ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
お待たせしました…スランプ(?)やらお仕事やらモンハンやらドカバトやらでこんなに経過してしまったので初投稿です。
悟空達の前に瞬間移動をするつもりの小籠包だったが、その直前になり予定を変更した。
最長老達を回収することにしたのだ。
悟空と2人がかりならなんとかなるのではないか?
一度はそう考えた。
だがターレスの警戒具合と、自分の直感が告げるのだ。
フリーザを相手にしてはならないと。
だからこそ、先ずは最優先でドラゴンボールの管理者達の安全を確保するべきと考えた。
スピリットの制御能力を一段先に開花させた彼女は近くで激しい戦闘を行っているであろう悟空の近くにある最長老…ではなく…その付近にいるであろうナメック人のところに瞬間移動をした。
彼女の「いきなり目上の前に現れるのは失礼だから、とりあえず付人に話を通す」などと言うクソ真面目な融通の聞かない思考の結果である。
「何者だ。」
突然現れたと言うのに動揺もそこそこに、彼は警戒心を顕に彼女を出迎えた。
無理もない、彼女の気質、本質は悪であるが故に彼はこう思ってしまったのだ。
ーーー遂に奴ら*1が最長老様のことを嗅ぎつけてしまったのか…?
さて、そんな勘違いをされているなどカケラも思っていない我らが小籠包。
彼女も彼女で悟空のパワーが膨れ上がったのを感じ、フリーザがそうまでせねばならない存在であることに焦りを覚えていた。
ーーー…説明している時間は、ない。失敗した、最長老様だけでも無理矢理拉致るべきだったかも。
どう考えても目の前の男は1から10まで説明をしないと納得しない超ハイパー堅物男。
マジュニアといいどうしてこうも扱い辛いのか、などと舌打ちをする様子がかえってネイルの印象を悪くしている事に気づいていない。
「説明している時間はないの、悪いけど…通してくれる?」
「…貴様、奴らの仲間か?」
無論、この奴ら、というのは「フリーザ軍」のことである。
ーーー奴らって…口わる。…マジュニアといいナメック人は品がない連中ばかりなの?
小籠包は悟空達と彼らの関係を知っているが故に…「奴ら」とは「悟空達のこと」と捉えたのだ。
「…そうよ、いちいち言わないとわからない?何度も言わせないで、説明してる時間はないの。すぐそこで戦いが起きてる。早くしないとみんな死ぬわよ。」
もちろんこれは、…今悟空が食い止めている。
この隙に逃してやるから通してくれ、である。
これに対してネイルは確信したのだ。
彼女が今まさに戦っている連中の「やたら凶悪な力を持っているヤバい男」つまりはフリーザの仲間であることに。
「帰れ、お前のような邪悪な奴を最長老様にあわせる訳にはいかん。」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ…!」
自分がよくない人間であることは理解している。
しかし、そんな事を言っていられる状況か?
何を悠長に構えているのだ、フリーザがどれだけやばい存在なのかわからない男ではないだろうに。
昂りそうになる気を必死に抑える。
今彼女は、自分を客観視できていない。
無理もない、相手は悟空ですら太刀打ちする事が出来ない難敵。
それはつまり自分の手にも余る怪物であることを示している。
そんな焦りが彼女をより本来の気質に近い形でネイルに迫っている。
そしてネイルの判断もまた正しい。
なんせ唐突に自分たちの母星を侵略してきた異星人の仲間(と、勘違いしている)が「安全な場所へ連れて行ってやる」などと言われはいそうですかと納得するネイルではない。
「…みんな揃って死にたいの…!?」
これもまた、ネイルにはただの脅迫である。
さっさと最長老を引き渡せ、でなければ殺す。である。
「そんな脅しに屈するとでも思っているのか?来い、最長老様に会わせるわけにはいかない。」
「ッ〜〜〜!!」
埒があかない、がりがりと頭をかきむしって、柔らかな黒髪の何本かが千切れ落ちる。
可愛い甥っ子同然の悟飯が世話になった相手だ、できる事なら手荒な真似はしたくない。
しかしもたもたしていたらその悟飯が殺されるかもしれないのだ。
もう、手段なんて選んでいられない。
「もういい、貴方の同意なんて貰ってられない。」
「な、何を…!?」
身構えるネイルの肩を引っ掴み、強引に最長老の家の中へと瞬間移動する。
最初からこうすればよかったとため息をつく彼女に老齢の落ち着いた男の声が響いた。
「…何者ですか、貴女は。」
最長老にも、彼女の本質は見極められない。
ネイル同様に警戒心を顕にする。
そんな彼に対して逸る気持ちをなんとか納めて、呆然とするネイルを押し退けて頭を下げた。
「私は、小籠包と言います。…無礼を承知でお願いがあります、何も言わずに私についてきてくれませんか?…嫌といっても、連れ出しますが。」
「貴様、最長老様から離れ…ーーー」
食ってかかるネイルの胸ぐらを掴み、小柄な体躯の彼女が軽々とネイルを壁に目掛けて放り投げる。
小さな悲鳴をあげて壁に激突する彼を一瞥もしないまま、彼女はもう一度頭を下げた。
「本当に、時間がないんです。今私の仲間が、敵を食い止めてます。その間に…!」
「…わかりました。そこのネイルと、デンデも、一緒に連れていってくださるのなら。」
先日ここに訪れた地球からの来訪者が外で戦っている。
彼女はその仲間だというのだ。
その言葉を信じたわけではない、これに応じなければ愛する我が子を殺されてしまうかもしれない。
ならばと、少しでも延命するために、ここは彼女の言葉に従うほかなかった。
「最長老様…こやつの言うことを聞く必要はありません!」
「良いのです、ネイル。お前達の命が少しでも長引くのなら、彼女に従うべきだ。」
彼らのすったもんだに意識を割く余裕はない。
遠くにあるラディッツの気配を掴み取る、気を最小限にしていようと今の彼女ならこれを辿るのは造作もない。
後は、ここにいるメンツをセーフハウスに避難させるだけだ。
「ご理解感謝します。それで、テンデという子はどこに?」
「こちらに…。」
そう言うと巨大な彼の椅子の影からおずおずと出てくる小さなナメック人の少年。
先ほど同胞を乱暴にしたせいか、明らかに自分のことを警戒している。
こうしている間にも悟空の気がどんどん縮んでいくのがわかる。
殺される前に、彼を回収しなければならない。
「全員私に触れて。」
まずネイルが肩を掴む、その指先には明らかに力が込められていた。
続いて最長老の指先が差し出された小籠包の掌に触れる。
最後に、怯えながらもデンデが彼女の服裾を摘む。
それを確認したと共に、瞬間移動。
全員の視界が突如、岩肌に囲まれたセーフハウスへと転換した。
「また随分大きいのを連れてきたわね。」
「…こうするしかなくて、これから悟空くんのところに行くから、任せていい?」
出迎えたブルマが新たなセーフハウス利用者を見上げたり、見下ろしたりと忙しなく動き回る。
彼らの面倒はブルマに任せるべきだろう。
大きく一呼吸おいて再び弱り始めた悟空の気を辿る。
どうやら界王拳を使う体力を使い果たしたらしい。
気の大きさは見る影もない。
「わかったわ、フリーザなんてぶっ飛ばしてきなさい!」
「ご、悟空くん達を回収しに行くだけだから…」
本当に怖い物知らずな人だ。
あのベジータに一発入れるだけある。
自分よりよっぽど肝が据わってるんじゃなかろうか。
彼女は再び瞬間移動で消え去った。
「…お前たちはあの異星人達の仲間ではないのか?」
「フリーザ達のこと?そんなわけないでしょ。寧ろ逆よ逆!私たちは死んだ仲間を蘇らせる為にわざわざ来ただけ!…あの子からなにも聞いてないわけ?」
「…う、うむ。」
余りの剣幕に気圧されるネイルに、流石の年の功か最長老が緩やかに口を開いた。
「お嬢さん、申し訳ない…我々も事態を把握し切れていないのです。よろしければ…貴女たちのことを少しばかり聞かせていただけないでしょうか。」
「…わかったわ。」
ブルマは自分たちの事情を全て話した。
彼女の言葉と悟飯達の記憶から読み取った情報が合致したことで、最長老は己が異形の少女に対してあらぬ誤解をしていたことを恥じた。
「別に気にしなくていいわよ、あの子、妙に悪ぶってる所あるから、寧ろ喜ぶんじゃない?」
「そういうわけにはいきません。後ほど彼女には謝らせてください。良いなネイル。」
「…はい、最長老様。」
「ほんと、真面目ねぇ…。」
ピッコロとはえらい違いである。
いや、ある意味ではピッコロもクソ真面目ではあるのだが…。
「…まあいいわ、悪いんだけど、貴方たちのドラゴンボールを使わせて欲しいんだけど…合言葉が分からなくて。」
「″彼″を呼ぶにはこの星の言葉で呼び出さねばならないのです。もちろん、願い事も同じ、そうでなければ、神龍は願いを叶えてはくれません。」
「ナメック星人達の協力が必須なのね。」
成る程それは有効なセキュリティだと、彼女は感心した。
例え彼らを脅して合言葉を暗記したとしても、彼らの言語を真に理解しなければ神龍に願いを伝えることはできない。
本当に彼らが認めた者以外、願いを叶えられないというわけだ。
「そのとおり、今回は我々が貴方がたの願いを叶えましょう。我々を助けていただいた礼をせねばなりませんから。」
「助かるわ、早速だけれどお願いできる?ラディッツ!早くボールを用意して!」
正に渡りに舟とはこのこと!
既にドラゴンボールは7つ全て揃っている。
願い事さえ叶えてしまえばこんな危ない星にいつまでもいる必要はないのだ。
さて、その後ろでせっせとブルマの言いつけ通りにボールを運ぶラディッツ。「な、なんでこの俺が…」「文句言わない!」「…うっす…。」
そんなやりとりを見る最長老は、サイヤ人をあの様に顎で使う娘は一体何者なのだろうと静かに冷や汗を流した。
対するラディッツは…もしかしなくてもブルマの面倒を見るのがみんな嫌だから自分に押し付けたのでは?
と、いらぬ被害妄想を回していたのはまた別の話。
戦闘力更新
ネイル
基本最大:43000
数少ない戦士タイプ(唯一だったかも?)
数千レベルでも超達人なのに、それよりも強いうえにやべー雰囲気の女が最長老に会わせろとか凄んだら、そりゃこうなる。
小籠包
手加減:45000
ついにブルマに「悪ぶってるだけの良い子ちゃん」扱いされてしまった。
ブルマには神やネイル達と違って気や魂の質を測らないのでこの評価は残当。
z戦士たちですら「気配は物騒だけど、まあ悪いやつじゃないしそこそこ信用できる」扱いされてる。
なお、本人が聞くと顔真っ赤にして否定する。
それでも師の教えに従って「無益な殺生」はしないため暴力に走らないから、結果的にただの照れ隠しになってしまう。
これただの女版ベジータでは?????