ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
ハイパーに遅くなりましてすみません!!!!
カカロットで遊んだりしてたらめちゃ遅れましたので初投稿です!!
アナウンサーの開始と共にコンマ1秒の狂いもなく二人は同時に互いに向けて攻撃を開始した。
いきなりのクロスカウンター。
互いが互いを出し抜こうとした結果、まったく同じ結論に至った上の相打ちである。
無論、それだけで終わる二人ではない。
互いにすぐさま距離を取って再び殴り合う。
その後も二人の攻撃は相打ちが続いた。
拳、膝、肘、脚、腕、あらゆる攻撃が相打ちに終わり、その度に衝撃波が迸る。
「な、なんて戦いだ…!」
天津飯は震える、マジュニアの恐ろしさを目の当たりにした彼だったが…あれすら本来の実力から一段下がった実力だということに。
なお、彼の面倒くさいお師匠さんは後方腕組みして満足そうに頷いていた。
しかし恐ろしいことに、孫悟空はそれでも底を見せていない様に小籠包は感じていた。
手を抜いているのではない、的確なタイミングで力を放出する。
これが天界で悟空が学んだこと、必要以上に力を使わない。
極限のリラックスからのインパクト。その落差が激しいほどその威力は跳ね上がっていく。
つまり、ごく最小の力で彼はマジュニアの攻撃を相打ちに終わらせている。
つくづく、彼は小籠包の想像をはるかに超える男だった。
あの時、相手が仮に悟空だったとして…悟空はあっさり攻撃を受けられたかもしれない。
ーーー本当に、末恐ろしいわ、君は。
悟空は小籠包の究極のパワーに、小籠包は彼の究極の技に、それぞれ舌を巻く。しかしそれだけではマジュニアは倒せない。
彼の打たれ強さは悟空をも上回るのだ、致命的な一撃を与えたとして彼は立ち上がるだろう。たとえ戦闘不能になったとしてもだ。
「小籠包よ。」
そこにいたのは、武天老師率いる亀仙流のメンツだった。
さて、彼が何をしに来たのか、彼女には察しがついている。
「奴と知り合いなのだろう、あやつは何者じゃ。」
「生まれ変わりですよ、ピッコロ大魔王の。」
天津飯除くその場の全員に戦慄が走る。
「ば、バカな…!アイツは…悟空が倒した!そうだろう!?なぁ!?天津飯!?」
「その通りだヤムチャ、だが…事実らしい。」
バカな…!と声を震わせて拳を握る。
無理もない。あの恐ろしい怪物が更に力をつけて現代に帰ってきたというのだ。
「あやつの面倒を見たのか?小籠包。」
「はい、私が彼を鍛えました。」
「お、お前!?自分が何をしたかわかってーーー」
「ヤムチャ…!」
彼はどこまでも冷静だった、茹るヤムチャに冷や水をかけるかの様な冷たい声。
「訳を聞かせてくれぬか。…情け容赦で奴を鍛えた訳ではなかろう?」
この老人は知っている、小籠包という少女の本質を
そして、何の考えもなしにピッコロの生まれ変わりを鍛えるという愚かな選択を取らないということを。
彼女は、自らの目的を語った。
常在戦場、マジュニアはそれを具現化する為の装置である。
もっとも、それはもう機能することはないだろうが。
彼女の余りにもバカげた思想。
危機意識を保持するために世界の仇敵を常に存在させる矛盾に満ちた防御機構。
「平和な世の中は不要だと、そう言いたいのか。」
「貴方のお弟子が証明しています。3年修行したのに、ピッコロ大魔王に勝てるのは天くらい、…今のクリリン君ならわかりませんが…ヤムチャさんに至っては…まだまだ眠った力がある様に感じます。」
先のクリリンの目覚ましい成長、素晴らしいものだった。
しかしこうも思う…何故それを3年間の修行で身につけられなかった?
それこそ、平和な世の中に胡座をかいて、お遊び感覚で鍛えていたからに他ならない、彼女はそう感じている。
だからこそ、小籠包は己の考えが間違っていないと確信する。
この狂った思想が誤りでないと断言する。
いつか必ず…孫悟空という唯一無二の才能人に頼り切りの未来が待ち受けている。
そんなこと、あってはならない。
彼の友人として、彼一人にそんな責務を背負わせることは、あってはならない。
クリリンとヤムチャは拳を固く握る。
それは三年前、師匠に叱責されたものと全く同じだったからだ。
しかし、武天老師の表情は固かった。
「そんなものは武道とは言わん。ただの暴力じゃ。」
静謐な声が響き渡る。
体を鍛え、技を磨き、心を研ぐ。
相手に勝つためではなく、己に負けない為の道、それが武道。
確かに、彼女の考えも一理あるだろう。
しかしそれは力のない一般人をも危険に晒すことになる。
強制されて培った力などなんと危ういことか、心技体の伴わない力などただの暴力装置とどう違うのか?
異形の瞳が、大きく見開かれる。
「お主が欲しいのは武か?それとも…力か?」
老師の声がまたも静かに響く。
何もいいかえすことができない。
言葉の意味を本気で理解できなかったからだ、
何故どちらも求めてはいけない?
武を修めるということは、力を得ることと同義だ。
敵を倒すことに注力する、ただそれだけのことなのだ。
目的達成の為の手段として、武を修める。
そこに大義名分があるのなら、それは信念と言えよう。
ソレは裏を返せば信念なきモノに力は宿らない。
だから彼女にとってはこの暴力装置こそ極致の一つと考えている。
そこが小籠包と武天老師の致命的な差だった。
この差は覆らない。なぜなら桃白白の教えは…敵を殺す為の武であり、
小籠包の心には桃白白を師と敬う心が存在している。
だからこそ、目の前の老師に同意することはできなかった。
「私が欲しいのは″武力″です。貴方から間違ってると言われても、
「…鶴の奴め、厄介な娘を拾ったもんじゃ…。」
老師の諦めの溜め息が溢れる。
この3年で小籠包はもう自分の道を見出していた。
どんな悪党も叩きのめす。
ただし、悪党の判断基準は各々の正義に準ずるという大変危うい信念である。
一歩間違えれば自分が世界の仇敵に転がり堕ちる危険思想。
だかしかし、結果として…彼女はピッコロをマジュニアに変えた。
口では世界征服を宣ってはいるが、もう彼にそのつもりなどない。
あるのは
今の彼はただそれだけの男なのだ。
「老師、ご安心ください。コイツなら大丈夫です。」
静観していた天津飯が、漸く口を開いた。
「少々危なっかしい所は、昔と変わりませんが道を踏み外すことがあれば、俺が殴ってでも連れ帰ります。」
「お主がそこまでいうのなら、ワシに言えることはもう何もないわい。」
大きなため息を一つ、これ以上部外者の老人が口を出してはならない。
「悟空のやつめ、苦戦しておるようじゃの。」
会話を強制的に終わらせる亀仙人の一言。
そうしている間にも、試合は目まぐるしく展開していた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
悟空は目の前の強敵に感服せざるを得なかった。
どれだけ攻撃を与えても、マジュニアは全然堪えていない。
むしろ逆、ダメージを与えるほど力を増しているかのように思える。
無論、悟空の錯覚ではあるのだが。
しかし逆もまた然り、マジュニアも倒すべき敵の強大さに震えていた。
恐れではない、喜びの震えだ。
どれだけ全力でぶつかっても悟空は柳のようなしなやかさで攻撃を捌いていく。
0から100に転じる緩急の差は、実力以上のインパクトをマジュニアに与えていた。
「くくく、嬉しいぞ孫悟空、この俺様がマジになっても死なないとはな。」
「お前こそ、ピッコロの生まれ変わりだって神様から聞いたけどよ、そんなに悪ィ奴じゃねえな。」
その言葉にマジュニアのこめかみがぴくりと動く。
「ふん、今にそんな戯言は言ってられなくなるぞ。」
「…さぁ、どうかな…?」
互いに腰を低く落とす。コレまではただの小手調べ…
ウォーミングアップのようなもの。
ここからは互いに本気の本気、超本気の戦い。
マジュニアは体内の妖気を、悟空はその身に隠していた気を解放していく。
その力の大きさは…武を嗜まない一般人すらも感じ取れる程の波動。
少々敏感なものはその力にあてられて気絶する者さえいた。
その様子を視界の端で捉えたマジュニアが嘆息する。
「ふん、すぐに終わらせてやるぞ。」
「来い…!」
マジュニアが腕を弓のように引き絞る。
そのまま…突き出したその腕は…早回しする植物の成長の様にぐん!と伸びた。
「!?」
予想外の攻撃に悟空の動きが僅かに遅れる。
マジュニアの腕が大蛇の如く、彼の上半身を絡め取った。
万力の様な強さで彼の強靭な肉体が軋む音がする。
「が……ァァァァ!?」
「油断したな孫悟空、この一撃で吹き飛ばしてやる…!」
伸ばした片腕に一回り膨れ上がる程力む。
こめかみに浮かびあがる青筋が彼が全力で悟空を締め上げていることを示唆する。
常人ならば彼の腕に押しつぶされてバラバラにされているであろう。
悟空の悲痛な叫びに観客は息を呑み、悲鳴を上げ、目を覆う。
チチはもう見ていられないと目元を覆う。
「ぐ……が、ががが…!」
「…ち、馬鹿力め…!だが逃さんぞ!」
ヴン…!
マジュニアの片腕が筋肉で膨れ上がる。
同時に凄まじい気が彼の腕に集約していく。
この技は…過去に悟空を仮死状態にまで追い詰めた技…!
「ぎ…ぎぎ…そ、その、技は…!」
「ああそうだ!だが親父のモノとは比べものにならんぞ!死にたくなければ耐え抜いてみろ!」
必死に全身に力を入れて拘束から逃れようともがく、しかしその度にマジュニアの腕が力を増して悟空の体に沈み込む。
そうしてる間に、その片腕には十分なパワーがチャージされてしまった。
ーーー受けてみるがいい!!爆力魔波!!!!!
殆どゼロ距離、射程をギリギリまで絞った超威力の気功波が悟空の体を飲み込んだ!
実は悟空とマジュニアのバトルネタが尽きてるだなんて口が裂けても言えない