──遂に始まる……か。
結社《身喰らう蛇》の所有する《赤の方舟》グロリアス。
超弩級飛行戦艦であるその船の一室で、俺は改めて自らに問いかけていた。
無論、今更迷いはない。既に俺の進む道は定まっているが、それでも大きな計画を前に柄にもなく感傷に浸ってしまっていることを自覚する。
結社の行う《オルフェウス最終計画》の第一段階。教授の主導する《福音計画》。
その下準備を行うため、俺はこれから元ジェスター猟兵団のロランス・ベルガー少尉としてリベール王国軍諜報部に所属することになる。
そうしてアラン・リシャール大佐のクーデターに協力し、福音計画の第一段階……王都の地下区画に封印されている《環》を解放する。
《七の至宝》……リベール王国に存在するその至宝の1つを用いたその壮大な計画は、多くの人々を苦しめることになるだろう。
──だがそれこそが俺の望むところ。
人間の抱える欺瞞……強大な力の前で人という存在は余りにも無力だ。時代の流れ、国家の倫理、価値観と倫理観の変化。様々な事象の中で人は真実を見ようとせず都合の良い自分だけの出来事を真実と思い込んでしまう。
そういった欺瞞は数多くの悲劇を作り出してしまう。10年前に俺自身の身に起きたハーメル村の一件然り……大陸中で多くの悲劇が起こされたことを俺は知っている。
それだけではない。今なお第二第三のハーメルの悲劇は起き続けている。他ならぬ人の欺瞞によって。
……止めなくてはならない。
だからこそ俺はこの世に問いかける。圧倒的な力と存在感を持つ《七の至宝》。その1つである《輝く環》の力を人々に知らしめることで、人々から欺瞞をなくす。
そうして人々が現実を、真実を直視せざるを得なくなった時──人は変わることを余儀なくされるだろう。俺の望みはその欺瞞の否定と真実を突きつけることにある。
だからこそ俺は教授の思惑とは別にこの計画に協力することにした。そのために結社へとこの身を堕とし、《修羅》と化すことを決めた。その道を阻む者はたとえ女子供であろうと斬ることを決めた。そこに迷いはない。
……だが……ただ1つ、気がかりがあるとするならば──それはヨシュアの存在だろう。
元身喰らう蛇の執行者候補。教授の調整によって高い隠形の技術と戦闘力を身に付け、その戦果から《漆黒の牙》という異名を付けられながらも、執行者になれなかったヨシュアは教授の命令と暗示によりリベールへ記憶と本当の目的を伏せられた上で自覚なく潜入と諜報活動を行っている。
《福音計画》が進められる中で、おそらく教授はヨシュアの暗示を解くだろう。
その時にヨシュアが何を選び取るか……結社への帰属か反逆か、それともまた別の道を選ぶか……いずれにせよ答えは出るだろう。その答え如何によっては俺自身の手で始末する必要があるかもしれない。
だがとうに覚悟は決まっている。
リベール王国でそこに生きる人々がどんな答えを得てどのような道を進むか……その軌跡を見せてもらうとしよう。そのためにはまずは自分に課せられた任務をこなすか、それとも──
「──交差す~る銀の矢~♪ 見つめ合~う瞳に~♪ ~~~……あれ、なんだっけ。音程もちょっとずれてるかな。もう一度……交差すーる銀の矢~♪ 見つめ合~う瞳に~♪ 零れ落~ちる~雫に~誓おう~♪ たとえく~るしめても~♪ たとえきーずついても~♪ 飛び立~とう♪ 風翼に~して~~~♪ お、歌えた歌えた! よーし、それじゃあ次は2番を……」
──隣の部屋から聞こえるアーヤの気の抜ける謎の歌を止めるべきか……悩ましいところだな。
だが悩んだ末に見送りに来てくれたアーヤの気持ちを慮って歌を止めることはしなかった。
──おはようございます。アラミス高等学校から短期留学生としてやってきました。ジェニス王立学園3年生のアーヤ・サイードです。好きな軌跡シリーズのOPは『銀の意志 金の翼』。『碧い軌跡』。『明日への鼓動』。『CRIMSON SiN』です。まあ各シリーズで1つずつで強いて言うならね。実際は大体全部好き。
まあ後は1番最初のOPも好きだけどね。曲ないやつ。あれなんて曲名か分からないけどシリーズ進んだ後で見ると平和感と壮大なシリーズが始まった感があって独特で好き。久し振りに見たくなるけど残念ながら見れないんだよね。ほんと残念。
そしてそのOPをなんで思い出したかって言うと……遂に原作開始時期に差し掛かったっぽいからだ。
もっとも確信があるって程でもないけどほぼ間違いないんじゃないかな。だって帝国遊撃士協会支部襲撃事件も起こしたっぽいし。あれって確か原作始まってから起きてたような気がするしね。なので多分原作が始まった。壮大なシリーズの始まりだってことでさすがの私もテンションはちょっと上がった。正直ゲーム感覚ではいられないんだけどそれでも時たまそういう気分になる時もある。なんだかんだ実際に体験すると感動はするからね。
まあ私は敵側なんですけど……とはいえそれはしょうがない。本当にしょうがないのであんまり気にしない方向で行こう。
──というわけで私は遂にリベール王国にやって来ました~! じゃじゃ~ん!
いやーリベールもね。なんだかんだあんまり来てなかったから来れて嬉しい。最後に来たのっていつだっけ。オジサンと戦争犯罪した時だっけ。嫌な思い出だなぁ……思い出さなきゃ良かった。
まあそれは置いとくとしてもその時は戦争真っ只中で観光する暇もなかったからね。だからほぼ初めてリベール国内を見た訳だけど……最初に思ったのはやっぱり暖かくて過ごしやすいってことかな。
リベール王国は大陸の南西部にあるエレボニア帝国とカルバード共和国と接する小さな国で、こう言ってはなんだけど私の主な生息地域のカルバード共和国とかと比べると大分田舎の国だ。産業も第一次産業が主。まあ導力技術は世界的に見ても高い方なんだけどね。特に飛行船技術がバカ高い。この国は山間部が多くて平坦な道が少ないからか地方同士の移動手段に飛行船が用いられてる。鉄道の多い帝国や導力車の多い共和国とは結構違うね。鉄道は引かれてないし車は殆ど見かけない。
ただとっても自然豊かで街並みも綺麗だ。自然の匂いがする。沿岸部の国だから場所によっては潮の香りもするし、国の真ん中にヴァレリア湖畔というでっかい湖もあるから水がいっぱいだ。そのおかげか魚料理も多くて魚が美味しい。というか野菜とか果物も美味しいし、大抵の食材が結構美味しい。そういえばリベール産の農産物ってかなり他の国にも輸出されてるんだっけ……共和国じゃそう言えばリベール産の野菜はまあまあ良い値段をしてたような気もする。なので料理が美味しい。そして物価も地味にちょっと安い。ついつい色んな店に行ってしまう。
後はなんというか……人が優しい気がする。民度が良いって言うのかな? 共和国や帝国と比べてもなんか空気が穏やかだ。まあ国がでかいんで色んな人がいるのと色んな社会的な問題もあるからしょうがないのかもしれないけどそれにしてもリベールは平和だ。共和国じゃ私の肌を見て嫌な顔をする移民差別主義者をちょいちょい見かけるのにここじゃ全く見かけない。猟兵団の活動も規制されてるのもあって国内でそういう事件もほぼ起きてないみたいだしね。それ以外の事件もまあ……共和国に比べると凶悪性は低いかな? 共和国ってよく人が不審死するしね。あはは……まあマフィアとかがいて物騒だしね。私がボスの《庭園》のせいもある気はするけどそれはごめん。カルバード国民の皆さんにはいつもお騒がせして申し訳ありません……。
まあということで結構良い国だと思う。本当に。あんまり田舎田舎言うのも悪いけど、理想的な田舎国家だ。街も昔のゲームで見ていたのに比べると当然ながらかなり大きいので5大都市は田舎と言っても地方の都市部みたいな感じで結構栄えてるしね。そこまで不便でもない。老後に住みたい国としては1位かもしれない。共和国と比べると娯楽は少ないから若い時は気になるけどそのうちそういう格差もなくなりそうな気もするし。
ただ観光で来るには本当に良いところだ。私はなんだかんだ自然も好きなので景観が綺麗なのは本当に良い。高い建物とかもないから空も広くて気持ちいい。さすがは空の軌跡の舞台。都会で荒んだ心を癒やすには持って来いだ。
ってことで私はこの国に留学生としてしばらく滞在するわけだけど……それとは別にやることもやりたいこともある。
ジェニス王立学園は良いところだし制服も可愛いし、あ、そうそう。クローゼちゃんとも会って話して仲良くなったけどね。すっごく凛々しくて可愛かったし、今度また孤児院に一緒に行く約束はしてるんだけど生憎と今日の用事はそっちじゃないので詳しくはまた今度。今日の休日はジェニスのあるルーアンから離れて飛行船でボース市にやってきた。1人じゃなくて私の秘書であり友達であり彼女のセラちゃんと一緒にね。
ボース市といえばリベール一の商業都市でボースマーケットって言う大きな商業施設──まあ巨大モールが有名で街も大分活気づいている。有名なお店なんかも多いから色々見て回りたい。
ただ今日はまず先に用事を済ませなきゃならないのだ。ってことでレストラン《アンテドーゼ》へ。ここはボース市でも有名な高級レストランだ。ってことでそこで会うのは──
「──初めまして。ボース市市長でボースマーケットのオーナーを務めさせて頂いております。メイベルと申します」
「──初めまして! サイード社社長兼ファッションデザイナーのアーヤ・サイードです。よろしくね!」
──と、レストランで互いに握手を交わす。その金髪の若い美人さんこそ、今当人が口にしたようにこのボース市を若くして切り盛りする市長のメイベルさんだ! やり手の美人さんだ! 隣にはメイドのリラさんもいる! 可愛い! まあこっちの秘書で態々執事服を着せたセラちゃんも負けてないけどね!
「はい。こちらこそよろしくお願いしますアーヤさん。お噂はかねがね。昨年末のイーディスファッションウィークでのご活躍はわたくしも記事にて拝見させて頂きましたわ」
「あ、ほんとですか?」
「はい。カルバード共和国で新進気鋭のファッションデザイナーとして結果を出されているとか。今年には首都イーディスでブランドの1号店となるブティックを開店したとも。そこでの売上も好調だと聞いておりますわ」
「わー嬉しいー! でもメイベルさんも若くして市長とオーナー業の2つで結果を出してるって聞いてますよ!」
「いえ、わたくしは前市長である父から事業権と政治基盤を引き継いだだけですし、何もないところから1代で。それも学生の内からデザイナーとして成功を治めるアーヤさんとは比べるべくもありませんわ」
「あはは、私はただ服を作ってただけなんだけど……でも褒めてくれてありがとうございます」
そしてそのメイベルさんと席について2人でご歓談。というか商談の前の挨拶だね。
というのもせっかくリベールに来たんだからこの機会にリベール一の商業都市であるボース市を見て、ついでにボースマーケットに私のブランドショップを出店出来ないかなーってことでしっかりとアポを取って会いに来たのだ。なのでメイベルさんも世間話もそこそこに「ボース市の誇るボースマーケットへの出店を検討しているとのことで」と、商談に入るんだけど正直私はそんなに難しいことは分からないし、細かいところは決まった後で秘書のセラちゃんとか他のスタッフに任せるから「はい! そうなんです! いけますか!?」としか言えない。
「そうですね。──リラ。テナントの空き状況は?」
「はいお嬢様。今月末に1つ空きが出ますがそこは既に借り入れ予定があります。次の空きは半年後に契約満了予定の店舗が1つありますのでそこでしたら貸し出しも可能かと」
「ありがとうリラ。──そういうことですのでアーヤさん。半年後でしたら一応テナントの貸し出しは可能ですわ」
「本当ですか! やったー! それじゃお願いします!」
「ふふ、アーヤさんは元気が良いですね。もちろん言ったように貸し出すことは可能ですが、契約条項や条件などもありますのでそちらをご説明させて頂ければと思うのですがよろしいですか?」
「あ、はい! それじゃあセラちゃん! 後はお願いね!」
「はい、分かっています。──それではメイベル様。ご説明をお願いできますか?」
「ええ。ではまずこちらの書類から──」
──と、そこからは書類の束を渡されてメイベルさんからの軽い説明が始まるが……うん、正直あんまり分からない! だからセラちゃんに任せた! セラちゃんは学校でも成績優秀だしこういう商談にも私のおかげで慣れてる。知り合ってもとい付き合って2年だけどすっかりかっこ可愛いやり手の美人さんになった。可愛いし優秀だし相変わらず恥ずかしがり屋で触り心地のいいお尻や太腿をしてるので秘書にぴったりだ。社長としての私の仕事は方針を決めることと服を作ることとセクハラをするくらいで済む。なので私は一応話は聞いて相槌を打ちながらも運ばれてきた美味しいご飯に舌鼓を打っていた。何となく話は良い感じに進んでいるような気がするし順調だ。まさかの外国にも出店! ふふん。私のブランドも大したものだよね!
「──ええ。問題ありませんわ」
「はい。そのようにお願い致します。──社長も、それでよろしいですか?」
「んー♪ 美味しい~♪ ──あ、うん! もちろんいいよ! お願いしまーす!」
「ふふ、分かりました。ではこちらの契約書にサインをお願い致しますわ」
「はーい。さらさらさら~っと。これでいいの?」
「はい。確認致しましたわ。──これにて契約成立ですわね」
そしてなんかいつの間にか商談も終わってサインを求められたので言われた通りに書いたのだが、それでどうやら契約成立らしい。ってことで半年後にはこのボースマーケットに新しく私のブランドである《SAID》ショップが開店することになる。ふっふー! やったー! これでまた一歩前進だ!
「ありがとうメイベルさん! あ、お礼に何かしましょうか? オーダーメイドの洋服とかどうです? 今なら格安でしかも早期に納品しますよ!」
「ありがとうございます。そうですね、アーヤさんのデザインする服というのも興味がありますし、頼んでもいいでしょうか?」
「それはもちろん! 採寸させて頂いて希望も言ってくれたらすぐにでもデザイン書きます! なんなら今からでも!」
「いや社長……御言葉ですがもう限界ギリギリで……」
「大丈夫大丈夫! 今日デザイン描いて帰ったら型紙引いて明日には仮縫いして明後日までに完成させればいいだけだし。ほら間に合う!」
「はぁ……また無茶苦茶なスケジュールを……分かりました。お好きにどうぞ」
「うん、いつもありがとねセラちゃん。ってことでメイベルさんもうちょっと時間あります?」
「え、ええ。わたくしの方は問題ありませんが……その、いいのですか? スケジュールが厳しいようでしたらわたくしの方は機会を改めますが……」
「いえいえ、大丈夫ですよー。いつもの事ですし、これも知り合った記念かつ私の腕前を知ってもらう良い機会ですし。ってことでちょっと希望を聞いてから採寸しに行きましょう!」
「……ええ。分かりました。それでは御言葉に甘えさせて頂きます。よろしくお願いしますね」
そして商談が終われば私の仕事は次にメイベルさんの服を作ることだ。仲良くなった記念にね。セラちゃんはスケジュールが厳しいって苦言を言ってくれるけどまあなんとかなるでしょ。作業スピードには自信がある。昔っから鍛えられたおかげでね。普通なら一着に最低でも1か月は余裕でかかるところを……まあ頑張れば3日くらいで出来なくもない。私って服飾に関しては天才だからね。身体能力とかも達人とは比べるべくもないけどかなり高いんでこれくらいの無茶も出来るのだ。でもさすがにキツいのでマキナとかセラちゃんにも手伝ってもらうことにはなる。他の衣装もあるからね。いっぱい服作れて充実してて良いよねー。
ってことでそこからはメイベルさんの市長邸で採寸なんかもしてもらって希望も聞いたのでその場で何枚かデザイン画を描いた(ちょっと悩んだのでインスピレーションを高めるためにセラちゃんとちゅっちゅしながら)のでそれを見て決めてもらった。よしよし、これで後は型紙引いて縫うだけだね!
──って、思ったけどちょっと困ったことがあった。それは……。
「素材が……素材がない……」
「だから言ったじゃないか……まさか衣装にシャイニングポムの素材を使おうとするなんて素材の調達に困るのは目に見えてるだろう?」
「だってだって! しょうがないじゃん! 浮かんじゃったんだから! 素材を気にしてちゃ良いデザインは思いつかないし良い衣装も出来ないし!」
「それは理解を示すけれど……じゃあどうするんだい?」
そう。素材がない。シャイニングポムというレアな魔獣の素材を私は使うことにしたんだけど当然ながらレアなので調達は簡単じゃない。
いやほんと、どうしようね。街道に出て自分たちで探してみる? それか誰かに頼む? いやでもなぁ……正直時間が足りないんだよね。2人で探すにしても手が足りないし……もう少し人手が欲しい。もしくはもういっそ誰かに頼みたい。どっかに都合の良い人いないかな。こんな外国人の手伝いをいきなりしてくれる親切な人が。まあさすがにいるわけないんだけどね。仕方ない。頑張って自分たちだけで──
「ねえ、どうかしたの?」
「? ──ああ、うん。ちょっとねー。メイベルさんの衣装を作るための素材がなくてさー。ある魔獣の素材が必要なんだけど集めるにはちょっと人手も時間も足りなくて」
「メイベルさんの衣装を作るって……服屋さんでもしてるの?」
「デザイナーだからね! カルバード共和国で今1番話題のファッションデザイナー、アーヤ・サイードと言えばこの私のことよ!」
「へぇ~ファッションデザイナーって、要は洋服を作るお仕事よね? 洋服屋と何が違うの?」
「
「付け加えるならお客の要望を聞いて直接服を仕立てるのだから彼女はオートクチュールのファッションデザイナーね。普通の店で売られているような既製服とは違うオーダーメイドの衣装を仕立てる職人で、お客の中には貴族や政財界の人間なども多くいて、高いものだと一着100万ミラ以上もするらしいわね」
「ひゃ……100万ミラ~~!? 服一着に!?」
「おお、よく知ってるねー。確かにそれくらいはしちゃうかなぁ~。最近は特にデザインが評価されてきてるからさ。芸術品と同価値だから良い衣装に良い生地や糸を使って装飾までこだわりだすとそれくらいしちゃうんだよね」
「あ、あたしの服なんて一着1000ミラもしないのに……」
「一応比較的安めの既製服も売ってるけどね。それでも最低で5000ミラくらいはするけど良かったら今度お店も出来るから買ってみてね~……って……」
……あれ? なんか急に声を掛けられて普通に話しちゃってるけど……なんか見覚えが……。
私は表情を止めて改めて私に声を掛けてきた3人を見る。1人は私と同じ中東人で銀髪の色気あるお姉さんで、1人はめちゃくちゃ見覚えのある黒髪の少年。そしてもう1人は明るい栗色の長い髪をツインテールにまとめた活発そうな少女だ。
「…………」
「? あれ? どうかした?」
「……あ、ああ。うん。私と同じ中東人ってこの国だと珍しいなーって思ってさ」
「あ、確かに。肌の色も似てるし髪色も少し違うけどシェラ姉に似てるわよね」
「そうね。確かにこの辺りではあまり見ないわ。共和国じゃそこまで珍しいものでもないけれど」
「まあそうだね。リベールには来たばかりだけどあんまり見ないから珍しくなっちゃって」
「それじゃ共和国の人なんだ。それでメイベルさんの服を仕立てるための素材がなくて困ってるのね?」
「そうそう。だからどうしたもんかな~ってね」
「なるほどね。それなら……あたし達に任せてみない?」
私はボロを出さないように何とか我慢しつつ流れで会話をしながら、更に続いたその流れに我慢出来ず内心だけで叫んだ。その少女の頼もしい言葉の後で。
「えっと、アーヤさんだっけ。あたしエステル・ブライト。あたし達、遊撃士なんです。だから困ってるなら力になれると思うわ」
「ヨシュア・ブライトです。もし良ければお手伝いさせて頂けませんか?」
「シェラザード・ハーヴェイよ。まあこの子達はまだ準遊撃士だけどね。それでもお力にはなれると思うわ」
──え、ええええ、エステル・ブライトだー!!? きゃ────!!? 主人公来ちゃった────!! しかもヨシュア君もいる──!! き、気づいてない……よね? うん、気づいてない。それは良かった……けどエステルとヨシュアが揃ってる──!!? うわ──!! そしてシェラザード・ハーヴェイもいる──!! 主人公パーティが──!! ど、どうしよう!? 声掛けられてしかもなんか依頼する流れになってるんですけど──!! 隠しクエストかな? それともメインストーリー? どっちにしてもやば──い!! 遂に関わってしまった──!! うわ────!!
──そうして私は遂にエステル・ブライトと出会い、流れで彼女たちに依頼をすることになった。
※残念ながらメインストーリーです。最初なのでまずはジャブで。次回はエステル視点をやりつつまた学園編です。お楽しみに。
後今日公開された界の軌跡のWebCM第二弾に新しい執行者っぽい褐色ギャル配信者がアーヤちゃんと相性良さそうだなって思いました。
感想、評価、良ければよろしくお願いします。
ちなみにファルコムさんは楽曲を著作権管理団体に委託してないので歌詞とか普通に使えるらしいです。なので楽曲コード載せてません。というかないです。利用規約はちゃんと承知してるのでご安心ください。