──皆さんこんにちは。アーヤ・サイード17歳です。身長は163リジュ。3サイズはB87・W57・H87。トリプルセブンで良い感じだね。身長の成長はほぼ止まっちゃったのでちょっと残念。
まあでも最近は本当に良いことだらけだからね。それくらいは我慢しよう。
さて、私がアラミス高等学校に通い始めてそろそろ1年。冬休みを経て3学期に入った私はまたしても忙しい日々を過ごすことになった。
というのも仕事がね。依頼が結構入ってきちゃってるんだよ。衣装製作のね。しかも1つは導力映画の衣装製作の協力依頼だ。なんかアナ先輩の知人に女優さんがいたらしくてそこ経由の依頼でスタッフに衣装を紹介され、もし良ければってことで頼まれた。
なので学生なのに一時期学校を休んで制作現場にお邪魔させてもらい、監督やスタッフ、その女優の人と衣装の擦り合わせをして衣装を制作。提供させてもらったんだけどそれがまた本当に忙しくてね。
なにせほかの納期を遅らせる訳にはいかないから平行して進めないといけないし、かといって学校を休みすぎる訳にはいかない。だから私は学校に糸やら針やら制作途中の衣装を持ち込んで授業中や休み時間に作る羽目になった。先生には怒られたけど許してほしい。芸術家の学校なんだからちょっとくらいいいよね!
そのせいで勉強は疎かになったけどそこは優等生のエレインちゃんとか他の友達に助けてもらった。やっぱり持つべきものは可愛くて勉強の出来る友達だよね。おかげで何とか試験なんかも乗り切れたし、衣装製作も間に合ったし──あ、そういえば年末に会ったグリムキャッツことジュディスちゃんに会ったけどそんなに構ってる余裕はなかった。向こうはまだ端役も端役だったし、私は私で打ち合わせとか衣装製作が忙しくてそんなに話す余裕はなかった。まあでも何度か休憩を一緒に取って話してお友達になった。グリムキャッツのことは知らんぷりしてるけどそういうところも可愛いね。バレバレだと思うんだけどなぁ。
そして無事女優さんからの依頼をこなしたんだけど、こなしたらこなしたでまた忙しい。またその女優さん経由で依頼が舞い込むようになったし、映画スタッフに知られたことでちょっとした企業からも衣装の相談が来るようになった。急いで作った名刺を渡したのが良かったかもしれない。仕事から仕事に繋がっていく。
なので学生なのに仕事をやりまくる三学期だったんだけどそこは彼女のセラちゃんとシーナちゃんにも手伝ってもらったりして頑張った……が、そこで更に忙しさを増すイベントが襲来。
その名もアラミス学藝祭。毎年新年度の4月に新入生歓迎も兼ねて行われる学校行事だ。
共和国一の名門かつ生徒の自主性に任せた学校ということもあり、この祭りは学生主導とはいえかなり規模も大きいし、保護者はもちろんのことOBOGも含め、学校外から大勢のお客さんが訪れるアラミスの目玉イベント。首都イーディスの春の風物詩である。
私も入学したばっかりの時は普通に楽しんだ。まあ本当に入ったばっかりだったんで何も出来ないでただ楽しむ側だったんだけどね。ちょっとはっちゃけたけど特に何もしていない。
だけど今年からは私達が企画をそれぞれ考え、出し物をしなければならない。各クラス、各部活、生徒会、個人でも適当な集まりでもきちんと申請して認められれば何をしたって構わないし、外部から人を呼んで協力してもらうことも許可されている。なので相当自由度が高い。
だからこそ私は何をしようかと悩んだし色々考えていたんだけど、そんな時にヴァンから声を掛けられた。何でも生徒会主導の企画でヴァンが脚本、エレインちゃんが主演を務める劇をするらしいんだけど、その衣装製作を私に依頼したいらしい。しっかり仮題の脚本も持って私のところに来た。題名は“風雲カルバード革命記”。誰もがご存知なカルバード革命をエンターテイメント性を高めてやってみました的な物語だ。
「おお、いいねいいね! 面白そう楽しそう!」
「なら受けてくれるか? お前が忙しいのは分かってるが……」
「いいよー! とりあえず主演の4人は絶対必要だよね! 要望はどんな感じ? それ聞いて明日までにデザイン何枚か書いてくるからその中から選ぶ感じでいいかな?」
「お、おう……こっちはそれで構わねぇが……いいのか? そっちはそっちでやりたいことあると思ってたんだが」
「うん、色々考えてるよー。食べ物屋さんもやりたいしクラスの出し物でコンセプトカフェとかもやりたいって話も出てるしミニバザールにも出店したいし付き合いのあるバスケ部の出し物にもちょっと参加したいかなー。後はファッションショーとかもね。だからヴァンとかエレインちゃんとかルネっち先輩には衣装を提供する代わりに私の方も手伝ってくれない?」
「それはもちろんいいが……どれに協力すればいいんだ?」
「え?」
「いや、え、じゃねぇよ。それ全部やる訳でもなし、どれを手伝えばいいんだ? ファッションショーか? それともまだ決めてないとか……」
「いや、もう決めてるよ。そりゃあもちろん──」
私は相談に来たヴァンに私の考えてる企画を口にし、協力を持ちかけながらふっと笑って告げる。口端を釣り上げてキメ顔で──
「ぜんぶだ」
「…………は?」
「全部やる。今言ったの全部」
「…………マジで言ってんのか?」
「マジ。だからヴァンもちゃんと手伝ってね。もちろん舞台の衣装製作もしっかりやるからさ。報酬は私の手伝いってことで」
「な……割に合わなすぎんだろ!?」
「まあまあちょっとでいいからさ。とりあえずショーのモデルは確定ねー。はい、採寸するから大人しくしててー」
「ちょ、てめっ……め、メジャーを持ってにじり寄ってくんじゃねぇ!? しかもショーだぁ!? そんなもん──」
「はい採寸終わりー! もう契約もしたからだめでーす! 台本貰ったからねー! 契約違反するならこっちも考えがあるよ! 例えばこの台本をリークするとか……」
「無理やりすぎんだろ!? く……わかったわかった! こうなったら破れかぶれだ! 忙しすぎて衣装制作間に合わなかったら承知しねぇからな!?」
「あはは! オッケー! それじゃまた明日ねー! ばいばーい!」
──と、そんなやり取りがあった。今のを見てもらえば分かるように、私は学藝祭を楽しみ尽くすために自分の考えた出し物を全部やることにした。
だってせっかくのお祭りだしね! 在学中2回しかないし! その中から2つだけなんて選べないし! どうせやるなら全部やった方が面白いと思う!
ってことで私は若さと勢いに任せて次の日には考えてた企画を紙に書きなぐってヴァンに持っていった。ヴァンから依頼された衣装のデザイン画をちゃんと持ってね。
そんで次の日からは怒涛の日々だ。
「この焼きそば屋台ってのは普通の焼きそばともう1つの目玉商品って書いてあるが何を出すつもりなんだ?」
「そりゃ私と言ったら辛いものだからね。出すのはシビカラ麻婆焼きそばだよ! そんで学食と一緒で辛さを10段階用意して、10倍を食べ切れた人には賞金って言ってお客さんを釣り上げようかなーって──」
「体調不良者が出たらどうすんだバカ! やめろ! 学生の飲食店でそういうの出すと後が面倒なんだよ!」
「ええー」
──ヴァンと食べ物屋台の相談をしたり。
「カフェの衣装にしてはちょっと露出が多すぎない?」
「ダメ? 可愛いと思うんだけどなー。しかもちょっとえっちさもあって。きっとお客さん沢山釣れるよー?」
「確かに可愛いとは思うけど……もう少し露出を抑えた方がいいわね」
「ていうかこれ全部作るってマジ? 本当に間に合うの?」
「へーきへーき! 皆にも教えるから一緒に頑張ろうね!」
「あはは……私達も一緒に作るんだ……」
──エレインちゃんやクラスの皆とカフェの衣装の打ち合わせをして実際に制作したり。
「ルネっちせんぱーい! 良いこと思いつきました!」
「あまり良い予感はしないが一応聞こう。それとルネっちと呼ぶのをいい加減やめろ」
「はい! ただ普通にバスケするだけじゃエンターテイメント性が足りないのでポイント取られる度に服を脱ぐってのはどうでしょう?」
「…………ほう。それで? 服を脱いだ後はどうするんだ?」
「その脱いだ服を私がアレンジしてあげるんですよ! だから勝負が終わった後に服を着用しようとしたらあら不思議! さっきまで着ていた服が更におしゃれになってましたー! いえーい!」
「……まあ、なんだ。色々とツッコみたいところは沢山あるが……言いたいことは1つだけだな」
「え、なんですか?」
「不思議なのはお前の頭の出来だ」
「酷い!?」
──ルネっち先輩とバスケ部の出し物について意見を出し合ったり。
「やってるみたいね」
「あ! アナせんぱーい! ちょうどいいところに! ウォーキングの指導をお願いします!」
「苦戦してるの?」
「はい。特にヴァンが全然ダメで」
「仕方ねぇだろ……ウォーキングなんてやったことねぇんだから。誰だって……」
「ルネっち先輩はすぐ出来てるよ?」
「フ……だらしないぞヴァン」
「大抵のことは器用にこなしちまう生徒会長サマと一緒にすんじゃねぇよ」
「エレインちゃんも割と出来てるよ? 姿勢がいいからそのまんまでも映えるよねー」
「そうかしら。何だか少し恥ずかしいわね……」
「エレインは……まあ、確かによく出来てるけどよ……」
「うわっ、ヴァンが惚気たー! 俺の彼女歩き姿も超様になってて可愛いって感じー!? うぇいうぇ~い」
「なっ……そんなんじゃねぇよ!」
「うぇ~い。ヴァン照れてるうぇ~い。ひゅーひゅー。あ、隣行かなくて大丈夫? せっかくだし一緒にポーズ取る? そんで写真撮る? なんなら腕とか組んじゃう~?」
「うざ絡みやめろ! やらねぇし撮らねぇよ!」
「…………写真撮らないんだ……」
「ふぅ……何でも良いけど時間もないみたいだから早速始めましょうか」
「ええ、お願いします」
「お願いしますアナ先輩!」
──既に卒業を控えて卒業後はなんとモデルをやることになったアナ先輩にファッションショーに出るヴァン達の指導をお願いしたり……あ、ちなみにショーにはアナ先輩も出るし私の友達も多数出演する予定だ。
「あれ? ルネっち先輩にヴァン達ってバンドもやるの? ──私も参加したい!」
「いや、お前は今でさえもう死ぬほど忙しいだろうが……」
「そもそも楽器は弾けるのか?」
「糸使いには慣れてるからね! 弦楽器は大体出来るよ!」
「いや、裁縫と楽器は全然違うだろ「いえーい! ロックンロール!」──ってマジで弾けてやがる!?」
「ほう……驚いたな。音楽をやっていたのか?」
「糸使いには慣れてるからね! ってことでよろしくお願いしまーす!」
「だから全然違うだろ……」
──飛び入りでヴァンとルネっち先輩のバンドにゲストとして参加することになったり。
他にも色々。本当に色々やった。作業も膨大。やることも考えることもいっぱい。本当に多いから睡眠時間を削って頑張ったけどそれでも充実してるし楽しいからね! ハイになってる自覚はありつつも準備期間を全力で駆け抜ける。
そうして何とか準備を終え、3年生のアナ先輩とかは卒業。春休みを経て新年度が始まり、ルネっち先輩は3年生。私やヴァン、エレインちゃん達は2年生に。
更に新入生が新しく入ってきて殆ど間を置かずに──遂にアラミス学藝祭開催の日がやって来た!
「それでは──第90回、《アラミス学藝祭》の開催を宣言します」
生徒会長のルネっち先輩の宣言により、祭りが始まる。同時に私達はそれぞれ持ち場に付くのだが、私はまず学校に入ってすぐの建ち並ぶ屋台に移動して調理にかかった。
「はいいらっしゃーい! 焼きそばどうぞー! 2人前ですねー! はい、よろこんでー!」
まずは焼きそば屋台の“焼きそばアーヤちゃん”だ。ちゃんと鉄板を用意してヘラを使いつつ刻む。焼く。ソースをかける。お祭りと言えばやっぱり焼きそばだよね! 自炊もしてるし飲食店バイト経験もあるアーヤちゃんに隙はない! 手際よく特製焼きそばを焼いてはソースの匂いに釣られたお客さんを捌いていく。
「あ、いた」
「お! ヨルダ、イクスにレンもいらっしゃーい!」
そうしていると早速見覚えのあるお客さんが現れた。私が呼んでイクスとヨルダ。それにレンだ。
「来てやったぜー! って、アーヤ姉また焼きそば焼いてんのかよー! もっと他のも作れよなー!」
「お祭りの定番だからこれでいいの! それに家で作るのとは一味違うんだから!」
「ウフフ、美味しそう! ねえアーヤ、レン達にも1つちょうだい」
「もちろんあげるよー。お姉ちゃんからの奢りってことで3人前ね!」
ささっと私は3人に焼きそばを振る舞う。一応言っとくと辛くないやつね。さすがに子供に激辛──ってほどじゃないけど辛い方を振る舞うことはしない。豚肉キャベツねぎ青のり鰹節紅生姜と祭りのシンプルなやつだ。具材はあればあるほどいい! 紅生姜多めでね!
「う……確かに家で食べるのより美味いじゃねーか! こんなに美味いの作れるなら普段から作れよアーヤ姉!」
「いやいや、分かってないなーイクス。家のは適当だからいいんだよ。適当な有り合わせの具材で作るあの混沌とした味付けが休日のランチにぴったりなんだよねー」
「甘いのも欲しい。アーヤ姉、甘いのは売ってない?」
「焼きそば食ってる最中にすぐ甘いの欲しがるとか甘党すぎるでしょ。一応あるけど別の店ね。お小遣いあげるから適当に買って楽しんできていいよ」
「ん、ありがと」
「ハッハー! サンキューアーヤ姉! せっかく来たんだから美味い飯制覇してやるぜー!」
「食べすぎてお腹壊さないようにねー」
「大丈夫よ。お姉さんのレンが見ててあげるわ」
「お願いねー」
って感じで焼きそばも割と好評。まあ大人も子供も皆大好きだからね──あ、というか。
「そうだ、レン。他の人は? ちゃんとデュバリィちゃんに連れて来てもらった?」
「ええ。一緒に来たわ。来たけど、ちょっと大人数なのよね。だからきっとアーヤはびっくりするわ!」
「大勢? アイネスちゃんとかエンネアちゃんも来てるの?」
「ううん。むしろその2人は予定が合わなかったみたいで来てないわ。来てるのは──ほらあっち!」
レンが指を指した方向に私は視線を向ける。するとそこには、私が招待した友達のデュバリィちゃんと──え?
「──よう、アーヤ。来てやったぜ。中々の盛況振りじゃねぇか」
「……いや、何で来てるのオジサン……って言いたいところだけど……」
「ごめんなぁ。旦さんが来ることウチらも知らんかったんよ。さっき門の前でばったり会うてな。しゃーないからお目付けも兼ねて皆で一緒に来たんやけど」
「レティ姉さんはありがとう! 来てくれて嬉しい! それにデュバリィちゃんもありがとね!」
「誘われたのですからきちんと予定を開けて行くのは礼儀ですわ。だからお礼を必要ありません。というか……むしろこの面子を連れて来てしまったことを謝罪したいくらいですわね……」
「いや、うん……別に謝る必要もないしオジサン以外は良いんだけどね。むしろ嫌というか意外というか──
「暇だったからな。ちょいとお前さんの話を耳にしたんでちょっと顔を見に来ただけだ」
「ハッ、俺も来るつもりはなかったが偶然近くには来てたからな。こいつと同じで冷やかしに来てやったんだ」
私の焼きそば屋の前にやってきた面々──《破戒》のオジサンにレティ姉さん。私が呼んだデュバリィちゃん。そこまでは予想出来たけどマクバーンにヴァルターまでいるのを見て私は嬉しさよりも困惑が勝ってしまう。いやまあ来てくれたことはありがたいけどね? でもこの面子が一学校の学藝祭に集まるってのが中々にすごいというか、違和感がすごい……。
「うーん……でも、そうだね。来てくれて嬉しいよ! ありがとう皆! オジサン以外はゆっくり見て楽しんで行ってね!」
「おいおい……オジサンは仲間外れか? たまにはオジサンだって表の祭りではしゃいだって構わねぇだろ?」
「年中ヤンチャしてるオヤジが何言ってやがる。俺も大概だと自覚してるがアンタに比べりゃ俺達なんて可愛いもんだろ」
「そうやねぇ。初々しい学生の中に旦さんを突っ込むやなんてそれだけでもう犯罪やと思うわ」
「危険なのはマクバーンも変わんねぇだろう」
「俺はあんたと違って人里で暴れたりしねぇからな。でもあんたはむしろ人が多いとこで暴れちまうだろう。その差なんじゃねぇか?」
「ま、それはそうなんだけどな。確かにこう人が多く行き交ってるのを見るとオジサンもはしゃいで犯罪でもするかって気分になってくるぜ。学生を使った犯罪ってのも面白そうだからなぁ」
「こんな所で物騒な話してんじゃないですわよ!?」
「ほんとだよ! やったら今度の今度は許さないからね!?」
物騒な話をするオジサンにデュバリィちゃんと私でツッコミを入れる。いやほんと……この面子が集まってるなら仕方ないけど中々異様だよね。もう目立ってしょうがない気がする。
「旦さんのことはウチが見張っとくから安心……とまでは行かへんやろけどあんま気にせんでええよ」
「はぁ……仕方ありません。わたくしも出来る限り何も起きないように見張っておきますわ。……それとマクバーン。ヴァルターも別れますわよ。この面々で集まって行動していたら目立ちすぎますわ」
「ハッ、別に俺は目立っても構わねぇが……まあいいぜ。一応こいつの顔を立ててやらねぇとな」
「俺は何でもいいぜ。そもそも顔見たらすぐ帰るつもりだったからな」
「フフ、任せてアーヤ。レンもちゃんと見張ってるわ。イクスとヨルダだけじゃなくオジサン達もね」
「ああ、うん。ありがとう。でもちゃんと楽しんでねー。暴れなきゃ楽しんでもいいと思うしさ。あはは……」
私は若干苦笑いをしながらも一応別れて校内に入ってく皆を見送る。ちょっと不安だけど……でもまあ大丈夫でしょ。なんだかんだ弁えてるし。デュバリィちゃんとかレティ姉さんは見張ってくれてるし。後レンも。
一応今日は祭りなんだし、何もなきゃ楽しんでくれる分には別にいいし、むしろ嬉しい。結社の面々とはいえ私の仲間ではあるし。私の企画を是非とも見て楽しんで行ってほしい。
──ということでそれからまた焼きそばをしばらく焼いたところで交代。お友達のミャーちゃんに焼きそば屋を任せて私は次の場所へ。次はクラスの出し物であるメイドカフェに私も参戦すると。
「へぇ……制服姿も似合っとったけどメイド服もええなぁ」
「ありがとうございますレティお姉様もとい、何なりと申し付けくださいご主人様♡」
「ほう、なんでも言う事を聞いてくれんのか。だったら──」
「オジサンの命令はミラ次第ねー。お水一杯1万ミラで」
「なんだ。
「違いますー。これは私が塩対応してるだけですー」
「それはそうとここの衣装も全部アーヤが作ったんやろ? こっちの腕もえらい上がっとるなぁ」
「ありがとうございますレティ姉さん♡ レティ姉さんならいつでも仕立てるんでいつでも言ってくださいね♡」
「クク、確かにな。最初に見た時と比べりゃ随分と成長してやがる。──そう考えると……そろそろガキ扱いも卒業しても良い頃かもなぁ」
「え? 今まで子供扱いだったの? あれで?」
「本当に信用あるねぇ。ま、これからは立派な大人として扱ってやるよ。仕事とかもな」
「や、やっぱり私子供でいいかなーって……というか私まだ大人じゃない! 学生なんですけど!」
「旦さんあんまりからかわんと。旦さん相性悪いんやからあんまり怒らせてざっくりいかれてしまっても知らんよ?」
「そうなんだよなぁ……年々耐性がついてきちまって実は困ってるとこだ。今も指向性の毒ガスをアーヤには嗅がせてるんだがまるで効き目が──」
「…………冗談だよね?」
「クク、冗談だ。本気にしたか?」
「オジサンの冗談は冗談に聞こえないんだよ! やっぱり帰ってくれない!?」
「だから冗談だって言ってんだろ。そんな怒るなよ。そんなことよりコーヒーまだか? ──それと灰皿も」
「学校内で葉巻を吸おうとするなー!! 全席どころか敷地内全部禁煙ですぅー!!」
(アーヤちゃん、あそこの席の人と仲良いね)
(知り合い? もしかして保護者とか親戚なのかな?)
──オジサンとレティ姉さん相手に接客をして私が作ったメイド服を見せつけてあげたりし、少し落ち着いたところでまた別の場所へ。中庭のバスケコートへ向かうと。
「バスケか……興味もねぇしやったこともあんまねぇな」
「わたくしもあまり馴染みはありませんわね。共和国ではかなり流行っているとは聞いてましたが」
「アーヤは確か優勝したんじゃなかったか?」
「ふふん。そうだよ。私こそバスケ部の助っ人エース、閃光のアーヤちゃん! バスケなら誰にも負けないんだから! ってことでヴァルターとかデュバリィちゃんは素人だし、フリースローで適当に遊んでみる?」
「ほう? 随分と調子づいてんじゃねぇか──なんならちょっと遊んでみるかよ?」
「そこまで言われたらさすがにイラッと来ますわね……いいでしょう。だったら勝負ですわ」
「え? 私と? ──って、危なっ!? こらー! ファール! ヴァルター、ファールだから!」
「クカカ……! 硬いこと言うんじゃねぇよ……! ちょっとボールの奪い合いが激しいだけだぜ」
「なるほど。普段の身のこなしもそれなりに適応出来ますわね。今のヴァルターの動きはさしずめ“ファントムワークステップ”。ならばわたくしは──“影技・剣帝陣”!!」
「速っ!? ボールが──って、残像出すとか反則なんですけど!」
「ただ速く動いただけですわ。それより、これでこっちのオフェンスですわね」
「クク、そうだな。覚悟しろよアーヤ。いつぞやの借りを返させてもらうぜ……!」
「狙うのはゴールだよ? 分かってる? ──まあでもこうなったら仕方ない! お祭りだし細かいことは言いっこなし! ってことでマクバーンは私とペアね!」
「だりぃからパスだ。俺は見てるから3人で適当にやってくれ」
「それじゃ2対1になっちゃ──危なっ!? だから私じゃなくてゴールを狙えってば! もー!」
(すげぇ……あの3人動きが見えねぇ……!?)
(アーヤさんはともかく、あっちの2人は何者なの?)
(というかあっちの女の子、今3人くらいに増えてなかった……?)
──デュバリィちゃんにヴァルターにマクバーンとバスケ勝負? を楽しんだりして、それが終わればまた別の場所に。今度はミニバザールの様子を見に行くと。
「──やあアーヤ姉さんおはよう。今日も可愛いね♥」
「…………あー……メルキオルも来たんだ……それにオランピアちゃんも……」
「そりゃ来るよ。だってせっかくのアーヤ姉さんの晴れ舞台なんだからさ。後でバンドやファッションショーもあるんでしょ? 楽しみにしてるね♥」
「私はメルキオルにほぼ無理やり連れてこられる形で来ただけです。なので望むならすぐに帰っても構いませんが」
「……いやまあ良いんだけどね。でも大人しくしててよ?」
「もちろん。学校で手を出す気はないから安心してよ」
「学校以外でもやめてね?」
「それよりここで売られているのは作った衣服……それも私が手伝ったものも置いてあるようですね。それも大量に」
「お、よく気づいたねオランピアちゃん! そう! ここで置いてるのはいつも通り私達の手作り! しかも格安だからね! ファッションショーで私の名前とここを宣伝すれば2日目とか3日目もめちゃくちゃ売れると思うから色んな人に手伝ってもらって在庫も結構置くことにしたんだ!」
「なるほど。理に適っていますね」
「へぇ、それなら僕も何着か買わせてもらおうかな」
「はーい。まいどありー」
「そういえば手伝ってもらったってことはスタッフも増えたんだよね? これだけの衣装を作る手伝いをしてくれるってことはよっぽど仲が良いのかな?」
「まあ仲はいいかなー。あ、手出さないでよ?」
「もちろん。アーヤ姉さんの邪魔になるようなことはしないから安心して。なんだったら僕もスタッフに加わろうか?」
「それは駄目。というか裁縫なんて出来ないでしょ。何するつもりなの?」
「そりゃあアーヤ姉さんのメンタルケアを……♥」
「あーはいはい。そういうのはいらないから。大人しくお祭り楽しんでらっしゃーい」
「アハハ、相変わらずつれないなぁ」
「私が楽しむことは不可能ですが命令なので従います。メルキオル、行きますよ」
「そしてこっちはこっちで冷たいし……あーあ。こんなことならアリオッチや皇帝も誘えば良かったかな」
「絶対やめてね? 目立つってレベルじゃないから」
「正しくは──誘ったけど来なかった、です。なので安心してください。おそらく2人は来ていませんよ」
「誘ったんかい! しかもおそらくって! 全然安心出来ない!」
「まああの格好で来てたら目立つし、多分いないんじゃないかなぁ。でもアーヤ姉さんのために一応気にかけておくよ」
「自分で誘っといてどの口が言うんだろう……不思議すぎる……」
──メルキオルとオランピアちゃんが来ててめちゃくちゃ困惑したけど、大人しくしてるってことなのでその言葉を信じてとりあえずは気にしないことにした。……大丈夫だよね? なんか普通に心配になってきたけど……。
そしてそこからも色々持ち場を移動しつつ学藝祭を楽しみ、午後にはステージに移動して演劇の鑑賞とバンドの演奏。そしてファッションショーも行って楽しんだ。結果は当然……大成功! バンドは盛り上がったし、ファッションショーも評判良くて演劇の方も拍手喝采だった! まあ客席が気になってしょうがなかったけど! 裏の知り合いが多くてね!
──とはいえ知り合いが沢山来てくれてなんだかんだ嬉しかったかな。まあ一応は仲間だし。友達もいるしね。
強いて言うならお手紙を送って誘った相手──クルーガーちゃんがやっぱり来てなかったのが残念だったけどしょうがない。クルーガーちゃんはきっと忙しいだろうからね。また来年誘おう。それか私から暇な時にでも会いに行こう。そろそろ帝国にも営業というか仕事もしないといけないし。
そうして更に色々あって騒がしくも楽しい学藝祭を過ごすこと3日──遂に最後のステージも終わって後夜祭。
キャンプファイヤーでフォークダンスという定番を行い、私も私の彼女2人はもちろんのこと、ヴァンやエレインちゃんやルネっち先輩とも踊って楽しんだ。結社とか裏の面々は1日目で帰っちゃったけどね。でもなんだかんだデュバリィちゃんとかはいたし、レンやイクスにヨルダもいたけど。
それでまあ、後は適当にお開きにするか3人を連れて帰ろうかなーと敢えて輪から外れて色々考えていると。
「──その様子だと学藝祭は大成功だったようだな」
「あ──レーヴェ!」
こっそりと来ていたのか背後からレーヴェが声を掛けてきた。なので私は合わせてそそっと駆け寄る。
「レーヴェも来てたの?」
「ああ。とは言っても最後の舞台を見ただけだが。バンドに劇にファッションショー……どれも盛況だったようだな」
「声掛けてくれれば良かったのにー。そしたら案内してあげたんだけどなー」
「フッ……そんな時間があるようには見えなかったがな」
「まあね! 忙しすぎてほんと大変だったよ! でも楽しかった!」
「それは良かったな」
「うん! あっ、せっかくだしレーヴェも踊る? デュバリィちゃんにレンもいるよ? 後は私が面倒見てるイクスとヨルダも紹介してあげる!」
「悪いが遠慮しておこう。俺の方も忙しくてな」
「えー。でもまあ仕事なら仕方ないかぁ……って、忙しいの?」
「ああ。少しな。
「例の件……」
レーヴェからその言葉を聞いて私は考える。さすがにレーヴェはこんなとこで詳細を話したりはしない。だから推測だけど……例の件ってもしかして《福音計画》かな? 去年の時点で裏でも色々動いてたしね。そろそろ時期が来ててもおかしくはない。
──ってことは……もしかして原作開始ってコト!? うわー! 楽しみー! 空の軌跡だー! FCだー! エステルちゃんとヨシュアくんの英雄伝説が始まるー! うわー!
私は内心でテンションを上げる。やっぱ空の軌跡って思い出深いというか好きなんだよねー。シリーズの始まりだしさ。ストーリーも良いんだよね。世界観とかも。最初は2作構成に戸惑ったけどやってみれば気にならなかったどころかあれで良いし。細かいところは正直あんまり覚えてないけどFCの最後にヨシュアくんが離脱してエステルちゃんがそれを追いかけて結社とかが暗躍してってストーリー構成がよく出来てるし! 敵──結社の面々も魅力的というか心くすぐられるよね! 執行者とか使徒も出てきてそれぞれパーティメンバーと因縁があってさ。特にその中でも1番はレーヴェだよね! ヨシュア君の義理の兄みたいな人で悲しい過去を持っててそれでいてラスボスよりも強いとかいう魅力的な敵キャラ! しかも最後は和解してエステルちゃんとヨシュア君のピンチを救って、最後はヨシュア君のことをエステルちゃんに託して満ち足りた感じで
……………………あれ? そういえば……。
「既に俺以外の面々も動いている。まだ時期は少し先になるがな」
「ああ、うん。そうなんだ」
「……? どうかしたか?」
私はレーヴェの顔をまじまじと見て思い出す。そう、そういえばだ。空の軌跡SCの最後って……レーヴェ死ぬんだった、と。
それを思い出し、私は頭を抱える。《福音計画》ももうすぐで行われる。原作開始もテンション上がるしめでたいというか良いこと? だけど……。
──わ……忘れてた──!!? ぎゃー!? レーヴェ死んじゃうー!? 仲間なのにー!? どうしようー!? しかも計画の参加とか何も聞いてないってことは私メンバーから省かれちゃってるよね!? このままじゃリベールにも行けないし何も関わりがないところで勝手にレーヴェが死んじゃう! やば──い!!
「そういえばそうだった……私も計画に参加しないと……」
「何……? お前も参加するつもりか?」
「忙しいけどね! でも参加したい! てかする! 今度教授に言わないと!」
私はレーヴェに先んじて告げておく。《福音計画》には何が何でも参加しないと。悪いことしないといけないのはアレだけど最後は大団円だし、なんか良い感じに手加減したり情報上げたりとかしてもいいし! そうしてなんかこう……とにかく上手いこと立ち回れば何とかなるはず!
「……そうか。ならば俺の方からも教授に言っておこう。アーヤが計画の参加を希望していると」
「うん! お願い! そうと決まったら……なんとかスケジュール開けないと!」
レーヴェにお願いしつつ私は頭の中で計算する。時期にもよるからスケジュール開けようがないんだけどね! もうこうなったら学校に行きながらか、あるいはちょっと休むことも視野に入れないと! まあ多少は休んでも大丈夫だろうから何とかなるはず!
私はそう決めてからレーヴェと別れた。とりあえず学藝祭は大成功だったし、仕事も増えて良いことばっかりで今のところ急ぎでやることはない。うん、多分ない! だからしばらくは仕事を早めにやったりしてどうにかして裏の仕事に──
──七耀暦1201年。5月。
「ヴァンが……退学したの……」
「………………へ?」
私がちょうど所用で学校を遅れてやってくるとエレインちゃんからその話を聞いて頭の思考を止める。そしてややあって再起動して叫んだ。──あ────!!? 忘れてた────!!? ヴァン退学しちゃった────!!? あのバカ──!! エレインちゃんを泣かせるな──!! あーもう! こんなの掛ける言葉がないんだけど―!? それにもしかしてヤリ逃げしたんじゃないだろうな!? あのアホー!! 絶対見つけてドロップキックしてやる! でも表の仕事も裏の仕事も学校もあるし忙しいから多分無理! もうどうすればいいんだー!! うわあああああああん!!
──そうして私は再び頭を抱えて悩むことになりながらも《福音計画》に参加することになった。
アーヤちゃんの身長とスリーサイズはこれで完成形。他の公式キャラのデータを見ると
エリィ 164cm B89・W59・H88
ノエル 163cm B84・W60・H86
リース 163cm B86・W60・H84
リーシャ 159cm B92・W57・H86
ユウナ 162cm B86・W59・H88
ミュゼ 155cm B85・W57・H87
こんな感じなのでユウナが体型的に1番近いかな。明るいところも似てるしねってことで今回はここまで。まだちなみに原作開始ではない。
次回は西風かな。後1、2話はあります。その後で空の軌跡開始。お楽しみに。
感想、評価、良ければよろしくお願いします。