──それは今よりほんの少し未来の話。
「──ここも空振り、か」
冷えすぎる程に空調の行き届いた近代的な家屋から出て、照りつける太陽の下を行きながら俺は収穫が乏しかったことを思案する。
帝国で起きた世界に終末をもたらす黄昏が無事に解決し、知り合いの結婚式に顔を出した後、俺はある目的もあって拠点を移し、そこで自由請負屋を始めることにした。
ゼムリア大陸中東部。その中でも更に南東に位置し、周囲を砂漠に囲まれる中、海沿いに拓かれた都市国家──ヴァリス市国。
大陸中東部においてはエルザイム公国と双璧をなす国家であり、近年においては貿易や投資、観光において目覚ましい利益を上げて発展したその国の街並みは他の中東地域やエルザイムの首都ルドスやそこらの街とはまた違った景観を持つ。
砂漠と海の間に出来た近代的な街並み。他で例えるのであればクロスベル市が近いだろう。
中東特有の文化も残るが、行き交う人々も褐色肌のいわゆる中東人だけでなく他の国の出身者も多い。
他の地域から出稼ぎに来ている者も多く、人口の半分近い人数が外国人で形成されているその場所で、俺もまた簡素だが自由請負人として事務所を構えて様々な依頼に対処していた。
以前からある程度は把握していたが、大陸中東部は紛争や揉め事の類が非常に多く、厄介なことに仕事には困らない。
部族同士の対立。小国同士の紛争。エルザイムとヴァリスというこの地域の代表的な2つの国による経済的な争いとそれに巻き込まれる形で多くの火種がそこかしこに存在する。
猟兵団の活動も活発。またこの地元の人が知る闇として、この地域では古くから人攫いが横行し問題となっていた。
マフィアや武装商人、そして今はもう壊滅したある組織も動いていたのだろう。今は更に闇に潜るようになったが、それでも完全になくなってはいない。今でも女子供が急に消えてしまう事例が幾つか存在している。
そして俺の仕事はそういった紛争、対立、揉め事に収拾をつけることだ。
情報収集を行い、問題の根本とその解決法を探り、時には力で紛争に介入し、矛を収めさせる。遊撃士と比べれば裏に関わることも多く、民間人の味方とも言い切れない稼業ではあるものの依頼を受けてその解決を目指す、という部分は僅かだが遊撃士にも通じていてやりがいはある。
もっとも、それらの仕事をこなすに当たって役立っているのは俺のもといた結社で学んだ技術や対処法だ。
業務上、争い事に関わることが常であるため時には狡賢い輩や闇に浸かりきった外道と対峙することもある。
そういった相手に対して下手に出て対話を試みるだけでは解決できないこともある。交渉がまとまったかと思えば帰りの道中で襲われたり、約束を反故にされたりといった事もままあるものだ。
そういった時はこちらも“力”と“修羅”を見せつける他ない。
無論、俺は既に結社より足を洗った人間だ。問答無用で斬ることはなく出来る限り穏便かつ人死にが出ないように配慮はするが、場合によっては躊躇うことはない。……その染み付いた《修羅》が遊撃士になることを躊躇わせた理由だろう。ヨシュアたちから誘われたこともあるだけではなく、カシウス・ブライトの仲介で遊撃士協会の総本部からも勧誘の報せが総本部長の名前で届けられたが、丁重に断らせてもらった。誘いは有難いが、今更遊撃士という光の道を進むには俺は闇に浸かっていた時間が長すぎた。ヨシュアやレンとは違い、俺にはその道は眩しすぎる。
それにこの立ち位置にいるからこそやれることもある。裏の情報を多く拾えることもあり、そういった情報をそれとなく提供してくれないかと持ちかけられもした。勧誘をあっさり諦めたかと思えばそのような提案をしてくる辺り、食えない御仁だな。S級かつ総本部長ともなればそのくらいでないとやっていけないのだろうが。
……そして闇といえば俺以上に縁深い人物がいる。
『──あ、もしもしレーヴェ? 今ちょっと趣味の家庭菜園でトマトの品種改良やっててさー。それやりながら新しい導力ゲームのアイデア出ししてるんだけど次に出る新作が《コトワリファイターズⅡ》なんだけど新作のラスボスキャラに闇の剣士を出そうと思ってモーションちょっとレーヴェっぽくしてもいい? デザインとかそういうのは全く違うからモーションだけ! それと今度──あっ! 畑荒らし! こらー! 私のトマトを漁るなー! こらしめてや──あっ! 今私の中に神デザイン降りてきた! デザイン描いておかないと! ちょっと色々と忙しいからまた今度連絡するね! ばいばーい!』
──そう。それが今しがた導力通信で連絡してきたアーヤ・サイードだ。
……正直なところ色々と指摘したい部分は見受けられる。家庭菜園でトマトの品種改良に着手しているところや動きだけとはいえ導力ゲームのキャラクターのモデルにされたことや家庭菜園なのに魔獣が畑荒らしに現れたこと。それはもう農業だろう。
そしてそれだけのことが一気に起こる忙しなさはアーヤにとっては珍しくないことだ。なのであえて言うこともない。本当に言った方がいいことだけ指摘し、それ以外は受け入れる。なので導力ゲームの部分だけ「構わないがキャラクターを俺に寄せるのだけは遠慮してくれ。俺は表に出て良い人間ではないからな」とだけ言って通信を切った。
「まったく……変わらないな」
思わずそう呟く。アーヤは良くも悪くも殆ど変わらない。
もっとも縁に恵まれてこれでも多少は良い方向に変わった筈だが、そこに一抹の不安を感じるのは結局のところ何も分からないからだ。
あの黄昏。そしてクロスベル再事変においてもアーヤの謎については何も明かされなかった。
異常とも言えるほどの耐久性と未来のことについて識っているという予言染みた知識。《外》の理とも何らかの関係があることは分かっているが、それはアーヤが先天的に持っていた力なのか。あるいは何らかの要因によって後天的に会得した異能なのか──何も分かっていない。
だからこそ俺はその謎を調べるためにも大陸中東部のヴァリス市国を拠点に選んだ。
アーヤの故郷は本人曰く大陸中東においても辺境にあるとのことだが、それが一体どこなのか。
本当にもう1人も家族や親戚。あるいは知り合いは残っていないのか。まずはそれを調べるためにも俺は仕事を行いながら大陸中東における知識や土地勘を自らの中に取り込んでいった。
情報としては頭にあるものでも実際に現地で見聞きしなければ理解出来ない事柄や知る由もない事もある。地元の人間でなければ分からない事情。俺の故郷であるハーメル村も地図から消え無かったことにはされたが、中にはそれを知りながら黙っている者も存在した。
アーヤの故郷を調べ、遠い親戚や隣人について知っている者はいないのか。年齢の高い者を中心に聞き込みも行い、時に結社の伝手すらも頼りながら俺は少しずつ情報を集めていった。
──そしてようやくアーヤの故郷の詳細な位置を掴んだ。
大陸中東部においても北東。砂漠地帯かつ北に巨大な山岳が聳え立つその麓にアーヤの故郷は存在したという。
生憎と親戚やその故郷の出身者などは見つけられなかったが、その近くに住んでいた別の集落の人からそこに紛争で滅んだ集落があり、サイードの姓を持つ者がそこにいた筈だと。
もっともたまに交流があった程度でそれ以上の情報はなかったが、それでも故郷の位置は分かった。
俺は早速、その場所へと向かう。
都市から少し出れば照りつける灼熱の太陽と広大な砂漠。時折、遠くには砂嵐や蜃気楼が確認できる。
だがこの環境での活動にも慣れてきた。俺はいつも通り装備を整えて砂漠を越えてその地点に辿り着いたのだが……。
「これは……」
そこにあったのは、建物の残骸と思われる石の柱や地面に刺さった数本の木材だけだった。
「……風化しているな」
砂漠が近いためなのか、人の痕跡と呼べるものは殆ど残っていない。
戦火によって滅んだとは知っていたが……まさかここまで何もないとはな。
ハーメルは封鎖されてもこのように物理的に風化してしまうことはなかった。あのハーメルですら、この場所に比べれば恵まれていたのかもしれない。
「いや……アーヤならむしろその方が良いと言うだろうな」
痛ましさを思い出させるようなものが何もない。
それはある意味、アーヤの在り方に酷似している。
哀しみも怒りも、そこにあった筈の痛みや苦しみ。傷痕の全てをまるで存在しなかったかことにするように。
アーヤの故郷はそこに人が住んでいたと他者に告げても信じられないような状態にあった。
「これもまた人の業か」
既に答えを得たとはいえ、この世に存在する多くの欺瞞に対して思うところはある。
だがそうして感傷に浸っていても仕方がない。一先ず少しでも手がかりが存在しないか俺は集落やその周辺を調べてみることにした。
とはいえあらゆるものが風化した集落の跡地に手がかりは無かったが──北側にある山間。集落から程近いその谷間に建造物を発見した。
「……こんな場所に遺跡があるとはな」
高い山々に囲まれ、まるで隠されるように聳え立つ石造りの巨大な建物。
問題はその意匠が、おそらくは古代ゼムリア文明のものであること。
「
空の女神。この地方では翼の女神と呼ばれるそれを信仰するものではない。
おそらくは土着の神か何かを祀っていたものだろう。僅かだがそういう集落も中には存在する。珍しいが忌避されるようなことじゃない。
「あるいはアーヤの故郷がそういった信仰が根付いていたのか……? いやだが……」
アーヤからそういった話は聞いたことがない。
だが、その遺跡には人の痕跡が存在した。それもかなり特殊な痕跡が。
「! 血の付いた布の切れ端と……これは
そう──その遺跡の入口に落ちていたのは人の痕跡と言うには血生臭いものだった。
もっとも人骨の方はほんの欠片程度のものであり、最近生じたものであるかどうかは怪しいところはある。
だが血が付着した布の切れ端の方はおそらく比較的最近のものだろう。
「……この場所で何か殺し合いかそれに比類する何かが起こったと考えるべきだろうな」
死体が残っている訳ではないため確定ではないが、少なくとも血を流すような出来事はあったとそう分析する。
だがそうだとしたら何が原因で起こったのか。
アーヤの故郷が滅んだ最初のきっかけは猟兵同士の紛争だが、あの集落があそこまで風化する程に綺麗さっぱりなくなってしまったのはまた別の要因によるもの。
「《D∴G教団》か」
そう。本当の原因はそれだ。
ゼムリア大陸各地で数百年にも及び、被害を撒き散らしていたカルト教団。
あの連中がアーヤの特異性に目を付け、その結果アーヤの親族は全て彼らに囚われ、凄惨な実験によって犠牲になってしまった。
もっとも相手が教団だと知った上ではないにしろ、最初にアーヤを売り渡したのはアーヤの父親だったという話だが……だとしても連中の所業は外道極まるものだ。
「襲撃を受け、この場所に逃げ込んだが敢えなく捕まった。だがそれならば何故殺された?」
教団による襲撃を受けて集落の人間の一部がこの建物に逃げ込んだが、結局は殺された。そう考えることは出来なくもない。
だが連中の目的はアーヤに少しでも連なるものを捕まえて実験することにあった筈。断じて殺戮のために襲撃した訳じゃない。
抵抗したために逆上され殺された?
あるいは教団の襲撃ではなく、最初の猟兵同士の紛争がここでも行われた?
それともそう考えること自体が間違いで全く別の要因で流血があったのか?
「…………全ては憶測に過ぎないか」
だがここに何かがあるのだけは分かる。
それはこの血生臭い痕跡もそうだが、それ以上に分かりやすい痕跡がある。
それは──
「──せいっ!」
「!?」
──俺は突然、背後から襲いかかってきた何者かの刃を《ケルンバイター》を取り出して弾く。
その刃の鋭さ。奇襲のタイミングは中々なものだった。
「先に隠れているなら出てこいと声をかけようとしたんだがな。その前に先んじて奇襲を仕掛けてくるとは中々やるな」
「…………」
「無駄口も叩かないか。よく訓練されている。どこの組織のものだ?」
その謎の襲撃者の姿を目視で確認しながら問いを投げかける。
黒いローブと仮面で顔と身体を全て覆い隠した者。おそらくは男。手には凝った意匠ではないシンプルなダガー。その姿とやり口からしておそらくは暗殺者だろう。
その上で何も語らない。そして、目の前にいる者だけではなく周囲に隠れている者も合わせて10人程度はいることから個人のものではないとそう判断した。
「いや……それともこう聞くべきか。──どの組織の差し金だ?」
「……………………」
更に問いを投げても無言を貫く。……その上で不用意に仕掛けてこないか。成程、実力差を理解出来る程には腕は立つようだな。
目の前の男や周囲の者たちが全員で一斉にかかろうと俺は殺せない。少なくともそう簡単にはいかないことを判断してか警戒するのみで動きを見せない。
黙って待っていても質問に答えてくれることもないだろう。
ならばこちらから動くか。そう判断し、剣に力を込めたその時。
「はあっ!!」
「っ!」
──直後、暗殺者とは全く異なる気配を持つ男が俺に斬りかかってきた。
闇討ちをするつもりなど毛頭ない。頭上からの振り下ろし。巨大な最新鋭の獲物を軽々と扱い、俺を叩き潰そうとするその一撃を横にずれることで躱し、続く斬り払い、斬り上げも左右に動いて避ける。それだけ巨大な獲物であれば速さにおいては俺に分があるだろう。だが力においては僅かだが相手が有利。
それでも受け止めることが出来ない訳ではないが、猟兵相手の戦闘においてペースを握られることは隙に繋がる。
とはいえ真正面からの戦闘は俺も臨むところ。相手に興味がない訳ではない。だからこそ俺は分け身でフェイントを掛ける振りをして敢えてその刃を正面から受け止め、剣戟に付き合った。
「ほう……やるな」
「そちらこそ。戦力評価SSSは誤りではないようだ」
続く重い一撃を受け止めて鍔迫り合いを行う。どうやら向こうは俺の方を当然知っているようだが、俺の方も相手の素性は当然調べが付いている。
「元《クルガ戦士団》、《
「!」
「現在はオレド自治州に本社を構える民間警備会社の警備隊長を務めているそうだな? どうやら俺の元古巣とも間接的に関わったそうだが……それと何か関係があるのか?」
「……驚いたな。そこまで調べがついているのか」
「以前に情報部にいたことがある。その時の癖のようなものだ。それに積極的に関わってはいないが古巣の伝手も絶ってはいない」
褐色肌に青髪の男。巨大な最新鋭の獲物を振るうその男──カシム・アルファイドの情報を口にし、相手の僅かながらの驚きを引き出すことに成功する。
だが彼らが何故俺を襲うのか。その理由は分からない。ならば力で叩きのめしてから聞き出す他ないが──周囲の暗殺者と違ってこちらは手加減できる相手ではないな。
「……理由は知らないがお前程の相手が刃を向けてくるなら容赦はしない」
「! この息吹は……!」
鍔迫り合いから離れて互いに距離を取り、もはやそこいらの相手には出すことはない《修羅》としての闘気を解放する。
少し前に俺の下を訪れた《鋼の聖女》と本気の手合わせを行って以来の全力だ。
「《剣帝》の闘気か……!」
「さて、どうする? このまま加減をして引き下がるか? それとも──」
「ああ……どうやら俺も加減はしていられないらしい。──《焔》よ……!」
「!」
だが相手もまた本物の猟兵。
かの《猟兵王》や《闘神》に匹敵する闘気を感じ、俺は《ケルンバイター》を身構える。
そうして互いに互いの強さを感じながら踏み込みの機会を伺った。闘気を高め、次の刹那には本気の手合わせが始まる。俺の冷たい闘気とは反対のまさしく《焔》と呼ぶべき戦士の闘気。
それらが激突する。その一瞬で──
「もう構わないよ──カシム警備主任」
──しかしその衝突は不意の声によって制止させられた。
カシム・アルファイドが動きを止めたのに合わせて俺もまた動きを止める。念の為に剣は納めることはなく手に握ったまま、しかし戦う意思はないと示すために闘気も消し構えも解いた。その上で現れた男に問いかけた。
「……それで、いきなり俺を襲ったりしてどういうつもりだ?」
「ああ、これは申し訳ない。私は──」
「マルドゥック警備保障のGM。ギリアム・ソーンダイク。まさかこの周囲の暗殺者もお前が雇ったものなのか?」
「! ……フフ、出来れば謝意のついでにこちらから名乗りたかったところなのだがね。元執行者No.Ⅱの《剣帝》……強さだけでなくその調査能力。遊撃士協会の勧誘を断ったそうだが成程。スカウトしたくなるのも納得の能力だ」
「特定の組織に属するつもりはない。それよりも先の質問の返答を聞かせてもらおう」
「おっと、これは重ねて申し訳ない。関係が悪くならない内に答えさせてもらうが、特に君と事を構えるつもりはなくてね。カシム警備主任に手合わせを命じたのも戦力分析。業務の一環として仕方なかった、とだけは言い訳させてもらうよ」
「ならばこの暗殺者連中とは何ら関係がないと?」
「まあ、私自身は関係がないことに間違いはない。とはいえ全くの無関係でもなくてね」
唐突に岩陰から現れたその男──ギリアム・ソーンダイクを俺は訝しみながらやり取りを行う。
近年、猟兵団とはまた違った方向性でシェアを獲得している民間警備会社《マルドゥック警備保障》。そのGMと警備主任が揃って俺の前に、しかもこのような場所で遭遇した事実は俺に多くの疑問を抱かせるものだ。
「……どういうことか説明してもらおう」
「簡単なことさ。私とは関係がなくても我が社の上とは無関係ではない」
「マルドゥックの上だと? それは……」
ギリアム・ソーンダイクからの答えに俺は更にきな臭いものを感じる。
俺もこの中東地域に、ヴァリス市国に拠点を構えて半年近く活動してそれなりに事情には詳しくなった。
マルドゥックの筆頭株主はヴァリス投資銀行であり、その由来もまたヴァリス市国にある。そこを治めている者達といえば──
「……成程。そちらの手の者か」
「ああ、だからこそ情報を入手して君を襲おうとするこちらの刺客の方を止めに来た。急遽だがその命令にストップが入ったことを伝えにね。──そういう訳だから君たちは下がるといい」
その言葉に暗殺者たちは僅かに逡巡していたが、すぐに言葉通り気配を消して離れていく。力関係は不明だが、トップがかの者たちであることは間違いないようだな。
だがそうなると……。
「──解せないな」
「ほう?」
「察するにお前たちの上の連中はこの場所を調べられることを厭っているのだろう。それがどういう理由かは分からないが、その一度は告げられた命令が撤回されたこと」
「まあそれは当然の疑問だろう。私としても不可解に感じている」
「それともう1つ。お前たちの上がそのスタンスであるなら……まさかお前たちはこの場所やアーヤの故郷について何か知っているのか?」
「ふむ、それは──」
長年秘匿されてきたであろうその事情を知っているのか。だとすれば隠されるに足る何らかの理由がここには、あるいはアーヤには存在することになる。
ゆえにそれについて知っているのかと雇われている者として問いかけたが──その前にまた別の方向からの声に俺は更に驚かされた。
「──そりゃオジサンが止めたからな。それくらい許してやれってよ」
「……! 《破戒》……!」
──遺跡の奥から無遠慮に。葉巻を蒸しながら現れたのは俺もよく知る男だった。
結社《身喰らう蛇》の第四柱《千の破戒者》エルロイ・ハーウッド。
外道や破綻者が多く在籍する結社においても随一の悪趣味にして外道。
だが同じような評で語られるかつての第三柱である《白面》と違い、普段の態度はフランクかつ人付き合いも良いため教授のように嫌厭されていた訳ではない。
だがそれでも結社の使徒の中で最も厄介なのがこの男だ。
俺もまた幾度かやり取りを行い、仕事を頼まれたこともある。そもそも彼やルクレツィア。クルーガーやアーヤがいた《月光木馬團》を壊滅させた際にもその能力の高さ。敵対した時の厄介さは身にしみて理解している。
そして何より、かつてアーヤが教団から逃げ出した際にアーヤを拾い、育て上げたのがこの男だ。
「……《破戒》。まさかとは思うがアーヤの故郷の事情にお前も関係しているのか?」
「おおっと、久しぶりだってのにご挨拶だねぇ。信用がありすぎるってのも困りものだな」
「ならば何故お前がそこから出てくる? マルドゥックの上と何か繋がりがあるのか? 少なくともアーヤの事情についてはよく知っていそうだが」
「──ああ、先程の質問の答えだが確かに我々はアーヤ・サイードの事情や力についてはそれほど把握していない。むしろその情報を知っているであろうそちらの《破戒》に是非とも教えてほしいくらいだとも」
俺が投げかけた質問に《破戒》が答える前にギリアム・ソーンダイクが返答する。その言葉に嘘がないのであればマルドゥックもまた事情を知らないまま雇われているだけ。あるいは知っているのは一部のことだけなのだろう。それでも俺の知らないことを知っている可能性はあるが、そちらに問い質すよりも《破戒》に聞いた方が手っ取り早くはある。教えてくれるとは限らないが。
「フッフ、関与はしてねえが把握はしちゃいるぜ。とはいえ、ネタバラシが早すぎるのもオジサン的には面白くなくてな。どうしたものかねぇ」
「……ならここを調べても収穫はない。お前の言うところのネタバラシに繋がる手がかりは少ないということか?」
「ああ。でも分かることもそれなりにあるんじゃねえか? ──たとえばそこのマルドゥックの上が隠したがっているアーヤの父親の事とかな」
「……何?」
「知ってるか? 中東じゃあ部族単位で猟兵をやってる集落があってな。そっちの警備主任の故郷《クルガ》みたいな一族が幾つか存在するんだぜ?」
「……………………」
「……まさかアーヤの集落もそうだったと?」
「いや? 集落自体はそうじゃねえが、アーヤの父親ファジュル・サイードは──
「──何だと?」
あまりにも唐突に告げられたその情報に思わず声が出る。
それは今まで全く影も形も見えなかったアーヤの家族についての新たな情報だった。
「フフ、といっても今のアーヤや《
「……アーヤもその手ほどきを受けていた……いや、あり得ないか」
「ああ、アーヤの家族も
それはそうだろう。そもそもアーヤが故郷を離れたのは5歳頃の話だと聞いている。物心がついたばかりの子供に暗殺術を仕込むなんてことは現実的に考えにくい。
とはいえ……口には出さないが、ならばアーヤのあの才能は父親から少なからず受け継いだものだったのかもしれないな。
そしてそうなってくると幾つか疑問が氷解しかける。
「ならこの場にあった血の付いた布切れや人骨は……」
「さてなぁ。殺した標的の返り血の付いた服をここで捨てたか、死体を埋めたか。もしくは教団の襲撃から抵抗した際に生じたものかもな。どっちにしても中々に刺激的な話だが。いやぁ、若い頃を思い出すねぇ。死体の隠し場所に困るなんて悩み。普通は分かち合えないだけにオジサン、亡くなった親父さんに親近感湧いちゃうぜ」
「戯言はいい。……それならばアーヤの実家も含めて集落が酷く貧しかったという話は偽りだったのか?」
「いや、それは本当だったんじゃねぇか? アーヤが生まれてすぐに紛争に巻き込まれて怪我をしたことで廃業しちまったようだしな」
「……そうか。だから……」
アーヤの故郷は猟兵同士の紛争に巻き込まれたことで貧困に喘ぐようになったと聞いていたが……それだけでなく父親がそれで稼げなくなったことも関係していたのだろう。
だがアーヤの父親が暗殺者だったのならば、あるいはその紛争にも関係していた可能性もあり得るか。マルドゥックの上がそのことを隠したがっている事から十分にあり得ることだ。《破戒》がそれを差し止めたこともその不都合な情報を握ったことでちょっとした脅迫を行えば不可能ではない。どのみち《破戒》が教えれば同じこと。俺がこの場所を掴んだ時点で引かせることはそう難しい事ではない。
だがこのことをアーヤは──
「──が、そんな事は
「──何?」
そうして俺がこの事実をアーヤ自身はどこまで知っているのかと疑問を口にしようとした時。先んじて《破戒》がその判明した情報をどうでもいいものだと切って捨てる。
どういう意味だという意味を込めて視線を集中させれば、《破戒》は再び葉巻を燻らせながら答えた。
「だってそうだろ? アーヤの親父が実は暗殺者だろうが、誰かに雇われていようが、そのせいで紛争に巻き込まれて怪我をしようがそれが原因で貧乏になろうがそれ自体は何ら意味を持たねぇ。──重要なのはどんな化学反応を起こして
「……………………」
その言葉に耳を傾け、無言で肯定も否定も行わない。だが頭ではそのことを思案していた。
確かに《破戒》の言う通り、アーヤの父親が何者であれ、アーヤの特異な力やその在り方とは全く関係しないもの。
今判明した話の中に1つもアーヤ自身についての話はなかった。
分かったのはアーヤの父親の詳細情報であってアーヤ自身ではない。
だからこそ《破戒》はそれをどうでもいいことだと切り捨てたのだろう。
「……ならば《破戒》。お前はその理由を知っているのか?」
「……理由ねぇ。そりゃあまあ、ある程度は調べたから知らねぇってこともないが、さっきも言ったようにあんまりネタバラシが早いのもつまらねぇ」
「お前は……結社の計画とは別に、お前の企みのためにアーヤを利用するつもりか?」
「クク、そんなの今に始まったことじゃねぇだろ? 何を今更──おいおい、そんなに冷たい目で見るなって。オジサンの企みが信用出来ないのは分かるが、これはアーヤ自身の為にもなることなんだぜ?」
「アーヤ自身の為だと?」
「ああ。きっとあいつも泣いて喜ぶんじゃねぇか? 別に強制するつもりもないしな。教授じゃあるまいし、あの方の定めたルールを破るつもりはないぜ」
「…………悪いが信用できないな。あらゆる掟を破るからこその《破戒》だろう」
「ハハ、信用あるねぇ。これでもあいつとは持ちつ持たれつでやらせてもらってるんだがな」
執行者に与えられるあらゆる自由。それを破ってはいないと《破戒》は言うが……確かにアーヤから聞いた話では命令ではなくあくまで頼み事や仕事。交換条件を出した上での依頼という形に留まっているらしいが。
……とはいえその報酬や交換条件で断らせることを躊躇させるのが《破戒》のやり口だろう。親代わりということもあって命令などしなくてもアーヤの操り方を心得ていると言うべきか。
だがアーヤも《破戒》の頼みは口では愚痴を言ったり嫌がりながらもそれなりに受け入れている節がある。ゆえに気にはなるがそれ以上の追求はしない。
「──ま、それはともかくだ。信用しなくても構わねぇがだからってオジサンを追い回したりしないでくれよ? 今だってオジサン忙しくてなぁ。アーヤから頼まれた
「殲滅だと? それもアーヤが頼んだのか?」
「ああ。共和国で最近話題の連中でなぁ。そっちはそっちでアーヤに興味があるみたいだし、あの教団振りにアーヤがやる気になってやがる。また刺激的で面白いもんが見られそうだからしばらくはそっちに付き合うつもりだ」
……《破戒》のことは信用できない。
だが曲がりなりにも付き合いはそれなりにある。だからこそ《破戒》はそういったつまらない嘘をつく男ではないとそう判断してしまう。
もしそんな男であれば《破戒》は教授以上に結社では嫌われていただろう。
だがそうなってはいない。外道ではあるが、アーヤの事を最も面白がっているこの男がアーヤを使い潰すことはないというそういった信用ならある。教授のように仲間意識が全くない男でもない。
もっとも企みにおいてはあっさりとそれを裏切ってくる可能性のある男でもあるが。戒めを破ることを日常としているこの男にとってそれは珍しいことではない。
警戒はする必要はあるが……少なくとも現時点において何か事を起こす可能性は低いと見ていいだろう。
「というわけだ。中が見たいってんならどうぞご自由に。色々と見どころも満載だから結構愉しめると思うぜ」
「……言われずともそうさせてもらう」
「クク、お前がどこまで辿り着けるかオジサンも期待してるぜ。ここで分かることはそう多くはねぇだろうが、よりアーヤのことを理解出来るだろうしな──そんじゃ後は好きにやってくれや」
最後に意味深なその言葉を残して《破戒》はそこから悠々と歩いて去っていった。
俺もまたそれを何も言わずに見送り、マルドゥックの2人もまたその場は声を掛けることはない。姿が見えなくなってからようやく声を発する。
「《破戒》か。その危険度や経歴も含めて詳細不明な男なだけに気にはなるが」
「……捕らえますか? 今からなら間に合います。おすすめはしませんが」
「それはどうしてかな?」
「彼からは嫌な息吹を感じます。今は部下もいません。下手に手を出せば危ういのはこちらでしょう」
「……ふむ。では君のその感覚を信じるとしよう。──ではレオンハルト君。我々はこれで失礼させてもらうよ」
「先程は失礼しました。──裏の世界で最強と噂される剣士……また機会があれば挑ませて頂きます」
「…………ああ。その時はこちらも全力で臨むとしよう」
そうして《破戒》が立ち去った後はマルドゥックの2人もまたその場から去っていく。カシム・アルファイドの方は最後に軽く礼をしてきたが……成程。俺よりも若いのにあの強さに風格。かつて《鋼》が俺に期待を掛けていた気持ちが少しだけ分かる気がする。巡り合わせ次第ではまた手合わせすることもあるだろう。手加減が出来ない相手なだけにほんの少しだけ楽しみではある。
だがそれよりも今はこちらの遺跡だ。アーヤが殲滅を行っている事も含めて気になることは多々あるが、あの《破戒》の最後の言葉……何の意味もないとは思えない。まずはここを隅々まで調べてみるとしよう。
俺はその高さ50アージュ程もあるだろう巨大な遺跡に足を踏み入れる。
上位属性や魔獣の気配も感じるため、おそらく霊的にも特殊な場なのだろう。古代ゼムリア文明の遺物であることは間違いないようだ。
時折現れる魔獣や仕掛けを突破して奥へと進んでいく。構造はシンプルなもので入り組んではいない。《リベル=アーク》を攻略した時と比べるべくもなく、最奥にはものの10分程で辿り着いた。
「ここは……広間か? どうやら遺跡の大部分はこの空間になっているようだが……」
そうして辿り着いた巨大な空間。遺跡の大部分を占めるであろう大広間を見渡し、俺は何かないかと周囲を注意深く観察する。
何かの像や祭壇のようなものもあるが……それ自体に何か仕掛けはない。
だがその祭壇の裏には人が1人入りそうなほど大きな木箱と、幾つかの物品を発見した。
それはおそらくだがアーヤの父親が隠していたものだろう。血によって錆びついた使い古された刃物や汚れたフードなどもある。
「そして何よりこの手紙と数枚の紙……宛先はやはりか」
アーヤの父親が暗殺者であったという証拠よりも興味を惹かれたのは手紙と何枚か重なった束とも言えない程度の紙。手紙の宛先はアーヤの父親、ファジュル・サイードの名が記載されていた。
だが問題はその手紙の内容と紙の方だ。俺は早速それに目を通す。そしてすぐにそれが何なのかを理解した。
「カルテ、か。だがこれは……」
紙の正体は病院で渡されるカルテ。患者の診察結果が載ったそれだった。
何故そんなものがここに置かれているのか、最初は理解できなかった。手紙の方は知人からの近況の報告に見せかけた暗殺の依頼状のようで《破戒》から先に教えられてしまったため、それ以上分かることはない。
だがカルテの方に記載されていた名前は──ラーニヤ・サイード。
アーヤの母親と思わしき女性の診療結果だった。そしてその病名もまた記載されていたが、その内容を見て俺は──その衝撃の結果に目を見開いた。
「──
その症状とそう断定された年数を見て俺はその意味を計りかねる。
確かアーヤの生まれた歳は七耀暦1184年だった筈だ。
だがアーヤの母親はその2年以上前から加齢による不妊症を患っている。そしてその治療も希望しないとある。
もっともアーヤの話では10人兄弟だったそうだから無理もないだろう。それ自体は別段おかしなことではない。
しかし問題はそこではない。アーヤの母親はその後でまた別の理由で診察を受けている。
その診察の理由もまた記載されていたが、その内容は、不可解を通り越して──もはや異常だった。
「
──そう、そのカルテにはアーヤの母親が不妊症であり、なおかつその頃から一切の性交を行っていないにも関わらずに妊娠してしまったという不可思議すぎる内容が記載されていた。
「どういうことだ……?」
俺はその場で思案する。
普通に考えれば不妊症と診断された結果が誤りだった。あるいは治療された。完治していた。その上で普通に営みと行っていた。あるいは不貞行為を行っていたと見るべきだ。むしろそれ以外の理由は常識的にはありえない。
だがこれが隠されていた理由と結びつかない。
《破戒》が意味深に残した言葉とも一致しない。ここを調べればアーヤを更に理解出来ると。
であるならこの診断内容がどういう意味を持つのか。
「! ……これは……」
考えを巡らせながら診療結果の紙を読み進めていると、その裏にまだ文字が書き記されていることに気づく。それもこちらは手書きの。医者の書いた文字でもなく、小さく書き残したメモのように残っていた言葉だ。中東の方言であるその文字。その並べられた文字がが意味するところは──
「──受胎告知」
即ち──
俺の思考は一旦そこで止まる。
そこに記されていたことを自然に読み解けば判明する真実は単純なものだ。アーヤの母親がある日突然、神の声を聞いてする筈のない妊娠をした。
そうして生まれたのがラーニヤ・サイードの十番目の子供──アーヤ・サイードだと。
「《
アーヤの父親が遺していたものを調べたことで更に疑念と不可思議が強まる結果となる。
本当にその通りの結果が起きたのだとしたらその声の正体は何なのか。
アーヤは一体どこから来たのか。父親とは血がつながっていないのか。あるいは母親や他の家族との関係は?
「……却って謎が深まったな」
俺はカルテや手紙を持ち出すことはせず元の場所に戻しながらそう呟く。
ここで調べるべきことは終わった。ならばもうここには用はない。また別の場所や人を探るべきだろうと。
「フッ……探る
だがその言葉を頭に浮かべた時、思わず笑ってしまった。
新たに判明したアーヤの異常性。謎が深まる結果になったにも関わらず、俺は自然と次の事を考え始めている。
その拘りと言うべきか。自ら動いてここまでする事を自覚して今更ながら可笑しくなってしまった。
無論、命を救ってもらったというアーヤには返しきれない恩もあれば俺が囚われてしまったことで迷惑をかけてしまった負い目もある。
ただそれ以上にアーヤは、
……恐らくアーヤの力の謎を解き明かさない限り、アーヤの問題が解決することはないだろう。
その予感は以前からあったが、あの《夢幻回廊》の最奥で再現されたあの少女の言葉を聞いて更に俺はその予感を強めた。
『──どうかあの子のことも救ってあげてね』
あの別の因果から現れた、再現されたOzXXは最後に残った俺やリィン・シュバルツァー。その場にいた者達にそう頼んできた。
その言葉が誰を指していたのものかは定かではない。もしかしたらまた別の誰か救わなければならない人物がいるのかもしれない。
ただ……そう。全員に注意を向けることは出来ない以上、俺は近しいものを救うべきだと判断した。《バベル事件》においてイシュメルガ=リィンが予言した未来におきる破滅的な何かとはまた別に──誰かに対する破滅的な未来を予測し、それに注意するようOzXXは伝えてくれたのだろうと。
だからこそもしもの時に備えるため、俺は敢えてアーヤに伝えることなくその過去を改めて探っている。
アーヤに更なる不幸が降りかかるのなら──それを回避してやるためにも。
──そしてその半年後の七耀暦1208年。
カルバード共和国内で《
──えーと……アーヤ・サイードです。今は七耀暦1207年の3月21日。ローゼンベルク工房で行方不明だった筈のマキナが私の偽物を逃がした次の日。あれからすーなーと険悪な感じになりそうだったエンペラーは一旦姿を隠させてまた怪しまれながらもラピスちゃんの記憶を少し取り戻して、そしたらちょっとだけネットスラングを使うようになってどういうことなのか困惑しつつもスルーし、何とか次の目的地の警察学校兼拘置所に向かってその道中でデュバリィちゃんと合流したり《風の剣聖》アリオス・マクレインの偽物が二体も現れたと思ったら今度は本物のアリオスが現れたりと色々あったんだよね。ここにはあの熊ひげ先生ことイアン・グリムウッド弁護士がいて彼に話を聞きに来たんだけどさ。なんというか、色々とまた予想外で──
「ふふん! これがマキナの最終形態! 改造型特殊魔煌機兵! 《デウス=エクス=マキナ》だ!! そんな怖い面子で挑んできても倒せないよ! だから帰ってくれると助かる!」
「──だ、そうだが? どうするよアーヤ」
「これはまた興味深い! あの特殊な人形兵器であり戦術殻でもあったあれを今度は追加兵装を持ってして魔煌機兵に改造してしまうとはな! 中々に調べがいがありそうだ!」
「偽物の言う通り、戦力の上ではこちらが不利でしょう。如何しますか?」
「やれやれ、アーヤ姉さんの偽物を始末しに来ただけだってのにまさかこんな《騎神》にも近い人形の化け物とやる羽目になるなんてねぇ。とはいえ僕たち管理人が総出でかかれば倒せなくもなさそうだけど……どうしようか?」
「あー……うん……そうだねぇ……」
──えーっと……色々あって……なんか《庭園》の管理人が総出で戦うことになりました。ひええ……我が組織ながら物騒すぎる……というか頼むからスウィンくんとナーディアちゃんと出くわさないでー! めちゃくちゃ気まずいし言い訳が難しくなっちゃうからー! 今はピクニック隊と合流する前になんとか片付けて別れないと! 偽の私が自立起動するマキナの最終形態の陰に隠れてイキってることよりそっちの方が気になっちゃうよー! うわあああああん!!
今回は《真・夢幻回廊》で見れる《創まりの先》で見れるっぽいエピソードでした。次回はVS偽アーヤちゃん&マキナに管理人も全員集合スペシャル。春のお祭り編です。お楽しみに。
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