ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
ピラフ様がどんどん悪の帝王になっていくので初投稿です。
小籠包が死に、亡骸を神が回収したあと、ピッコロはラディッツを引っ張り荒野のオアシスへと引っ張っていった。
力を使い果たしたのか、唯一無ニのライバルを奪った憎き宇宙人は呑気にすやすやと眠っている。
さて…起こすのも面倒だと彼を放置すること数時間。
満月がもし存在するのなら、ソレが傾きかけそろそろ夜明けを迎え始めるその瞬間までラディッツは呑気に眠りこける。
自らの獲物を横取りしたその生意気な寝顔に腹が立ち、遂にピッコロは彼に手をかけた。
「ちっ…いつまで寝てやがる…!さっさと起きろ。」
その顔面を水面に押し付ける。
ぶくぶく…と水泡が発した数秒後、ラディッツは盛大に咳き込みながら目を覚ました。
「…げほ…!…げほ…!こ、ここは…!…お、お前は、何者だ。」
「俺様の名はピッコロ、今日から貴様に地獄を見せるモノだ。喜べ、この俺様が貴様を鍛え直してやる。」
「…鍛え直す…?何を言っている。俺は帰るぞ。」
わかりやすく不機嫌にピッコロは舌を打つ。
こんなつまらん奴のせいで好敵手はあっさり死んだのか。
そんな苛立ちを隠せない。
「どこに帰るというのだ。」
「ど、どういう意味だ…!」
あまりに意味深な発言に漸くラディッツと事態の重さを察する。
何度目かになる舌打ちをし、ピッコロは再び口を開いた。
「貴様によって小籠包は殺された。」
「は…?」
目の前のこいつは何を言ってるんだ。
小籠包を殺した?自分が?そんな馬鹿なことがあってたまるか。
「バカを言え、俺が奴を殺す訳ないだろう。俺を揶揄っているのか!」
「バカは貴様だ。自分のルーツも知らずおめおめと力を暴発させ、挙句奴を殺した。…人の獲物を横取りするクズが。殺されなかっただけでも有り難く思うんだな?」
ピッコロと名乗る男の殺意は本物だ。
彼は本当に自分に情けをかけている。
では、本当に…小籠包は死んだのか…?
大猿の時は完全に理性が消し飛んでいる。故にに記憶は残らない。
しかし、この指先に残っている。
華奢な身体を握り潰した肉の感触。
夢か何かだと思っていたあの光景。
頭の中の霧が晴れていく。
自らの手の中で、悲鳴を上げ絶命する戦士の姿。
朧げながら…満月を見上げ、正気を失いながらも彼女を遠ざけようとした瞬間を思い出す。
失われていく理性、獣と成り果てた自分が敬愛する戦士を、憧れの女を、この手で握りつぶしたのだ…!
「お、俺が…!」
「思い出したか?だが安心しろ…奴はーーー」
ピッコロの言葉は既に彼の頭には届かない。
ただの人殺しではない、自分が恩を感じ、そして愛してもいた女を殺したのだ。それも何の躊躇いもなく、自分自身の指先で…!
コレに狂わぬ奴はいない、彼が元来のサイヤ人であれば「雑魚め」と鼻で笑ったかもしれない。
だが今は違う。彼は地球人の心を持った、持ってしまった。
「う…おぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
慟哭、あるいは雄叫びが暁に白む平野に響き渡る。
この罪悪感は、この衝撃は、精神に大きな衝撃を巻き起こす。
失われていた、「ラディッツ」を取り戻していく。
「…貴様…!」
彼の雰囲気の変化を見逃すピッコロではない。
長い長い雄叫びをあげて、浅く激しい呼吸を乱立するラディッツに身構える。
気の質が変わった。敵意を感じないが先ほどの様な軟弱者さは感じられない。
寧ろ、自分に近い気配を感じる。
「貴様…一体何者だ。」
「お、俺は…ラディッツ…!サイヤ人…ラディッツ…!」
ギリ…と拳を握りしめる、この瞬間彼は自分が何者であったのかを、完全に取り戻した。
はー、はー、と次第に呼吸を整えた彼は真っ直ぐピッコロを見つめ返した。
目の前のナメック星人はかなりの腕前だ。
ソンゴクウ…カカロットという…気の大きさが全てではないという実例を知った以上、ラディッツは感じる気の大きさで力を測る浅慮さを捨てていた。
そして興味が沸いたのだ、かつて彼女が鍛えたであろう戦士の力を。
「俺に地獄を見せるといったな、構えろ。試してやる。」
「ちッ…舐めやがって…!」
力関係は、完全に逆転した。
数度の撃ち合いで、互いに力の差を理解する。
あのピッコロが
ーーー弱い、
己の膂力にモノを言わせた力任せの攻撃。
とはいえ、この地球上にその力任せの攻撃を見切れる存在など片手で数えるほどしか存在しない。
いや、正しく目視できるモノなど存在しないかもしれない。
「はぁ…!はぁ…!ば、バカな…!」
「その程度か?俺様に地獄を見せるのではなかったのか?」
「言われずとも、今すぐその減らず口を潰してやる!…かァァァァ!」
己の中の気を一気に高める。
スカウター抜きでも気の大きさがわかる様になったラディッツは素直にこのナメック星人を認めていた。
「ほう、なかなかのパワーだ。それで?どうしようというのかな?」
「今すぐその口を黙らせてやる…!」
ーーー爆力魔波!!!!
文字通り、彼の渾身の一撃。この地球上にて最強の気功波がラディッツにおそいかかる。
「へ、ザマァみやが…れ…?」
確実に仕留めた。その確信があった。
なんせガードしたとはいえ真正面から自身の必殺技を受けたのだ。
そこには倒れ伏した敵が居なければ道理がたたない。
ラディッツはその身勝手な道理を踏み躙った。
「今の一撃は良かったぞ。マジにならねば怪我をしてたかもしれん。」
「…ば、バカな…!」
「ソレが切り札か?…悪いが急用ができた。俺は行くぞ。もっと腕を磨いてから出直してこい。」
吐き捨てるようにピッコロを見下した彼は瞬く間に空の彼方へと消えていった。
残されたピッコロはぎり!と砕くほどの力でその歯を食いしばる。
大猿変身の能力を失ったとはいえ、今のピッコロを足蹴にする恐ろしい戦闘力。
追いかけて叩きのめしたいのは山々だ、しかし勝てぬとわかる戦いを無策に挑むほど、彼は子供ではなかった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
記憶を取り戻したラディッツは、その力を大きく向上させていた。
小籠包に鍛えられ、力の使い方は学んだラディッツは新たな境地を見出し、記憶を取り戻したことで彼は限界を更に超えたのだ。
しかし、一つだけ違うところがあるとするなら。
「俺が…アイツを…殺した…!」
たった1ヶ月の出来事だったが、彼の心を揺り動かすには十分だった。
彼の心はサイヤ人でありながら、地球人になりつつあったのだ。
ドラゴンボールの存在を知らぬ彼にとって、敬愛する師であり、友であり、憧れの女は永遠に会うことはできない。
今生の別れなのである。しかも、その命を奪ったのは自分だ。
ぎり…!と奥歯を噛む。
ピラフ達とは、記憶が戻るまでの関係。
小籠包はもういない。
これで彼は本当にこの地球上で孤独になったのだ。
しかし、黙って彼らの前から消えるわけにはいかない。
フリーザ軍という統治された組織に所属していた彼は…ピラフが如何に温情ある上司だったのかを理解していた。
そんな彼の大事な部下をこの手で殺めたのだ。
「せめて…謝罪の一つでもせねば。」
最悪の気分で彼は飛ぶ。ピラフ達の居城へと。
朝も早いというのに、ピラフは既に執務室で何か作業をしていた。
側近二人が居ないのは、彼にとって実に都合がいい。
目の前に現れたラディッツの雰囲気が変わったことにピラフはいち早く気がついた。
「記憶が戻ったか。」
「世話になった、…それと、いうべきことが、ある。」
「小籠包が死んだか」
「…!な、何故それを…!」
「あいつはな、何かあった時のためにと…小型発信機を自分につけていた。そこから発される生命反応が消えたのだ。」
ピラフは、全てを理解していた。
すやすやと爆睡中…けたたましくなる爆音アラームに飛び起き、絶対に発音しないと確信していた危険アラートが鳴り響いたのだ。
小籠包の死という最悪のシグナル。
そして、その夜は見事な満月だったということも。
「…すまない、俺が…奴を…!!」
「何かの拍子に殺してしまったか。そういうこともある。」
「…なん、だと…?」
懺悔の様に崩れ落ちるラディッツ。ソレに対して…ピラフの反応は余りに淡白だ。
そのあまりに薄情すぎる反応に、申し訳なさより先に怒りが先行する。
お前らにとって、彼女は、その程度の奴だったのか!?
「ピラフ!!見損なったぞ!まさか貴様が仲間の死を嘆かん奴だったとはな!!!」
「おおお、落ち着け…!この星にはドラゴンボールがあるのだぞ?あいつは生き返らせることができる。」
「…は??」
素っ頓狂な声をあげてしまう。
生き返る?小籠包が?バカな!
…いや、そのボールの名は聞き覚えがある。
しかし、それはくだらない御伽話ではないのか?
「ドラゴンボールだと!?つ、作り話ではないというのか!?」
「なんだ知っているのか?実在するぞ、この目で見たこともあるし、使ったこともある。…願いを叶えたことはないがな。」
あと一歩で叶いかけた
「そ、そうか…戻って…来るのだな…!」
膝から崩れ落ちるラディッツ、しかしとピラフは難しそうに首をかしげた。
「…しかし、小籠包との間にはドラゴンボールを使わないという取り決めがある。…俺様がドラゴンボールで奴を蘇らせる訳にはいかん。」
そこでだ…。ピラフは実にあくどい微笑みをラディッツに向けた。
「記憶が戻ったようだが、もう一度俺様の下で働く気はないか?ラディッツ。」
「い、いいのか!?」
「勿論、ただし条件がある。…ドラゴンボールを7つ集め、小籠包を連れ帰ってこい。」
「勿論だ…!俺に任せてくれピラフ…!」
あくまで小籠包との取り決めは「ピラフ一味が不用意にドラゴンボールを使わないこと」である。
今や部外者となったラディッツが
勢いよく飛び出したラディッツの背中をくっくっくっ!やはり俺様は天才だ!などと愉快そうに笑うのであった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ラディッツは先ず最初に向かったのは孫悟空…実の弟カカロットの所だ。ドラゴンボールを集めるのには人手がいる。
この惑星中に散らばった。掌大の玉を7つも一人で集める訳にはいかない。
孫一家の家の前で着地した彼を迎えたのは小さな彼の息子だった。
「あ、おじさん!こんにちは!」
「ああ、こんにちは。悟飯、カカーーーお父さんを呼んでくれるか?」
「うん、わかった!おとうさーん!!」
とてとてと中庭目掛けて走っていく姿が実に微笑ましい。
そんな柔らかな雰囲気とは裏腹に、孫悟空は実に物々しい雰囲気で現れた。
どうやら、彼も自分の変化に気づいた様子。
「…ピッコロはどうした。」
「そう怖い顔をするなカカロット。すまんが、こちらで呼ばせてもらうぞ?この星の名前はどうも俺の肌に合わん。…少し遊んでやったが、安心しろ…殺してはいない。」
好戦的な反応を返してしまうのは昔からの悪癖。
いかんいかん、と彼はかぶりを振るう。
殆ど直角とも言える勢いでラディッツは頭を下げた。
「カカロットよ…力を、貸してくれ…!」
どこか棘のあった空気は弛緩していく。
余りにも真摯な態度にカカロットはラディッツの肩に手を置いた。
「……やっぱ、兄ちゃんは悪い奴じゃねえな。…すまねえ、疑っちまって。記憶、戻ったんだな。」
「それはいい、ドラゴンボールを知ってるか?」
「小籠包を生き返らせるんだな?…それはちょっと待ってくれ。それより、兄ちゃんにも協力してほしいことがあるんだ。」
神から話された内容にラディッツは再び絶望の底に叩き落とされた。
ベジータ達が、ここにやってくるというのだ…!
「そんなにスゲー奴なんか…兄ちゃんでも勝てねーか?」
「ば、バカをいうな!ベジータは次元が違うのだ!…その裏にいるフリーザさーーーフリーザも…そのベジータを何とも思わない怪物なのだぞ!?」
この数時間でラディッツは文字通り別人レベルで強くなった。
その彼が青ざめる程の強敵。
「そっか、なぁ兄ちゃん。オラこれから悟飯と一緒に修行をするんだ。一緒にやらねーか?」
弟から差し出される手。
強敵相手に震え上がる自分とは違い。
限界に向かって立ち向かう戦士の手だった。
「ふっ、俺よりよっぽどサイヤ人らしいなカカロットよ。」
「そうか?ピッコロも似た様なもんだぞ」
「…あのナメック星人のことか。」
「いィ!?あいつ宇宙人なんか!?」
「…そういうお前も宇宙人だぞ。」
そんな間の抜けたやり取り。
先ほどまであれほど絶望的だった気持ちは綺麗さっぱり消えていた。
カカロット、弟と一緒にやれればなんとかなる。
そんな不思議な気持ちになるラディッツだった。
サイヤ人襲来まで…あと320日。
戦闘力更新
ラディッツ
基本最大:9500
力の使い方を正しく教わり、
サイヤ人としての記憶に目覚めた事で
本当の意味で力を取り戻した。
下級戦士とは???
なんとか行ってやってくださいよ!
中級戦士のナッパさん!
これだけ魔改造してもベジータには及ばない。
次元が違うと感じるのはやはり万の壁を超えてはいないからか。
てか、全員でかかれば多分もうベジータ倒せると思う。
(大猿は考慮しないものとする)