ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
無印終了となります。初投稿です。
短め。
コントン都、刻蔵庫。ここの主である桃色の肌に、最高神の証である耳飾りを付けた長い耳、装束をから肩を剥き出しにした彼女特有の装束、幼さを残すその神の名はクロノア…時の界王神その人である。
彼女は
本来あり得ない筈の時間の流れ、だというのに時の流れは
この宇宙には無限の可能性があるのはその通りなのだが、正しい時間の流れというモノは確かに存在する。今彼女の頭を悩ませているのはその理から外れた歴史。
遙か昔に、彼女が界王だったころ、聞いたことがある。
本来の流れと完全に逸脱し、枝分かれする宇宙が極々稀に発生する。
しかしその確率は、いわば一つの宇宙が誕生する程の微小な確率であり、
それが、今自分の目の前で起きている。″別の時間軸″ではなく、もっと高次元な″別の世界線″とも言えるその歴史は、彼女が管理する歴史になんら影響は与えない。
故に、なんなら彼女すらも知り得ないこの時の流れを一つの物語として茶の請けにでもすればよいのだが。
これを放置しない輩がいることを彼女は知っている。
悪の科学者トワと人造人間ミラ…
ぶっちゃけた話をするなら…この完全に分離したパラレルワールドにはどんな介入をしても問題はない。
更に言うなら…この歴史は
つまり、時を司る神ですら、この先を知り得ない。
故に、単純な読み物として彼女はこれを眺めるつもりでいた。
仮にトワとミラがここにちょっかいをかけたとしても、積極的に介入する気はない。
なぜなら
なので、本来の歴史の流れにちょっかいをかけない分、寧ろ彼らにはこっちにちょっかいを出して欲しいところでもある。
今この歴史は、孫悟空が結婚式をあげているところ。
残念なことに、トワとミラはまだこちらにはちょっかいをかけている様子はない。
単純に発生するエネルギーが、少ないからか…あるいは別の理由からか。
しかし、不思議なモノだ。
この小籠包という娘は、殆どの歴史、凡ゆる分岐でも5歳で死亡している。
恐らく、そう言うボタンのかけ違いが後の歴史に大きく左右した結果。
彼女が生きている歴史が発生したのだ。
思えば何故彼女だけ、野盗に対して襲いかかったのか。
この歴史の小籠包は特別気性が荒い訳ではない、むしろ逆。
ここまで悪行に手を染めて人間性を失っていないのは…この娘が穏やかな人間であることの表れである。
とはいえ、歴史の分岐なんてのはそんなモノだ。
恐らく理由なんてない。
様々な歴史を観測してきたから時の界王神ならではの適当な結論。
運命なんてのはそんなモノだ。投げた賽の目によっていくらでも展開が変わる。彼女はたまたま大当たりの目を引いた歴史というだけだ。
「さて、いつまでもこうしてるわけにもいかないわね。」
残念ながらこの歴史は暫く更新されていない。
不定期更新の漫画を読む様な感覚。
7500万年生きてきて初めての体験に彼女の気は緩んでいた。
件の書をいつもの場所にしまったところ、彼女のサボりを咎める者が現れた。
「時の界王神様、またサボっていらっしゃるんですか?」
げっ、と最高神とは思えない子供っぽい様子で現れた青年、トランクスを見つめる。
「人聞きの悪いこといわないでくれる?休憩してたのよ。」
「半日刻蔵庫に籠るのは休憩とはいいません。」
「私の年齢からしたら半日なんて2分みたいなものじゃない。」
「でしたらオヤツは3年ほど抜いても構いませんね?」
「トランクス?貴方は三日間ご飯抜きでも耐えられるの?」
「間食と食事は違いますよ!?」
相変わらず奔放な神にため息を溢す青年の視線の先には、例の書が映った。
「あの歴史ですか…」
「トランクスも知らないのよね?あの″小籠包″って人間は」
「はい、あれほどの力を持っていたのなら…人造人間達と共に戦ってくれたはずですから。」
今のところ大筋は彼らの知る本来の歴史と大差はない。
しかし…この時代の彼らは本来の歴史を踏まえるとかなり強くなっている。
その中心にいるのは小籠包という存在。
トランクスは何の気もなしに…終わりと始まりの書を開く。
「時の界王神様、俺にはこの人が恐ろしいです。」
「…どうして?」
「上手く言葉にできませんが…。得体の知れない感じが…不安になります。」
トランクスに倣って書物を覗き込む。そこには、マジュニアと言い争いをしてる小籠包の様子が流れている。
実に微笑ましいとクロノアは感じた。
マジュニア…後にピッコロと呼ばれ悟空たちの頼れる知恵者として立ち回る男とは思えない子供のような言い争い。
そこに不穏な様子も嫌な感情も湧かない。
しかし、トランクスはソレを複雑な様子で見ている。
神の感覚にはない人間特有の考えがそこにあるのだろう。
「確かに、この子の精神性は危ういわね。まるで、ザマスを見てるみたい。」
「それも、そうなのですが…すみません。やはり忘れてください。」
「なによ、気になるじゃない。」
「余計なことをいって、すみません。言葉にできない不安は言うべきではありませんでした。」
そう言って、彼は終わりと始まりの書をしまうと、さぁ行きますよ。
と、彼女の腕を引っ張って連行していく。
いたーい!ちょっと引っ張らないでよ!
最高神の扱いとは思えない雑な扱いで、刻蔵庫の扉がバタンと閉まる。
明かりの消えたその空間で、微かに…先程話題に上がった歴史の書が輝いたのだが、今はまだ気づくモノはいなかった。
これにて無印編終了となります。
ドミグラや、トワミラ、あとは劇場版の連中も出して行きたい!
という意思表明として差し込みました。
出して欲しいボスがいたら言ってくださいね!!!