ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
お待たせしました。ナメック星編の大筋ができたので初投稿です。
「な、なぁ…お前らでもフリーザには勝てないのか?」
作戦会議の中…クリリンは小籠包達に問いかけた。
彼からすれば確かに恐ろしいパワーを感じるが、悟空に小籠包、ラディッツ、おまけにターレスまでいる。
全員で掛かればなんとかなるのではないか?と考えている。
「奴の実力はアレが全てではないだろう。変身するタイプの宇宙人の可能性がある。」
「ま、マジかよ…。」
ターレスの言葉にクリリンの顔色が絶望に染まる。
既に感じる恐ろしい気は、今の段階ですらクリリンにはワンチャンスもない様な怪物。
そんな連中からドラゴンボールを奪わなければならないのだ。
「フリーザが不在の間に、宇宙船から奪う他ないな。」
「そんな迂闊な事をするかしら、宇宙の帝王って呼ばれるくらいの奴なんでしょ?」
「どうだろうな、フリーザは短気なのさ、そろそろ自分で動き始める頃合いだろうぜ。」
そんな曖昧な作戦を立案してから翌日のこと…ターレスの予想は見事に的中した。
遠くの地からフリーザと思しき巨大な気配が移動を開始したのだ。
これは最初で最後のチャンスだ…!
一行はフリーザの宇宙船へ仕掛ける準備をしている中…悟飯は気がついた。
「…さ、最長老様の家に向かっている…!」
「おいぼれのナメック星人か…放っておけ、いい時間稼ぎになる。」
好都合だと、ターレスは残忍な笑みを浮かべた。
彼にとってナメック人が幾ら死のうと関係ないのだ。*1
「だ、ダメです!助けに行かないと!」
「やめておけ、お前ではフリーザを止められん。むざむざ殺されに行くのか?」
「だ、だとしても!僕は行きます!」
少し見ない間に逞しく成長した甥っ子*2の立派な姿勢にうんうんと頷いていたのは小籠包…当然彼女はドラゴンボール奪取の要であるため加勢はできない。
「…ならオラが行く、悟飯を1人で行かせられねえ。」
「バカめ…勝手にしろ、俺は行かんぞ。」
サイヤ人らしからぬ甘い考え方に心底うんざりした様子でターレスは唾を吐いた。
可愛い甥っ子*3に加勢したい小籠包叔母さんだったが流石に自重した。
何はともあれ、ドラゴンボールの強奪の算段は立った。
宇宙船への強襲メンバーは、以下の通り
小籠包、ターレス、クリリン、ヤムチャ、そしてベジータ。
恐らくここにはギニュー特戦隊がいるはずだとはターレスの言。
ならばここにはソレなりの人数が必要だろう。
セーフハウスにてドラゴンボールの護衛兼、小籠包の瞬間移動の為の待機がラディッツ。
本当はベジータを残す予定だったが、彼の強い希望にてラディッツと交代することとなった。
最後に、最長老の下へ助太刀に行くのが孫親子。
ドラゴンボールを奪ったら直ぐにでも迎えにいくと小籠包から約束され、2人は一直線に最長老の方向へと飛び去る。
「小籠包、気をつけてな。」
「ラディッツこそ、油断しないでよ。」
「ああ、任せておけ。」
ごつん、と互いの拳をぶつけ合って見送り一行は彼女の瞬間移動にてフリーザの宇宙船へと移動した。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ヤードラット星を侵略中のギニュー達にフリーザから至急ナメック星へ来る様にと緊急招集がかかった。
どんな任務よりもフリーザの命令第一の忠臣ギニューは即座に侵略を中断し、一瞬でヤードラット星から立ち去ったのである。
これにはヤードラット人の皆様もポカンである。
さて、フリーザの下に集まった五人に下された指令はドラゴンボールと呼ばれる大きな球を見張っているようにというモノだった。
「なぁんだよ、俺たちが必要だっていうからどんな命令かとワクワクしてたのによ〜」
「リクームの言う通りだぜ、こんなことならもう少しあっちで暴れてても良かったんじゃないですか?ギニュー隊長?」
そんな緩んだ空気にギニューはわなわなと震えながら2人目掛けて怒号と唾を撒き散らした。
「貴様らァ!これはただの任務ではないのだぞ!フリーザ様の尊き願い!希望!ソレをお守りする最重要任務だ!!ソレを言うにことかいて、ただただ待っているだけのつまらんお遊び同然の仕事だとぉ!?リクーム!ジース!そこに直れェ!」
「ぇ、いや…俺たちそこまで言ってーーー」
「問答無用!!成敗!!!!」
2人の同僚が隊長にしばき倒されるのを尻目にバータとグルドは不思議そうにドラゴンボールを見つめていた。
「おい、グルド、お前なら何を願うよ」
ボールの周りをクルクルと回りながらどの方向から見ても星のマークが正面から見ることができる摩訶不思議な物体を眺めながら、バータはつぶやくように問いかけた。
「口臭かなぁ…、この間付き合って彼女にキスが臭い、無理って振られちゃったんだよな。」
「はァ!?お前彼女いたのかよ!?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
突然ダブルビッグニュース。同僚がいつの間にか女を作り、いつの間にか振られていた。そんな愉快な話を逃したことに地団駄を踏む
「聞いてねーよ!じゃあ今度彼女できた祝いと振られた慰め会同時にやるしかねえな!!」
「そういうバータは何を願うんだよ。」
「俺か…まあ、可愛い彼女、かな。」
頬をぽりぽりとかきながらへへっと照れくさそうに笑う。
まるで思春期の中学生男子の会話である。
「だったら今度知り合いのヒューマン系の子を紹介してやるよ。その子、高身長で足の速い人*4が好き♡って言ってたぜ。」
「マジかよ!じゃあドラゴンボールはいらねーな!!」
「おいおい、ただで紹介してやるわけねーだろ?」
「うぐ…仕方ねぇ…今度惑星スイッツでスペシャルダブルサンデーパフェを奢ってやるよ!」
「それに生クリームといちごのトッピングマシマシだからな!」
うぐぐぐ!乗った!!
ピピピピ!!
「「「「「!?」」」」」
そんな緩み切った特戦隊の空気はスカウターの警告音により一気に引き締まる。
これは…「強者である自分たちでも楽しめそうなパワーを持つ強敵が近くに現れたこと」を意味する。
「このフリーザ軍の宇宙船にわざわざ近づく命知らずがいるとはな!!お前達ぃ!行くぞぉ!ギニュー特戦隊!出動だぁ!!」
「「「「おー!!!!」」」」
仲良し5人組はあっという間にみんな揃ってギニュー特戦隊へと早変わりしたのだ!
まるで戦隊モノの様に全員真横に一直線に並んで船の中を走る。
廊下は横に並んで走るな邪魔やろ!!
と、通りすがりのフリーザ軍兵士達に苦い顔をされたが、強さ=発言権のフリーザ軍において彼らに意見できる奴らはフリーザぐらいである。
さて、宇宙船の入口にて現れたのは2人のサイヤ人と2人の地球人、そしてヤードラット人というおかしな五人組であった。*5
「べ、ベジータ…!ターレス…!!貴様ラァ……!フリーザ様を裏切ったのか!」
「これは光栄だ、なぁ王子様。天下の特戦隊の隊長サマが最下級の戦士の顔と名前をご存知のようだぜ?」
「ふん、ソレがどうした、これから捻り潰す相手に名前を覚えられても仕方なかろう。」
ベジータの発言に特戦隊の面々が盛大に噴き出した。
「おいおい!ベジータちゃんよぉ!誰が誰を潰すだってぇ?」
「たかだか戦闘力2万程度の雑魚が良く吠えるじゃねぇの!」
ゲラゲラと下品に笑うギニュー以外の面子。
ソレを小籠包は実に白けた様子で見つめていた。
どう見ても彼らはベジータ未満だ。なんだったらクリリンやヤムチャにだって及ばない。
「ねえターレス、アイツら本当にフリーザ軍のエリートなの?」
「そう言うな、スカウター無しに相手の強さを測れるお前たちはかなり希少なんだぞ?」
「ふぅん。」
そんなすかした女の様子に、ジースのこめかみに大きな大きな青スジが浮かび上がる。
「テメェ、この俺たちをバカにしてやがるな…?」
彼はスカウターの焦点を小籠包に合わせた。
どんな生意気な戦闘力をしてるのかとスカウター見つめているその顔色がますます赤く染まっていく。
「戦闘力100ゥ!?口だけの雑魚じゃねえか!」
「おいおい、かわい子ちゃんはウチに帰って紅茶でも飲んで、ショートケーキでもキメてろよ?ここは戦場だぜ?」
何を言われているのかさっぱりわからず、小動物の様に小首を傾げる小籠包。
普段から気を解放しっぱなしだったこともあり、久方振りに気を消していることを忘れているのだ。
彼女の実力の最新値を知っているターレスが静かに付け加えた。
「言っただろう、相手の気が読めん。スカウターの数値が全てなのさ。」
「帰ってもいい?」
「ばかか、お前がいなきゃ始まらんだろうが。」
その異形の瞳が更にハイライトを無くし、可哀想な奴を見る目で特戦隊の面々を見つめる。
「なんなら俺が遊んでやろうか?お嬢ちゃん?」
その視線の意味を理解せず、なんならジースは挑発までする始末。
さて、仲間を侮辱されて黙っていられない男がいた。
「おい、そこのお前。構えろ、この俺が相手をしてやろう。」
ヤムチャである。さて、同じくスカウターのフォーカスを当ててまたもジース達は失笑を隠せない。
「おいおい、雑魚には雑魚が寄りつくのか?戦闘力100も無いとはな、あの女以下かよ。」
しまいには腹を抱えて爆笑をし始める特戦隊の面々にクリリンも前に出る。
「ヤムチャさん、修行の成果、見せてやりましょう。」
「嗚呼、そうだなクリリン!」
「おいおい、まさか俺たちとやり合うつもりか?」
やめておけやめておけと半笑いでいる彼らに対し、2人は無言で
ピピピピ!!!
けたたましい音がスカウターから鳴り響く。
彼らの視界の半分を覆う小型ディスプレイの数値が急上昇を始めたのだ。
「な…戦闘力…1万…2万…まだ上がりやがる…!?」
「少しは見直してくれたか?赤ら顔くん?」
「へ…良いだろう!この赤いマグマ…ジース様が直々に相手をしてやるぜ。」
2人の前にジースが構える、2人まとめてかかってこいとでも言いたげだ。
「馬鹿もの!2人で相手をしないか!!バータ、お前はもう片方と戦ってやれ。」
「俺っすか?……お言葉っすけど隊長、たかが
「100未満から2万にまで一気に上がった数値が全力だと本気で思っているのか?奴らは戦闘力をコントロールできる。我々の油断を誘う作戦と考えるのが妥当だ。…違うかな?名も知らない戦士たちよ。」
そう言ってギニューは2人に目を向ける。
5人の中で彼だけは小籠包やヤムチャの数値を笑わなかった。
彼は知っていたのだ、極々稀に、戦闘力をコントロールする特異な戦士がいることを。
ーーーちッ…隊長と言うだけあって中々に鋭いじゃないか…。
ジースと名乗った長髪の男が1人で来るのなら好都合だった。
しかし、彼らの長はかなり冷静な人物な様子。
「部下が無礼なことをした。謝ろう。…俺の名はギニュー。名前を教えてはくれないか。」
「ヤムチャだ。」
「クリリン。」
部下と打って変わり、彼は潔く頭を下げた。
そのあまりに真摯な態度に2人は目を丸くする。
「そうか、ヤムチャにクリリンとやら…我らフリーザ軍に来る気はないか?」
「「断る。」」
即答、彼らにとって宇宙を荒らして回る悪党に加担するなど天地がひっくり返ってとありえない。
敬愛すべきボスに倣って勧誘を試みたが、うまくいかないものだとギニュー不敵に笑う。
「そうか、残念だ。ジース、お前はあのチビを、バータ、お前はあの男の相手をしろ。」
「了解、ったく、隊長も心配性だなぁ。」
ため息をつきながら頭をぼりぼり掻いてジースの隣に並び立つ。
隊長に言われてなお、バータはやる気を感じられない。
ソレほどまでにスカウターの数値は彼らにとって絶対なのだ。
ーーーわざわざ相手を変えてきた…つまり、奴は俺にとっての強敵、と言うわけか。
気だるそうに構えるバータに対し油断なくヤムチャはこれを見上げた。
「じゃあ、俺の遊び相手は隊長殿がしてくれるのかな?」
このメンツでは圧倒的な強者を誇るターレス。彼は敢えて…フリーザ軍に登録した最終戦闘力を維持したまま、ギニューに立ち塞がった。
「裏切り者め…いいだろう、このギニュー特戦隊の隊長であるこの俺自らが、お前を処刑してやる。リクーム、お前はベジータをやれ。グルド、お前はあの女の足止めをしろ。」
「任せてくれ隊長!」
「はいよ〜ベジータちゃ〜ん、さっきみたいな大口叩けなくしてやるぜ〜」
ぐるん、と大きな二の腕を肩の上で回しながらリクームは最高の玩具を得たと怒り立つ。
「ふん、今までの俺だと思わんことだな。」
片腕を顔の前で構えながらパワーアップの試験運用にはうってつけだとベジータはほくそ笑む。なんなら、わざと死にかけこいつを踏み台に更なるパワーアップを遂げることまで目論む。
こいつらが自分を治療するかは五分だが、復活パワーアップの秘密を知ったからには治療せざるを得ない。
少なくとも、小籠包なら少しでも戦力拡充の為に自分を治療するはず…!
彼はそれを見込んだ上で、サイヤ人の王家の秘密を漏らしたのだ。
ーーーいつまでも下級戦士やヤードラット人などに遅れを取っていられるか…!今に見てやがれ…!
ここに、ギニュー特戦隊 vs 地球人(とサイヤ人)の戦いが幕を開けようとしていた。
これの投稿が遅れたのは、ナメック星編は適当にやると後が詰みそうだったので、柄にもなくプロット(もどき)を用意してました。
なお、特戦隊の戦闘力はほぼ原作準拠とします。
ギニュー 12万
リクーム 5万8千
バータ 5万1千
ジース 5万3千
グルド 1万
ヤムチャは強気に出ていますが、割とやばかったと気づいた作者であった。