ドラゴンボールAT   作:澄ましたガール大好きおじさん

83 / 120

 77のゾロ目ということで、だいぶはっちゃけました(後付け)。ノリと勢い許して欲しいので初投稿です。


其之七十七 超異能バトル!?小籠包の新たな境地!

 

 「………。」

 「………。」

 

 各地で激しい激戦が繰り広げられる中、2人の異形が互いに見つめあう。

 互いの全身を淡いオーラに包まれて、微動だにしない。

 ただし、そのオーラは自身の物ではない。

 お互いが相手の気を全身に絡みつけられているのだ。

 

 そう、かなしばりである。

 

 ーーーこ、こいつ…俺の超能力を…見ただけで…!

 

 この戦い、グルドは一瞬で勝負をつけるつもりでいた。

 戦いが始まる0秒、彼女を視界に入れた時点でかなしばりの術を成立させて格上である小籠包が気を解放する前にその体を雁字搦めに絡め取ったのだ。

 

 勝てる…!

 

 そう確信したグルドは念動力を眼前に圧縮させていく。

 通常念動力は文字通り念じるだけで物を動かす程度の力である。

 しかし、彼はギニュー特戦隊に連なる超エリート、彼ほどのレベルの超能力者なら、これを物質に昇華させることは造作もない。

 

 名付けてサイコジャベリン。

 

 それが何なのかを知覚したが最後、予備動作ゼロで無防備なその華奢な身体を容赦なく串刺しにする。

 初見殺し、文字通りの必殺技。

 戦闘力至上主義の軍隊で、戦闘力は低い彼が特戦隊でいられる所以である。

 

 「死ねーーーー」

 

 彼の怒号は最後まで響き渡ることはなかった。

 念動力にゴーサインを出すコンマ1秒前、なんと彼の全身は愚か、念動力すらもぴくりとも動かない。

 

 「………。」

 

 かなしばりだ…!

 グルドは同じ能力者だからこそ理解する。

 しかしこれは自分のようなサイキック能力ではない、もっと別の何か…!

 

 彼は生まれて初めて同じタイプの能力者とぶつかり合うことになる。

 

 そんな互いのかなしばりが始まり早数分。冷や汗すらも止められた互いのかなしばり。

 グルドは彼女の類稀なる才に、小籠包は自身の中にないタイプの強敵に、互いに舌を巻いた。

 

 ーーー超能力を相手にするのは初めてじゃないけど、ここまでの使い手は初めて…!

 

 気を解放する暇も与えられなかった。

 彼の術は物理的な拘束だけではない、気のコントロールすら制約する恐ろしい物だ。

 父からの贈り物、緻密なスピリット制御を得意とする種族の血に今ほど感謝したことはない。

 その超能力の隙間を潜り抜けて彼女は自身のスピリットをグルドに絡みつかせる。

 

 コレも長くはもたない。辛うじて超能力の隙間を潜り抜けている彼女のスピリットが断絶され始めているのだ。

 

 ーーーあと、すこし…!

 

 彼女の指先がびきり、と震える。

 その意味を理解したグルドは動けないままに肝を冷やした。

 

 ーーーぐ、ひひ…!素晴らしいな!この俺様の術を抜ける奴がいるとはな!

 

 飛び込んでくる目の前の男の思念。

 それは彼もかなしばりによって口を動かさないが故の行動だった。

 それに対して、彼女は心の底で凶悪にニヒッと笑った!

 

 ーーー勉強させてもらうわよ、センパイ?

 ーーーほざけぇ!今串刺しにしてやる!!

 

 その見せつける余裕ぶりがグルドの神経を逆撫でする。

 四つの瞳が真っ赤に血走るほどの念力がついに彼女から漏れ出るスピリットを完全に断絶した!

 

 終わりだぁ!!

 

 自由になった全ての念動力をサイコジャベリンに総動員する。

 音速を超えた速度で射出される魔弾。

 その切先が小籠包の顔面を木っ端微塵に吹き飛ばそうとしたその時。

 

 ーーー捕まえた…!!

 

 手首がぐるりと回り、何かを握りしめる。

 掴んだのは彼女全身を覆うグルドの念動力。

 それを渾身の力で全身から引きちぎるように腕を引き上げた途端。

 地続きのグルドの念動力はその制御を失い、彼女を狙う弾丸は明後日の方向へと飛び出す。

 

 そのまま慌てて念を解除しようとしたグルドだが、見えない何かにその体を引っ張られる。

 何かではない、彼を引っ張るのは彼自身の念動力だ。

 

 それをあろうことか、目の前の女はそれを()()()()()()()()()()()()

 

 ーーーこ、こいつ…俺の念動力を…!?

 

 溢れ出るその濃密な気配にグルドは戦慄する…!

 気を探知する能力を有してはいないが、グルドは大雑把に気配で相手が自分より強いのか弱いのかを知ることができる。

 彼女から噴き出る、隊員(愛すべき馬鹿)どもとよく似た…それでいて奴らとは比較にならない濃く、ドス黒い気配。

 

 やられる!

 

 そう直感したグルドは奥の手を切った。

 

 息を大きく吸い込み体の中に溜め込むと意識を集中させる。

 その瞬間、彼以外の全ての時が停止する。

 埒外の能力、時間停止。

 この瞬間、彼は全ての物理法則から解放される。

 

 自身の念動力からも解き放たれて、彼は真っ直ぐ凶悪な笑顔を讃える女の顔面目掛けて容赦なくその拳を叩きつける。

 

 インパクトの瞬間、呼吸を再開。

 

 そして時は動き出す。

 

 「ガァ!?」

 

 完全なる意識の外からの攻撃、加えてたった戦闘力1万のグルドが叩き出したその攻撃は数十倍にもなって小籠包の顔面に飛び込んだ。

 

 彼のとっておき、時間停止パンチ。

 

 時を停止しながら殴りつける事で、その一瞬のインパクトを何十倍にも増幅させることができる。

 ただし、時間停止中の物体を殴りつける事は絶壁を殴りつけるも同じこと。

 そんな度胸などない彼はどうしてもコンマ数秒のロスが発生する。

 故に彼の威力はこの程度増幅にしかならない、大変惜しい技である。

 

 加えて……

 

「ぜえ!ぜぇ!はぁ…!」

 

 彼のスタミナは絶無!

 ただでさえ運動神経の低い彼が呼吸を止めて全速力で動きパンチをする。

 スタミナの消費は絶大である。

 しかし、効果は絶大。

 戦闘力にして10倍以上の開きのある小籠包に手痛い一撃を見舞ったのだ。

 

 だん、だん!と地面に数回バウンドをした後に漸く彼女は受け身をとって、口端から滴り落ちる異形の血を拭いとる。

 

 「全然、見えなかった…。」

 

 気功法が間に合っていなかったら危なかった、間違いなく今の一撃で絶命していた。

 突然現れたとしか思えない超威力のパンチ。

 彼女が掴んでいた筈のグルドの念という名のスピリット。

 どんなに速く動いてもその動きは辿れる筈だ。

 

 瞬間移動とも違う、何か。ワープとも言えるその軌跡。

 本来なら、こんな危険な術者は一刻も早く始末しなければならない。

 

 しかし彼は、単なる敵ではない。

 あれほどの密度の高い念でなければ、今の彼女の技量では掴むことはできなかった。

 相手のスピリットをつかまえるという発想。

 彼女に新たな境地を見せる類稀なる強敵なのだ。

 

 早急に敵を無力化すべきという彼女の理性より、もっと先がみたいという彼女の好奇心が勝った。

 

 それほどにグルドは彼女にとって異質の相手なのである。

 

 「そう何度も、使えない…みたいね…ッ今の技…!」

 「はぁ!はぁ!…へ、へへ…い、いっぱ…一発、つ、使えりゃ、じゅ、十分、だよ!」

 

 ダメージから復帰できない小籠包と、スタミナを使い果たしたグルド。

 先に立ち上がったのは小籠包だった。

 

 「今度は、私の番…!」

 

 ごきり、と指先が鳴る音にグルドは戦慄する。

 華奢な指先から想像もつかない殺意。

 しかしその足元は覚束ない、今ならまだ逃げ出せる。

 そろり、そろり…尻餅をついた姿勢で下がっていくグルド目掛けて、彼女は指先を伸ばし…何かを掴んだ。

 

 「…な、なんだ?その動きは?」

 

 彼女が掴んだのは虚空。

 しかし、演技にしてはその指先にこめられる力はあまりに迫真と言えよう。

 …にひ!と殺し屋が破顔う。

 

 「捕まえた…!」

 

 何をバカな…!

 自分と相手の距離は数メートル以上もある。

 彼女にとっては間合いのうちだろうが、その指先は間違いなく空手である。

 やはり先ほどのダメージで頭がおかしくなったのか?

 

 ーーーはぁ!!

 

 小さな拳が鋼鉄へと早変わりし…何もない筈の空間目掛けて、小籠包は拳を突き出した。

 

 「がふ!?」

 

 直後訪れる激痛。

 どこからともなく、グルドの鳩尾を撃ち抜く凶悪な殺しの拳。

 

 ーーーな、…なん…だ……?

 

 ぐるり、と視界が反転する。

 あの女は確かに虚空目掛けて素振りをしただけだ。

 だというのに、何故自分はダメージを受けている…!?

 

 途切れかける意識を集中して必死な彼女の掴んだ何かを凝視する。

 そこには…己の…念動力の波動がそこにはあった。

 

 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 「できた…!」

 

 敵のスピリットを掴みスピリットそのものにダメージを与える事で、本体に触れずとも直接ダメージを叩き込む。

 相手が自身の力を念動力としてばら撒いていたからこそできた荒技。

 

 彼女のスピリット制御能力は完全我流。

 決して精度の良い物とはいえない。

 そのダメージは本来の半分、いや3割にも満たないだろう。

 それでもその威力はグルドに大ダメージを与え、その戦闘力を削ぎ落とすのに十分だった。

 

 「未完の技に名をつけるなんて不恰好だけど…敢えて名付けるなら」

 

 ーーー気功崩(キコウホウ)

 

 気によって気を崩す。

 気そのものを攻撃するのなら、物理的な防御は無意味だ。

 問題は、彼女のスピリット制御が全く追いついてないが故に、実戦ではまるで役に立たないのだが。

 

 幾ら防御を貫通できるといっても、本来の威力の半分も出ないのなら、普通に殴った方が絶対に強い。

 

 「感謝するわ、サイキッカーさん。コレが完成したら、あのターレスだってぶっ殺せる。」

 「て、テメェ…!俺を新技の踏み台にしやがったなぁ!」

 

 ふら、ふらと立ち上がるグルド。

 ギリ…!と屈辱を噛み砕きながら再び大きく息を吸い込むのが見える。

 

 ーーーまたあの予備動作…!

 

 全神経をそばだてる。

 特徴的な彼のスピリットの動きをミクロ単位で把握する。

 ワープの類いであるのならそのスピリットが消えたその瞬間が、彼の攻撃タイミングだ。

 

 ヴ…ヴ…ヴ…、

 

 ぷつりと、途切れたその瞬間、今度は彼女の足元にそのスピリットが突然現れた!

 

 ーーーここ!!

 

 下腹に沈みかけるグルドの拳より疾く、今度は小籠包の膝が無防備に鎮座するグルドの下腹を捉えた!

 

 「ごふ!?」

 「ぐ、ぁ!?」

 

 正しく肉を切らせて骨を断つ。

 格上相手の強烈な打撃を今度こそ直撃したグルドは…そのダメージの大きさに、仰向けになりながらぶくぶく、と泡を吹いて気絶してしまった。

 

 「ホント、勉強になったわ…!」

 

 何かが一つでも出遅れていればやられていた。

 気の解放をしていない彼女は脆弱、それを改めて思い知らされる。

 

 これ以上は、流石に付き合ってはいられない。

 

 脚を掬われる前に、トドメを刺す。

 今度こそ、殺し屋の理性が武道家の好奇心を殺し、彼女の指先から放たれたどどん波がグルドの脳天を貫通し、気絶した彼を優しく絶命させた。

 

 遠くでは何故か突然パワーの落ちたターレスと急激に力をつけたギニュー、そこにベジータが乱入しているらしい。

 自重気味に自らの受けたダメージを省みる。

 

 「全く、みんなの悪い癖が移ったかな…。」

 

 パワーの上がったギニューを倒すスタミナはまだ残っていそうだ。

 気功法を一気に最大まで高めて、彼女はターレスのもとへ向かった。





 グルド相手に丸々一話つかって、しかもそこそこ苦戦するオリ主がいるってマジ?
 コレが久々の白星ってマジ????


 オリ主新技

 気功崩(キコウホウ)
 本編で語った通りの性能、格闘ゲームでいうところのガード不能技。
 打撃技と見せかけて気の塊でぶん殴っているので実質気功波。
 相手の気が大きければ大きいほど、その有効範囲は広くなる。
 
 ただし現在のオリ主のスピリット制御能力では使い物にならない。
 グルドというサイキッカー相手だから上手く発動した様なもの。
 本人も自覚している通り、未完成の欠陥技。


 おまけ 没技名
 気功掌
 パッと思いついたモノ某老舗ゲームのお姉ちゃんと被るので没

 気奪掌
 名前も語呂もだせえ

 気盗掌
 DBっぽいけど、文字列がだせえ

 気魂崩(キコンホウ?)
 AIに聞いたら出てきました
 クソかっこよwwwwスピリットとも噛み合っててええやん!!
 …て思ったけどなんとなく鶴仙流っぽくないのと
 語呂がよくなかったのでやめました。
 でも「崩」は拳法っぽいなと思って採用。

 サンキューchat gpt
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。