バンビーズのみんなー!   作:覚め

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一護とバッハを追いかけません。
前半はハッシュと逃避行です。


第12話

ユーハバッハ。もはや陛下とすら呼べない、恐怖政治すらせずに統べる男の名。そいつを追って現世には行かない。世界が終わるなら、せめてその時はハッシュさんといたいと思い、そうして私はハッシュさんを膝枕している。娘の膝枕を享受する父である。親バカみたいな字面だ。

 

「なんだよ、お前らそんな仲だったのか?」

 

「え、嫌だよ」

 

「…」

 

「にしても無事だったんだね、リルトットちゃん」

 

「まあな…無事って言っても、そいつに助けられたようなもんだ」

 

ハッシュさんの側近である女の顔を見る。俯きで表情は窺えないけど、まあリルトットが言うならそうなんだろうね。と思ってハッシュさんの方を見る。ジジも側にはいるが、かなりの満身創痍であることは見て取れる。ま、どう言っても私には関係ないでしょ。バンビーズ抜けてたはずだし。

 

「お前、今後どうする?」

 

「んー…このままユーハバッハに世界消されるならそれで良し、消されないなら、死神達に見逃してもらえるようにするかな。」

 

「媚びれるの〜?リーベちゃんが〜?」

 

「そうかよ。」

 

そう言ってリルトットちゃんはどこかへ消えた。ジジはあとで泣かす。とまあ、一段落ついたところで。下には流石にね。黒崎一護と石田雨竜がいるし、なんなら多分藍染惣右介もいないかなこれ。ここで弱々しく感じるけど、多分あれだよね。メーターが振り切りすぎて逆に少ない数字を叩き出すやつ。怖いよねぇ…

 

「ハッシュさんはどうする?」

 

「私か…残った滅却師を整える。」

 

「残党?あぁ、純血統滅却師(エヒト・クインシー)ね。聖別で死んだんじゃないの?」

 

「いや、死んではいない。私には分かる。聖別の対象は星十字騎士団のみだ」

 

「へぇ…そうなの。まぁいいや。じゃ、バズビーの奴も綺麗にしてくるね」

 

「出来るのか?」

 

「綺麗にするだけ。要は、遺体に塗る薄化粧みたいな奴。綺麗にして生やして五体満足にするの」

 

「…そうか」

 

「それだけ。生き返りはしないよ、流石にね」

 

そう言ってバスビーのところに。聖文字がなくても最終形態があるから、綺麗に再生は出来るだろう。五体満足で火葬させてやるよバズビー。ハッシュさんの親友だ。子供の頃のね。バズビーは知らないだろうけど、ハッシュさんの剣にはBの字入ってんだからな。バズビーから貰ってたやつ。側から見ればただの聖文字だろうけど。

 

「よし…元よりちょっと脆いけど、死んでるのに再生って時点でまあ変か。」

 

「ここで死んでる奴に手合わせても意味ねえよ。」

 

「私なりの感謝だよ。ハッシュさんの分も込めてね」

 

「お父さんって呼べよ。世の父親は喜ぶらしいぜ」

 

リルトットがいつもの口調で喋る。じゃあ後は…そうだな、黒崎一護の仲間のとこ行くか。多くの霊圧っぽいのが集まってるから、取り入るなら今のうちか。この霊圧で隊長じゃないってのは無しだよね。流石に。あれ、でも下に隊長3人くらいいたよね?一人は黒崎一護の仲間で、もう一人が…いや、もう3人くらいそれっぽいのが…?

 

「見つけた」

 

「!!」

 

「お、滅却師か?なんだよ、俺らとやる気か?」

 

「面白いね」

 

「貴様…」

 

「そんな…っ」

 

「違う違う。下に行く気はないし、あんたらと戦うつもりもない。」

 

「じゃあ何か。殺されに来たのか?懺悔か?」

 

「だーかーらー。違うって。ある人間を助けて欲しいの。…って言いたいんだけど。あんたらの中に死神一人しかないのはなぁ」

 

「なんだ、私に用があるのか?」

 

頷いて小さい死神を連れ歩く。こいつ、隊長並の霊圧はあるんだよね…なのにも関わらず、私にはなんか怯えてるような…よくわかんないけど、本当にビクビクしてる。何かしたかな、私。そんな酷いことも何もしてないと思うんだけど。今の片翼の状態だと堕天使にでも見えてるのかな?

 

「それで、なんだ」

 

「ここにいる滅却師の無事をどうにかして認めさせて欲しい。陛下に力を奪われ、今の私でさえかなりギリギリの生き死にだ。他の奴らに大きい力はない。」

 

「この男は?」

 

「私の父」

 

「父!?」

 

拾われの身だけどね、と言ってみる。流石にそれ聞いて納得したのか、なんだかなのか。よくわかんないけど、少しの声を出してそれから黙った。それから少しして、ここにいる私とハッシュさん、リルトットにジジ。この四人の安全を確保出来るかを上司に聞いてみると行ってくれた。それと、バンビーズの安全。

 

「道中滅却師降ってきただろ」

 

「あ、あぁ…降ってきた…らしいな?私は気づかなかったが」

 

「あれはどうなったの?」

 

「…私は知らぬ…」

 

「生きてれば良いかな」

 

そうしてとりあえずの頼み入れをして、ハッシュさんとこに行って終わったわ〜って言って、ハッシュさん担いで。世界の終わり…いや、黒崎一護とユーハバッハのその後を見届けに行く。行ってもう終わってたらそれでよし、終わってなくとも黒崎一護に加勢してよし。行くか。

 

「…おろ?」

 

「滅却師!?」

 

「しかもあいつ…石田と戦ってた…」

 

「ハッシュヴァルト…それにリーベも!」

 

ちなみに。まともな尸魂界に来たのは初めてだ。ほんとに。一回目は戦争してたし。今も戦争はしてるけど…それでも、まだ前よりはマシな尸魂界である。お父さん担いで、リルトット達を後ろに率いてどう見てもユーハバッハの後をついて来たようなナリでいるから…警戒はされるか。

 

「雨竜。私たちはユーハバッハを憎むことにした。」

 

「それが良いだろうね。でも、それではまだ─」

 

「それでも残ってる星十字騎士団をハッシュさんにまとめて貰うことにした」

 

「…なるほど」

 

「じゃ、私はお父さんに存分に甘えるから。雨竜とはここで一旦お別れかな?」

 

ちなみに。ハッシュさんは今もなお意識はある。でも、しゃべらない。何か余計なことを言って場を混乱させたくないのか、それとも別に何かあるのか。例えば…うん、例えば。娘に負い目感じてるとか。義理の娘だとか言って経緯を説明するのが面倒だとか。まぁいいや。

 

「お父さん好き〜」

 

「リーベ…お前そんな奴だったのかよ」

 

「おい待てよ…お父さんってそいつか!?」

 

「うへー…騎士団長が父親とかさぁ…」

 

「度し難いな」




次回くらいに終わる。決着はあっさりさっぱり。
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