ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

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 とりあえず筆が乗ったので本編でサラリと流したチチと悟飯の事情を軽く流しますので初投稿です。


其之五十九点五 教育ママリターンズ

 

 「ダメだ!なして悟飯ちゃんがそんなあぶねー事しなきゃなんねーだ!!」

 

 パオズ山にある孫一家の家にで鬼嫁の超教育ママの怒号が響き渡る。

 その気迫で周囲の小鳥達がバサバサと木から飛び立ち逃げるほど。

 

 悟飯を鍛える上で最大最強の関門である母親からの同意に悟空達は頭を悩ませていた。

 

 「お、俺達にはあの子の力が必要なんだ…頼む…!」

 「この地球で一番強ェ奴がなーに弱気なこと言ってるだ!」

 「お、俺が最強…な訳ないだろう…!」

 「騙されねーぞ、悟空さが言ってただ、自慢の兄ちゃんってな!」

 

 ラディッツはギロリと弟を睨む。

 

 ーーーか、カカロット…!貴様余計なことを〜…!

 ーーーす、すまねえ…兄ちゃん。

 

 そんな情けない戦闘民族兄弟に対して、馬鹿めと今度はピッコロが口を開いた。

 

 「チチ、アイツの未来を憂うのは結構だが、もし来るサイヤ人に地球を滅ぼされたらどうする。その為にも奴は戦力としてーーー」

 「その為にお前ェ達が居るでねーか!そんな弱気な事言う暇があったらさっさと修行なりなんなり行ってこい!!」

 

 一発KO。

 

 うぐ、とぐうの音を辛うじて出しながら大魔王の生まれ変わりは口を閉ざす。

 

 「悟飯ちゃんは立派な学者さんになるだ!武道を習う暇があったら数式を一つでも覚えるほうがあの子のダメだべ!」

 

 情けなく二の足を踏む男どもに最強の教育ママが立ちはだかる!

 確かにこの三人とあの世から戻るであろう小籠包…ソレに他のZ戦士達が力を合わせれば迫る脅威は脱するだろう。

 しかし、問題はその後なのである。

 

 サイヤ人たち以上の強敵がいるのであれば、悟飯という才能の塊を放置する選択肢は存在しないのである。

 

 「ち、チチ…!危ねーのはサイヤ人だけじゃねーんだ。フリーザっちゅーとんでもねー奴もいる!…オラ達だけじゃどうにもならねーかもしれねーんだ!」

 「悟空さ迄なに言ってるだ!あの子はまだ4歳だべ!?地球の命運だかなんだか知らねーけんど、そんな大事な事を息子に背負わす親がどこにいるだ!!」

 

 三人揃ってKO。再起不能ーリタイヤーである。

 チチの言うことはごもっともである。

 悟空がブルマと共に冒険に出たのも12歳のころ、

 4歳と言えばパオズ山にて養父と武術の稽古をしながら静かに過ごしていた時分である。

 

 しかし、悟飯はただの4歳児ではない。

 この地球上で類を見ない可能性を秘めているのだ。

 

 チチにとってはソレはソレ、コレはコレなのである。

 来る宇宙人襲来と、その背後に潜む恐ろしい存在、ソレを理解したからこそ、そんな危険なところに幼い我が子を放り出せる親がいるだろうか。

 

 チチの反応は母親として至極当然の反応なのである。

 

 さて、ここまで来て母親の隣でちょこんと座っていた当事者はおずおずと口を開いた。

 

 「お母さん、…僕…。」

 「大丈夫だ。おっ母がこの馬鹿タレ達から守ってやるべ。」

 

 よしよしと優しく抱き上げる母親に対して意を決したように続きを口にした。

 

 「僕…お父さん達と、戦いたいです!」

 「ご、悟飯、ちゃん…?」

 

 あれほど烈火のごとく怒り猛っていたチチの姿はどこへやら。

 文字通り目が点、あんぐりと開いた口。

 

 「お、おっ父に何か言われただな?無理なんかする必要ねえ。悟飯ちゃんは」「お母さん!」

 

 狼狽え始めるチチへ容赦のない追撃。

 腕の中で見上げる息子の顔はこれまで見たことの無い強い瞳をしていた。

 この瞳は知っている。

 自分の愛する男がしている強い男の瞳。

 忘れていた、この子は可愛い一人息子であると同時にあの孫悟空の息子だということを。

 

 チチは教育ママであると同時に子供ファーストであり、

 滅多にワガママを言わない息子がこのように真剣にお願いをしたら、これを無下にすることなどできなかった。

 

 彼をゆっくりと床に下ろして、目線を合わせる。

 今ばかりは可愛い可愛い悟飯ちゃんではなく、

 孫悟空の息子、養父の名を継ぐ二代目孫悟飯をまっすぐ見据えた。

 

 「悟空さ達について行くのはつらいだぞ。」

 「…わかってます!」

 

 元武道家としてチチは理解している。

 夫とその仲間達は既に埒外の領域に足を踏み入れていることを。

 だからこそ不安なのだ、彼らの輪に入って鍛錬をすることが如何に危険な行為であるかを知っているから。

 

 目の前で悟飯もその片鱗を見てきたはずである。

 チチは聞かずにはいられなかった。

 

 「聞かせてくれ、なしてそんな風に思っただ?」

 「お父さんと一緒に、お母さんを守りたいんです。」

 

 まっすぐ放たれた言葉。

 ソレは、悟飯を取り巻く環境の変化に起因する。

 父は最も強い男、チチはそうやって悟空を立てて彼を育ててきた。

 しかし、世の中には彼より強い男がいる。

 

 お父さんが、負けたら…誰がお母さんを守るのか?

 

 到底信じられないことだが、自分には秘めたる力があるという。

 いざという時に父が居なくなり、母親の陰に怯えるだけで終わるのは嫌だ。

 

 そして思ったのだ。

 

 ーーーお父さん達のように、強くなりたい。

 

 それ以上の言葉は必要なかった。

 こんな言葉を言わせてしまったことをチチは恥じる。

 たとえそうだったとしても、子供にそんな不安を覚えさせるような弱い母親像を抱かせてしまったことに。

 

 ため息を一つついて、彼女は観念した。

 

 「じゃあ、約束してけれ。晩御飯には必ず帰ってくるだ。いいな?」

 「はい!お母さん!」

 

 うん、と力強く頷いたその1秒後には、彼女の顔は超教育ママに戻っていた。

 

 「ただし!全部終わったら、ちゃんと勉強するだぞ!いいな!?」

 

 これにも悟飯は力強く頷く。

 言われずとも彼の将来の夢は「えらい学者さん」なのだ。

 障害さえなければ夢に向かって邁進するのみである。

 

 「チチ…。」

 「晩御飯には帰ってくるだぞ!修行は明るいウチだけだ!良いな!?」

 「ああ!」

 

 その目尻に滲んでいたのがなんであるかを問うのは野暮というやつだろう。

 悟空は妻の肩を力強く掴んで頷いた。

 子の成長は早いというが、いくらなんでも早すぎでは?などというのは言うだけ野暮である。

 

 





 ピッコロ「俺達は必要だったのか?」
 ラディッツ「言うな。」

 小籠包がいた場合、チチの背後でそうだそうだと言っていたに10000ペリカと花京院の魂を賭けるぜ
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