キョウセイプログラム 作:獄華
「ね〜。こうした方が映えない?」
「私はこっちのが良いと思うな〜」
放課後の街中。
青い制服を着た二人の少女は喫茶店で手鏡片手にSNSする映えするメイクを考えていた。
女性や子連れが多いカフェは二人の話し声に迷惑そうに顔を歪める人々もいた。
「ねぇ。美咲!。ちょっとこれ見て!私ら晒されてんだけど!」
友人のメイのスマホを見るとSNSタックスに『DQN学生二人いてウザ。子ガチャ外れて親が可哀想』と投稿されていたのだ。
「本当だ!。ウッザ……誰だよやったの!?」
美咲は辺りを見回すが誰も目を合わせない。
「はぁ、マジうざ……。メイもう行こ」
「そうだね。クソ、マジ覚えてろよ!」
憤った顔で二人は会計を済まし店を後にした。
――――――
愚痴りながら二人は外を歩く。
「マジうざいね。晒した奴。金払ってんだからウチらがどう過ごそうが勝手じゃん」
「まぁまぁ。もう気にしないで今日は帰ろ」
「うわぁ……美咲、おっとな〜。私もまだ子供だね」
「何言ってるの私だって子供だよ。たださあんな奴等相手しててもキリないじゃん。気にしないのが一番だよ」
「おぉ~。美咲マインドだね」
「何それ」
ふざけながら二人は途中で別れ家に着いた。
「ただいま〜」
帰宅の挨拶をするも返って来るのは静寂のみ。
美咲にとってはいつも通りの事であるため特に何の感情も湧かない。
「子ガチャ……外れ?。親ガチャ外れの間違いでしょ」
自分以外誰も居ない家で美咲は静かに呟いた。
『美咲。今日もお母さん遅くなるから自分で何か食べてね。五千円置いてあるから、材料買うなり何か頼むなり好きにしてください』
SNSアプリ、レインに絵文字の一つもない無機質な文章が書かれていた。
それを見て美咲は溜め息をつく。
実の母からのメールだと思うと尚更だ。
いつからだろうか両親と一緒に食事が出来なくても平気になったのは。
別に親の顔なんて見なくても平気だが……あまりにも味気無い。
その日美咲はフードデリバリーサービスを使ってオムライスを頼んだ。
お風呂も終え、パジャマに着替えベッドに横になりながらスマホを弄くる。
「はぁ……良かった。そんな拡散してないや」
件の喫茶店での晒しをエゴサを掛けて検索したが批判コメが数個のみでスレも立たない等バズってる様子はなかった。
しかし教師には何か言われそうなのでその時用の軽い言い訳は頭の中で考える事とした。
「ってか。早く眠ろ。今日は何か疲れたし……」
スマホを充電器に挿し美咲は布団に包まる。
深い眠りにつき意識を手放した美咲に気付く余地はなかった。
『オロカナニンゲンハッケン……キョウセイプログラムカイシ』
スマホが一人でに動き出した事に………。