遊戯王 スノーホワイト/ブラック   作:xxxg

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序章だよ、全員集合!編
第一話 「○星さんの名言はやっぱり『おい、デュエルしろよ』」


「俺は《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》でダイレクトアタック!ダークネスメタルフレア!!」

「イワ―――クッ!」

 

 

LP2800→LP0

 

 

 全身を鋼で覆われた黒き龍が吐き出した禍々しい炎が対戦相手に襲い掛かる。が、もちろん立体映像(ソリッド・ビジョン)。リアルなダメージは発生しない。

 ここは某都道府県に位置する詠留町(えいるちょう)。そこのデュエルアカデミア。その昼休み。校庭のあちこちで学生たちがデュエルをしている。そんでもって今敗けたのが当作品の主人公、白雪姫(しらゆき)フユ(注:性別 男)。ちなみに町名の理由は作者が「藍井エイル」のファンだからとかそういう理由ではない。リメイク版にあたって漢字辞典を適当に開いて目に付いた文字をくっつけただけである。

 

「ほんと、相変わらず強いね龍一」

 

 苦笑しながらフユは起き上がった。

 

「相変わらずお前が弱過ぎンだよ」

 

 彼は坂木(さかき)龍一(りゅういち)。フユの友人の一人で中学で知り合った。

 ちなみにデュエルが終わった直後の二人のLPがこれ。

 

 

フユ LP0

 

 

龍一 LP8000

 

 

 今敗けたのが当作品の主人公、白雪姫 フユ。(大事なことなので、二回言いました。) 

 

「ねえ」

 

 フユに声をかけてきたこの少女は霧谷 千鳥(ちどり)。多分、フユとは最も付き合いが長い。

 

「普通LPって4000でスタートなんじゃないの?」

「この小説はできる限り現実に沿ったルールでやっていきます」

「うん、明らかに私じゃなくて読者の方々に行ってるよね、それ」

 

 言って千鳥は半眼になる。直後、昼休み終了五分前の予鈴が鳴り響いた。

 

「っと。俺は先に行ってっから」

「うん。じゃあまた放課後ね」

「おう」

 

 そう言い残し、龍一は校舎の方へ駆けていった。龍一の姿が見えなくなると千鳥はフユに尋ねてきた。

 

「アンタって昔はもっと強くなかったっけ?」

「気のせいだよ。・・・それにもしそうだったとしても、昔は昔さ」

 

 フユは即答した。

 

「そ、じゃ、私たちも行こっか」

 

 千鳥もこれ以上詮索する気はないのだろう、笑顔で言った。それに対してフユも微笑む。

 

「そうだね」

 

 こうして長身長髪の少年と緑がかった髪を腰まで伸ばした巨乳美少女もまた、校舎の中へと姿を消していくのだった。

 

 

 

 放課後、フユと千鳥は担任から荷物を職員室まで運んだりといった用事を頼まれて、少々周りの学生よりアカデミアを出るのが遅れた。

 

「アンタも何でもかんでも頼みごとを二つ返事でOKしないでよね。ホンットお人好しなんだから。高確率で私まで巻き添えくらうし」

 

 千鳥が不満そうに愚痴をこぼす。

 

「ゴメンゴメン」

 

 フユも苦笑い。二人は校庭へと歩を進めたが、売店の前を通り過ぎようとしたとき、千鳥が立ち止った。

 

「どうしたの?」

「ねえ・・・焼きそばパン一個90円とシュークリーム五個入り100円・・・。どっちが得だと思う?」

「そんなことより、急いだ方がいいと思うんだけど・・・・・」

 

 そんなこんなで売店の前で10分近く口論をしあう二人なのでした。

 

 

 

「にしても龍一、待たせちゃったなあ」

 

 フユが半ば独り言のように呟いた。

 

「まあ彼のことだから適当に相手見つけてデュエルしてるんじゃないの?」

 

 と千鳥の方は楽観的。

 そして二人が校庭までやってきたとき、二人の目に信じられないような光景が映った。

 確かに龍一はデュエルをしていた。だが問題はその対戦相手だ。筋肉質な体型、着崩した制服、悪趣味な笑顔。おそらくこのアカデミアの不良生徒の一人だろう。龍一のフィールドはがら空き。一方相手の方は《神獣王バルバロス》が一体。

 

 

龍一 LP1800

 

 

不良 LP6300

 

 

「オレは《神獣王バルバロス》で攻撃!!トルネード・シェイパー!!」

 

 

龍一 LP1800→LP0

 

 

 衝撃で倒れた龍一の元に対戦相手が歩み寄る。

 

「ケッ、テメー如きにゃもったいねえカードばかり使いやがって」

 

 それを聞いた龍一は

 

「何だと!?」

 

 と言って掴みかかるが、もろに蹴りを受けて地に倒れる。

 

「龍一!!」

 

フユと千鳥は龍一のもとへ駆け寄った。そして不良の嘲笑う声が聞こえてくる。

 

「ヒャハハハハ!!弱ェ、弱過ぎるぜ!!」

 

 フユがキッと睨み付ける。

 

「彼があなたに何をしたっていうんですか!?」

「別に何もしちゃいねぇさ。ただちょいと一年坊に教えてやろうと思っただけさ、ここでのルールをな」

「ルール?」

「そうだ。ここではデュエルの強さがものをいう、弱肉強食の世界だ。弱い奴は何をされたって仕方ないのさ。ヒャハハハハハハハハハ!!!」

 

 不良の叫びがこだまするが、その光景を見ている周囲の生徒は何も言えなかった。

 ただ一人を除いては。

 

 

「それがここのルールなんですね?なら・・・、おい、デュエルしろよ」

 

 

「いや、どこのカニ頭主人公だテメーは」

 

 不良生徒は呆れたようにツッコんだ。

 

「僕が勝ったら彼に謝ってください」

「いいぜ。だが、お前が敗けたらどうすんだよ?」

 

 ニヤニヤした顔で聞いてくる不良に対してフユも薄く笑って答える。

 

「僕が敗けたら、ま、土下座でもなんでもしてあげますよ」

「面白れぇ、乗ってやるぜ」

 

 二人のやり取りを聞いていた千鳥と龍一はここで初めて声を上げた。

 

「やめとけよフユ!俺に勝てないお前じゃそいつには勝てないに決まってんだろ!!」

「そうよ!アンタじゃ無理・・・」

 

 そこまで言われた時、フユは彼らの方を振り向いた。

 

「大丈夫だよ」

 

 この状況でも彼は優しく微笑んでいる。

 

「絶対に勝つから。・・・それに、」

 

 そこでフユは下卑た笑みを浮かべる不良の方を向いて、打って変わって真剣な顔つきになる。

 

「デュエルを汚されて、友達まで傷つけられて、何もしない程僕はお人好しじゃないよ」

 

 しかし少年は、いや、ここにいる誰もが知る由もなかった。このデュエルがこれから始まる、正直作者も何年かかるかわからないぐらい長い壮大な物語の序章でしかないことを・・・・・・。

 

 




 どーも、多分皆さん始めまして。
 えー、作者も全遊戯王SSを把握しているわけではありませんが、主人公の記念すべき第一声があの叫びなのはうちぐらいじゃないでしょうか?
 第一話を読んで「酷いなw」とか思われた方、ご安心ください。もうこれ以上下はありません、上がっていくだけです。どうか原子レベルで期待しておいてください。
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