バンビーズのみんなー!   作:覚め

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主人公に悲しい過去が!!とかはないです。ただハッシュさんは好きです。


第10話

私は人の話を大体聞き流している。まあ、それがバレたことはないから、聞き流していないかもしれない。この城から離れた場所に黒崎一護と護廷十三隊が来たらしい。場所は知らないけど、私は雨竜についていくのだからあまり関係ないかな。あ、雨竜も行くんだ?じゃあ私も行くね。

 

「ねえ雨竜」

 

「なんだ」

 

「陛下のこと、裏切る気ある?」

 

「っ…」

 

どう見ても図星だ。露骨な反応が過ぎる。でもそれで良いかな。私には関係ないだろうし、狙いは陛下だけだろうし。まあ私の目の前で陛下に弓引かない限りだけど。その時はその時で、逃げるが吉。しっかし、黒崎一護も護廷十三隊もいないなぁ。どうしたもんかな。

 

「それで、君は僕をどうするつもりなのかな?」

 

「どうもしないよ。私の目の前で陛下を殺そうとしない限りは。その時は逃げるだけ」

 

「僕を止めないのか?」

 

「あのね。勝ち目のないことして、何が得なの?私、親衛隊の中だと一番弱いんだよ?近くにハッシュさんとかが居れば別だけど」

 

「そうか。じゃあ、君の目の前では陛下に忠誠を誓うよ」

 

「わーい」

 

そりゃ嬉しい。と言って、ある程度歩き回ったので帰ろうとした時。目の前にバンビーズが現れた。リルトットとジジがいない。他のキャンディちゃん、ミニーちゃん、バンビちゃんが来ているわけだ。雨竜を行かせて3人と対峙する。私はこの3人に言い訳ができるだろうか。ハッシュさんみたいに。

 

「よぉ、リーベ。随分イチャついてんなぁ?」

 

「そう見えた?少なくともキャンディちゃんとバンビちゃんにはそう見えないはずだけど」

 

「減らず口ね」

 

「生意気ですぅ〜」

 

「で、何?陛下に頼んでバンビーズも親衛隊にしろって?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

「復讐が目的ですぅ」

 

「あんなやり方されて黙ってられるかよ」

 

「そう。ま、私はそのおかげで生きてるんだけどね」

 

ある程度喋って翼を広げる。滅却師完聖体ではなく、滅却師最終形態の翼を。眼前に霊視を集め、片翼を掲げるようにして自分の身を包んで、翼を貫く勢いで霊力を放出する。所謂虚閃。所謂霊力の放出。単純で出が早い。そして威力も低い。3人にはせめて死なないでほしいという願いを込める。

 

「手加減かよリーベ!!」

 

「どーせあんたも用無しになったら聖別されるのに余裕ね!」

 

「…一度聖別の対象となった者はもう2度と聖別されない。」

 

ロバートさん伝の言葉。故に、聖別から逃れる術は無いわけではない。そのロバートさんは死んだようだけれども。だから、三人を殺しはしない。死神に回収させて、そのまま下に連れて行ってもらう。陛下の死を望むわけじゃない。3人が生き残る方法は、陛下が死に絶え死神が勝った時だけ。

 

「だから戦う意味はないでしょ。バンビちゃんは特に」

 

「何言ってんだ?アタシ達はお前を殺しに来てんだよ」

 

「それなのに私達の心配?」

 

「生意気です」

 

「やめてよ。私に勝てるわけないんだから。」

 

そこから。数分もせずに決着はついた。3人は息も絶え絶え、何も出来ませんと言った具合だった。3人を担いで頼りに死神たちのところへ投げる。3人の腹に、瀕死と書いて。誤解されても良い。というか、それがわからない奴らじゃない。リジェさんは別の奴等と戦っていたから丁度いい時に来たな、と思ってさっさと城に戻る。

 

「雨竜」

 

「リーベか」

 

「…ハッシュさん」

 

「未来が見えるとは思い悩むことばかりだ。なぁ、石田雨竜」

 

そう言ってハッシュさんは私に剣を向ける。何が、どうなってるの?なんでハッシュさんが私に剣を向けてるの?疑問はシンプルな答えで終わる。石田雨竜の裏切りがバレた。遠回しに伝えられる状況、今の私に向けられている剣。一体、何が━

 

「ハッシュ…さん…?」

 

「石田雨竜よ。今ここでお前が裏切り者でないと証明しろ。そうすればリーベ・クラングは助かるぞ」

 

「待て!ハッシュヴァルト!」

 

あれ、私、刺された…?しかも、近くに黒崎一護の霊圧…?もしかして、このままじゃ雨竜は黒崎一護と出会う…かな。でも、そうだな。私としては。せめてこれだけは言いたいかな。

 

「ゎ…私…は…!」

 

「!」

 

「リーベ…あなたの…っ、拾い子…!」

 

「そうだ。お前は私が拾い、育てた。」

 

「なん、で…?」

 

「それはどうでも良いことだ。さあ、早く証明しろ、石田雨竜。どう答えるかは視えているがな」

 

わたしを乱暴に振り抜き、壁に打ち付けられる。これくらいなら能力で治せるし、乱装天蓋で動ける範囲だ。起き上がれば雨竜は飛ばされていた。私は、一体、どうしたら…?

 

「来い。リーベ。お前も見るべきものだ」

 

「あ、え、はい」

 

本当に、私はどっちに味方すべきなのか。ハッシュさんの跡を追う。追って、辿り着いた先には、黒崎一護と石田雨竜。そしてハッシュさんは黒崎一護を殺すことで裏切っていない証明をさせるつもりだ。なら、私は…

 

「リーベ」

 

「はいっ」

 

「黒崎達を案内しろ」

 

「え?」

 

「やめることだな、リーベ。お前も、私に斬られたくないだろう」

 

「ぇ、あっ」

 

「それを僕がさせるわけないだろう!さあ、黒崎!リーベと行け!」

 

「おう!」

 

仕方ない、仕方ないんだ!私の上司は今は石田雨竜!なら、石田雨竜の指示に従うべきなんだ!だったら、今は黒崎一護達を陛下へ連れて行かなくちゃいけない!そうだ、それで良いんだ私は!…良いんだよね?私は…

 

「こっち!」

 

「そっちか!」

 

「…最後に私まで裏切るか、リーベ」

 

「驚きだな。どうやら、この未来は視えていなかったらしい」




ハッシュ(過去の自分をリーベに投影してしまって拾う。愛情はある。)
リーベ(騎士団に選ばれたのも拾われてハッシュが分け与え続けたおかげ。ハッシュへの感謝はある。雨竜への忠誠もある。)
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