バンビーズのみんなー!   作:覚め

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親衛隊に選ばれないと死にかける
親衛隊に選ばれると死ぬ
どうすれば良いんだ!!!


第2話

「どうしたのみんな」

 

「どーもこーも、ボロボロだよ」

 

「強すぎ」

 

「やってられるかよ」

 

「リーべちゃん強くない?」

 

「私の力でも押されますぅ」

 

死神の卍解を奪うこと。それはつまり、奪われる可能性にも目を向けるべきってこと。流石に滅却師の力全部取られるのはあり得ないだろうから、滅却師の基礎を鍛えないとね。でもまさか、その基礎でもこんなに差があるとは思わなかった。私は服が汚れてところどころに擦り傷、それに対してバンビーズのみんなはかなりの大怪我。

 

「鍛えようよ」

 

「僕嫌だなー」

 

「なんで完聖体だめなのよ」

 

「その条件でリーベに勝てるやついるのか?」

 

「…いないけど?」

 

バンビちゃんは頭悪いから自分の長所だけは知ってるんだよね。短所は覚えないけど。まあ、私そもそも弓使ってないし。ミニーちゃんとかそうだけど、殴り合いで勝てない相手には技で対抗するしかないよねって。滅却師の小道具は卍解奪う物だけじゃないし、そこら辺考え足んないよねって言う感じ。

 

「何をしている」

 

ハッシュさん!?…金髪ロングって、個性あるなぁとか思うけど意外といるよね。似た個性多すぎて笑うくらいにはいると思う

 

「鍛錬」

 

「…何故お前がそうも余裕で立っていられるのかと聞いている」

 

「え、話の飛躍しすぎじゃない?…みんな、弱いもん」

 

「なるほど…あまり騒がしくしない方がいい。陛下の機嫌を損ねる」

 

「はい」

 

それは怖い怖い。まあ、こんなことするのは私達(私のみ)か、騒がしいMの人とかくらいしかいないと思うけど。あ、それはなんだかんだ私がアレと同類にされてる気がして嫌だな。というわけで帰って行ったハッシュさん。いつも硬い人だなとは思うけど、あの人にバンビちゃんはお年玉ねだってたんだよね…精神図太すぎない?

 

「…怒られちゃったし、帰ろっか」

 

「リーベの能力で治してからにしてよ」

 

「ほとんどお前がやったようなもんだろ」

 

「やった側にも責任があると思います」

 

「あーあ、僕腕も折れてるよ」

 

「アタシなんか足も折れてら。」

 

「…情けないなぁ、みんなは」

 

みんな、情けないったらありゃしない。悲しいことだけど、治してあげるか。聖隷して霊子を集めて、バンビちゃんたちに向ける。折れたとか言ってた部位を根本からちぎって治していく。これやるのもかなり疲れるから、あんまりやりたくないんだけど。まあほとんど私がやったのも事実だし。みんな本当に情けない。

 

「あの治し方しか知らねえのかよ」

 

「毎回毎回痛いんだけど?」

 

「ジジは大袈裟なリアクションしすぎ。ていうかジジはそもそも千切られたくらいじゃ叫ばないでしょ」

 

「いやいや、普通に痛いから。」

 

「キャンディちゃんもね」

 

「アタシはそういう能力ねえだろ!?」

 

「電気で神経焼き切りなよ」

 

「殺す気か?」

 

「か弱い自分を出したいなら別に良いけど」

 

「は?」

 

「あ゛?」

 

「…聞き捨てならないわよ」

 

「バンビちゃんは同意見だと思ったのになぁ…」

 

「オレ達も今の発言は流せねえな」

 

「流石に言い過ぎだと思いますぅ」

 

「…知らないよ、私には。」

 

他意はない。みんなを傷つける意図もない。ただ、私と並べって言いたいだけ。私の親はこういうことばっか言ってたから、私には他の激励の仕方がわかんない。まあでも別に、バンビちゃんは完聖体含まなければ大体最下位らへんだし。バンビちゃんくらいは基礎鍛えてもいいと思うよ。後は別に…かな?

 

「戦争かぁ」

 

「今陛下は虚圏(ウェコムンド)に行ってるんでしたっけ?」

 

「キルゲさんも行ってるし」

 

「…それが終わって少ししたら尸魂界(ソウルソサイティ)だっけ?」

 

「アタシらは出たら戦うだけだから関係なくね?」

 

「大事だよ。目の前に更木剣八がいたらどうするの?」

 

「そういう最悪考えるなら、目の前に総隊長とかがいたらだな」

 

「それは死ぬじゃん。どうしようもないし」

 

なんて会話をして、翌々日くらいかな?忘れたけど。実際に尸魂界に攻めることになって。虚圏はどうなったのか、キルゲさん帰ってきてなくね?とか。思いつつも行ったんだよね。特記戦力二人しかいないし、なんなら一人封印だし。実質二人くらい警戒しとけば良いでしょ!って気分で行った。

 

「っ…」

 

━目の前に更木剣八がいたらどうするの?━

 

あの日の会話を思い出す。確かあの押し問答の末、みんなで出した結論って、なんだっけ?何人かに弓引いて、その勢いで何人か殺して、で、今。目の前に更木剣八。そんな派手に暴れてはいないはず。なのに、なんで。他とは違う、威圧感がある。でも、ここで退けば陛下に殺される。

 

━陛下に選ばれなければ、我々は死ぬ。聖別(アウスヴェーレン)によって死ぬのだ━

 

ロバートさんの会話を思い出して、逃げたい気持ちを踏み止める。

 

「更木…剣八ぃ…!」

 

見たところすでに私たちと立場は同格の滅却師を二人殺してる。ロイドさんと、Qの人。

 

「死ね!」

 

「うおっ」

 

私が力一杯引いた矢をあんなに軽々と受け止めるなんて。やっぱり特記戦力…でも!ここで討ち取れば選ばれる可能性がある!!

 

「ちょこまかと動くなよ、切れねえじゃねえか」

 

「━!」

 

殴られる。速さも化け物、力も化け物。未知数の戦闘力とは、このことか。飛廉脚(ヒレンキャク)で逃げてるのに、行き先を間違えれば殴り飛ばされる。私だって静血装(ブルート・ヴェーネ)をしてるのに、全く意味がない。さっさと滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)で再生する。腕を千切って再生して、皮膚を千切って再生して…無意味にも程がある。動血装(ブルート・アルテリエ)に切り替えるか。

 

「おっ、腕生やせるのか!」

 

「なんでそんな楽しそうなの!」

 

矢が刺さらないわけじゃない。意に返さない、どうやっても意識に反映されない。目に向けて大量に撃ちまくるしかないか?片目は元から眼帯してるとは言え、あっちも見えたはず。返り討ちくらいが限界だなこりゃ…

 

「私はね」

 

「あん?」

 

「撃つより走る方が速いの!!」

 

走り寄って矢を更木剣八の目に叩きつける。もう一本作って背中にも刺す。腹に蹴りを喰らわせる。うわ腹筋硬いな、ミニーちゃん並みに硬い。蹴ったこっちの膝が痛む意味がわからん。そのまま走って距離をとって滅多撃ち。どうだ、どうだろうか?

 

「…嘘でしょ」

 

「良いな、お前。容赦がねえ」

 

「目に刺さってない…!?」

 

「動き止めんなよ」

 

言われなくたって止めないね。止めたら死ぬし。次は死角なはずの眼帯を狙うべきだな。怪我を負っていると仮定して、そこは他より脆いはず。背中の矢は突き刺さったんだ、腕かなんかで防がれたと考えて─

 

「っ!?」

 

「止めんなって言っただろ」

 

「ぅぁあ!」

 

眼帯に刺す!刺せ!刺すんだ!刺さなきゃこっちが死ぬ!精一杯振りかぶって、思いっきり刺す!

 

「刺したぁ!」

 

━更木剣八と出会ったらさ、逃げるしかなくない?━

 

思い出した。あの時の会話、更木剣八と出会ったらどうするか。逃げるしかなかった。それ以外は死なないにしても無事じゃ済まないって、そう思ったんだった。だからこうなっちゃった。

 

「─まぁまぁ楽しめたな」

 

「ーっ…」

 

光輪(ハイリゲンシャイン)も破壊されて、聖隷が使えなくて、再生ができなくて…普通の霊子の集め方で頑張らなきゃいけない…!どうにかして更木剣八の歩みを止めなきゃダメだ…!

 

「更木剣八」

 

「なんだ、まだ息があんのか」

 

「こっちは見ないでほしいな…ちょっと、女の子として恥ずかしい…からさ」

 

乱装天傀(らんそうてんがい)で身体を動かしつつ、足を再生する…ガワだけで良い、中身は乱装天傀で何とかなる…矢を作って…弓を引いて…しっかり狙え!

 

「じゃあね、更木剣八」

 

「─」

 

更木剣八の心臓を射抜いてやったぞ。どうですか陛下。私はお役に立てるでしょう。あぁ、眠い。眠たくて眠たくて…ようやく眠りに着けそうで…

 

「良かった…」




更木剣八 心臓に矢ブッ刺さる
リーベ・クラング 再生は追いつくも、意識が追いつかず意識不明
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