TS不幸少女のゼムリア大陸災難記   作:黒岩

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空を見上げる不幸

 ──思えば疑問だった。

 

 結社の執行者の中でも頼まれた仕事以外は決して関わろうとしないアーヤが、何故今回の《福音計画》に参加したのか。

 何らかの目的があることは明らかだったが、あえて聞き出そうとは思わなかった。

 他の執行者や俺と同様、個人的な理由であるならばその理由に踏み込むことは憚られる。特にアーヤの場合はその闇が非常に分かりにくい。その過去に安易に触れるようなことはできないと俺はその理由を考えないようにしてきた。

 しかし何か理由はあったのだろう。それはあいつの言葉からも少しだけ見えてきた。アーヤの過去。教団の件。教授のこと。レンのこと。もしかしたらヨシュアのことも気にかけていてくれたのかもしれない。

 そして俺のことも……おそらくは気にかけてくれていたのだろう。

 俺の目的が叶うようにとあいつは言っていた。そして俺とヨシュアの決着がついた後は、結社から抜けることはできないと言いながらもすぐにヨシュアたちの味方をしていた。

 

 そして……俺のことを最後に庇った。

 

 《輝く環》の絶対障壁。それを破壊し、異形となったワイスマンの攻撃に、俺を庇って突き刺されたアーヤを見た時……俺の脳裏にはカリンの姿がよぎった。

 弟であるヨシュアを庇って亡くなったカリンと同じように。アーヤは俺を庇って血を流し、底の見えない奈落へと落ちていった。

 救いたかったという言葉と、穏やかで満ち足りたような表情を残して。

 

 とうに冷めきったはずの俺の心が……久方振りに、痛みを感じた。

 

 だが目の前にいるワイスマンを打倒するために。そして俺自身も怪我を負い、すぐには動けなかったがゆえに……俺は一度そちらに注力することになった。

 

 そして……ヨシュアとエステル・ブライト。その仲間たちは見事、天使となったワイスマンを倒してみせた。

 ワイスマンは直ぐ様逃走を図ってその場から消えてしまったが……それを追いかけようとは思わない。今の俺には、それよりも重要なことがあった。

 

「レーヴェ!」

 

 激戦を制したヨシュアたちが、穴の縁に立つ俺の元に駆け寄ってくる。俺の傷の心配もあるのだろう。

 

「怪我は大丈夫なの!?」

 

「……ああ。負傷はしたが致命傷ではない。あいつのおかげでな」

 

「あ……」

 

「すぐに助けに行きましょう! 今からでも降りて治療を行えば……!」

 

 俺の言葉にエステル・ブライトは何かを察し、クローゼ・リンツは直ぐ様救助へ向かうことを提案した。その様子は明らかに冷静ではない。

 

「で、でもどうやって下に行けば……」

 

「……駄目だ。クローゼ・リンツ」

 

「何故ですか! 今からなら間に合うかもしれません!」

 

「……《輝く環》というこの浮遊都市を維持してきたエネルギー源が失われた以上、都市が崩壊するのも時間の問題だ」

 

「! そ、そんな……」

 

「じゃあ、アーヤを助け出す時間はないってこと……?」

 

「……少なくとも今から下に続く道を探す時間はないだろう」

 

 俺はその現実を教える。

 直にこの浮遊都市は崩壊する。

 エステル・ブライトたちがこの下に続く通路を探し出し、アーヤを見つけ出すことは不可能に近いだろう。

 そして、仮にそれが出来たとしても生きている可能性は薄い。

 

「……そんな……」

 

「最後の最後だってのに……」

 

「でも確かに……あの傷じゃ生きてる可能性は……」

 

「…………」

 

 そしてその事実を理解し、誰もが沈んだ表情を見せていた。

 

「ねえ、レーヴェ。アーヤは……本当にもう……」

 

「……ああ。通常なら死んでいるだろう。──だが、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え……」

 

 そう──それがアーヤでなければだ。俺は決意し、ヨシュアたちに告げる。

 

「俺ならここから直接跳び下りることができる。俺がアーヤを見つけ出してこよう」

 

「ほ、本当ですか……!?」

 

「で、でも時間は……それにその傷で跳び下りるなんて……本当に大丈夫なの……?」

 

「そうだよレーヴェ! その傷じゃ危険だ! それに……ここから無事に跳び下りれたとしても、アーヤが生きていて、見つけ出せる可能性は……」

 

「ああ。あいつに()()()()()()()()()()()……生きていることも含めて、可能性は限りなく低いだろうな」

 

「だったら……そんなことをすればレーヴェまで……!」

 

「っ……!」

 

 俺の言葉に希望を見出したクローゼ・リンツも、エステル・ブライトやヨシュアの懸念を聞いて言葉を失う。大事な人を助けたいが、それで誰かが死ぬような選択はできない。全員がそう思っている。遊撃士としても人としても正しい選択だ。

 しかし、この場合は見誤っていると言う他ない。

 

「勘違いするな、ヨシュア」

 

「え……? で、でも……!」

 

「俺はこんなところで死ぬつもりはない」

 

 戸惑うヨシュアに俺は告げる。俺の新たな意志。見出した新たな道を。

 

「お前たちに答えを教えられ……そして、あいつに命を救われた。俺の命はもはや、俺だけのものではない」

 

 成長した弟分やその隣に立つ者たちのためならいつ死んだって悔いはないとそう思っていた。

 だが今は違う。

 

「だからこそ俺はここに……この剣に誓おう──ヨシュア。そして……エステル・ブライト」

 

 俺は俺の剣をヨシュアらの方へ突き出し、そして誓う。

 俺自身にも戒めるように。

 

「俺は必ず──また生きて、お前たちと再会を果たす」

 

「!!」

 

 そう、生きることだ。

 俺もあいつも、まだ死ぬわけにはいかない。生きることを必要とされている。

 大事な弟分たちや、恩人の力にならなければならない。

 

「そしてまたいずれ……お前たちが更なる困難に立ち向かうのなら──その時はこの《剣帝》が必ずやお前たちの力となろう

 

「あ……」

 

「レーヴェ……」

 

 だからこそ俺は──今この時になっても、不思議と希望を感じていた。

 そう、必ず俺は生きてヨシュアたちと再会する。

 アーヤがあれしきのことで死ぬはずがない。必ず生きている。今ならまだ間に合うと、そう信じていた。

 

「……そっか……信じていいんだよね?」

 

「ああ。約束しよう。またいずれ必ず再会し、共に戦うと」

 

「……わかった。信じるよ」

 

「ああ。エステル・ブライト。それまで俺たちの大事な弟を頼む。それと……お前の成長も楽しみにしているぞ」

 

「! ……ええ、約束する。言われなくてもそうするつもりだったけどね。それにこれからはもっと強くなってみせる。……だから……あたしも、今度会う時を楽しみにしてるから。……絶対に会いに来なさいよね!」

 

「ああ。約束しよう」

 

「……アーヤ先輩のこと、その、よろしくお願いします」

 

「ああ。クローゼ・リンツ。アーヤはあれしきで死ぬ奴ではない。そして死んでいい人間でもない。全力を尽くして救うと誓おう」

 

「……はい。私もそう信じています。ですからどうかご無事で。また会いましょう」

 

「レーヴェ! 絶対死ぬんじゃないわよ!」

 

「アーヤを助けたらまた会おう! 待ってるから!」

 

「ああ──また会おう」

 

 弟分のことをエステル・ブライトに託し、更にクローゼ・リンツとも約束する。

 そして最後にその場にいる面々に別れと再会の言葉を送り、俺はその奈落へと自ら飛び込んでいった。

 その落下の中で、俺は自然と浮かべていた笑みを消し、意識を集中させる。アーヤを見つけるために。

 

 ──アーヤ。お前は死ぬべき人間じゃない。お前が死ねば悲しむ人間がいる。

 だから……無事でいてくれと。俺はそう願い、暗い闇の底に潜っていった。

 

 

 

 

 

 ──その時、声が聞こえた気がした。

 

 ……馬鹿な……そんな馬鹿な……こんな事態……《盟主》の予言には無かった……こんなことになるなら……あの娘の力も使っておけば……。

 

 ……オレの本当の任務は《輝く環》の調査やない。最悪の破戒僧、ゲオルグ・ワイスマン──あんたの始末というわけや。

 

 ……おのれっ……狗があああッ! 

 

 ……フフ……聞いているかもしれないけど僕の役目は『見届け役』なんだ。計画の全プロセスを把握し、一片の例外なく《盟主》に報告する。

 

 ……《身喰らう蛇》──まだまだ謎が多そうや。

 

 ……さてと……これで僕の役目も終了だ。落とし物も回収できたし、そろそろ帰るとしようかな。

 

 ……それにしても本当に《破戒》の言う通りになるなんてね。やっぱり君は飽きないよねぇ。

 

 ……カンパネルラ……何故貴様がここにいる。

 

 ……あ、《剣帝》。うわぁ、まさか君がそこまで傷つく結果になるなんてね。

 

 ……俺のことはいい。それより……もしやアーヤを見つけたのか? 

 

 ……ああ、うん。君の推測通り生きてはいるから助けたいなら急いだ方がいいかもね。まあ、その必要があるかどうかは疑問だけど♪ 

 

 ……何……? 

 

 ──うーん……なんか幻聴が聞こえる気がする……ああ、いや、これは夢かもしれない。目の前には塩と長ネギとソーセージがあってそれをフライパンで料理してる。さっきまではなんか色々聞こえた気がしたんだけど今はなんか楽しいというか、良い感じの眠りの中だ。

 ということは……もしやこれは明晰夢? 夢と理解している夢? ならやりたい放題ってことでは? よーし、それなら今すぐに可愛い女の子とイケメンを用意して好きなだけえっちなことするぞー! ほら、出てこーい! 

 …………いや、なんで出てこないねーん。おかしいなぁ……さっきまでは夢っぽくて何でも願いが叶う気がしたのに……。

 というか待てよ? 私って今どうなってんの? ちょっと思い出したけど、私って死にかけなかったっけ? ほら、気色悪いワイスマンの攻撃からレーヴェを庇ってさ。怖かったけどレーヴェを救うためならってことで咄嗟に動いてみたけど、なんか想像より強くて普通に身体に刺さって、痛あああああああああああああああ!!? ──ってなった。そうして即死級攻撃食らってなんか吹っ飛んだ気がする。でもレーヴェは救えたような気がしたんでちょっと安心しながらも気を失って……そして気づけば今って感じかな? で、どうなってるの? レーヴェは? エステルちゃんやヨシュアくん、クローゼちゃんたちはどうなった? まだ戦ってるかな? それなら加勢しに行った方がいいかもしれない。それか戦いが終わった後なら念の為面白くない教授が生き残らないように暗殺しに行くのもいい。よくよく考えたらあいつを生かしといて良いことないし。今なら多分やれそうだし──で、だから今どういう状態なの? ちょっと身体動かしてみようかな。よいしょっと──。

 

「──ふわぁ……ああ……?」

 

 ということで目を明けて身体を起こしてみれば、普通に起きた。……あれ? もしかして本当に寝てただけ? 

 ははーん……さてはあれだな? 夢見てるかと思いきや普通に目覚めててただ妄想してただけのやつだな? たまにあるよね。夢かと思ってたら普通に起きて考えてるだけっていう。浅い眠りのときに多い。私はそれを見てたわけだ。

 

「まあそれは良いとして……怪我の状態は──あ、なんか治ってる!」

 

 寝てる内に普通に目覚めて起きてたということが分かったので次は身体の確認をしてみるも──私の身体は相変わらず健康そのものだった。お腹がぐしゃってなっただけだからか服もそんなに傷ついてないし……うん、何も問題なし! 

 

 ……いや、おかしくない? 何で無傷なの? 

 

 ワイスマンのあの攻撃は即死級の威力だったし、あんなに大怪我をしたら幾ら私でも回復しきるまで数日はかかるはずなんだけどなぁ……どういうことだろ。なんか気が付かない内にめちゃくちゃ回復するアイテム的な料理でも食べたかな? それか薬か。もしくは導力魔法? ティア・オルかアセラスでも使った? 

 …………ま、いっか。無傷なら別にそれで。深く考えたところで分からないし、私の身体がなんかおかしいのは教団に実験されてからは日常茶飯事だしね。多分あれだ。即死の状態異常だったんで効かなかったんじゃない? 私、即死無効のアクセサリー付けてるし。土壇場マペットも付けてるからその効果で復活したんだ! あー理解理解。考えたところで分からないと思ってたけどなんか普通に答え出た。やっぱりアクセサリーって大事だよね。これからもちゃんと即死無効とマペットは付けとこうっと。やっぱ死ぬのが1番怖いからね。これさえ付けとけば安心安心。……でも使ってしまったからか、もうなくなっちゃったから次からは今まで通り気をつけないとね。こんなことはもう二度としない方向で行こう。

 

「さて、そうと分かったらさっさと脱出──って、あれ?」

 

 疑問がなくなったところで私はその場から帰ろうと足を進める──だけどその瞬間。なんか浮遊感が来た。

 あれ? もしかしてまた夢? そういえばさっきからなんか揺れてた気もしたような……と、私はさっきまで自分がいた場所と自分のいる場所を見る。

 

「……………………あっ」

 

 ──そして気付いてしまった。

 

 私のいる床が()()()()()()()()()()()()()

 そして気づけばなんかさっきまでは暗かったのに青空。わー空きれーい。太陽の光気持ちいー。風も良い感じー。

 

 ……いや、そんなこと言ってる場合じゃないか。ってことでほら、いつもの行くよー。さん、はい──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああ──!!!?」

 

 ──そうして私はその日……空から落ちた。

 

 浮遊都市リベルアーク……その都市の崩壊……それによる推定一万アージュの高みからの自由落下。飛び降り自殺にしても高すぎる。スカイダイビングかってくらいの高さから。幾つもの都市の残骸と共に。

 

「──!!!」

 

 ──空を見上げて……再び強い衝撃によって気を失った。

 そしてその直前。空の軌跡SCの最後に私は思った──落下落ちなんてサイテー!! せめてキスさせろー!! いやああああああああ!!! 今度こそ死ぬうううううううう!!! こんなんでエンディング行けるかー!! ぎゃあああ──()()()()()()……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──だけど私の空の軌跡SCは……そこで終わりじゃなかった。

 

「──起きたか」

 

「…………あれ……? レーヴェ……?」

 

 気がつけば、私は明かりのある闇の中。夜の砂浜で目を覚ました。

 近くには焚き火があって、レーヴェがそこにいた。私はゆっくりと起き上がって──って、うわぁ!? かけられてるのレーヴェのコートだ!? これが彼シャツってこと!? いや別に彼氏でもなんでもないけど! いや、それよりも──。

 

「レーヴェ……生きてたんだ」

 

「……ああ。お前のおかげでな」

 

 レーヴェはいつも通り冷静にそう言う。おお……レーヴェが生きてる……影の国とかじゃないよね? ちゃんと生きてるよね? ってことは……やったー! レーヴェ救出成功! 生存ルートだー!! いえーい! さすが私! やればできる子! 

 

「良かったぁ……あっ、ってことは私のことも落ちる直前にレーヴェが助けてくれたんだ!」

 

「…………いや、確かに助けようとしたがな。俺がお前を引き上げたのは湖に落ちた後だ。結社の小型飛空艇を使ってな」

 

「あ、そうなんだ。じゃあその後はえっと……しばらく眠ってた感じ?」

 

「ああ。気を失って水を飲んでいたお前を引き上げ、さっきまで蘇生を行っていた」

 

「なるほどね。──でもお互い無事で良かったね! レーヴェが生きていてくれて私嬉しいよ!」

 

「……………………」

 

「って、あれ? どうしたの?」

 

「……フッ、いやなに……呆れた丈夫さだと思ってな。まさかあれだけの怪我を負い、浮遊都市から落下し、溺れてなお生きているとは……」

 

「今度の今度は私も死ぬかと思ったよ。──まあでも生きてたんだからヨシ!」

 

「ああ、そうだな」

 

 なんか一瞬反応が悪かったというか珍しく面食らってたけど、すぐにレーヴェはクールに笑ってくれたので良かった。なんだかんだで互いに無事を喜び合う。

 

「──改めて礼を言わせてもらう。お前のおかげで……俺は命を救われた」

 

「ふふん! 感謝してくれていいよ!」

 

「だが……ああやって自分を犠牲にすることはあまり感心しないな。次からはもっと自分の身も大事にしろ。お前が死ねばお前を大事に思っている人が悲しむことを忘れるな」

 

「あっ、はい……ご、ごめんなさい……」

 

「まったく……」

 

 レーヴェから改めて礼を言われたので誇らしく胸を張ってみたが、その直後にすぐレーヴェに怒られる。なんか珍しく結構強めに感情出てる気がするけど気の所為かな。まあでもそれもいいか。生き残ったことできっと前向きに、これからはエステルちゃんやヨシュアくんと一緒に和気藹々とした生活を送るんだろうし(願望)! 

 

「……だが、そうだな。お前には謝罪しなければならないこともある」

 

「え、今度は何?」

 

 そしてまたレーヴェは改まって私に謝罪したいと言ってくる。……謝罪? そんなのある? 何もない気がするけど……でもレーヴェって細かいことも気にするタイプだからね。きっと何か大したことないことがあるんだろう。一応聞いてあげよう。で、多分普通に許そう。なんの話かなーっと。

 

「ああ……お前の蘇生を行った際、()()()──」

 

「──おう。もう目を覚ましてるみてぇだな」

 

「──あ、うん。もうすっかり元気、に……」

 

 ──しかしそのタイミングで近くに停められている飛空艇の方から近づいて声を掛けてきた人物に、私は固まる。そして、すぐに笑顔を消してジト目を向けた。

 

「……なんでオジサンがここにいるの」

 

「そりゃお前を迎えに来たに決まってんだろ? クク、何を隠そうお前を引き上げるために小型飛空艇を動かしたのもお前を助けるためにギリギリまで粘るレーヴェを浮遊都市から救ったのも実は俺なんだぜ? 素直に感謝してもらいたいもんだがなぁ?」

 

「うっ……そ、そうなんだ……」

 

「……………………」

 

 そう、そこにいたのは《破戒》のオジサンだった。うわぁ……なんでオジサンがリベールに……なんで迎えに来てるの……? 保護者だからってか? いやいや、別にオジサンの子供じゃないんだから迎えに来てもらわなくても別に良いんだけど……というか本当に? そのためだけ? 助けてもらったっぽいのはまあ感謝してあげなくもないけど……ってことで一応感謝はしよう。

 

「……まあそのことはありがとう。──でもなんでここにいるかの理由にはなってない! もしかして最初からいたりした!?」

 

「ハハ、そんなことねぇよ。ちょいと野暮用もあってな。近くまで来てたんでついでに迎えに来てやっただけだ。いやー来てみたら驚いたぜ。浮遊都市があってそこでレーヴェがお前のことを助けようと必死になって動いてたもんでな。俺も保護者として助力してやったんだ。中々スリリングな経験だったぜ♪」

 

 うわぁ……白々しい……絶対嘘だ……何が本当かは分からないけどそんなわけないし……きっと他に何か理由があったんだろう……オジサンが動く時って絶対悪巧みしてるからね。でもそれが何かまでは分からないからたちが悪い。

 とはいえ……まあオジサンがいなければレーヴェも死んでたってことになるなら、確かに救ってくれたことはありがたいことだし、まあもう少し感謝してあげてもいい。

 

「……はぁ。ま、いいよ。何が理由かは聞かないでおいてあげる。今回は本当に助けられたみたいだしね」

 

「おう。ならオジサンの頼みも聞いてくれるな? ちょうど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ああ、うん。別にいいけど……って、え?

 

 私はその頼みを軽く引き受けて──だけどその言葉の意味が理解出来ずに頭に疑問符を浮かべる。

 そしてオジサンは楽しそうに告げた。相変わらず葉巻を蒸しながら。

 

「おかげでオジサン、ちょいとばかし金欠なんだ。まあ一応面倒見てるガキのやったことだから代わりに支払うのは仕方ないとして……保護者としては、そのケジメはしっかりと子供に付けてやらねぇとなぁ?」

 

「…………あ、あー……えーと、オジサン! 本当にありがとね! やっぱりオジサンは頼りになるなー! さすが保護者! もうこれ実質お父さんだよ! ってことでパパ! ありがとね!」

 

「それほどでもねぇよ。つーことでお前に幾つか任せたい仕事もあるんでな。学校の卒業式が終わったらすぐに俺と一緒に来てもらうぜ?」

 

「……………………マジ? 今から?」

 

「そりゃあもちろん──」

 

 そうしてオジサンは言った。グッとサムズアップをした上で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──大マジに決まってんだろ?」

 

「アッハイ」

 

 ──ということで私は結社を抜けるレーヴェに再会の約束と別れを告げて、オジサンと共に小型飛空艇で家に帰ることになった──いやああああああ!!? レーヴェ助けてー!! 私また仕事に忙殺されるー!! 最後にレーヴェがオジサンに()()()()()()()()()()()()()()()その程度じゃ意味ないー!! また悪どいことに巻き込まれるー!! 結局最後は不幸になるんだー!! でもレーヴェは救えて本当に良かったー!! うわあああああああああん!!!




ということで空の軌跡SC完! お付き合いいただきありがとうございました! 続いては空の軌跡3rdをちょびっとやりつつ零の軌跡&閃の軌跡編に入りますのでこれからもどうぞアーヤちゃんを応援よろしくお願いします!

感想、評価、良ければよろしくお願いします。
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