ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
みんな大好き彼の方の登場なので初投稿です。
其之六十七 迫る新たな脅威!
サイヤ人との死闘から一ヶ月ほどが経過した。
小籠包は結局丸一ヶ月間、眠り続けている。
気を扱うことに長けた種族の血を引いているが故に、過剰なスピリットの放出は彼女に大きなダメージを与えたのだ。
ピラフは、何故か彼女の回復を神龍には願わず、自然回復を待てと彼に命じたのだ。
ーーーすぐにでも目が覚めるだろう、ゆっくり待て。ついでにお前にも休暇を与えてやる。
逸るラディッツを宥める様に上司であるピラフはそう命じたのだ。
その真意はわからないが、ラディッツはピラフを信用するしかなかった。
しかし、待てども待てども小籠包が目を覚ますことはない。
穏やかな呼吸を繰り返している様子から、体はすっかり回復している様に見える。
ラディッツはつくづくこの星の科学力の低さを呪った。
フリーザ軍の末端の拠点にすら、メディカルマシーンは配置されているというのに…。
恨み言を言っても始まらない。
確か、メディカルマシーンの養液がどこかで取引されているはず。
ソレを何とかして手に入れればよい。
いますぐにでも探しに行きたい、しかし眠る彼女を置いていくことなど彼にはできない。
行動計画だけが積み上がっていく中、視界の中央で眠る彼女の体に変化が現れた。
「…ッ、こ、こ…?」
「!…小籠包!気がついたか!ここはピラフルーム居住区だ。」
「さいや、じん…は?」
「何とか倒したさ、お前のおかげでな。ソレより身体に異常はないか?飯でも食うか?いや、先ずは水かちょっと待ってーーー」
ーーー仙豆。
忙しなく看病にと動き始めたラディッツにただ一言要求を上げた。
半覚醒状態の無機質とも言える黄色の瞳がラディッツを見つめる。
その言葉でラディッツは大体の要求を理解した。
そして同時に、この星の科学力の低さに感謝した。
頷く訳にはいかない。
どうせ彼女のことだ、仙豆で回復した矢先にピラフルームに籠るつもりだろう。
そもそもヤードラット人は頑強な種族ではない、これ以上無理をさせれば本当に死んでしまうかもしれない。*1
「は、腹が減ったんだな?よし任せろ。病み上がりだからな、粥でも使ってやる。少し待ってーーー」
「仙豆。」*2
「す、すまん、生憎手持ちになくてな。あ、あの戦いでお前の衣服からも溢れて紛失したらしいんだ。」
「仙豆。」*3
「わ、わかった。後でカリンの所へ取りに行く。だが先ずはゆっくり休ーーー」
「やだ、仙豆。」*4
「い、いいか?お前は一ヶ月眠ってたんだ。そんなものをいきなり食べたらーーー」
「せ、ん、ず!!!」*5
ラディッツは頭を抱えた。
普段の彼女はどちらかと言うと落ち着いた女性である。
何なら必要以上に冷徹と感じることさえある。
だがこのようにときどき普段からは考えられない意固地を見せることがある。
大体それはリーダーであるピラフと対立する時なのだが…。
いつもそれに頭を抱えているピラフであったが、ラディッツは対岸の火事だった。またいつもの奴が始まった…くらいにしか思っていない。
が、実際に目の当たりにすると確かに普段とのギャップで頭がバグる、次からはもう少しピラフを労わってやろうと思ったラディッツはじーっとベッドの中から猛抗議の視線を投げ続ける小籠包に根負けして、彼はカリン塔へと登り、仙豆を分けて貰った。*6
「一ヶ月!?私、そんなに眠ってたの!?」
「そうだ、その間にカカロット達はナメック星へと発った。数日前にな、今はまだ宇宙船だろう。」
今この惑星にいるまともに戦える戦士は小籠包、ラディッツ、餃子、後は桃白白の4名である。
最高戦力の一人であるラディッツも当然声はかかった、しかしこの地球に戦士不在となるのは不味い、何より彼が眠る小籠包を置いて遠い異星の地に行くなどありえなかったのだ。
「小籠包、カカロット達の気は追えそうか?」
そう言ってラディッツはざっくりとナメック星への方角を指し示す。
彼の気の感知には引っかからない。しかし小籠包が彼らの気を辿れるなら瞬間移動でいつでも合流できるのでは、そう考えたのだ。
異形の双眸が閉じられ、暫しの時間が経つ。しかし、結果は芳しくなかった。
「…少し、遠い。これかな、と思える気はあるけど、地球に戻って来られなくなると思う。」
「そうか、あいつらの連絡を待つ他ないな。」
元々この地球を留守にする選択肢がありえない。
ドラゴンボールがこの星にあるとフリーザ軍に伝わった可能性のある中…彼らの一味が先駆けてこの星に来る可能性は十分にあるのだ。
仮にドラゴンボールが失われたとわかっても、この豊かな星を認知した彼らが大人しく帰ってくれるとは思えない。
「そんなことより、やるよラディッツ。」
いつの間にか戦闘衣に着替えていた小籠包が立ち上がる。
完全に意識を失い、気の完全放出により死にかけた事で霧散した気功法を改めて身に纏った彼女の気配が膨れ上がる。
何を言いたいのか察したラディッツは口角を吊り上げながらそれに続いた。
「いいだろう、カカロット達は100倍の重力でトレーニングをしてるようだ、俺達もソレに続こうではないか。」
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
残念ながら、ピラフルームに異空間発生装置はまだ実装されていない。
理論上では再現可能ではあるが、ソレを実現できるかは話が別なのだ。
これに彼は小籠包へ大いに謝ってはいるものの、このトレーニングルームはソレ以外の出来が完璧なのもあり特に小籠包は苦言を呈すことはなかった。
さて、閑話休題。
二人の超戦士が100倍の重力下で恐ろしい速度の進化を経ているなか、地球に迫る一つの宇宙船があった。
そのメインデッキにて浅黒い肌にこれまた黒の戦闘装備を来た大柄な男、ターレスが美しい青い惑星を見てほくそ笑む。
「カカロットの奴には感謝しないとな、こんな素晴らしい星を無傷で残してくれたんだ。」
悟空と瓜二つの顔の男は、彼が絶対に浮かばないであろう凶悪な笑みを浮かべ手に持つ果実の種を握りしめる。
「この星なら大量の実を作り出せる。そうすれば…フリーザなど…!」
その手に握られているのは、神精樹の種。
それもただの種ではない、あのベジータが纏っていたドス黒い凶悪化のオーラを纏った物だ。
「ターレス様、本当にあいつらを信用していいんでっせい?」
彼をも上回る巨漢、赤い肌をした男、アモンドがその種を握るリーダーを見る。
いうまでもなく、この種は暗黒魔界の悪しき科学者、トワ謹製の物だ。
本来の種と同じだけの養分しか求ないにも関わらず、その効能はオリジナル以上の効果を持っている。
「信用?馬鹿をいえ、俺は奴らを利用してるにすぎん。この俺様が全宇宙を掌握するには…俺たちの持っている神精樹の実だけでは足りんのだ。」
ターレスは知っている。フリーザと、自分の力の差を。
そして…彼が変身型の宇宙人であろうと予想をしているのだ。
その裏付けは…彼の兄であるクウラだ。
コルド大王とフリーザの容姿はよく似ている。
多少体格に違いがあるが、それは個体差であると言っても良いだろう。
しかし、クウラは違う。
同種族というには少々その背格好が異なり過ぎている。
まるでフリーザの先があると指し示しているかのよう。
クウラはフリーザ以上の力を持っているという噂はフリーザ軍にいるものなら誰でも知っていることだ。*7
ならば、フリーザの使いこなせない変身を兄であるクウラは弟の使いこなすことのできない力を日常的に維持できている。
ターレスはこう仮説を立てたのだ。
「ふざけた野郎だぜ。あれほどのパワーを持っていながら更に上があるんだからな。」
今やターレスの戦闘力は10万を超え、ギニューをも超えた極戦士だ。
しかしこれでもフリーザの戦闘力…53万には遠く及ば無い。
加えてフロスト一族は変身が出来ることを想定すれば…その戦闘力は想像することもできない。
自分一人が実を食べ続ければいつかは届くかもしれないが、彼には自分を慕いついてきてくれる部下たちにも実をわけてやらねばならない。
これは単に情愛というものではなく、彼らが強くなることで結果的にターレスにも利があるというだけの話。
「…ターレス様がそういうなら文句はないんでっせい。」
結果、回り回って、部下たちもターレスを尊敬しついてきてくれてる。
利害の一致から始まっている彼らの関係だが、そのつながりは利害を超えたものである。
人はこれを「絆」というのだが、彼らが聞けば吐き捨てるような単語なのだがそれは別の話。
「さて、そろそろ地球か。おいダイーズ。この星の最高戦闘力はどれくらいだ?」
「…今調べてるとこっすよ。大きな戦闘力が2つ…あとは雑魚しかいませんぜ。」
二つ。その言葉にターレスだけが眉を潜めた。
「一人はカカロットか…もう一人は何者だ。」
「一人はサイヤ人なので間違いないです…もう一人は…ヤードラット人?」
ダイーズの言葉にデッキの面々がざわつき始める。
ヤードラット人は確かに不思議な術を使う。
決して戦闘タイプの宇宙人ではない。
彼が「大きな戦闘力」と評する力は持ち得ないはずなのだ。
「…面白い、それで?そいつらの戦闘力は?」
ただの植木鉢にしか見ていなかったが、これはとんだ催し物だとほくそ笑む。
数千程度ならば甚振るのにちょうどいい。
無いとは思うが、数万程度なら良い運動になる。
スカウターを操作するダイーズの声が驚愕に震えるまで呑気にそんな事を考えていた。
「サイヤ人の方が…じゅ、10万!?」
「なんだと?」
デッキの中がざわつく。
サイヤ人は超エリートと呼ばれた王子ですら2万前後なのだ。
それを飛ばし子の最下級戦士風情が10万?
何かの間違いだ!そんな声が飛び交う中、ダイーズがスカウターをボスであるターレスへと向けた。
「…た、ターレス様の数値は…19万…す、スカウターの故障では、ない。」
「まあいい、ヤードラット人はどうだ。」
どうでもいい、確かに驚異的な数値だが、19万の自分には勝てない相手ではない。いざとなればストックしている実を頂きパワーを上げればいい。
スカウターの焦点を操作して計測をするダイーズの報告にターレスは今度こそ度肝を抜かれた。
「じゅ、14万…!?」
「バカな、たかがヤードラット人風情が特戦隊の隊長以上だと?」
あり得ない。戦闘民族サイヤ人ですら万の壁を超える存在はごく一握りの超天才なのだ。
それを戦闘タイプでもない宇宙人が更にその先の領域に踏み込んでいる。
これは度し難い…いや、許し難い事実である。
己に比肩するものが最下級の戦士とはいえサイヤ人であるのなら未だ許容しよう。
宇宙に名を轟かす最凶の一族の末裔であるのなら認めよう。
それを、それをたかがスピリットの制御術などというくだらない技能に長けただけの種族に…ましてやサイヤ人がそれに劣っているなどと、あってはならない。
一体どんな顔をしているのか、そのツラに一発拳を叩きつけてやらねば気が済まない。
その上で泣いて許しを乞うまで痛めつけて征服してやる。
「た、ターレス様…?」
「地球へいくぞ、ただし、念の為パワーを抑えておけ?ヤードラット人は相手の力を探知する能力がある。こいつが根を張るまで邪魔をされては面倒だからな。」
先の怒りで何とか握りつぶさずにすんだ大きな果実の種。
その効果はオリジナル以上のモノだというのなら、あの豊潤な大地で大量に生み出した実を自分たちが喰らえば…今度こそ全宇宙を跪かせることができる。
その確信がターレスにあった。
「レズンとラカセイはこいつを植えてこい。他の奴らは俺に続け、カカロットとヤードラット人を始末する。」
自分以外にどうこうできる相手では無いが、ヤードラット人を始末するまでの時間くらいは稼げるだろう。
それに、サイヤ人の本分を忘れて呑気に暮らす様な奴が敵を殺せるわけがない。貴重な駒をむざむざ殺されることもないだろう。
溢れ出る戦意を抑えきれずに、指先がぱきり、と鳴る。
楽しみだ、久しぶりに本気のパワーで叩き潰すことができる。
くくくっと笑うなか、彼らの宇宙船は静かに地球へと迫るのだった。
戦闘力更新
小籠包
基本最大:28000
気功法:140000
気功法+界王拳:210000
3倍!:520000
もうすでにフリーザ第1形態に届きそうで草生える。
とはいえ、安定して出せるのは14万。
界王拳との併用はやはりリスクが高いのは相変わらず。
ラディッツ
基本最大:100000
サイヤ人のレベルを完全に超越。
100倍重力の修行は弟同様にやはり効果的だった。
女の趣味最悪なのは間違いなくサイヤ人の血筋のせい。
気が強いうえに戦闘力まで高い女とかサイヤ人好みだよね。
ターレス
基本最大:190000
言わずと知れたmad素材の人。
色々解釈あると思いますが、筆者の解釈は本文の通りです。
異論は認めます。
彼をどうするかは…見ててくださいませ。
以下、クラッシャー軍団、口調はよくわからんので雰囲気で書いてます。
アモンド
基本最大:9000
ダイーズ
基本最大:14000
カカオ
基本最大:8400
レズン/ラカセイ
基本最大:8000