バンビーズのみんなー!   作:覚め

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黒崎一護「しかしお前、男なんだな」
織姫「!?」
リーベ「今ここで私が殺そうか?」


第11話

「お前、本当にアレで良かったのかよ?」

 

「…多分」

 

「多分か?お前、随分と思い悩んでる顔してるぞ」

 

「っ…私は…」

 

お父さん(ハッシュさん)か、石田雨竜か。私はどっちを選べば良いのか…私は、一体。お父さん(ハッシュさん)風に言えば、天秤にかける。でも、そんなものどっちも出来れば天秤にかけたくない。なら、二つとも天秤の上から蹴飛ばしてしまえばいい。なら、私がすべきことは。

 

「ごめん、ここまで。私はあっまたの方に行く」

 

「あぁ。そっちの方がいい。俺たちももうすぐみてえだからな。」

 

「…ありがとう、黒崎一護。」

 

来た道を戻って行く。どっちも天秤から蹴飛ばして、私だけを天秤に置くために。どうにかしなきゃ、どっちかを失うし、もしかしたらその両方を捨てることになるかもしれない。私にはそれが耐えられない。どうしてこんなことに。なんだろう、今の私、現世の昼ドラヒロインみたいな考えになってない?

 

「お、間に合ったかな」

 

「戻って来たのか!?」

 

「じゃ、どっちも気絶させるね」

 

弓を引く。ハッシュさんは何言ってんだか、って顔で、石田雨竜はマジかよって顔してる。いいでしょ、私の考え。どっちも私が倒せば結果的に私が二人を助ける形になる…はず。少なくとも、二人の殺し合いは消えるはず。そうすれば、私の後悔は少なくとも消える。

 

「…本気のようだな」

 

「本気だよ。少なくとも、あのまま黒崎一護を連れて行くよりも」

 

そうして始まった。私は最終形態の霊視収束能力でほぼ不死身の特攻をしている。体のどこに矢が刺さっても直ぐに穴は塞ぐ。さらに剣が刺さっても。集めた霊子で様々な近距離武器を作る。槍、刀、棒。それでハッシュさんの攻撃を逸らしたり石田雨竜の矢を逸らしたりもする。

 

「わっ、ぁっ!?」

 

「私を気絶させるのだと聞いたが?」

 

「そりゃ、ハッタリだもんね!」

 

「主人を騙す部下なんて聞いたことがないよ」

 

石田雨竜が放った矢がハッシュさんに当たりそうになったら身を挺して止めて、ハッシュさんの剣が石田雨竜に刺さりそうならこっちもお腹と腕で掴んで止める。夜明けが来れば、ハッシュさんにも隙はできる…はず!

 

「っふーっ…!」

 

「離せ!」

 

「そのまま掴んでおいてくれ!」

 

「だめぇ!」

 

何回も何回もこの繰り返し。身体に傷が出来ては治っていく。まだハッシュさんの目が複眼であることから陛下はまだ寝ている…一体どうしたものか。黒崎一護の団はまだつかないのか?

 

「─!」

 

「陛下が起きたようだな」

 

「陛下が起きたことがそんなに嬉しいか、石田雨竜!」

 

「じゃ、どけっ!」

 

頭突きでハッシュさんを仰け反らせて、その勢いで背中からお腹に突き刺さった剣を無理やりハッシュさんから奪い取る。さっきから私のお腹傷つき過ぎ。子供産めなくなるよ?…年齢からすれば産めなくて当然の年齢だった、あーあ。

 

「っとと…!?」

 

「これだけ無傷だと、逆に嫌になるね」

 

「リーベ、何故こうも石田雨竜を庇う」

 

「っ…ふーっ…私の恩を返したかった、し…今の私の上司は、石田雨竜だからっ…」

 

「くだらないな」

 

「あぁ。くだらないね。君が陛下に尽くす理由くらいくだらないね」

 

「なんだと?」

 

あ、ハッシュさんキレた。でも剣はこっちだから何も出来ないはず。だから後はこの痛みに耐えながら石田雨竜の矢を全部受け切ることだけだ。この剣、捨てたらどうなるかわからないからどうにかして私のお腹の中に刺しとく必要あるんだよね。

 

「今度は私を庇うか」

 

「育ての親だからねぇ」

 

「くそっ」

 

「だが、私に背を向けるということはだ。この剣を返しに来てくれているわけだな」

 

「ぁっ!?」

 

お腹の内側が引っ張られる痛み!意外と鋭利じゃないからか、ズルズルと引き摺り出されそうで、このまま行ったら全部引っ張り出されるんじゃないかって思って。やば、どうやっても抜かれる。

 

「そこ!」

 

雨竜の手助け。ハッシュさんの肩にぶっ刺さって力が弱まる。その時に全力で踏み切ってハッシュさんの手から剣を取り出す。かなり痛い。地面に倒れ伏してもまだ立ち上がらなきゃいけない。ずっとこれ繰り返すのは無理だぞ…いや、ほんとに。

 

「雨竜…っ、黒崎一護のとこに…」

 

「こいつを倒したらだ」

 

「…じゃあ、私が倒すから…行って…!」

 

そうして石田雨竜は走り出した。お腹から流れる血の量が多い。どうやっても血は止まらない。再生することで血はなんとかしてても、痛みは全然収まらない。だめだな、ちょっとこれは…

 

「何故…お前たちは…」

 

ハッシュさんの嘆きと同時に空が青白く光った。あれは、まさか、聖別…?体を擦り起こして精一杯の突進。ハッシュさんは勢いよく吹き飛んだ。私は、ハッシュさんに当たるはずの光が、私に。

 

「っ!」

 

当たるはずだった。ハッシュさんの側近がいなければそうなっていたであろうが。ハッシュさんの側近に抱えられ、ぐったりするしか出来ない私は不格好だからと開放を求める。

 

「何故私を助けた。お前を刺し殺そうとしたのだぞ」

 

「お父さんは大好きだから…ね、お父さん(ハッシュさん)

 

「…そうか。」




次回かその次で終わり
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