星核ハンターと共に行く   作:セフィム

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誤字脱字報告本当にありがとうございます。


歪な兄弟の再会

 星核ハンターとしての初任務、麻薬製造工場襲撃を終えてから約一か月が経過した。

 

 学校も部活もない休日、俺はソファに座り膝の上で丸まっているエリオを撫でながらニュース番組をぼんやりと見ていた。

 

 テレビでは未だに麻薬工場のことを取り扱っている。まぁそれも仕方ない、今東都で問題視されている麻薬が日本の首都で作られており、しかも従業員67名と麻薬売人14名が全員刃物と銃器で虐殺され犯人はまだ捕まっていないのだから。

 また米花町や杯戸町、星穹町などで麻薬製造の首謀者と思われる人物達も刃物と銃器で斬殺され同一犯の犯行として警察が捜索している。

 

 警察は裏組織、ヤクザなどのいざこざか縄張りが被ったので襲撃されているのではないかと考えているらしい。

 この事件は、愚弟などの謎を追い求めるハイエナ探偵もどきからすれば涎ものの事件だろう。

 

 続いて話題は変わり、最近名を馳せ始めている探偵眠りの毛利小五郎のニュースとなる。

 コナンとなって最初の事件、社長令嬢誘拐事件と沖野ヨーコが関わる迷探偵を名探偵にするアイドル密室殺人事件から始まり今日まで多くの事件を解決してきたようで、つい先日起きたテレビ局殺人事件が人気に拍車をかけているのだろう。

 キャスターやゲスト出演し事件の被害者でもある沖野ヨーコからも毛利探偵を讃えている。

 

「凄いんだね、この毛利探偵っていう人」

「ホタル、前にも説明したがこれを解決しているのは愚弟だ。本来の毛利探偵は推理は見てて可哀想になるぐらいダメだし、私生活とかだめだめなマダオだから」

「そ、そうなの?」

 

 俺の隣に座り同じくテレビを見ていたホタルが興味深そうに毛利探偵の特集を見て反応するが、前世での知識と今世での探偵活動していた時の推理を思い返す。

 

「あぁ、的外れな言動と推理をしてよく周りを呆れさせる。昼間から酒を飲みまくって依頼の電話も時によっては断るし、女性に対しとてもだらしない」

 

 本当の毛利小五郎という人物に呆れてしまっているホタルに”でも”と話を続けた。

 

「やるときはやる頼れる大人で家族想いな父親だよ。探偵としても覚醒すれば愚弟すら凌駕する」

 

 コナン映画の9番目の作品、水平線上の陰謀(ストラテジー)や原作の小五郎の同窓会殺人事件とかでも毛利探偵のカッコよさがわかる。

 俺が好きなのはやっぱり映画だな、初めて毛利探偵のカッコよさを知ったいい作品だ。

 

 ホタルと一緒に毛利探偵の特集を眺めていると、ふとテレビ画面の端に表示されている時計が目に入った。

 

「もうお昼か」

「そうだね、ご飯どうしよっか?」

「カフカ達はそれぞれ出かけてるし、今から作るのも面倒だし外食するか。ついでに愚弟の様子も見ておきたい」

「じゃあ行き先はポアロ!? 実は最近女の子の間であそこのスイーツが美味しいって評判なの!」

 

 噂のスイーツが食べれるということで嬉しそうに笑い目を輝かせるホタルは出かける準備をしてくると言ってリビングを出て自分の部屋へと行ってしまった。

 

 膝の上に乗っているエリオをソファの上へ移動させ俺も出かける支度をする。財布とスマホを持ってガレージから愛車のバイクを玄関まで運び玄関前で待っていたホタルを載せてポアロのある米花町までひとっ走りする。

 

 相変わらず西から東へ、南から北へと忙しそうに走るパトカーを尻目にポアロまで来るとバイクを止めて入店する。

 昼を少し過ぎていても休日という事もあってか店内はかなり賑わっていた。お店の看板娘である榎本梓さんに席を案内してもらって出されたお冷で喉を潤しながらメニューを見ていく。

 

「うわぁ、結構メニューが豊富なんだね。スイーツメニューもこんなに!」

「スイーツはご飯食べた後だぞ」

 

 スイーツのページを一生懸命見るホタルに注意して、ランチメニューへ目を向ける。

 原作開始して一か月程しか経っていないのでトリプルフェイスの異名を持つ安室透こと降谷零は当然ながらいない。彼が居ないという事は彼の作るハムサンドはない。

 アニメオリジナルでパン屋が教えを乞うほどの料理を食べてみたかったのだが、彼が来た時の楽しみにしようか。

 

 他にないかとページをめくるとパスタのページにポアロ特製カラスミパスタの文字があった。

 スピンオフ作品、ゼロの日常にて登場したあのカラスミパスタ……これにしよう。

 ホタルもメニューが決まり梓さんに注文の内容を伝えて料理が来るまでの間軽く雑談というか、小言をもらっていた。

 

「真夜は最近女性関係がだらしないと思うんだ」

「いや、だらしなくなんかないと思うが」

「だらしないよ。紅葉さんだけならまだしも先月入学してきたばかりのユリちゃんと何かと話してるし、あたし見たんだよユリちゃんが君に抱きついてくる所‼」

「ユリは実家のご近所さんで幼馴染みたいなものだし、甘えて来るのは昔からってホタルも知っているだろ? まぁ高校生になっても抱きついて来るのは困るけど」

「それはそうだけど……あと星穹大学にいるボーイッシュの女性―――」

 

 誤解? というか言いがかり? を弁明していると、カランっと扉に備え付けられた来客を知らせるベルが響いた。

 

「いやー腹減ったなぁ‼」

「もう、お父さん! お店で大きな声出さないで‼」

「あはは……蘭姉ちゃんも声大きいよ」

 

 店内に入って来たのは、前世でのテレビ画面や映画館のスクリーンで何度も見てきた三人組だ。迷探偵の毛利小五郎。ヒロインで娘の毛利蘭。そしてこの世界の主人公で愚弟の江戸川コナンだ。

 

「ん? 何だ真夜君じゃないか?」

「こんにちは毛利探偵」

 

 梓さんに案内された席は何と俺達の席の隣、俺の存在に気が付いて少し驚いた表情をしながらも毛利探偵が声をかけられ笑顔で対応する。

 声をかけられたことで毛利蘭と愚弟も俺の存在に気がついたらしい。

 

「お久しぶりです、真夜さん‼」

「あぁ、久しぶりだな。最後に会ったのは愚弟の中学校卒業式の日だったか。それで、蘭さんの隣にいる幼少期の愚弟そっくりな君は?」

「ぼ、僕江戸川コナン‼ し、新一兄ちゃんの親戚でよく遊んでもらってて真夜兄ちゃんとも遊んだことがあるんだけど覚えてる?」

 

 幼い子供ぶった演技をしながらぎこちない笑みを浮かべる愚弟。

 ここは、愚弟の話に合わせたほうがいいだろうな。別に知らないと突っぱねてもいいがそうなったら毛利親子の言い訳だったりと色々面倒なことになるし……

 だからと言って江戸川コナンの正体=工藤新一だと一瞬で見抜いて変に協力関係になったら絶対いい道具にされる。殺人事件の現場に連れまわされて探偵役や黒ずくめの組織の危ない現場への投入、使いぱっしりとか。そうなると物理的にも精神的にも星核ハンターの任務にも影響が出る。

 

 ここは正体には気づいていないが、話を合わせつつとぼけて有耶無耶にしとくか。

 

「……悪いが記憶に―――」

「ねぇ、コナン君。コナン君って阿笠博士の親戚って言ってなかった?」

「あ……えっと阿笠博士とも親戚なんだけど‼ 新一兄ちゃん達とも親戚なんだよ‼ そうだよね真夜兄ちゃん‼」

 

 この愚弟、いきなり墓穴を掘ったな。

 しかも変に親戚設定持って来るなよ、幼少期の時から自称親戚と名乗る不審者達から話かけられまくった事を覚えていないのか?

 

 だが、これはある意味チャンスだ。

 

「俺の知らない親戚……もしかして母方の親戚か?」

「そ、そうだよ‼」

 

 考え込むふりをしながら「……君のような子が居たような」とつぶやくと愚弟はニンマリと悪い笑みを浮かべる。

 この愚弟……‼ 他人の真実を暴くために盗聴器や発信機を躊躇いなく着けてくるくせに自分のことは別とか、本当に最低だな。

 いつか大勢の前でお前のひた隠しにしている幼児化の真実を世間にぶちまけてやる。

 

 親戚と言えば、愚弟に従弟がいることを伝えてなかったな。

 映画100万ドルの五稜郭(みちしるべ)で判明した工藤新一と怪盗キッドこと黒羽快斗が実は従弟だったこと。まぁ、伝えたら怪盗キッド=快斗だと気づかれて大変なことになるんだが……

 あのクソ親父、毎年貰う高級フルーツや骨董品の送り主がファンの人からかと聞けば、幼少期に生き別れた双子の兄からとか言い出されたときは本当に、愚弟の大切なことが報告できないのは父の遺伝なんだなと感じた。

 

 従弟の存在を知った俺は叔父の名前を聞き、母さんの変装の師匠(叔父)と会う時は着いて行って贈り物のお礼をしっかり伝えた。その際に快斗と知り合い仲良くなった。

 最近快斗と会ってないけど元気に……してたわ、怪盗キッドとなって一昨日資産家からビックジュエル盗んだって新聞の一面を飾ってたな。実は生きてる盗一おじさんが亡くなった時はご飯を作りに行ったりして励ましたりしたな、今度作りに行こうかな。

 

「そこの坊主の話はどうでもいいがよ。真夜君、そこの女の子はひょっとしてこれか?」

 

 話を変えてくれた毛利探偵が小指を立てながらホタルの方を見る。いや、最近の子は小指立てる=恋人だとはわからないと思うんだが……

 

「いや、ホタルとはそんな関「はじめまして」けい―――――」

「あたしは焔鎧(えんがい)ホタル。真夜とは同い年で一緒に住んでるの、よろしくね!!」

「「「え!!⁉」」」

 

 何故か話を遮られたあげく色々誤解を生みそうな発言で今から面倒な予感がひしひし感じるのはきっと間違いなじゃないだろう。

 

「ど、どういうことだ真夜君!! 家を出たとは聞いてたが女の子と同棲だと⁉」

「いや、一緒に住んでるのホタルだけじゃないですから、ルームシェアみたいな感じで一緒に住んでるので」

「ルームシェアって他に誰が住んでるの、真夜兄ちゃん?」

「……俺とホタル以外にあと三人居て五人で住んでる」

 

 いつの間にか俺の隣に移動して来ていたプライバシーガン無視の愚弟からの質問を軽くいなしながらの食事をする羽目になった。

 おかしい、ただ様子を見に来ただけなのに何でこんな質問攻めになってるんだ……あと、この感じだと絶対殺人事件に巻き込まれる。

 

「きゃあぁぁぁぁ―――!!!!」

「塚本さんっ!!⁉」

 

 ほらな。

 

◆◇◆

 

 体が縮んでからもう一か月も経った。

 オレは江戸川コナンとして怪しまれないようにもう一度小学校に通いだしたし、へっぽこ探偵のおっちゃんに代わり阿笠博士の発明してくれた蝶ネクタイ型変声器と腕時計型麻酔銃を使って眠りの毛利小五郎として事件を解決している。

 

 奴らの手がかりは未だに何もない。

 だが、一か月前に起きた麻薬製造工場虐殺事件が気になった。あの事件は奴らと何か関係があるのじゃないかと疑っているがまだ調べる手段がない、現場近くには何度も行ってはいるものも一か月も経っている以上破壊されたトラックや床の血痕も掃除されていて何もわからない。

 

 どうしようかと考えてると、先日解決したテレビ局殺人事件の影響で多くの依頼が舞い込みお金を得たことで今日のお昼は、毛利探偵事務所の一階にある喫茶ポアロで昼食を取ろうということになった。

 

 お昼ということもあって賑わっている店内でまさかの人物と出会った。

 

「ん? 何だ真夜君じゃないか?」

「こんにちは毛利探偵」

 

 あ、兄貴⁉ な、何でここに兄貴が⁉

 梓さんの案内された席の隣には、母さん似のくるくるとした巻き毛のようなウェーブのかかった黒髪長髪の男性が女性と一緒に座っていた。

 ……何か、見ないうちに兄貴の雰囲気変わったか? 陰があるっていうか、どこか冷たい眼をしてる。

 

 てかそんなことよりも蘭やおっちゃん達が居る前でどうやってオレの事を説明する⁉ 親父も認める洞察力を持つ兄貴なら小さくなったオレのことに気づくと思うし、いやでも小さくなるっていう非科学的で非現実的なことを思いつくとは思わない……はず。

 てか、兄貴と一緒にいるこの綺麗で可愛らしい女の人は誰だ? 兄貴の恋人か⁉

 

「それで、蘭さんの隣にいる幼少期の愚弟そっくりな君は?」

「ぼ、僕江戸川コナン‼ し、新一兄ちゃんの親戚でよく遊んでもらってて真夜兄ちゃんとも遊んだことがあるんだけど覚えてる?」

 

 頼む兄貴!! 気づいたなら気づいたで何とか話を合わせてくれ!!

 

「俺の知らない親戚……もしかして母方の親戚か?」

「そ、そうだよ‼」

 

 オレを見つめ、考え込みながら「……君のような子が居たような」とつぶやく兄貴に上手く騙せたことに内心ガッツポーズをする。

 だけど、兄貴がもし気がついてくれていたら奴らの情報を掴むために色々と協力してもらおうと思ったのにな……兄貴って世話焼きで交友関係めっちゃ広いからな。

 

 自由奔放な母さんの代わりに上手くご近所さん達と付き合い。その家の娘や息子の家庭教師役をしてたり、親の帰りが遅くて毎晩一人で過ごしている子のために家事をしに行ってたな。締め切りを破り失踪する親父の代わりに文庫の編集者さん達の相手をして仲良くなってたりしてたな。

 ……いや、これは母さん達が悪いけど。本当に兄貴は、何処で知り合ったかはわからねぇけど京都弁を話す女の子やサングラス掛けた刑事の人達とも電話や話しているところを見たことがある。

 

「そこの坊主の話はどうでもいいがよ。真夜君、そこの女の子はひょっとしてこれか?」

 

 さっきまでメニューと睨めっこしていたおっちゃんが話の話題を兄貴と同じ席に座る可愛らしい女の人へと変えてくれた。サンキューおっちゃん!!

 でもよ、おっちゃん。さすがに小指を立てて暗に恋人じゃないかって示唆するのは古くねぇか?

 

「いや、ホタルとはそんな関「はじめまして」けい―――――」

「あたしは焔鎧ホタル。真夜とは同い年で一緒に住んでるの、よろしくね!!」

「「「え!!⁉」」」

 

 な、何だと⁉

 

「ど、どういうことだ真夜君!! 家を出たとは聞いてたが女の子と同棲だと⁉」

「いや、一緒に住んでるのホタルだけじゃないですから、ルームシェアみたいな感じで一緒に住んでるので」

 

 家を出てこの人と一緒に住んでたのかよ⁉ でも、質問したら少しはぐらかすように答えられたけど同棲じゃなくてルームシェアみたいな感じで五人で住んでるんだな。

 どうやらオレが工藤新一って気づいてないみたいだし、ちょっと兄貴について調べてみるか!!

 蘭の隣から兄貴の隣へ移動して最新馴れてきた子供の振りをして質問をしていく。

 

「ねぇねぇ、真夜兄ちゃんは家を出て何処に住んでるの?」

「……星穹町だ」

「学校は? 近いの? 何処に通っているの?」

「……何でそこまで知りたがる」

「え、へへ……だって新一兄ちゃんに聞いても真夜兄ちゃんの行ってる学校は知らないって言ってたから、気になっちゃて」

 

 訝しそうにオレを見る兄貴はまるで観念したかのように「星穹学園だ」と答えてくれた。

 だが、兄貴の答えにオレを含め質問の答えを聞いていた蘭は驚きの声をあげる。

 

「え⁉ じゃあもしかしてホタルさんも星穹学園に通ってるんですか⁉」

 

 蘭の質問に兄貴達は苦笑いしながら頷いた。

 マジかよ、あの星穹学園に通ってんのかよ。帝丹高校に行くことはもう決まってたけど中学三年の担任に記念でいいから星穹学園の入試受けて来いって言われて渋々受けてみたけど馬鹿みたいに難しかったぞ!!

 オレや蘭、園子をはじめとしてほとんど全員が全滅。合格した奴らはオレ達と違って記念じゃなくてガチで行こうとしっかり勉強と対策してたからな。

 

「そう言えば、真夜さん。新一が何処にいるか知りませんか?」

「愚弟が?」

「はい、先月トロピカルランドに一緒に遊びに行ったきり事件の捜査で会えなくて……連絡とかはくれるんですけど、いつも電話だけで」

 

 蘭……

 悲しそうな顔して兄貴にオレのことを尋ねる蘭にオレは思わず顔をそむけてしまう。

 

「知らん」

「え?」

「愚弟が何処にいるかなど知らん、そもそも俺はあいつの連絡先すら知らん」

「連絡先もって……兄弟なんだから」

「あいつは俺のことを嫌っているし、話もしたくないんだろ」

「そんなことない!!」

 

 自分が小さくなった江戸川コナンだということを忘れて思わず叫んでしまった。

 兄貴や蘭、ホタルさんやおっちゃんの視線が刺さる。慌てて「新一兄ちゃんが言ってたんだ」と言って誤魔化す。

 

「真夜兄ちゃんのことを大切に思ってるって言ってたよ!! 掃除、洗濯をしてくれて事件の捜査で帰りが遅くなってもお帰りっていつも言って温かい料理をだしてくれて……事件でも新一兄ちゃんよりも早く解決して、凄い尊敬してるって!!」

「……」

「だから、その……一度新一兄ちゃんとちゃんと話してみたら? 僕、新一兄ちゃんの連絡先知ってるから真夜兄ちゃんの連絡先を教えてくれたら新一兄ちゃんに渡すよ!!」

 

 必死に兄貴への感謝と思いを伝えると、食事の手を止めて兄貴はポケットからスマホを取りだしてとある画面をオレに見せる。

 

「俺の連絡先だ。いつまでも知らないのは面倒だからな……」

「ありがとう、真夜兄ちゃん!!」

 

 オレは早速コナンのスマホに兄貴の連絡先を登録する。

 これで困った時は兄貴に頼ることができるぜ。博士も言ってたけど兄貴の推理力や洞察力は親父並みだ、それに交友関係も広いからオレの知らない情報や奴らへの手がかりを得ることもできるかもしれない。

 取り敢えず今夜、兄貴に電話して改めて感謝を伝えつつ奴らの情報を何か知ってないかさりげなく聞いてみるか。

 

 その後も色々質問をしていると突然外から悲鳴が聞こえてきた。

 

「きゃあぁぁぁぁ―――!!!!」

「塚本さんっ!!⁉」

 

 オレとおっちゃんは急いでポアロを出ると、一人の男性が目を見開いて亡くなっていた。男性の周りには知人と思わしき二人の女性と男性が慌てた様子で遺体を揺らし触ろうとしていた。

 

「触っちゃダメだ!!」

 

 急いで周りの人達を離れさせると、おっちゃんが蘭に警察を呼ぶように声をあげ現場保存のために周りの人達に離れるように呼びかける。

 そして知人や通行人達を遠ざけたおっちゃんは、亡くなった男性に手首に手を当てて脈を測る。

 

「ダメだ。亡くなってる」

「そ、そんな⁉」

「塚本さん……」

 

 程なくしてパトカーが数台やってきて目暮警部達がやって来た。

 鑑識の人達によって死因が毒物だと判明し、被害者と友人関係だという三人の事情聴取が開始された。

 

 死因は毒物で、被害者はタバコを数回吸うと急に苦しみだして亡くなったという。

 毒は被害者の親指とタバコの吸い口に付着していて、タバコに毒物が最初から仕込まれていたのではないかと目暮警部達は考えていたが、被害者の吸っていたタバコは被害者がつい数分前にコンビニで買った新品で店員の証言と監視カメラから嘘は言っていない。

 また被疑者はライターを車に忘れたらしく友人の一人からライターを借りて火をつけたらしい。

 

「(クソ。犯人はどうやって毒をタバコに仕込んだんだ?)」

 

 数分思考し続けてもわからず、情報収集のため改めて被疑者達から話を聞こうと彼らの所に行こうとすると被疑者達がいなかった。

 な⁉ ど、何処に行った⁉ まさか逃げたのか⁉

 

「た、高木刑事‼ 被疑者達がどこ行ったしらない⁉」

「あぁ、コナン君。彼らなら二人にはもう帰ってもらって、一人はパトカーに乗せてるよ」

「な、何で二人を帰しちゃったの⁉ まだ事件は解決してないのに⁉」

「? 事件はもう解決したよ」

「え?」

 

 高木刑事の言っていることが理解できなかった。

 事件がもう解決した? どうして、もしかしてあのへっぽこ探偵のおっちゃんが事件を解決したのか⁉

 

「さっきポアロから出て来た男性が僕に推理を聞かせてくれてね。その人の通りに調べたらトリックに使用された100円ライターが出てきて、改めて被疑者に証拠を出しながら話を聞いたら自首してきて事件は解決したんだよ」

「ら、ライター?」

「うん。タバコに火を貸してくれた人が犯人でね。100円ライターの火をつけるフリントホイールに毒を塗って殺害したみたいなんだ」

 

 そうか、だから被害者の親指に毒の跡があったんだ。

 ライターの火をつけるには基本的に利き手の親指を使う。そして一度煙を吸い吐くときは火が付いたタバコは利き手の親指と人差し指を使って離す、その際に吸い口に毒が付着する‼

 かなり無理のあるトリックだが、犯人は友人で被害者がタバコを吸う所を何度も見ていれば犯行は可能だ。

 

 高木刑事はさらに、持ち物検査で毒付き100円ライターが見つからなかったのは、騒ぎになった際に道端に捨てて検査の時には毒を塗っていない二本目のライターを見せたらしい。

 

「そ、それで高木刑事、事件を解いた人は?」

「あぁ、お礼を言おうと探してももういなくてね。巻き毛のようなウェーブのかかった黒髪長髪の男性で隣には銀髪の女性が居たよ。そうだなぁ、二人とも年齢は蘭さんと同じぐらいかな」

「それって……‼」

 

 兄貴だ。やっぱり兄貴は凄い、オレが悩んでる間にあっという間に事件を解決するなんて……

 でも、兄貴は現場にも聴取にも参加してないのにどうやって解いたんだ?




 ガバガバな事件で申し訳ない。トリックを考える青山先生やサスペンス小説を書く人達には本当に頭が上がりません。

 因みに真夜が事件が解けた理由は、規制線をほぼ張らずパトカーなどの耳も目もない場所で聴取をせず堂々と道のど真ん中で捜査状況や聴取をしていてそれが聞こえたから

 次回は少年探偵団とあるオリキャラの話を終えてから劇場版へと行こうかと思います。

真夜くんが 特殊能力を使うのはありなし?

  • 星核ハンターなんだし使ってイイよ!!
  • コナン世界で生まれたからなしで実力でいけ
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