ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

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 オリ主の活躍ですので初投稿です。


其之七十 燃え上がれ!界王拳3倍!

 

 遡ること数十分前。

 

 恐ろしいパワーを放出する小籠包と、それを難なく受け止めるターレスの姿がそこにはあった。

 

 「はァ…!はァ…!」

 「どうした、その程度か女。」

 「黙れ…!」

 

 オーラを噴き出して敵へと迫る。

 彼女得意の死角を奪い、意識の外から敵を打つ殺しの拳。

 その悉くをターレスは見もしないまま最小の動作で回避していくのだ。

 100のパワーで攻撃を払う小籠包と1の力でこれを捌くターレス。

 この勝負がどうなるかなど語るまでもない。

 

 「素晴らしいパワーだ。フリーザの野郎に迫る強さかもしれんな?」

 

 フリーザが自称する53万の戦闘力は軍に所属していたものならかなり有名な話である。

 もっとも、これがフルパワーではないことをターレスは察しているのだが。

 さて、突き出された拳を首を傾げてかわし、上がる膝を掌で受け、膝を引きながらに飛び出すエルボーを半身を晒してかわして勢い余り、傍らを過ぎる彼女の胸ぐらを掴んで持ち上げる。

 

 「どうだ、理解したか。俺とお前とでは天と地ほどの差があるのだ。」

 「良く回る口…ね!!」

 

 頭を振りかぶり容赦なく互いの額をぶつけ合う。

 しかし悲しいかな、それは彼女の額に体液を滴らせるだけに終わる。

 およそ女とは思えない戦いぶり、さながら異性の同胞を相手にしている様な錯覚にターレスは囚われる。

 

 だからこそ惜しい、この女はこんなチンケな辺境の星で一生を終わらせるような小さな存在ではない。

 

 「おいおい、この俺のどこが気に入らないんだ?」

 「全部ね!その顔!振る舞い!そして何より…私の故郷に訳の分からない樹を植えたクソ野郎ってところが特にね!!」

 

 互いに言葉を交わしながら器用にも攻撃を放ち、それを捌き合う。

 舌でも噛むのではないかという激しい戦闘ながらの罵り合い。

 

 「ククク、益々気に入ったぞ、絶対にお前を俺のモノにしてやる。」

 「ほんっとーに口が減らない…!どどん波!!」

 

 先ほどから一切の反撃をしないターレスの鼻先目掛けて指先を突き立てる。集約して気が眩い光となって打ち出される。

 完全なるゼロ距離からのどどん波。

 衝撃によって僅かに後方に下がるも、その爆煙の向こうにターレスはいない。

 

 「顔ヘの攻撃は避けてくれないか?このスカウターは特注品なんだ。」

 

 後頭部を鷲掴みにされて極速度で地面へと急降下。

 彼女の顔面をそのまま叩きつける。

 柔らかな頭髪の中から指先を引き抜いてうつ伏せに沈む彼女を見下ろす。

 

 「さて、お喋りもそろそろ飽きてきた。」

 「が…!?」

 

 容赦なくその後頭部を踏みつけ、彼女を中心に大きな窪みが発生する。

 多少再起不能になったとしてもそれは地球の科学レベルでの話だ。

 メディカルマシーンは大体の傷は治せてしまう。

 故にターレスの蹂躙は全く容赦がない。

 

 片脚を捕まえて逆さ吊りにした彼女の顔面をボールのように蹴飛ばす。

 そのまま空中に浮き上がったその腹目掛けてフルパワーの正拳がめり込む。

 

 「ォ…ご…!?」

 

 華奢な体躯はその一瞬だけ、くの字に折れ曲がりコンマ数秒停止し、弾丸のように弾け飛ぶ。

 びっ!とターレスの身体が消えて吹き飛ばされる彼女の軌道の先へと先回りし、顎先目掛けてアッパーカット。

 上空目掛けて打ち上げられる彼女の脳天目掛けて鉄槌の如き両腕が叩き落とされる。

 地面に叩きつけられた彼女へダメ押しの気功波を何発も叩き込む。

 

 当然、彼は殺さぬように加減をしている。

 今の彼ならばやろうと思えば、この攻撃で彼女を殺すこともできた。

 これは戦いではなく、蹂躙。

 小籠包を殺すことが彼の勝利ではなく、彼女の屈服が彼の勝利である。

 

 悠々と彼は地面に倒れ伏す小籠包の前に着地する。

 倒れ伏した彼女の柔らかな髪を引っ掴み、その体を乱暴に持ち上げる。

 完全な負け戦、だというのに、髪を掴まれて持ち上げられた小籠包の瞳には未だ闘志の炎が燃えているのがわかる。

 

 ーーーおいおい、いい加減にしないと、本当に壊してしまうぜ?

 

 孫悟空の瓜二つの顔でその長い舌先が唇を濡らす。

 ここまできてなお、ターレスは小籠包を敵ではなく愛玩対象としてしか見ていない。

 それが、彼女には我慢ならなかった。

 

 「…殺す…!」

 「それが無理なことはお前が一番よくわかってるんじゃないか?」

 

 今にも噛み付く手前といった様相の彼女に対して尚も彼は煽り続ける。

 次はどんな抵抗を見せてくれる?

 これは油断ではなく、余裕だ。

 戦闘民族にとって必要なモノ。

 この戦闘中の余裕、慢心が彼にとって娯楽なのである。

 命の危機に瀕してなお気を抜く。この狂った思想がターレスを構成しているのだ。

 

 「さぁ見せてみろ…!その顔、隠し玉があるのだろう?お前の全てを曝け出してやろう。その上で、お前を叩きのめしてやる。」

 「後悔…なさい…!」

 

 ボロボロの身体で彼女は大きく深呼吸で胸を膨らませた。

 一度大きく弛緩して異形の瞳にギラリと殺意を宿し彼女のパワーが急激に膨れ上がった!

 

 ーーー界王拳!

 

 瞬間、ターレスの視界はぐるり、と反転した。

 何が起きたのか理解できない。その直後に走る顎先からの激痛。

 攻撃を受けたのだ。あの状況から…!

 

 ーーー面白い…!

 

 こうでなくては面白くない!ハントと言うのは獲物の活きが良いほど、それを制した喜びは望外である。

 飛びかけた意識を無理矢理繋ぎ止めてターレスは分厚い腹筋に力をこめて、仰け反った姿勢を立て直す。

 

 既に小籠包の姿は視界から消えていた。

 空気が激しく揺らぐのを感じる。この瞬間にも彼女は超高速で動き回っていることがわかる。

 そのスピードは先ほどとは比較にならないレベルだ。

 今のターレスですらその動きは目で追うのがやっと。

 

 しかし目でおえずとも気配を掴むことさえできればいい。

 加えてターレスにはこれまで培った戦士としての勘がある。

 それらを頼りに迫る拳、脚をなんとか防ぐことができた。

 

 風切り音と空気の流れを掴み取り、背後から首を狙う鎌のような回し蹴りを片腕で受け止める。

 

 「舐めるな…!?」

 

 受けた腕への衝撃を頼りに拳を突き出すも、柔らかな女の肉を砕く感触はない。

 虚しく空を切る腕目掛けてギロチンのごとく振り落とされる踵落とし。

 咄嗟に腕に気を入れることでこれをなんとか耐え忍ぶ。

 今度こそその片足を掴んでやろうと指先を伸ばそうと遅い。

 

 「がは…!?」

 

 背中に走る強烈な痛み。

 背後から強烈なドロップキックを浴びせられて、肺から空気を搾り出される。生物の本能、堪らず彼は息を入れさせられる。

 その行為が超速度の戦いにおいて如何に愚かと理解してても、呼吸を必要とする以上、この行為は必然である。

 

 「ぐ、が!?」

 

 そのほんのわずかな間隙を突かれて、遂にターレスはノーガードで攻撃を受けることになる。

 ターレスの頬を抉る不可視の拳。

 悲鳴をあげながら威力を受けきることができず、彼の体は錐揉みに回転し砂煙をあげながら地面へと転がった。

 瞬間、倒れ伏した彼の太い片脚を引っ掴む細い指先。

 

 「!!」

 

 小籠包の裂帛の呼吸と共にその体が高々と投げ飛ばされる。

 顔への一撃から意識をようやく取り戻して、舞空術にて、キキッとブレーキをかけるように静止。

 

 その視界の中央には両手を胸の前で構える彼女の姿。

 同時にその手に詰め込まれた恐ろしいエネルギーに目を見開く。

 

 「気功砲!!」

 

 この地球上において最強流派の一つ。その禁じ手。

 今の彼女が本気を出せば地球一つ簡単に吹き飛ばせる程の極エネルギー。

 

 回避は間に合わない、直感的にそう感じとったターレスは全身に力を入れて防御の姿勢を取る。

 

 「ぐ、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 全身の筋肉という筋肉を隆起させながら襲いくる極大の衝撃、熱とぶつかり合う。

 永遠にも続く数秒間、ターレスはこの絶技を見事に防ぎ切った。

 浅黒い肌からは皮膚の焼け焦げた煙が立ち昇る。

 鼻にツンとつく自らの焼臭を振り払うように顔面を防御していた腕を振り払う。

 想像以上だ、しかしこのまま様子を見続けるわけにもいかない。

 もう相手は愛玩動物ではなく、飢えた獣と同じなのだ。

 

 「ッ……!奴は、どこだ!」

 

 その視界の先に赤肌の女はいない。慌ててこめかみに指先を叩きつける…が、スカウターの索敵が効かない。

 この極大エネルギーが周囲に撒き散らされ、高濃度のエネルギーの余波が残った影響で彼女の戦闘力を探知できないのだ。

 

 舌打ちと同時に立ち昇る濃密な殺意。

 なんとか身体を180度回転させるも、その額にトン、ととても戦士のソレとは思えない柔らかな指先が触れる。

 

 「…ッ、しまーーー」

 「どどん波。」

 

 彼の額目掛けてゼロ距離で叩きつけられる圧縮された彼女の奥義。

 それを無防備に真正面から受け止めるターレス。

 強烈な爆煙をあげながらゼロ距離どどん波の衝撃に放った本人すらその爆心地から吹き飛ばされ、空中にて静止する。

 

 「はぁ…!…はぁ…!ぅ…ぐ…!」

 

 小籠包の全身に纏った焔が急速に霧散していく。

 界王に決して使ってはならないとされた気功法と界王拳の合わせ技。

 あの天下一武道会の日の様に、完全な戦闘不能とまではいかないが、その反動は凄まじい。

 彼女の全身から力が抜けていく。

 気功法を、維持できない。

 

 ーーーぎり…!

 

 奥歯を噛みスタミナを総動員してなんとか全身に圧縮した気が緩むのを押さえ込む。

 随分とパワーを落としてしまった。

 しかし…今の攻撃には手応えがあった…無傷ではすまないはず…!

 

 「く…くくく、素晴らしいな、お前は…!久しぶりだぜ、この俺が血を流すなど…!」

 

 しかしそんな彼女の想いはあっさりと踏み躙られた。

 フリーザ軍支給のボディアーマーはひび割れ、肩を覆うアーマーは完全に破壊しその肩が露出している。

 ダメージはあった、しかしそれだけだ。

 

 「…化け物ね…!」

 「神精樹を食べ続ければお前もこうなる。こうまでされては…俺も黙ってる訳にはいかんな?」

 

 びっ!

 

 今度はターレスの姿が彼女の視界から消える。

 しかしそれは視界上の話。

 コンマ数秒の間に目の前に現れたことをスピリットの探知によって把握する彼女は殆ど直感的に彼の拳を受け止める。

 

 ーーーば、き…!

 「!?」

 

 防御はした、見えはしなかったが防ぎ切った。

 しかし…ターレスの恐ろしい攻撃力は彼女の防御を貫通した!

 その勢いをなんとか推進力へと変えて彼女は吹き飛ばされることで少しでも衝撃を緩和する。

 

 「ッ………!」

 

 瓦礫の中に埋もれながら小さく舌打ちをする。

 利き腕を潰された。コレでは本来の力はもう出せない。

 その胸ぐらを掴み、まるでメンコの様に彼女の身体を地面に叩きつける。

 

 爆風とともに地面が大きく窪む。

 仰向けに倒れた彼女のもう片方の腕目掛けて彼の片脚が沈み込む。

 

 ーーーめ、き…!

 「ぐ…ぁぁぁぁ!?」

 

 両腕を潰された、再起不能ではない。

 治療をすればまだ立ち直れる。しかし戦闘続行は不可能なレベルだ。

 そんな彼女の胸ぐらを持ち上げてサイヤ人は残忍な笑みを浮かべた。

 

 「跪いて命乞いをしろ。このターレスにつき従うのだ。」

 「ふざ、けん…な!!」

 

 彼の手から彼女の身体が唐突に消える。

 直後後頭部に迫る片脚をノールックで掴み取り、まるで彼女を鞭のようにしならせて地面へと叩きつけた!

 

 「が…は…!?」

 「瞬間移動か、本当に素晴らしい。どうだ、取引といこう。お前次第で…この地球を救ってやらんでも無いぞ?」

 「…はっ、サイヤ人のいう事を素直に聞くと思う?」

 「案外本当かもしれんぞ?嘘かもしれんがな。」

 

 彼は片足を振り上げ、容赦なく小籠包の顔面を踏みつけた。

 

 「ぐ、あ…!」

 「しばらくは動けまい、よぉく考えろ、俺がラディッツ殺すまでの間な…!」

 「ま…ま、て…!」

 

 ダメージで小籠包はもう立ち上がれない。

 それを知ったうえで彼は無防備に彼女に背中を晒して、高笑いしながら激闘の音が止みつつある部下の元へとターレスは歩みを進めた。





 ウチのオリ主まともな勝ち星なくない?

 戦闘力更新
 小籠包
 基本最大:2万8000
 ダメージ:1万6000
 ダメージ+気功法(20万):32万
 界王拳3倍上乗せ:96万
 反動による弱体化(気功法2倍相当):1万6000
 両腕負傷:1万

 ただでさえ無理な気功法の20倍に加えて、界王拳の上乗せ。
 多分界王様と天さんは超あたふたしてたはず。
 なお、ピッコロは後方腕組み。
 だがスタミナ不足はオリ主永遠の命題。
 もう少し戦闘続行ができたらターレスを倒せたかも知れない。
 悲鳴/戦い方、どう見ても野蛮人です。
 本当にありがとうございます。
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