ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
タイトルはレトロゲームから流用したので初投稿です。
小籠包はひと足先にドラゴンボールを回収してラディッツ達の元に瞬間移動で帰還した。
当然、無傷で帰ってくると予想していたラディッツは予想以上に彼女がダメージを負っていることに驚きを隠せなかったが、その相手を聞いて納得する。
「…そうか、相手がお前でなければ全滅もあり得たな。」
「もう少し様子を見たかったけどね、流石にアレ以上は続けられなかった。」
はぁ、勿体無いことした。
そんなため息をついている友人に目を丸くする。
ラディッツの知る限り、小籠包はこの手の敵と戦いを楽しむタイプではないからだ。
暫し、彼女の顔をあっけに取られて見つめてしまう。
「なに?」
「お前らしくないな。」
「強くなれそうな手本があるなら見ておきたいだけよ。」
ふん、と鼻を鳴らしている。
その言葉に嘘はないのだろう。
彼女の好奇心は…相手の力量を見たいのではなく。
相手の技から盗めるモノがあるはずと確信した上での行動だった。
これも一種の悪癖、師である桃白白の教え「見て盗め」を忠実に守っているにすぎない。
「グルドは不思議な術を使う奴だ…噂によると時間を止められるらしいからな。足元をすくわれたかもしれんぞ?」
弟と似た様な戦士になりつつある彼女に貴重な仙豆を一粒投げつける。
上の空ながらもソレを受け取った彼女はある言葉を反芻していた。
ーーー時を、止める。
あの時、グルドの見せた強烈なパンチ。
不可思議なあの移動を彼女は瞬間移動の類だと思っていた。
確かに瞬間移動にしては攻撃の予備動作の一切がなかった。
これが、時間停止なのだとしたら説明がつく。
「おい、小籠包。」
彼の能力が超能力を起点にしているのならあの技にも何かしらの原理があるはずだ。
それさえ理解できればスピリットの制御如何で何とでもなるだろう。
今まで彼女は瞬間移動という大技を会得した気になっていたが先の戦いでこの技術にはまだまだ先があることを理解した。
「なにをボケっとしている。聞いているのか?」
応用次第では戦闘以外にも役に立つのかもしれない、例えば傷を癒す力だって再現できるかもしれない。
この力の枝分かれの先の先に、グルドの使っていた時間停止が存在するのなら……。
ーーーうん、無理。
そこまで考えた所で彼女は思考を止めた。
時間という大きな力の流れ、ソレをほんの一時でも止める様なイメージなどこれっぽっちも沸かない。
イメージできないということは具体的な術の構築など夢のまた夢と言える。
「おい!聞いているのか!」
「……ごめん、ちょっと考え事。」
「いいから早くソレを食ってカカロットのところに行ってやれ、俺はここを動くことはできん…姉御がうるさいからな。」
姉御…?何か引っかかる言い回し。
彼もブルマの扱いに難儀している様子。
ターレス達は、メディカルマシーンに放り込まれてしばらくは動けない。
ラディッツ曰く、1時間もあれば完全に回復するとは言っていたが真偽は不明だ、あれほどの大怪我がたった1時間で完治するとは思えない。
そんな感想に対して「この仙豆も大概だぞ」とのこと。
これに関してはピラフに解析を依頼しているが原理はさっぱり分からないらしい…閑話休題。
気の探知を広げて悟空を探す。もう孫親子は戦闘を開始しているらしい。
その側にある巨大な気配、ソレがフリーザであるのは明らかだ。
これぐらいなら、界王拳を使えば何とか倒せる。
…しかしターレスの言葉を信じるならフリーザは変身するタイプの宇宙人。
ソレを加味すれば今の状態は力をセーブしている状態だと考えれば…。
ーーー私たち全員、生きて帰れないかも。
そんな物騒なことが頭に過ぎる。
せめてその前に地球の神は生き返らせなければならない。
そうすれば、マジュニアを通じて、他の皆を蘇らせることはできるだろう。
小籠包とクリリンには叶わない事だが。
「じゃあ行ってくるね。」
「無理はするなよ、お前には瞬間移動がある。いざとなったらカカロット達を見捨てるんだ。」
しない約束はしない、かけられた言葉を返す事なく、瞬間移動によって今まさに激戦区となっている悟空達の元へと向かった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
宇宙の帝王は倒れ伏している2人の側近の姿を見ながら己の無知を恥じていた。
確かに彼らは自分にとってはゴミみたいな力の大きさだが…ソレでもこの宇宙全体においてはかなり上位に食い込む戦士なのだ。
ソレを、たかがサイヤ人2人にあっさり片付けられてしまったのだ。
「認識を改めねばなりませんね。」
そんな独り言と共に移動用のポッドから静かに降り立つ。
猿二匹が先ほどとは違い警戒心を最大限に高めて身構えている。
実に可愛らしい、勝負になると思っているのか?
「ホッホッホッ、安心なさい、まだ殺しはしませんよ。…それも、貴方達の返答次第です。」
サイヤ人は野蛮、しかも一族に伝わる曰くつきの種族である。
ーーー金色に変化するサイヤ人に気をつけろ
大昔に宇宙海賊をしていた彼の先祖が残した言葉だ。
これは恐らく十中八九彼らの御伽話にあるスーパーサイヤ人なる戦士のことだろう。
しかし、所詮は猿。
一匹二匹増えた所でこのフリーザの敵ではない。
いや、猿一匹に怯えることなど彼のプライドが許さない。
故に彼らを配下に加える。
ソレにより彼はプライドを守るのだ。*1
スカウターが示した最大の数値はおよそ5〜6万。
サイヤ人が戦闘力を自在に変化させられることにもフリーザを唸らせた。
殆どゼロ…非戦闘員レベルにまで落とされた戦闘力から瞬間的にあそこまでのパワーにあげられるとは恐るべき戦士である。
彼の見立てでは、父親と思しきサイヤ人はおろかその隣の息子ですら彼の最高戦力である特殊戦隊の隊長レベルに匹敵するだろうと踏んでいる。
欲しい、是非とも自らの配下にしたい。
ここで殺すにはあまりにも惜しい。
来る兄との決着のために手駒は大いに越した事はないのだ。
「お二人とも、我がフリーザ軍に入る気はありませんか?…そうですね。我が軍門に降るというのであれば…貴方の親兄弟、家族くらいは見逃してあげましょう。」
このフリーザに歯向かう愚かな奴は久しく見ていない。
しかも、サイヤ人だ。
自分を知らないということは、どこか辺境の惑星にでも飛ばされて生き残っていたのだろう。
世間知らずの田舎者にいちいち目くじらを立てては宇宙の帝王は務まらない。
「すまねえな、オラ悪い奴の仲間にはならねぇ。」
「ぼ、僕もだ!」
何度も勇ましい親子である。
啖呵を切るその勇敢さは賞賛に値するが切る相手を間違えている。
「そうですか、私から出せる最大限の譲歩だったのですが…歯向かうというのなら仕方ありません。…死んでもらいましょう。」
先ずは、隣のガキからだ。
サイヤ人が子供を思いやるとは思えないが、こういうのは小さいのから踏み潰すに限る。
指先にエネルギーを集約することコンマ数秒、そこから放たれる濃紫の禍々しい光。
何をされたのかも理解せず倒れ伏す少年とあっけに取られる親の姿を夢想して撃ち放った。
確実に殺すつもり容赦ない不意打ち。
「!!」
ソレを…あろうことか、サイヤ人が弾き飛ばしたのだ!
「な…!?」
幼子の胸を焼き尽くすはずだった凶弾は遙か彼方へと弾き飛ばされ霧散する。
驚愕、ソレに続く屈辱、怒り、サイヤ人風情が…このフリーザの一撃を防いだのだ!
「悟飯…下がってろ。お前ェじゃ戦いにならねぇ。」
ぴき…!
今、なんと言ったのか?「お前じゃ戦いにならない」?
ではお前はどうなのだ?このフリーザと対等だと言いたいのか?
たかがサルごときが…!
「…良いでしょう、そんなに死にたいなら先に貴方から地獄に送ってあげます。」
「そう簡単には、行かねえぞ。」
サイヤ人らしからぬ構え、センスのないその構えは一体どこの田舎者に戦いを教わったのか。
こき、と首を鳴らし彼は一瞬でアリを踏み潰すつもりで彼に襲いかかる。
大きく振りかぶりながら極スピードで滑空し迫るフリーザ。
これの首筋を落とすつまりで振り抜いた手刀をあっさりと上体を逸らすことで回避される。
「だりゃ!」
ノーモーションで放たれる回し蹴り、大振りの攻撃を外した事で隙だらけに思えたこめかみ目掛けて放たれたソレを大きな彼の尻尾が捕まえる。
「!?」
「きェェェ!!」
掴まれた片脚があっさりと持ち上げられる。そのまま地面に叩きつけようと彼の身体を鞭の様に持ち上げーーー
「波ァ!!」
「な…!?」
正に振り下ろすコンマ数秒前、攻撃の瞬間に生じる隙を狙われた。
体勢を崩しながら放たれる気功波が彼の頭上から迫る。
「ハァ!!」
尻尾を操って脚を引っ張る事で強引に攻撃の軌道を変えさせる。
そのまま投げ飛ばしてやると意識を尻尾の先に向けたその直後。
「ぐァ!?」
彼の放った気功波がぐるりと向きを変えてフリーザの背中を撃ち抜いた。
あまりの衝撃にバランスを崩し、足首を掴んだ尻尾を思わず手放してしまう。
久方ぶりの痛み、親と実兄以外にダメージを与えられるとは思っていなかった。一歩、二歩、思わずよろけてしまう。
それが彼にとっては致命的な隙だった。
「…界王拳…5倍だぁ!!」
「な…!?」
突如跳ね上がるスカウターの数値。
その実数は…90万!!
目元の数値に意識が向いた僅かな隙間に相手は自らの懐に潜り込む。
気づいた頃には顎に綺麗に決まるアッパーカット。
そのまま重力を無視して吹き飛ばされながら、姿勢を立て直す前に、紅蓮の閃きが彼を追い抜く。
硬く、固く握り込まれた拳が容赦なくフリーザの頬をぶち抜く。
その衝撃でスカウターは粉々に粉砕された!
再び地面目掛けて落下するフリーザ目掛けて…サイヤ人は紅蓮のオーラを更に巨大に肥大化させる。
「界王拳…10倍、だぁ!」
技の開発者が聞けば絶対に止めるであろうその倍率。
しかし連続攻撃のダメージがまだ抜けないフリーザは地面に大人しく叩きつけられる他ない。
ーーー波ァァァァァァァァ
放たれる超強力な気功波…!
何とか起き上がり、真っ向からそのエネルギーを受け止める。
「こ、こんな…モノぉ…!!」
秘められた自身の力を解放しながら何度も気功波の光に飲まれかける。
その度に、宇宙の帝王の誇りが、サルになど負けられんとその戦闘力を高めていき…!
小柄な体躯を何倍にも肥大化させ、第二形態となったパワーを使って放たれた光を遙か彼方へと投げ飛ばした。
「め、参ったな…今のを弾き飛ばしちまうのか。」
「サルめ…!後悔させてやるぞ!かァァァァ!!!」
「!!」
フリーザのパワーが膨れ上がっていく!
大地がまるで彼に怯えるかの様にガタガタと震える。
びき!びきき!!と地面はひび割れて地割れが大量に発生する。
膨れ上がった体躯は、縮まっていく。
…いや縮むというより丸まったという方が正しいか。
頭を細長くした爬虫類を思わせる顔立ち。
「この姿になるのは…パパと兄さん以外ではキミが初めてだよ。」
「と、とんでもねぇ気だ…!」
どうやら彼はスカウターがなくとも、相手のパワーがわかるらしい。
だからこそ、今まで見せていた己の姿が全てだと思っていたようだ。
「命乞いしても無駄だよ、ボクは君を殺すと決めたからね?」
「へへ…!そう簡単には行かねえぞ!」
これほど絶望的な差を見せてなお笑う。
やはりサイヤ人は何を考えているのかわからない。
「簡単には殺さないよ?キミの息子ともどもジワジワとなぶり殺してあげるからね?」
戦闘力90万…ひいては先の「10倍パワー」が彼のフルパワーだとするのなら、もう彼に勝ち目はない。
しかも、「10倍」とやらは随分身体に無理を強いている様子。
先のパワーが出ないのならこの姿でも十分奴を捻り潰してやることができる。
「でも、折角だからキミの恐怖に歪む顔が見てみたいね?大サービスで見せてあげよう、ボクの真の姿をね。」
「なに…!?」
今のままでも十分にこのサイヤ人を殺せる。
しかし、しかしだ。
もはやコイツは自分の常識が通用しない相手。
であるのなら確実に息の根を止めるためにフリーザ自身の最後の拘束を完全に破壊することにした。
「かァァァァァァァァ…!!」
凄まじいエネルギーが彼の中から滲み出てくる。
僅かに滲んだソレですら既に二匹の猿を踏み潰すのに十分な代物である。
攻撃できる物ならしてみるがいい…!
お前の攻撃で止められるほど自分のフルパワーは生っちょろいモノではないのだから。
もし切り札があるのならここで切って変身の邪魔をするはず。
ソレをしないということは…先の「10倍」が彼にとっての奥の手だったのだ。
ぱき…!ぱき…!とフリーザの全身がひび割れていく。
ソレは彼の変身が力を抑制するための拘束であるから。
溢れ出る気の奔流は暴風となって二匹の猿に襲いかかる。
ただ変身するだけで、彼らは動けないでいるのだ、さぁ殺してやるぞ!サイヤ人!
ばきん!
彼の全身の甲殻が剥がれ落ちる。
第二、第三の変身からすると、随分とシンプルに縮んでしまった。
先ほどまでうすら笑いを浮かべていたサイヤ人から笑みが消える。
そう、それだその顔が見たかった。
「待たせたね、さ、始めようか。」
フリーザ第一形態
基本最大:53万
ご存じ自己申告53万。
某一般お嬢様系Vが5万と勘違いしてからの53万てまフリーズする切り抜き、最高でした。
サイヤ人くらい軽くひねったるわwって思っていたら
孫悟空
基本最大:18万
界王拳5倍:90万
思ってたよりサイヤ人が強かったでござるの巻
2倍弱のパワーでボコスカに殴られて結構なダメージを負ってしまったが、この程度でへばるのなら宇宙の帝王は務まらない。
フリーザ第二形態
基本最大:120万
追撃に放たれた超かめはめ波を投げ飛ばし事なきを得る。
第一形態のまま意地を張ってたら確実に死んでいた。
このまま奴を悟空を蹂躙することもできるが、念には念を入れて彼は第二の枷を解放する。
フリーザ第三形態
基本最大:200万
原作ではチーズ光線(伝わる?)でピッコロさんを滅多打ちにした姿。
この姿でも十分に悟空を倒せる、しかし彼は念には念を入れて奥の手を出すことにした。
同じ轍は踏まない、彼が宇宙の帝王たるゆえんである。
フリーザ最終形態
基本最大:????
今の悟空達では逆立ちしても叶わない恐ろしい強敵、いや敵にはなり得ない。今の彼らはフリーザにとっては踏み潰すだけのアリだ。
仮に小籠包がいたとて、彼の力の大きさは正しくは測れないだろう。
ソレほどまでに彼の力は雲泥の差なのだ。