ドラゴンボールAT 作:澄ましたガール大好きおじさん
相変わらずオリ主のモテ期は終わらないので初投稿です。
フリーザの宇宙船によく似た船がナメック星に着地する。
クウラと彼率いるクウラ機甲戦隊が乗っている宇宙船だ。
その中から4人の屈強な影が降り立つ。
「…クウラ様、大きな戦闘力がいくつか…。」
「ギニュー特戦隊か?」
「いえ…数が合いません…それに…
彼のスカウターはフリーザの第一形態をベースに開発されている為か、50万を上限値としている。
その値を超える数値はすべて【測定不能】と判定される。*1
さて、この星に【測定不能】がいるとはどういう意味か?
1人は弟であるフリーザであるのはいうまでもない。
サウザーの報告に幾重にも思考を重ねるクウラ、しかし彼の頭脳をもってしても結論は出せない。
報告の続きを聞くべきだろう。
「続けろ。」
「はい、40万という数値が継続され、その後【測定不能】になりました。」
「場所は?」
「先ほどまではフリーザ様の宇宙船の近くを…その後、唐突に反応がきえました。」
「………。」
スカウターの故障だ…!
フリーザ軍の幹部であればそう断ずるだろう。
だが相手はクウラ、その様な甘い判断はしない。
そう簡単に計測誤差を叩き出すようなオンボロマシンではない。
クウラはこの【測定不能】を事実として受け入れた。
知っての通り、フリーザ一族の戦闘力は変身によって制限している。
公言されているフリーザの戦闘力53万という数値は下限も下限。
再現できる最小単位なのである。
測定不能に到達する領域者があろうとも、彼を殺す要因にはよほどならない。
しかし、クウラは別の感想を抱いていた。
ーーーこの宇宙に…我ら一族を害する可能性があるものがいるということか。
彼は思い出す。
自分の先祖が残した遺言を…。
かつて、彼の祖先は宇宙海賊だった。
当代の名は【チルド】。
彼も一族の中では飛び抜けて強い伝説的な強さを持っていたと残されている。
そんな彼は出所のわからない戦士にあっさりと殺されてしまったらしい。
その彼の遺言は….
ーーー金色に変化する………に、気をつけろ
である。
肝心な部分は残念ながら記録が残っていない。
記録の管理が杜撰だったのか、あるいは死の間際故に聞き取ることができなかったのか。
この【金色に変化する】何者かにチルドは倒されたと考えるのが自然だ。
ーーー面白い、そんな奴がこの星にいるのなら…フリーザ諸共葬り、この俺が宇宙最強になればいいだけのこと。
みしり、とクウラの拳が握り込まれる。
強敵を前が故に彼の誇りは尚も輝きを失せることはない。
むしろ逆、そんな相手を叩きのめすことで、己が栄光は更に輝きを増すのである。
【測定不能】まだ見ぬ強戦士、己が苦戦するかもしれぬ素晴らしい戦士に想いを馳せているところ、彼の側近が悲鳴を上げた。
「…く、クウラ様…フリーザ様が最終形態になられた様です…!」
「弟が俺以外に最終形態になるとはな…いい機会だ。このまま奴を消してやる。」
くくく、と楽しげに笑うクウラに対してサウザーがスカウターを操作し敵の数を確認する。
それはスカウターに内蔵されたフリーザ軍のどのデータとも一致しなかった戦士たちだ。
そのどれもがフリーザ軍の精鋭に匹敵する恐ろしい強さをもっている。
「他の者はどうされますか?」
「皆殺しにしろ…と言いたいところだが、測定不能が事実ならこの俺が手を下す。先ずは相手の戦力を探れ、くれぐれも油断をするなよ?サウザー。」
「承知しました、行くぞ!ネイズ!ドーレ!」
クウラ機甲戦隊!
出陣前の彼らのルーティーン。
ギニューに匹敵するキレッキレのポーズをキメると共にそれを満足気に頷くクウラ、勇ましい掛け声と共にサウザーを先頭にした隊列が勢い良く飛び出して行った。
「出動!!」
3色の光の線はあっという間に地平線の彼方へと消えていった。
クウラの大きな足が地面に沈み込む。
フリーザがいるであろう方角を見据えて口角を吊り上げる。
「フリーザ、今日こそお前を始末してやる…!」
予備動作無しに彼の体が弾丸の様に飛び去る。
最後に残るのは、彼の残した生々しいクレーターのみだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「来たか…!」
セーフハウスから少し離れたところ…迫る3つのパワーの軌道の延長線上に2人の戦士が待ち構えていた。
無論、小籠包とラディッツである。
そして、現れたのは三人の戦士…中央にいる優男がスカウターで2人の戦闘力を測定する。
「…測定不能…まさかお前のような女がその様なパワーを持っているとはな…!先ほどフリーザ様と戦っていたのも貴様か?」
サウザーは目の前の出来事が信じられなかった、つい先ほどまでこの近辺にそんなパワーは検知されなかった。
いきなりスカウターが付近に強烈なパワー反応を示し…それを認識する頃には彼らは小籠包達の間合いに入っていたのだ。
「これから死ぬ奴に教えても無駄でしょ?」
感情の乗っていない無機質な瞳。
コイツはヤバい。あの目は本気だ。
その冷たさと来たら、己が敬愛する主人と全く同じ冷たさを覚えた。
「ラディッツ右の細いやつをお願い。私は残りを消す。」
「任せろ。」
サウザーはその明晰な頭脳で片目から入力された情報を超高速で整理する。
あの女は間違いなく自分たちではどうにもならない相手だ。
ならばこそここは全力で退避するべき。
幸い相手はまだ戦闘態勢を整えていない。今から逃走をすればまだ間に合う。
ーーードーレ、ネイズ。
目線だけを送る。
それだけでリーダーであるサウザーの意図を理解する。
その間コンマ数秒、小籠包達が彼らに意識を向ける頃には彼らはそれぞれ別方向に散開した。
全速力、完全なる不意打ち…ならぬ不意逃げ。
しかし…サウザーの見立ては完全に誤りだった。
「…!!」
小籠包の全身が紅蓮の焔に包まれる。
測定不能なほどのレベルの戦士が全速力で彼らの脳天をこづく。
瞬間、散開した三人はほとんど同時にナメック星の豊かな海の中へと叩き落とされていた。
ーーーば、バカな…!一体どうやって…!
海中の中にで視界を明滅させながら起きた現象が理解できぬと歯噛みするサウザーの視界がパチリ、と切り替わる。
「さ、サウザー…!?」
「ど、ドーレ…何故…!?」
「ぐあ!?」「おが!?」
唐突に2人の額が恐ろしい力で叩きつけられる。
互いの額を傷つけて…鼻先に地球人のそれとは異なる色の体液がつつ〜と流れ落ちる。
「あっさり殺してやる。」
冷たい、では形容しきれないほどの視線。
2人を捉える黄色の瞳はまるでガラス玉の如き無機質さだった。
直感する、この女からは逃げられないと。
観念するかの様に…漸く身構え戦闘態勢を整える2人。
しかし、それは何もかも遅すぎた。
「がぁ…!?」
隣から響く友の断末魔。
瞬き一つしていない、にもかかわらず女はすでに巨漢の胸を拳でうち貫いていた。
視界の端でナメックの海へと落下していく友の影。
彼が海中へ落下することすらゆるさない。
女のエネルギー波が彼の巨体をカケラも残らず蒸発させた。
「ドーレ…!?ッ〜!!!」
頭が沸騰するのを理性で押し留め、自身の最高の技をノータイムで繰り出す。
右腕に超高密度のエネルギーを纏わせて自身の肌同様に紫の刃を形成する。
拳を引き抜いた隙だらけの女の横っツラに刃を叩きつける。
ーーーその綺麗な顔をずたずたにしてやる…!!
…が、サウザー渾身の必殺技「サウザーブレード」も…たった2本の指先で受け止められてしまった。
どんな物体をも両断する絶対の切断も、刃が当たらなければなんの意味もない。
「ば、バカな…!!」
彼の驚愕の言葉に女は一切の反応を示さない。
無慈悲に向けられる真っ赤な掌。
細い指先に、その可憐な容姿に見合った柔肌。
そこに凶悪な赤い光が集約し…
あっさりサウザーの腹に風穴をこさえてしまった。
「く、くう、らさま、もうし、わけーーー」
懺悔の言葉すら許されない。
自由落下する彼の全身を腹を貫いたのと同じエネルギーが彼を包み込み…カケラも残さず消し飛ばしてしまった。
先のグルドへの反省を踏まえたフルパワー。
文字通りの秒殺。
後に残ったのは相棒に任せたもう1人の戦士。
ーーーラディッツのところに行ってあげないと
「ほう、サウザーを殺すか…女、名を名乗れ。」
「!?」
そこまで思考を回したところで、彼女の体は縛り付けられた様に動けなくなった。
背後から感じた超凶悪なプレッシャーに。
振り返る、そこには先ほど悟空が戦っていた異星人…とよく似ている男(?)がそこにいた。
全身の毛が逆立つのを感じる。
ほとんど条件反射で界王拳の出力…限界を超えた5倍の力…
己の持つ最高のパワーを超えた極パワーで、その顔面目掛けて不意打ちを浴びせる。
先手必勝ならぬ、先手必殺。敵が呑気に会話を試みてる間に殺す…!
しかしそれは片手であっさりと受け止められてしまった。
あまりにも無慈悲、理不尽。
先ほどまで感情を1%も出さなかった黄色の瞳が動揺に揺れる。
それは相手に自身の手の内を晒すには十分な情報だった。
「…いい判断だ。だがこの程度では俺を倒せん。…残念だ、少しは楽しめると思ったのだがな?」
動揺は絶望に、絶望は恐怖に変わる。
纏った紅蓮のオーラはあっさりと消滅し…彼女の戦意は完全に砕け散った。
あっさりと彼女の拳に自由を返した彼は淡々と続ける。
「三度目はないぞ?女、名乗れ。」
「…小籠包。」
彼の命令に小籠包は屈したように、喉奥から言葉を絞り出す。
たったそれだけで男は満足そうに口角を吊り上げた。
「そうか、小籠包…貴様が気に入った。逃げられないのならば僅かな勝算に命を賭けるそのパワーと精神、この俺の為に振るえ。」
構えをとりながらもかすかに震える彼女を男は責めない。
怪獣相手に一度はその勇気をふるって殴りかかった英雄である。
現実を知って震えるのは無理もないことなのだ。
「…こ、光栄ね…!で、でも…貴方こそ、名乗ったら、どう…?」
返されたのは辛うじての抵抗。
拒絶でもない、かと言って肯定でもない、答えを先延ばしにする僅かながらのささやかな時間稼ぎだ。
「俺の名はクウラ、いずれこの全宇宙を手中におさめる男だ。」
「…ふ、フリーザと、どう言う関係…?」
対話の継続、クウラは戯れに彼女の戯言に付き合うことにした。
これは油断ではない。余裕だ。
強者であるからこそ、慌てて弱者を踏み潰すなどみっともない真似はしない。
「奴は俺の弟、この宇宙の覇を争っている。…形の上ではな。」
「…そんな競争相手はいつでも殺せるつもり?」
彼女の問いかけにクウラはますます気を良くする。
フリーザとクウラの力関係を正しく理解する者は…この宇宙にはいない。
フリーザ様とクウラ様は互角である。
いやいや、フリーザ様は力を隠しておられる。
何を言う、クウラ様は常にご自身のお力を制御できている。
そんな雑兵どものくだらない与太話。
だが仕方ないこと、小さきモノ達は自分たちが巨大すぎるが故にその優劣を計れないのだ。
正しい物差しを持たぬのなら正常な判断ができないのは致し方ない。
それをこの女は正しく理解したのだ。
これほどの喜びはない。
戦士として己が力量を正しく理解し、恐れる。
それは雑兵共が情けなく自分たちに怯えるのとは訳が違うのだ。
「目もいいようだな?素晴らしいぞ、では重ねて問おう。俺の下に来い。」
ごくごく自然に小籠包を威圧しながらクウラは命ずる。
軍門に降れ、と。
長い長い深呼吸の末…彼女は覚悟を決めたように切り出した。
「…お断り。さっきの彼みたく、使い潰されるのはゴメンだわ。」
萎えた闘志を強引に奮い立たせているのが解る。
こう言った交渉ごとは主にサウザーが行なっていた。
クウラが相手では会話にならないからだ。
ーーーやはり奴のようにはいかんな。
そうやって、フッと軽く笑って見せる。
次の瞬間、それは冷酷な支配者の顔へと切り替わった。
「では、その言葉を後悔させてやろう。…弟からはうまく逃げおおせただろうが、俺は奴のように甘くはない。」
「ッ……!」
小籠包の全身が戦闘態勢を維持したまま硬直する。
瞬間移動で逃げることはできる。…しかし問題はその後だ。
先の三人はまっすぐセーフハウスへと向かっていった。
つまり自分たちの隠れ家は彼らにバレているということ。
自分が逃げれば…次に狙われるのは可愛い甥っ子同然の少年や、せっかく救ったドラゴンボールの管理者たちを危険に晒すことになる。
そしてクウラと名乗る異星人はその両手を大きく広げた。
「貴様の目の良さに免じて、少し遊んでやろう。弟を殺す前のわずかながらのウォーミングアップだ。」
ーーー参ったな、地球には帰れそうにないや。
小籠包は、覚悟を決めた。
サウザー
基本最大:17万
ご存じクウラの側近の1人。気を消すとかいう離れ業に不意打ちされて、あっさりと命を散らしてしまった。
ドーレ
基本最大18万5千
右に同じ。決して口調再現が面倒だったからとかではない。
小籠包
基本最大:2万8千
気功法:56万
界王拳:168万
サウザーの感じ取った「測定不能」の怪物。
師と同じようにあっさりと敵をぶっとばしました。
漸くオリ主面目躍如!
無双タイムの始まりだひゃっはー!
クウラ
基本最大:???
そうは問屋がおろさない。現れたのは意味不明な気のデカさを持つ謎の異星人。
問いかけに対して答えるわけでもなく、小籠包は己が出力を超えたパワーを見せつけた。
小籠包
界王拳4倍:224万
限界を超えたパワーで不意打ちし…一撃で仕留めるつもりだったが、クウラには全く通じなかった…。
もうだめだ…おしまいだぁ…。
そんな風にヘタれるのも無理はないが、持ち前の精神力でなんとか生意気小娘で反応する。
結果、クウラ様は気をよくしてペラペラおしゃべりに興じてくれました。