワーを引き出すことは出来ない。

 瞬間的なパワーを軽視した自分への手痛いしっぺ返し。

 悔しさに奥歯を噛んだところに、肩を優しく叩かれた。

 

 「お前ェだって負けてねぇ。」

 「慰めは、いらない。」

 「そうじゃねえ。」

 

 半ば自棄になりつつある自分を悟空は真っ直ぐ、力強く見つめた。

 

 「あいつも天津飯も出せるのは瞬間的なパワーだ。」

 

 でもお前ェは違ェ。

 悟空は続ける。

 

 「空の様に静かに構え、雷よりも素早く動く。オラが天界で学んだ事だ。オラはお前ェみたいにフルパワーを出しながら静かに構えられなかった。」

 

 彼女のあり方は神の教えとは真逆だ。必要に応じて的確に、適切なタイミングで力を振るう。これぞ武の真髄。

 だがそれは裏を返せば、タイミングの裏を突かれたリスクを常に背負うということ。

 

 神は言った、お前は抜き身の刀のようだと。

 それでいい、それが良いと悟空は言う。

 

 「あいつも常にあの力を出せるわけじゃねぇ。そこに隙ができるはずだ。」

 

 彼の静かな声にゆだった頭が冷えていくのを感じる。

 

 「そうだね、うん、ありがとう。」

 

 あまりにも激しい攻防に熱くなっていたらしい。

 悟空の言う通り、あの戦い方を自分は否定した。

 瞬間的なパワーにはなんの意味もない。

 自分にその戦いは向いていない。

 120%の力には、必ずその反動が現れる。

 

 だからこそ自分は100%を常に出せる様に訓練をしてきた。

 

 危うく自分のあり方を見失うところだった。

 マジュニアのフルパワーは確かに脅威だ。

 最初からその力を出さないということは、出せない理由があるはず。

 そこを突く。

 

 拳に力がこもる。

 それは先ほどの焦燥と怒りからではなく、決意と闘志からの力みだった。

 

 「なぁ、ところでよぉ。あそこでオラたちのこと見てるアイツ、お前ェンの知り合いか…?」

 「え、あそこで見てる…って…ーーー」

 

 その先には控室の入り口から半身を出してじぃ…っとこちらを見つめるチチの姿に、ピキッと全身が凍りつくのを感じた。

 小籠包、再び胃痛のお時間である。

 

 「うん!私の友達!悟空くん、ちょーっと待っててね!」

 

 瞬間移動とすら思わせる超スピード、戦いの時だってそんなスピード出せるのか?とも思えるが、今はそういう事態では無いので言及はさけることとする。

 

 「チチ、あのね、違うの、アレはね…!」

 「悟空さ…落ち込んでる友達を慰めるだなんて…なんて素敵なヒトなんだべ…!」

 

 凄まじい眼力のソレは旦那の超かっこいい姿を網膜と脳裏に焼き付けようという彼女の執念だった。

 超純粋、スーパー乙女なチチの脳内フィルターに悟空が浮気をするという選択肢は存在しないのである。

 

 【べ、別に興味なんかねーけど?嫁にくれるってなら?もらってやってもいいぞ?】

 

 そんないじらしい男が浮気なんてするか?しないよ!の精神である。

 ていうか、自分の愛した男がそんな不埒な訳ない。

 

 信念ブレブレの小籠包と違い、チチはどこまでも真っ直ぐなのであった。

 

 「つ、強いね、チチって。」

 「んだ!強くなきゃ、強い悟空の嫁にふさわしくねぇからな!」

 

 ハハハ…と乾いた笑いをあげるしか出来ない小籠包をよそに待ち望んだ旦那との待望の再会にチチはるんるん気分で元気に準備運動を始めるのだった。





 戦闘力更新
  天津飯
   消耗 300
   気功法 1000
   気功砲 1200

   天兄覚醒、気功法に気功砲を重なる事で出力を更に大幅上昇。
   技の開発者よりその練度の高さは、気功砲に対する解像度が小籠包より上だったため。
   気功法3倍はかなりの負担がかかるため、かなり消耗が激しい。
   漫画版の初期ブルーの様に変身の度にパワーが大幅に低下していく物をイメージしてください。
  
  マジュニア
   真の力 1100
   気の集中による防御 1250
   
   ラスボスの本領発揮。
   悟空はああ言ったが、気の解放による本領発揮。
   小籠包の勝ち目はゼロ。
   彼女が勝つには戦いの中で進化する奇跡を起こすほかない。
   

 閲覧ありがとうございました!
 しばらく更新ペースが遅れ気味になります、ご容赦ください!
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