親衛隊に選ばれると死ぬ
どうすれば良いんだ!!!
「どうしたのみんな」
「どーもこーも、ボロボロだよ」
「強すぎ」
「やってられるかよ」
「リーべちゃん強くない?」
「私の力でも押されますぅ」
死神の卍解を奪うこと。それはつまり、奪われる可能性にも目を向けるべきってこと。流石に滅却師の力全部取られるのはあり得ないだろうから、滅却師の基礎を鍛えないとね。でもまさか、その基礎でもこんなに差があるとは思わなかった。私は服が汚れてところどころに擦り傷、それに対してバンビーズのみんなはかなりの大怪我。
「鍛えようよ」
「僕嫌だなー」
「なんで完聖体だめなのよ」
「その条件でリーベに勝てるやついるのか?」
「…いないけど?」
バンビちゃんは頭悪いから自分の長所だけは知ってるんだよね。短所は覚えないけど。まあ、私そもそも弓使ってないし。ミニーちゃんとかそうだけど、殴り合いで勝てない相手には技で対抗するしかないよねって。滅却師の小道具は卍解奪う物だけじゃないし、そこら辺考え足んないよねって言う感じ。
「何をしている」
ハッシュさん!?…金髪ロングって、個性あるなぁとか思うけど意外といるよね。似た個性多すぎて笑うくらいにはいると思う
「鍛錬」
「…何故お前がそうも余裕で立っていられるのかと聞いている」
「え、話の飛躍しすぎじゃない?…みんな、弱いもん」
「なるほど…あまり騒がしくしない方がいい。陛下の機嫌を損ねる」
「はい」
それは怖い怖い。まあ、こんなことするのは私達(私のみ)か、騒がしいMの人とかくらいしかいないと思うけど。あ、それはなんだかんだ私がアレと同類にされてる気がして嫌だな。というわけで帰って行ったハッシュさん。いつも硬い人だなとは思うけど、あの人にバンビちゃんはお年玉ねだってたんだよね…精神図太すぎない?
「…怒られちゃったし、帰ろっか」
「リーベの能力で治してからにしてよ」
「ほとんどお前がやったようなもんだろ」
「やった側にも責任があると思います」
「あーあ、僕腕も折れてるよ」
「アタシなんか足も折れてら。」
「…情けないなぁ、みんなは」
みんな、情けないったらありゃしない。悲しいことだけど、治してあげるか。聖隷して霊子を集めて、バンビちゃんたちに向ける。折れたとか言ってた部位を根本からちぎって治していく。これやるのもかなり疲れるから、あんまりやりたくないんだけど。まあほとんど私がやったのも事実だし。みんな本当に情けない。
「あの治し方しか知らねえのかよ」
「毎回毎回痛いんだけど?」
「ジジは大袈裟なリアクションしすぎ。ていうかジジはそもそも千切られたくらいじゃ叫ばないでしょ」
「いやいや、普通に痛いから。」
「キャンディちゃんもね」
「アタシはそういう能力ねえだろ!?」
「電気で神経焼き切りなよ」
「殺す気か?」
「か弱い自分を出したいなら別に良いけど」
「は?」
「あ゛?」
「…聞き捨てならないわよ」
「バンビちゃんは同意見だと思ったのになぁ…」
「オレ達も今の発言は流せねえな」
「流石に言い過ぎだと思いますぅ」
「…知らないよ、私には。」
他意はない。みんなを傷つける意図もない。ただ、私と並べって言いたいだけ。私の親はこういうことばっか言ってたから、私には他の激励の仕方がわかんない。まあでも別に、バンビちゃんは完聖体含まなければ大体最下位らへんだし。バンビちゃんくらいは基礎鍛えてもいいと思うよ。後は別に…かな?
「戦争かぁ」
「今陛下は
「キルゲさんも行ってるし」
「…それが終わって少ししたら
「アタシらは出たら戦うだけだから関係なくね?」
「大事だよ。目の前に更木剣八がいたらどうするの?」
「そういう最悪考えるなら、目の前に総隊長とかがいたらだな」
「それは死ぬじゃん。どうしようもないし」
なんて会話をして、翌々日くらいかな?忘れたけど。実際に尸魂界に攻めることになって。虚圏はどうなったのか、キルゲさん帰ってきてなくね?とか。思いつつも行ったんだよね。特記戦力二人しかいないし、なんなら一人封印だし。実質二人くらい警戒しとけば良いでしょ!って気分で行った。
「っ…」
━目の前に更木剣八がいたらどうするの?━
あの日の会話を思い出す。確かあの押し問答の末、みんなで出した結論って、なんだっけ?何人かに弓引いて、その勢いで何人か殺して、で、今。目の前に更木剣八。そんな派手に暴れてはいないはず。なのに、なんで。他とは違う、威圧感がある。でも、ここで退けば陛下に殺される。
━陛下に選ばれなければ、我々は死ぬ。
ロバートさんの会話を思い出して、逃げたい気持ちを踏み止める。
「更木…剣八ぃ…!」
見たところすでに私たちと立場は同格の滅却師を二人殺してる。ロイドさんと、Qの人。
「死ね!」
「うおっ」
私が力一杯引いた矢をあんなに軽々と受け止めるなんて。やっぱり特記戦力…でも!ここで討ち取れば選ばれる可能性がある!!
「ちょこまかと動くなよ、切れねえじゃねえか」
「━!」
殴られる。速さも化け物、力も化け物。未知数の戦闘力とは、このことか。
「おっ、腕生やせるのか!」
「なんでそんな楽しそうなの!」
矢が刺さらないわけじゃない。意に返さない、どうやっても意識に反映されない。目に向けて大量に撃ちまくるしかないか?片目は元から眼帯してるとは言え、あっちも見えたはず。返り討ちくらいが限界だなこりゃ…
「私はね」
「あん?」
「撃つより走る方が速いの!!」
走り寄って矢を更木剣八の目に叩きつける。もう一本作って背中にも刺す。腹に蹴りを喰らわせる。うわ腹筋硬いな、ミニーちゃん並みに硬い。蹴ったこっちの膝が痛む意味がわからん。そのまま走って距離をとって滅多撃ち。どうだ、どうだろうか?
「…嘘でしょ」
「良いな、お前。容赦がねえ」
「目に刺さってない…!?」
「動き止めんなよ」
言われなくたって止めないね。止めたら死ぬし。次は死角なはずの眼帯を狙うべきだな。怪我を負っていると仮定して、そこは他より脆いはず。背中の矢は突き刺さったんだ、腕かなんかで防がれたと考えて─
「っ!?」
「止めんなって言っただろ」
「ぅぁあ!」
眼帯に刺す!刺せ!刺すんだ!刺さなきゃこっちが死ぬ!精一杯振りかぶって、思いっきり刺す!
「刺したぁ!」
━更木剣八と出会ったらさ、逃げるしかなくない?━
思い出した。あの時の会話、更木剣八と出会ったらどうするか。逃げるしかなかった。それ以外は死なないにしても無事じゃ済まないって、そう思ったんだった。だからこうなっちゃった。
「─まぁまぁ楽しめたな」
「ーっ…」
「更木剣八」
「なんだ、まだ息があんのか」
「こっちは見ないでほしいな…ちょっと、女の子として恥ずかしい…からさ」
「じゃあね、更木剣八」
「─」
更木剣八の心臓を射抜いてやったぞ。どうですか陛下。私はお役に立てるでしょう。あぁ、眠い。眠たくて眠たくて…ようやく眠りに着けそうで…
「良かった…」
更木剣八 心臓に矢ブッ刺さる
リーベ・クラング 再生は追いつくも、意識が追いつかず意識不明