──こんにちは、アーヤ・サイードです。最近嵌っていることは小旅行です。
さて、今日はまた《結社》より脱走してある街へと来ています。脱走といっても軽いものでまだ1日しか経っていないんだけど脱走は脱走。それも同僚の執行者候補を事故でクルーガーちゃんと一緒に殺してしまったため、一時的な避難という形です。怒られるの嫌だし。言い訳を任せたクルーガーちゃんには今度お詫びでまた服でも送ろう。なので許してね。
と、そんな訳なので私は今、カルバード共和国の首都イーディスに来ています。ヤバいくらいにでかくてすごい街です。なにせゼムリア大陸における二大国の1つの首都だし、エレボニア帝国の首都ヘイムダルの次に大きくて人口も多い街。向こうの方が歴史は古くて赤いレンガ造りの建物が並ぶ情緒感じる町並みだけど、こっちは逆に近代的な町並み。普及している導力車のために舗装された道路なんかもすっごい近代的。
まあ今の時代は私が知ってる町並みより多少は古いけどそれでも他の街に比べたら圧倒的に最新式だ。しかも古いと言っても後2、3年もすれば私の知ってる街並みになるんじゃないかってくらい急速に整備されているのを感じる。さすが激動の時代。導力革命のおかげで各種インフラや技術が急速に発展して暮らしやすくなるのは私としても非常に助かる。
──まあとは言っても私はお金もなければ市民権もない不法滞在かつ出生国すら怪しい外国人なので住むことはおろか何も出来ないんですけどね!
そう、本当に何も出来ない。金がないのでご飯も買えなければ流行りの導力映画も見れないし、まだ11歳の美少女なので働くことも出来ない。幾ら移民を多く受け入れていてその申請条件も軽いカルバードとはいえ保護者もいなければ何も証明するものがない美少女の私には中々に世知辛い場所なのだ。それでも金があれば大抵のことは解決することが出来ただろうけどそのお金がないので私は途方に暮れるしかない。
だけど手がないこともない。要は稼げればいいのだ。
東方人の移民が多いカルバードでは私のような境遇が全くいないこともないだろう。そのため、なんだかんだこの国に滞在して色々と稼いでいる人もいる。若いから働けないとは限らない。仕事を募集していれば何かしらに引っかかってくれる筈。なのでこっちから声をかけるのだ。お仕事くださいと。中々みじめだが背に腹は代えられない。
そういうわけで色んな店を回って仕事を探すことしばらく──6区・リバーサイド地区にある倉庫街の近くでなんと優しいお兄さん達が声を掛けてきてくれた! しかも私が貧しい孤児だということを察してかお金がないであろうことも見抜いているらしい。なので仕事が欲しいなら紹介してくれると。ふむ、なんとも悪くない話だ。怪しいけど背に腹は代えられない。そろそろお腹空きすぎて頭も回らなくってきてやばいし、まさかこんな子供に暗殺や売春を頼むはずもなし、一応聞くだけ聞いてみてもいいだろう。──で、どういう仕事ですか? え? 小包を代わりに知人に渡してほしいだけ? でも一応箱の中身を確認させてもらって……あ、ただの名産のお菓子だね。で、これを渡すだけで2000ミラ? え、やるやる! で、これをどこに持っていけばいいの? ふむふむ、11区のこの場所ね。オッケー! それじゃ行ってきまーす! ふっふっふ、早速仕事をゲットだ。さすが私。この調子ならあっという間に宿に泊まるだけのお金も溜められるに違いない。教団の人っぽい感じもしなかったし、これで勝ち確! 今夜はカツ丼食べるぞ!
「──応援要請だ。違法薬物を発見した。運び屋は中東人の子供。小包の中のお菓子に偽装してあった」
「またですか……最近この手の手口が多いですね」
「今回こそ元締めを捕らえられるかもしれない。──それで、君の名前は? 歳は? どこの家の子だ? あるいは孤児か? 身元を証明出来るものは持っているか?」
「ぐすっ……あ、あのぉ……これはぁ……ち……違くてぇ……わ、私は何もぉ……だっ……騙されてただけでぇ……」
「……埒が明かないな。とりあえず署まで──あ、おい!?」
「逃げたぞ! 追え!」
──お菓子の中身が違法薬物でパトロール中の警官に職質受けて捕まった。そして私は逃げた……うわあああああん!! 私は何もやってないのに────!! 騙された────!!
──はぁ……危なかった。あのまま捕まってたら私がオジサンから貰って携帯してるもっとヤバいブツが見つかって明日の新聞の一面に載っかってしまうところだった。
でも捕まらなかったし名前とかも明らかになってないからなんとかなるだろう。気を取り直してまた別のお金を稼ぐ手段を見つけよう。そしてさっきの売人見つけたらちょっとしばこう。新しくもらった《ゾルフシャマール》も試しておきたいし。せっかく貰ったでっかいハサミだし、私も極悪斬血真拳使えるくらいには頑張らないと。
そういう訳で今度は9区・中央市場。イーディスきっての大市場であるここで今度は私自ら商売をすることにしよう。
というのもよくよく考えれば私には人に誇れるスキルがある。それはそう、殺し──ではなく、服飾スキルに長けているということだ。
なので手持ちの布を使って簡単に小物を作ってそれをフリーマーケットで売り捌けばいい! これで少なからずお金は稼げる!
ふっふっふ、完璧な作戦だ。これでもセンスはある。1時間くらい木陰でちゃちゃちゃーっと──よし、小物入れとか巾着袋とかペンケースとかハンカチとか色々出来たのでこれを適当な床で……えーっと、品物置くのはそこらにあったボロ木箱の上でいいか。これの上に布を被せれば見えないしなんとか形になる。良い感じに陳列して……よし完成だ!
本当は服とか置けたらいいんだけどさすがに手持ちの布だけじゃ服は作れないし時間もちょっとかかるので今回は諦めよう。さて……値段は幾らくらいがいいかなぁ。1つ300ミラくらい? いや、ここはとにかく手に取ってもらうことを重視して200ミラまで下げるか……それか人を見て決めようかな。値段書いてないしそれでいいか。
私はにっこにこで座りながらお客さんを待つ。するとすぐにお客さんが私の前に来てくれた。美人のお姉さん。主婦ってところかな? 「可愛いわね。これ幾らかしら?」と聞いてきてくれたので「100ミラでいいですよー!」と元気よく答える。するとお姉さんはくすりと笑ってじゃあこれとこれとこれと3つの商品を指さしてくれた。はい、毎度ありー! よろこんでー! 笑顔で商品を手渡し、300ミラを受け取って手を振って分かれる。すごい上品な人だったなぁ……ちょっとだけお喋りもした。名前は
「えーっと。2、4、6……全部で2000ミラもある!」
7区・イーディス中央駅通りの路地で私は自分で作った小銭入れの中に入った硬貨を数えてテンションを上げる。私が作った品は無事完売して2000ミラもの売上を出してしまったのだ。やっぱり私、才能あるよね。これなら安い宿に泊まることも出来るしご飯も3食満たせる。それどころか豪遊出来る!
それじゃ何食べようかなー。共和国って多民族国家だから料理も色々あって迷っちゃうよね。王道の洋食──じゃなくて西方料理もいいし、中華や和食──じゃなくて東方料理も捨てがたい。なんなら北方料理もいいし、私の故郷である中東料理も悪くない。まあでもそこまで懐があったかい訳じゃないし……ここは安価なものにしておこう。お昼だしハンバーガーでも食べよっかなー。
私は鼻歌交じりにスキップしながら中央通りを行く。導力列車は使わない。お金がもったいないしこれくらいは歩ける。そもそもハンバーガーくらい適当に見て回れば近くにもあるだろう。
ただまあ人通りが多いなぁ。さすが首都。人にぶつからないように気をつけよう。そう思って歩調を緩めた直後。
「む……」
「あ、すみません」
私は1人の男性に軽く身体をぶつけられる。どうやら前を見ていなかった様子だけどこの程度で相手が悪い云々と言う気もないので軽く謝って通り抜けようとするが。
「チッ……中東人のガキか……忌々しい劣等種め……おい、待て。人にぶつかっといてその態度はなんだ?」
「はい?」
──なんか絡まれてしまった。見たところ歳は30代前後で良い感じの身分っぽい人だけど……ははーん。これはあれだね。反移民主義者だ。
というのもこのカルバード共和国は多民族融和を掲げた多民族国家であり、東方や中東も含めた多くの移民を受け入れ、そのおかげで国力も大幅に成長したもののそれによる問題も多く孕んでいるのだ。
そんでまあ色々あって元からカルバードにいた人達による人種差別がちょいちょいあったり、反移民政策主義を掲げるテロが行われたりと問題も結構ある。なのでまあ、この人はそういう人なのだろう。
「誰のおかげでこの国に住めると思ってる? 移民なら移民らしく分相応に生きろ」
「はい、そうしますねー」
「そもそも貴様らのような移民のせいで我らのようなカルバード王国時代から続く由緒正しい人間は──」
「なるほどなるほど」
……でもまあここまでの人は珍しい気がするなぁ。こんな大通りで私みたいな子供に差別意識丸出しな主義主張をしてくるなんて。まあでも移民反対の意見を言うくらいならたまにあるみたいだし忙しいカルバード人は気にしていない──というより関わり合いになりたくないようだ。そういうところだよねぇ。やっぱり世界が変わっても人間である限りやることは変わらないということ。私は賢いのでそういうの分かっちゃうんだよね。ふふん。
なのでまあここはやり過ごすのが吉。お話をちゃんと聞いてあげてほとぼりが冷めたところで適当に謝ろう。
「貴様……さっきからその生意気な態度はなんだ! 中東人のガキのくせに……!」
「あてっ」
──なんて思ったら急に怒りだして突き飛ばされた。えー、急にどうしたの? 話聞いてあげたのに……あ、やばいお金お金! 別に痛くもなければなんとも思わないけどお金は拾わなきゃ!
「ふん……いやしいガキめ。やはり移民は下品だな。地べたに落ちた小銭を必死に拾うとは……」
うるせー! これでも私の全財産なんだぞ! それに地面に落ちてもお金はお金なんだぞ! 馬鹿め! 1ミラを粗末にすると1ミラに泣くんだからな! それにこういう移民嫌いに限って実は移民が
私はむっとしながらも声には出さずに無視して小銭入れから零れたお金を集める。するとそんな最中にまた近づいてくる人の気配。差別主義者のお仲間かな? 私は反射的にそう思ったが──
「ちょっとよろしいですか?」
「なんだ貴様は? このガキの親か何かか?」
「親ではありませんが警察です。今、何をしようとしていましたか?」
おっと。お仲間じゃなくて警察か。それなら安心だな……って、警察!? マズい! きっと私を捕まえに来たんだ!
「チッ……何でもない」
「そうですか。なら気をつけてください。このところ反移民政策主義のテロリストの活動も活発ですから。不用意な言動は自らの首を締めることになりかねません」
「っ……失礼する」
反移民のおじさんがなんか立ち去っていく気配を感じるがそれどころじゃない! 私はお金を急いで拾い集めるとそれを再び財布に収める。
「あの男は要注意だな……さて、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です! 助けてくださってありがとうございます! それでは失礼しますっ!」
「あ、おい……!」
「
「……いや、子供が絡まれていたのでな。しかもそれが──」
私はぺこぺこと頭を下げてその場から急いで脱出。相手は私と同じ中東人の男性──と言っても私と比べてかなり色が濃い黒い肌の中東人のおじさんだったが、中東人仲間だからといって気を許したらダメだ。警察なら私を捕まえようとするかもしれないし持っているものがバレたらヤバい!
なので私は後ろから聞こえる会話を置き去りにしながら中央通りを後にした。
「ふぅ……美味しかったぁ」
そして夕方。私は美味しいご飯を食べて満足し、今日泊まる予定の宿の部屋へ向かうことにした。場所は8区の旧市街。格安の宿で私が子供なのを訝しみはしたが何かを察したのか普通に泊まらせてくれた。ベッドと屋根と布団があれば私には天国だ。確か旧市街ってお風呂とかもなかったっけ? 探すの面倒だけど夜のお散歩がてら探しに行ってもいいなぁ。私は旅行先でちょっと路地とか散策するのが結構好きなので楽しいかもしれない。
でも一先ずは部屋でちょっと休憩しよう。そう思って部屋の扉を開けると──
「──あ、お帰りアーヤ姉さん。夕飯はどうしよっか? もしかしてもう食べてきちゃった?」
「……………………」
「あれ、アーヤ姉さんどうしたの?」
──なんでメルキオルがいるの?
私はその場で固まり困惑する。は? 何? どういうこと?
「……なんでメルキオルがここにいるの?」
「いやー街で偶然アーヤ姉さんを見かけてさー。この宿に入って部屋に入るところ見かけたから先回りしてきちゃった♡ 久し振りだね」
「あーうん、久し振り。元気だった?」
「うん。アーヤ姉さん達がいなくなっても元気に過ごしてたよ」
ヤバいなぁ……なんでここでクレイジーサイコホモショタと出くわすんだ……せっかく結社に入って縁が切れたと思ってたのに……。
でも不用意なこと言ったら刺されそうで怖いし、一応普通に応対しよう。落ち着け。所詮はまだただのショタだ。そして私に懐いている。なので変なことはしてこないだろう。
「……そっか。まあ元気なら良かったね」
「うん! アーヤ姉さんこそ元気だった?」
「一応元気かな。まあ色々あるけど」
「色々? どうしたの? 何かやらかしたの?」
「ちょっとね。同僚を間違えて殺しちゃって……それで怒られるのが嫌だから今はプチ家出中かな」
「……へぇ♪ さすがだね」
うん、よし。やっぱり普通に話してる分には何もしてこないしただの可愛いショタでしかない。仮に殺しに来ても今の私なら返り討ちに出来る……筈。さすがに負けないよね? うん、負けない。自信はないけど。
「僕も最近は沢山殺しててさ。あ、元木馬團の人達なんだけど分からず屋でさ。僕が何を言っても子供だからって聞いてくれないんだよ。酷いと思わない?」
「あーそうなんだ。うん、確かにそれは酷いかもねー」
「だよねっ。それでさ、今やってることが上手くいったらアーヤ姉さんにプレゼントしたいものがあるんだけど……」
「プレゼント?」
──え、何、怖い。プレゼント? メルキオルからのプレゼントなんて大抵が私が育ててた植物の種だったり暗殺先で見つけてきたアクセサリーだったり服飾が好きな私を気遣ってか貴重な色の布や糸だったり……良い物しかもらってないな?
そういえばそうだった。急に刺してきたり人の不幸を笑ったりする以外は割と良い子なんだよね、メルキオルって。まあ悪い部分が悪すぎて良い部分が全部消えるどころかマイナスに達するくらいやべー奴なんだけども。話もありえんくらい物騒だし。
でもプレゼントってことなら貰ってもいいかな。
「そう、プレゼント♡ だから楽しみにしててね」
「へぇ……それじゃあまあ期待しないで待ってようかな」
「うん。──あ、それとそのプレゼントとは違うけど今日もまたプレゼントがあるんだ。ちょっとそこの窓の下見てくれる?」
「? まあいいけど……」
ん、なんだろう? 窓の下? ここ2階なんだけど……でもメルキオルってサプライズ好きだからなぁ。意外にも粋なプレゼントかもしれない。
そう思って窓の下を見ると……そこにはとんでもない物があった。
「…………」
「どう? 喜んでくれたかな?」
「…………あーうん。メルキオル? 一応聞くけどさ……」
「うん? 何? アーヤ姉さん」
「あれってさ……誰の死体?」
「え、やだなぁ。アーヤ姉さんもう忘れたの? さっき駅前でアーヤ姉さんのこと突き飛ばしてたおじさんだよ。街を歩いてたら偶然それを見かけてさぁ。なんか延々と絡まれてたよね? まあアーヤ姉さんが不幸になってはしゃいでるところも僕は好きなんだけどあれはなんか単純にムカついたから殺そうと思って。でもその場では我慢したよ? さすがにあんな大通りで殺しちゃうと目立っちゃうからね。だからこっそりと後を追いかけてたら路地に入ってくれたからすぐに殺せたよ。すぐにアーヤ姉さんに声をかけて見せてあげようと思ったけど姉さん、駅前のカフェで美味しそうにハンバーガー食べてたからさ。その間にオジサンを近くの建物の屋上まで運んでアーヤ姉さんがハンバーガー食べてる姿を見ながら僕も
「──うん、そうだね」
私は全てを飲み込んで頷いた。グロ耐性はあるのでその光景自体は何とも思わないが、それを笑顔で嬉々として見せつけて語ってくるメルキオルと目線を合わせ、その肩に手を置き。
「あー……メルキオル。私仕事を思い出したからやっぱり帰るね?」
「そうなんだ。そっか……それは残念だけどそれなら仕方ないね。それじゃまた今度会ってくれる?」
「あーうん。会う会う。だから今日のところはまたね。あ、これせめてもの御駄賃。これで好きなものでも食べて。あと私の代わりに今日はここで泊まってくれていいから」
「わぁ、ありがとうアーヤ姉さん!」
「喜んでくれて良かった。それじゃあね」
「うん、アーヤ姉さんばいばーい♡」
私は残っていた手持ちのお金をメルキオルに全て上げると楽園で鍛え上げられた笑顔でメルキオルと別れる。
そうして部屋のドアを締めて姿が見えなくなった瞬間──私は全力で走った。
──うわああああああん!! なんなのあの子!! 怖いんだけど────!! メルキオルやっぱ怖い────!! サイコ! サイコ!! サイコすぎる!! なんであんなサイコが私に懐いてんの! うわああああああん!!
「──あ、やっと見つけたアーヤ。──って、どうしたの? そんなに必死に走ってさ」
──うわあああああああ!!? 今度は《道化師》だ────!! カンパネルラ──!! 執行者No.0の訳わからん奴──!! 男か女かも分からない────!! 怖──くはないか……別に……。
「別になんでもない……」
「そう? そんな風には見えないけど……まあいいや。それよりも君、早く戻りなよ。色々と用事もあるんだからさ」
「言われなくても戻るけど……用事って?」
「色々だよ。──ああ、そうそう。この間のメッセルダムで君が起こした事件の記事見た? 『メッセルダムで起きた怪奇大量殺人事件! 謎の切り裂き魔現る!?』って見出しでさ。いやーあれは傑作だったよ。君もよくやるよねぇ、さすが《破戒》に連れ回されてるだけはあるというかさ♪」
「き、記事になってるんだ……そっか。そりゃそうだよねー……」
「まあ、あれだけ殺せばそりゃあね。あ、それと博士と教授が呼んでたよ。博士の方はまた研究か実験みたいだったけど教授の方はまた別の用事みたいだったね。心当たりある?」
「そ、そうなんだ。ま、まあ……それはあるようなないような?」
「ふーん? 後は聖女サマの方も呼んでたよ。色々と心配してるみたいだねー」
「それは良い用事だね! よし、すぐ行こう!」
「フフ、君って結構色んな人と仲良くやってるよねぇ。ああ、でもそれよりも《盟主》が呼んでるからさ。先にそっちに来てもらうよ」
「ああ、はい。それは全然大丈夫で……………………えっ」
「……今なんて言いました?」
「だから偉大なる《
「……もちろん強制だよね?」
「もちろん♡ 断れるわけないよね?」
「そっかぁ」
──私、なんかやっちゃった?
今回はこんなところで。カンパネルラよりメルキオルがメインになっちゃった。
次回は《盟主》と会います。お楽しみに。
感想、評価、良ければよろしくお願いします。